« 再生エネ法案に後ろ向きな経産省 | トップページ | 緊急時避難準備区域解除へ ? »

2011年8月27日 (土)

原発推進派の言う嘘

 原発立地候補地では、推進派と反対派が何十年にもわたって、骨肉の争いを繰り広げています。専門家の間でも同様の議論が行われています。福島原発事故以前、私は、この議論にまったく関心を持っていませんでした。また、私の近くでも原発が稼動しているのですが、その存在を気にも留めませんでした。反原発デモは遠い風景で、イベントとしての反対であろうと、白い目でこれを見ていました。なぜなら、大きな原発事故はちっとも起きませんでしたから。突如、未曾有の原発事故が起きました。その後、考えは一変し、各種本を読みはじめました。同時に、何十年もの間、反原発を唱えてきた人に対し、頭の下がる思いをしているところです。

 福島原発事故が起きてはじめて、原発推進派の言っていることが、原発反対派の説によってことごとく覆されている事実を知りました。最悪であると感じるのは、原発の危険性を知りながら、原発を推進し、屁理屈で、国民をだましている点です。これは悪意に満ちた確信犯です。今回は、原発推進派の言っていることと福島原発事故の現実を比較してみます。

 (推進派) 「多重防護」により原発の安全は確保されている。

 配管から冷却水が漏れるなど緊急を要する異常を検知した場合には、すべての制御棒を挿入し、原子炉を自動的に「止める」設計になっています。

 配管が破断し、冷却水が喪失するというような事故になった場合には、非常用炉心冷却装置(ECCS)、格納容器スプレー、非常用炉心冷却装置(ECCS)が働き、原子炉内部に大量の水が注入され、原子炉を「冷やす」しくみになっています。また、原子炉は密閉された原子炉格納容器の中に閉じ込められており、放射性物質が外部に出ないよう「閉じ込める」しくみになっています。

 (現実) 制御棒の挿入により原子炉は停止したが、冷却装置がことごとく作動せず炉心溶融、水素爆発を経て、放射性物質が外部に放出しました。 「多重防護」はことごとく破られました。

 (推進派) 非常用炉心冷却装置(ECCS)等、すべてが故障した場合、消火用に使うポンプで炉心に水を注水し、燃料を冷却するといった対策を考えます。原発の安全対策は十分に確保され、更なる安全規制は必要ないが、さらに事故に対するリスクを低減させ、安全性を高めるために、アクシデントマネジメント対策を行っています。アクシデントマネジメントとは、過酷事故に至るおそれのある事態が発生しても、それが拡大することを防止するための対策です。

 (現実) 冷却装置がことごとく作動せず、外部電源もすべて喪失し、消火用ポンプで炉心を冷却することもできませんでした。放水車で大量の水を注入しましたが、水素爆発が発生し、大量の放射性物質が外部に放出しました。幸いにも、水蒸気爆発は起きませんでした。現在は、外国製の循環冷却装置でもって進行を止めているが、いまだに冷温停止の状態に至っていません。過酷事故に対応するためのアクシデントマネジメントは、全く機能しませんでした。

 (推進派) ペレット、被覆管、原子炉圧力容器、原子炉格納容器、原子炉建屋の5重の壁(沸騰水型BWRの場合)で放射性物質を閉じ込め、外へ出さないしくみになっています。   

 (現実) 冷却装置が作動せず、崩壊熱により、ペレット、被覆管が溶け、原子炉圧力容器、原子炉格納容器、原子炉建屋を経て放射性物質が外部に放出しました。 

 このように、推進派の言い分が福島原発事故の前にことごとく否定されています。反対派の説が正しかったことを証明しています。今でも、訳知った常識派は、両極端な意見によって、それぞれが頑なになり、原発の安全性が損なわれたのだといっています。

日本人はどうして、このような中庸な考え方をするのでしょうか。問題をウヤムヤにしようとしている魂胆が垣間見れます。

欧米人のようにきちんと白黒つけないのでしょうか。ドイツ、イタリアの脱原発方針には政治の強い意思を感じました。

国際政治面において外国から信用されずバカにされている原因は、このようなあいまいな態度にあるのでしょう。内政面では腹の探りあいをして、自分の選挙のことしか考えず、国民をバカにし、国際的にはバカにされている。島国で農耕民族であるがゆえにこのような発想が身についてしまっているのでしょう。国際的に見て、情けない日本人ですね。このような思考から脱却しませんか。

« 再生エネ法案に後ろ向きな経産省 | トップページ | 緊急時避難準備区域解除へ ? »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 再生エネ法案に後ろ向きな経産省 | トップページ | 緊急時避難準備区域解除へ ? »