« 核武装と原発 | トップページ | 原発推進議員の奇妙な反論 »

2011年10月30日 (日)

内部被曝とウクライナ基準

 健康に影響を及ぼす食品からの生涯被曝累積量は100ミリシーベルト以上とした評価書を、食品安全委員会は厚生省に答申しました。当初、100ミリシーベルトは外部、内部の合計線量としていましたが、「説明不足だった」として、食品摂取による内部被曝に限定しました。

 どこからか、クレームでも来たのでしょうか。同委員会は、「外部被曝はしかるべき機関が策を請じるべきだ」と述べています。内部、外部を合計した全被曝量についての影響評価ではありません。これで、国民の健康を守ることができると判断しているのでしょうか。

 いくつかの疑問があります。

1 土埃による内部被曝が考慮されていません。

2 生涯被曝累積量100ミリシーベルトは、1年当たり1ミリシーベルトの被曝量に相当します。内部被曝の大部分は時間の経過と共に体外に排出されるとしても、その一部は肺、内臓、筋肉、骨に蓄積します。セシウム137の生物学的半減期(物理学的半減期は30年)は100日程度と言われています。100日経過すれば体内のセシウム137は半分になります。1年後の体内残存量は1割程度です。2年、3年と徐々に体外に排出されるとしても、毎年毎年、新たな放射能を体内に取り込みます。内部被曝の蓄積量も無視できません。

3 医療行為に伴う外部被曝も無視できません。胸部X線で0.4ミリシーベルト、胃(バリウム)X線で3.3ミリシーベルト、胸部CTで9.1ミリシーベルトといわれています。

4 年間被曝量20ミリシーベルト未満で、緊急時避難準備区域は解除されました。そこの住人は毎年20ミリシーベルトの外部被曝にさらされます。内部被曝1ミリシーベルトとは雲泥の違いです。

 ドイツ放射線防護協会による内部被曝に対する提言(3/20)が日本に対してありました。ドイツにおける年間被曝線量0.3ミリシーベルトを基準に算出されています。ものぐさ「報道されない内部被曝」より。

 それは

 「乳児、子供、青少年に対しては、1kgあたり4ベクレル以上のセシウム137を含む食品を摂取しないこと、成人に対しては8ベクレル以上を摂取しないことを推奨する。」

と述べています。

 食品に含まれる放射能量(例えば、10ベクレル/kg未満 不検出)を記載した都内の食品売り場が評判を呼んでいます。数値を表示してあるので安心して食べられるのでしょう。

 給食用農産物について、松本市は放射能検査を始めました。国の暫定基準値は500ベクレル/kgであるが、松本市はウクライナ基準である40ベクレル/kgを採用しました。セシウム137について、日本とウクライナにおける基準を比較します。

                 日本                      ウクライナ

飲料水         200ベクレル/リットル              2ベクレル/リットル

牛乳・乳製品      200ベクレル/kg             100ベクレル/kg

野菜           500                      40

 ウクライナ基準もドイツ放射線防護協会の推奨値も日本に比べて大幅に低い基準です。内部被曝と外部被曝を合計した生涯被曝累積量で国民の健康を守らなければなりません。都内の食品売り場が評判になってることは、国民が、日本政府の言っていることを信用していない証拠です。

 関連記事(ものぐさ 内部被曝評価はシーベルトではなくベクレルで)。

« 核武装と原発 | トップページ | 原発推進議員の奇妙な反論 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 核武装と原発 | トップページ | 原発推進議員の奇妙な反論 »