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2011年8月25日 (木)

再生エネ法案に後ろ向きな経産省

 再生エネ法案が衆議院を通過します。風力発電など再生エネ事業者が発電した電力の買取りを、電力会社に義務づける法案です。再生エネの普及に弾みをつけることが狙いです。

 ところが、この法案を骨抜きにしようとしている原子力村住人がいます。

 この法案を実行するためには、電気料金の値上げが必要になります。経産相はこの値上げ分を1キロワット当たり0.5円を超えないように制度を運用するようです。標準家庭の場合、10年後の負担増加額は1ヶ月当り150円のようです。なんと国民思いの経産相ですね。ペットボトル1本分ですよ。この試算によると、再生エネの発電比率は、現行の10%から4~5%増えるだけです。20年代の半ばで、20%超に高めるといった菅総理の思いは実現しないでしょう。

 経産省は太陽光発電の価格を1キロワット当たり30円台後半と想定しています。ソフトバンクの孫社長は「40円を下回れば、多くの事業者は笛吹けど踊らず」となり、結局再生エネの普及は進まないと見ています。官僚の見事な知恵ですね。

 また、法案には例外規定があり、電力会社の思惑で買取りしないことが認められています。これも大きな骨抜きです。

 当初、民主党は「経産省が固定買取価格を決定する」という原案を提示しました。、自民党と公明党がこれに意義を唱え「経産省以外の関係省庁も加えて決定する」と、民主党案を修正させました。これが、唯一評価できる点です。これで経産省の思惑は若干後退しました。

 1世帯当たり、10年後の電気料金は1ヶ月当り300円を超えてもよいと思ってます。再生エネの普及が進むなら。

 城山三郎「官僚たちの夏」のストーリーが頭をよぎりました。経済成長が始まろうとしている時代でした。外国の経済的進出から日本を守るために奮闘した通産省官僚たちの物語です。コンピュータ、車等、保護主義的な政策を推し進めました。小説からは、その当時の官僚たちの熱い志が伝わってきます。

 翻って、現在の一部の官僚はどうでしょうか。原子力村の住民に成り下がり、天下りポストに期待し、日本のことを本当に考えているでしょうか。省益あって国益なしです。熱い志が伝わってきません。

 現状を見てみましょう。脱原発の機運が高まり、一般国民の74%がそれを望んでいます。放射性廃棄物は危険極まりないものです。どうして、原子力にしがみつくのでしょうか。再生エネ法案が可決し、日本は新しい方向に進もうとしています。欧米は、脱原発を宣言して、太陽光発電、風力発電等を推し進め、スマートグリッドというシステム構築に積極的です。日本においても歴史的な岐路です。莫大な設備投資を必要とする再生エネ事業は景気の好循環をもたらし、新たな産業、雇用が生まれるでしょう。経産省の発想の転換を期待します。

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