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2011年9月 7日 (水)

デタラメ 原発ストレステスト

 7/15 、「第53回原子力安全委員臨時会議」において、ストレステストの詳細が明らかになりました。

  「第53回原子力安全委員臨時会議」における、ストレステストの指針

1 評価対象  

 自然現象        地震、津波
 安全機能の喪失   全交流電源喪失、最終的な熱の逃し場(最終ヒートシンク)の喪失

 一次評価は「定期検査中で、起動準備の整った原子炉」に対して実施する。

 二次評価は「全ての既設の発電用原子炉施設」に対し実施する。

2 内容

 一時評価

 安全上重要な施設・機器等について、設計上の想定を超える事象に対してどの程度の安全裕度が確保されているか評価する。また、多重防護になっているので、必要な安全水準に一定の安全裕度が上乗せされていることを確認する。

 二次評価

 設計上の想定を大幅に超える事象の発生を仮定し、原発が、どの程度まで燃料の重大な損傷を発生させることなく耐えることができるか、安全裕度(耐力)を評価する。また、燃料の重大な損傷を防止するための措置について、多重防護の効果を示すとともに、潜在的な弱点を明らかにする。

3 以上です。疑問点を列挙します。

 再稼動時でも、運転中でも危険度は同じなのに、一時評価、二次評価と区分した意味がわかりません。

 「設計上の想定を超える事象」、「設計上の想定を大幅に超える事象」との差異がわかリません。

 今回の指針においても、土木学会「原子力発電所の津波評価技術」(平成14年)を用いて評価した設計想定津波の高さ(設計津波高さ)が設計上の想定なのでしょう。これでは、第二の福島原発事故が起きます。

 地震についても、「設計上の想定を超える程度」としか言っていません。これも従来の耐震設計基準でしょう。ものぐさブログ「町に武田教授がやってきた」にあるように、震度6程度で原発は壊れます。

 地震と津波の重畳についての評価は、二次評価でしか行いません。

  全交流電源喪失と最終ヒートシンク喪失の重畳についての評価は、二次評価でしか行いません。

 津波の多重防護について、

 敷地の高さというものが第一の防護、通常の扉、浸水防止対策のパッキンが第二の防護、更に高い津波に対しての水密性をもった扉が第三の防護

 だといっています。

 ストレステストというのは、

 予め合格点みたいなものを定めて実施するものではない。むしろ、自分自身の弱点を把握するためのものなので、むしろ、安全審査を通っているという意味では、もう合格しているのであると。ただし、このストレステストをやった結果、あまりに余裕がない場合に、当然改善が必要ですねということのなる。そういうものだと理解しております。

 といっています。

 「従来の安全基準に従って、安全審査は行われ合格しているのだから、ストレステストは形式です。」と、私には聞こえます。全体的に枝葉末節な議論をしているようにも聞こえます。こんなテストで再稼動すべきではありません。

 わかりにくい指針を私なりに解釈したので、間違っているかも知れません。報道機関は、ストレステストについて、やさしく説明し、国民が正しく判断できるようにしてください。

 最後に、政府の安全宣言の経緯を上げておきます。

1 保安院は、安全対策の実施を要請

 福島第一原発の事故を踏まえ、平成23年3月30日に、電力会社に対して、津波により3つの機能(全交流電源、海水冷却機能、使用済み燃料貯蔵プール冷却機能)を全て喪失したとしても、炉心損傷等を防止できるよう、緊急安全対策に直ちに取り組むように指示した。

2 玄海原発に関しては海江田経産相が6月29日に佐賀県を訪れ、地元自治体に「国が責任を持つ」と再稼働の受け入れを要請

3 全原発に対するストレステスト実施は、菅首相が7/6日の衆院予算委員会で唐突に表明した。

4 9/4、鉢呂経産相は原発の再稼動について、「安全評価(ストレステスト)の結果を(IAEA)に再チェックしてもらうことも含めて、立地自治体の住民の理解を得る作業を丁寧に行う」との方針を示しました。

 保安院は安全対策として、「津波により3つの機能(全交流電源、海水冷却機能、使用済み燃料貯蔵プール冷却機能」強化を要請しただけです。

 これについて、国民が納得しないものだから菅首相は、何の根拠もないストレステストを持ち出しました。

 これでも国民は納得しないので、結局、IAEAのお墨付きをもらって、再稼動しようとしているだけです。

 保安院が3/30に要請した対策のみで、

 海江田経産省は「国が責任を持つ」といい、

 菅首相は「ストレステスト」で安全だといい、

 鉢呂経産相は「IAEAのお墨付き」をもらえば安全だといってます。

 デタラメだと思いませんか。

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