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2011年9月12日 (月)

原発事故とロシア

 鉢呂経産相は、報道陣の一人に近寄って防災服をすりつける仕草をし、「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をし、就任9日で大臣を辞任しました。その行動を、目をつぶって思い浮かべてください。なんと子供っぽい行動でしょうか。「福島原発事故で苦しんでいる人の心情が理解できていない」、「今後のエネルギー政策に対する問題意識があるのか」等、情けない気持ちになってしまいます。こんな大臣しかいないのでしょうか。

 野田首相は、原発事故、減原発やエネルギー政策について、なんらビジョンを述べていません。

 原発事故については、移転の範囲、除染の目途、具体的な損害賠償の範囲と補償額等を住民に伝える必要があります。一部の住民は、「住めないなら、住めないとはっきりいってくれ」、「補償が決まり、次の生活設計ができる」と言っています。住民の生殺しです。あきらめている住民もいることでしょう。

 減原発については、「いつまでに」、「何を」、「どうするか」を明確にし、国民の理解を得る必要があります。

「国策で進めた原発は間違いでした」。

「高濃度のガレキ、焼却灰の処分をしなければなりません」。

「莫大な負の遺産を残してしまいました」。

「負の遺産の処分は国民全体で何とかするしかありません」。

といって、国民に納得してもらうしか手段はありません。失敗の総括がいつもウヤムヤです。総括をしていないから、各自治体は、焼却灰の引き受けに不安を持ち、反対しているのでしょう。

「自分の思い」はないのでしょうか。福島原発発生直後、ドイツ首相が発信した国民へのメッセージを見習ってください。国民の3/4は減原発です。国民の思いを政治に反映するのが、国民に選ばれた政治家の務めではないのでしょうか。

 また、気になる人がいます。小沢一郎です。自分の選挙区である陸前高田を、一度でも訪れたのでしょうか。聞いたことがありません。料亭で密談し、民主党代表選に向けての議員の囲い込み工作に、現を抜かしていました。陸前高田の人はどう思っているのでしょうか。

 田中角栄の言った「数は力だ」は政治を実現していく上で、ある程度必要でしょう。しかし、小沢一郎に限っては、いまだに何をしたいのかが見えてきません。代表選敗北の後は、自分を支持してくれた3グループの締め付けをさらに強めるため、一つにまとめ派閥を作ろうとしています。

 野田首相は小沢一郎に気を使った人事を行いました。この人のロボットとして政治を行うのでしょうか。以前、自民党時代の小沢一郎は「担ぐみこしは、バカで軽いほうが良い」といったそうです。真意はわかりませんが、その言葉が本当であるかのように聞こえてきます。

 一方、ロシアの爆撃機が日本周辺区域を周回し、このことが、9/10報道されました。中国は尖閣諸島周辺に、漁業監視船を配備し、日本領海周辺を頻繁にうかがっています。日本が原発問題で右往左往している中、政治家の優柔不断さにつけ込んだ行動だろうと思います。国内問題を一刻も早く解決し、外交に毅然とした態度で臨んでもらいたい。

 以上、見てきたように、今の政治家は、ビジョンを持っているのでしょうか。国民の現状を直視せず、腹の探り合いをし、自らの身の安定しか考えていない。政経塾出身のエリート議員、世襲のお坊ちゃん議員に政治は任せられません。しかし、こんな議員でも政治を任せざるを得ないことが国民の悲劇です。

 原発問題については、あらゆるしがらみを捨て、国民のためを思い、熟考したのち、国民にきちんと説明しなければならないでしょう。いくら演説がうまくても、「心」がなければ、その人の言葉は信頼できません。「誠意」が感じられれば、国民は納得し、政治家を支持するでしょう。

 いろいろ問題はあったでしょうが菅首相の決断は見事です。浜岡原発停止しかり、再生エネルギー法案しかり、ストレステスト導入しかりです。菅首相の退陣は、虎(原子力村住人)の尾を踏んでしまったことが原因といわれています。

 原発事故発生時の東電幹部と菅首相とのやり取りを紹介します。「国際社会が当然、日本になんとかしろと圧力をかける。黙って指をくわえてみていて、日本が何もやらないなら、国際社会だって黙っていない。」と菅首相は発言しています。日本が自らの行動を放棄し、解決能力がなければ、ロシア、米国、中国等の周辺国は黙っていないでしょう。自国の安全を口実に、日本への侵略も辞さないかもしれません。

 こんな軟弱な政治家では、国民に馬鹿にされ、国際的にも馬鹿にされます。ロシアの日本周辺の周回がその一例でしょう。ゴーン社長が日産を立て直したように、マッカーサーが新憲法を作り、日本を民主国家にしたように、もはや、外国人に日本の政治を任せ、日本を立て直してもらう方法しかないようです。

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