« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »

2011年11月

2011年11月 1日 (火)

女性の反原発座り込み

 福島県の女性らが「原発立地県の住民として、今こそ日本中の原発を止めたい」などと訴え経産省前で3日間の座り込みを始めました。福島県の女性50人を含む参加女性は数百人です。

 このままでは、命を未来へつないでゆく母性が許さない。その思いを込めた座り込みだそうです。

 まず、「女性はすごい」という印象でした。子供を生み育てるという母性の発露からの率直な思いなのでしょう。また、問題認識が、具体的で素直です。

 それに引き換え、男性は、考え方が抽象的、理想的であり、何かに縛られた発言となり、行動自体もそのようになる傾向にあります。命と経済とどちらをとるかと言われれば、女性は「命だ」と言い切るでしょう。男性は、「命も大事だが、経済も大事だ」と言います。原発を正当化するために、別の、くだらない理由を持ちだします。

 幸せに、平和に暮らすことが人にとって一番大事でしょう。男性は、平和に暮らすためには国際競争力を持たねばならない。そのためには諸外国と対等またはそれ以上であることが必要だ。そのためには軍事力を背景にした力が必要だ。よって、最高の軍事力を保持するために、プルトニウム、それを使った原爆(ものぐさ 核武装と原爆)を持たなければならない。

 女性なら幸せに、平和に暮らすために違ったアプローチをとるでしょう。

 面白い話をひとつ。未開発国に赴任した日本駐在員がいました。現地民は、海で魚を釣ったり、昼寝をしたり、話をしたりと気ままな生活を送っていました。

 そこで、現地民がたずねました。なぜそんなに働くのかと。

 日本人曰く「お金をもうけるがためさ」。

 現地民曰く「何のために金儲けをするのか」。

 日本人曰く「幸せに暮らすためさ」。

 現地民曰く「我々は金がなくても、幸せで、平和な暮らしをしている」。

 「そんなに、必死に働いて金儲けをしなくても、幸せに平和に生きることはできるのだ」と言いたいのでしょう。

 連続ドラマ「江」を見ています。女性の側から見たドラマで、見方を変えるとこんな風になるんだと感心します。戦国の女性は、男の思惑で結婚や離婚等厳しい立場におかれていました。

 現在は男女平等です。車も家も家電製品も女性の気持ちをつかまなければ売れません。投票権の半分は女性が持っています。

 私も男ですが、退職し、しがらみがありません。女性の行動力を見習わねばと、改めて自分に言い聞かせています。がんばれ、座り込み、そして女性。

2011年11月 7日 (月)

苦渋 中間貯蔵 7割容認

 福島県議選立候補者の7割超が、「中間貯蔵施設を県内に整備せざるを得ない」と回答しました。政治家にとって、現実的に考えれば妥当な判断でしょう。一方、この中間貯蔵施設が最終処分場になるのではないかと危惧している住民も多いでしょう。六ヶ所村を見れば心配です。。

 受け入れの理由として、以下の2点が挙げられました。

1 早急に除染を進めるには止む得ない。

2 他県に運搬するのは現実的でない。

 まさに苦渋の選択です。中間貯蔵施設がなければ、仮置き場の汚染土壌はそのままとなり、除染が進みません。また仮置き場周辺の住民は、高濃度の放射線を浴びる不安を常に抱えることとなり、中間貯蔵施設に一刻も早く移動して欲しいと思っているでしょう。一方、中間貯蔵施設となる候補地周辺の住民は、放射性廃棄物の地下水等への漏洩による環境汚染を心配します。東電の原発事故により発生した放射性廃棄物処理の尻拭いを被害者である住民が何故引き受けなければならないのかと。

 これでは、中間貯蔵施設候補地周辺の住民と他地域住民の争いが起きるでしょう。住民は分断されます。中間貯蔵施設が山奥なら多勢に無勢で、周辺の住人は泣き寝入りでしょう。お前たちが許可しないから除染が進まないのではないかと。住民同士の分断を図り、除染作業が進まない状況を政府は住民のせいにするでしょう。放射性焼却灰の貯蔵等を抱える福島県以外についても同様です。これが政治家の狙いなのでしょうか。原発建設の構図に似ています。

 相反する矛盾や利害関係を調整するのが政治であるといいます。調整能力のある政治家を立派な政治家といいます。これが政治でしょうか。釈然としないものを感じます。現実に起こった表層現象をその場その場で取り繕っているに過ぎません。腹の据わった、哲学を持った、国民に正直に訴えることのできる政治家がいません。こんな政治の元で、国民は政府の言うことに納得して中間貯蔵施設を受け入れるでしょうか。言いたくありませんが全てにおいてこうです。TTPしかり、消費税しかり、原発再稼動しかり、エネルギー政策しかりです。

 「中間貯蔵施設云々に対して、順序が逆だろう」と言いたい。

 私ならこうします。

1 制御不能な原発の推進が間違っていたことを国民に対して謝る。これは50年にわたるエネルギー政策の誤りを認めることになります。こんな過ちを認めることもできない器の小さい政治家なのですか。行政のメンツにこだわる官僚ですか。

2 原発の安全基準を再定義するとともに、廃炉基準を定め、脱原発の具体的な(日程含む)行程表を示す。

3 放射性廃棄物の処理には数万年以上要し、貯蔵することでしか無毒化する方法がないことを国民に明らかにする。

4 利益を享受してきた国民全体で、この不始末を分かち合う。電力を大量に使用してきた都市も例外ではありません。安全であるというなら都市に貯蔵施設を作っても良いわけです。

5 万が一、環境汚染が生じた場合の損害については、万全な損害賠償を行なう。間違っても、現在の東電の賠償額のようなケチケチしたものではないことを保証する。

 常識のある、教育水準の高い国民です。苦しい現状を理解したうえで、政府方針を国民は受け入れるでしょう。 正心誠意ですよ。 

2011年11月 9日 (水)

原発事故コスト 1.6円

 内閣府原子力委員会がまとめた原発事故コストの試算は、1kw当り最大で1.6円とのことです。発電コスト5~6円に原発事故コストが加算され6.6円~7.6円となります。

 この試算は原発事故の発生頻度により大きく変わります。国際原子力機関(IAEA)は10万年に一回の事故で、1kw当り0.006~0.008円のコスト上昇とみています。

 国内では、50基の原発が30年間稼動しています。50基×30年=1500(基×年)で3基が事故を起こしました。1基当りにすると500(基×年)で1基となります。国内には50基の原発があるので、500(基×年)÷50基=10年で1基が事故を起こしたことになります。事実、30年間稼動して3基が事故を起こしました。30年÷3基=10年に1基の事故となります。ややこしいですが、自身が理解できるように書いてみました。

 この10年に1基の割合で事故が起きたのは事実です。これに対して、元京大教授は「500年に1回は、原発が54基ある国内では10年に1回起きることになる。今後、安全対策を強化することを考慮していない」と批判しています。

 「10年に1回も原発事故は起きない。よって、安全対策を強化しない」と、元京大教授は言っているのでしょうか。そういう意味であれば、反論します。

1 原子力安全・保安院の言うディーゼルエンジンの高台移動やストレステストの実施等で安全が確保されるのでしょうか。各自治体はこれを信用していません。

2 耐震設計審査基準を見直さないということですか。この基準で福島原発事故がおきました。M9の地震動や歴史文献を考慮した津波対策(例えば30m)も不要ということですか。アメリカの開発した軽水炉は地震を考慮していないと聞いています。

3 今までは地震の静穏期でした。近年、大きな地震の発生や、その発生頻度が高くなっています。静穏期で10年に1基の事故です。今後はもっと地震の頻度は多くなるでしょう。

4 原発事故コストの見積もりも気になります。原発事故コストには損害賠償部分も含まれているのでしょう。原発事故コストが2倍になれば発電コストも増加します。特に日本のように国土が小さく、汚染地域の住民を簡単に移転することができない状況では、原発事故コストはおのずと変わってきます。また、今回の損害賠償額は過少に見積もられているような気もします。

2011年11月10日 (木)

双葉郡 原発住民アンケート

 福島原発事故で避難を強いられている双葉郡8町村の住民アンケート結果が福島大学の調査で明らかにされました。

 「避難前の居住地に戻ることについて」のアンケート結果を示します。

1 国が示す安全レベルまで除染されればすぐにでも戻る。 5%

 住民の95%が国の言う安全宣言を信頼してません。

2 インフラが整い、十分な除染がおこなわれ、他の町民が帰還すれば戻る。 68%

 住民の68%が国を信頼せず、周りの状況を見ながら戻るということでしょう。 

3 戻る気はない。  27%

 住民の27%は故郷に戻ることをあきらめています。

 「戻る気はない」と回答した人は、その理由として、「除染が困難83%」、「国の安全レベルが不安66%」、「原発収束に期待できない61%」を上げています。

 驚きとともに、「やっぱりな」という感想でした。報道は、住民の95%が国の安全宣言を信頼していない事実や住民の苦悩を伝えていません。

 住民は何故国を信頼できなくなったのでしょうか。

1 「直ちに健康に影響はありません」に代表されるようないい加減な発言をしたこと。確かに急性障害は出ませんでした。しかし、晩発性がん発症の可能性は捨て切れません。

2 法律で定められた年間被曝量1ミリシーベルトをいとも簡単に変更してしまいました。そして、1年に1回受けるか受けないかの胸部レントゲンやCT検査による被曝量を持ち出してさも問題ないように言いました。胸部レントゲンでは数秒間被曝するだけです。それまでの法規制はなんだったんでしょうか。食品の暫定基準、1kg当り500ベクレルについても問題があります。暫定基準はいつ正式な基準になるのでしょうか。暫定基準が最終基準であるかのように錯覚します。

3 絶対安全であるといってきた原発が、震度6、津波高さ10m程度の地震で深刻な炉心溶融を起こしてしまいました。30年間も国は国民を騙してきました。反原発派の言っていることが福島原発事故で立証され、反原発派の意見のほうが正しいと国民は思いはじめました。

耐震設計審査指針における「残余のリスク」によれば、想定外の地震で原発は壊れ、住民は被曝する可能性があると言っています。これで、国や電力会社は法律違反を免れることになります。(ものぐさ 残余のリスク)

4 原発事故の隠蔽や過小評価、データの捏造、九電メール事件等、電力会社や原子力安全・保安院による数々不祥事が改めて認識され始めました。

 まだまだあると思いますが、以上のようなことになるのでしょうか。

 放射線量の低減についても期間についても除染には限度があること、移住が必要な地域があること、内部被曝と外部被曝の合計線量が健康に影響を及ぼすことを国は国民に対して正直に発表することが必要です。間違っても、除染費用や賠償費用の上限を定めた上で政策を決定したり安全基準を定めたりしないでください。

 噓をついた人、犯罪を犯した人が世間の信頼を得るには、大変な努力と長い時間が必要です。今の国や電力関係者はそれらと類似した状況にいることを自覚してください。

2011年11月11日 (金)

原発で幸せになるか

 NHK番組「地球にイチバン」を見て、人の幸せとは何かということを深く考えさせられました。副題は「100%自然エネルギーの島。原発から風車へなぜ」でした。

 オイルショックに見舞われた時代、電力不足を補うためにデンマーク政府は原発を推進しようとしていました。何も判らない住民は原発の仕組みやメリット・デメリットを勉強するために3年間の猶予期間をもらいました。賛成派、反対派の意見を併記した比較本を作り徹底的に討論をしました。

 その結果、住民は原発に依存しない生活を選択しました。デンマーク政府も聞く耳を持っていたのでしょう。政府も原発の推進をあきらめました。

 原発に替わるエネルギーに困っているなか、風力発電を提唱したのは経済学者でした。得意分野を持ったいくつかの中小企業が開発に参加しました。その結果、島の失業率は20%から7%までに改善したそうです。そのうちの一社は、世界的に有名な風力発電機メーカにまで成長しました。

 そして、その小さな島の全ての電力は風力発電で賄われ、余剰電力は販売もしています。その実現には、電力の固定価格買取制度がありました。将来はデンマーク全土を自然エネルギーで賄う予定です。

 自然の中で子供を育て、自家栽培のリンゴを収穫し、雨水を最大限に利用した生活をしています。もちろん節電もしています。「地球は借りているもの、自然も家もきれいに使ってそのまま次に引き継いでいくものだ」という言葉は印象的でした。そして笑顔が絶えません。デンマークの人々の幸せな暮らしが映像から感じられました。

 デンマークは特殊だ。日本では安定的に風は吹かない。一部の欠点を挙げ、だから原発しかないとの声が原発関係者から聞こえてきそうです。日本には日本での最適な方法や、エネルギーの組み合わせがあるはずでしょう。小水力、地熱、バイオマス、天然ガス、風力、波力、太陽光発電、いくつもあるでしょう。発電によって生じた廃熱を有効利用するコ・ジェネレーションシステムはエネルギー効率を飛躍的に高めます。ベストミックスという言葉もあります。思考停止状態にならず、知恵を絞るべきです。技術範囲が拡大し、デンマーク同様、失業率も改善されるのではないでしょうか。

 日本政府は、誰を幸せにしようとしているのでしょうか。疑問を持ってしまいます。

 もしかしたら、大企業だけかも知れません。1990年以降バブルがはじけた時代、企業は大きな利益を上げました。ところが、サラリーマンの収入はそれほど上がりませんでした。企業の設備投資と株主に還元されただけでした。企業は潤っても国民は潤いませんでした。小泉元首相が規制改革をはじめると派遣労働者が増え、現在では、全労働者の1/3を派遣労働者が占めるまでになりました。自ら生活していくのがやっとな状態に置かれている多くの労働者がいます。中間富裕層のいない格差社会が生まれました。

 TTPは富める人を更に富めるめるようにし、貧しい人を更に貧しくしていくシステムだという識者もいます。大企業が富み、そのおこぼれで「庶民がささやかに豊かになれば良い」と政治家や経済界の人達は考えているのでしょうか。

 デンマークの国民は、原発導入の是非を考える中で、自分たちの幸せとはなんだろうと考えたのです。その結論が原発に依存しない社会でした。

 日本の一人当りのGDPは26位、デンマークのGDPは6位です。世界に冠たる工業国である日本がデンマークに大きく差をつけられています。経済成長はしなくて良いのです。全GDPで中国には抜かれました。どんなにがんばっても中国を追い越すことはないでしょう。成熟社会とはこんなものでしょう。

 原発におびえ、格差が広がっています。日本人から笑顔が消えてしまったのではないでしょうか。

2011年11月13日 (日)

泊原発廃炉訴訟 がんばれ

 泊原発の安全性を問題として、道内外の612人が「原子炉3基の廃炉を求める訴訟」を起こしました。

 訴状は「安全確保の根拠とされた安全指針が不十分」、「周辺に活断層が見つかった」、「存在自体が住民の生命・身体に危機を生じさせ、廃炉にしない限り人格権の侵害が継続される」と主張しています。

 泊原発1,2号機運転差止め訴訟は1988年に開始したが、1999年札幌地裁で棄却されました。控訴せず敗訴が確定しました。この時「自分たちの子供に何を残すのか。多方面から議論を尽くし、懸命な選択をしなければならない」との異例の言及があったそうです。

 原発停止、廃炉等を求める裁判は、地裁、高裁、最高裁において、過去29件提訴されました。原告が勝訴したものは2件、残りの27件はすべて敗訴でした。原告勝訴の2件についても、最高裁判所で原告は敗訴しています。(ものぐさ 原発訴訟 裁判所は機能したか) 

 「国策であるからしょうがない」、「科学的なことは難しい」等、裁判官は述べています。裁判において三権分立は機能しませんでした。

 福島原発事故以降、過去の裁判が如何におかしなものであったかが明らかになりました。被告側証人として出廷した学者たちの「炉心溶融はおきない」等の証言は誤りでした。原告側の危惧は福島原発事故で正しかったことが立証されました。M9の地震動も、30mを超える津波も現実的な問題となりました。

 福島県沖のM9の地震は学者の間で想定されていませんでした。地震予知がいかにあてにならないかも明らかになりました。見つかっていなかった多くの活断層が地震学者により発見されています。地震予知などではなく、過去の歴史資料から、津波高さや地震動の大きさを想定すべきでしょう。旧地図によれば、浜岡原発の1、2号炉直下には新野川が流れていたことが明らかになりました。液状化の可能性も予想されています。福島原発事故により、裁判の前提条件は大きく変わりました。

 全国で係争中の裁判、新たに提訴された裁判、これから提訴しようとしている裁判もあります。脱原発デモ、署名運動等、世論の認識は変わってきました。原発裁判も脱原発に向けて大きな意味を持つでしょう。過去に敗訴した29件の裁判を、もう一度見直す必要があると思います。

 改めて、泊原発訴訟がんばれ。それにしても、原告に泊住民がいなかったことはさびしいことです。

  

2011年11月14日 (月)

日本人の自然被曝 5ミリシーベルト

 「原発事故がなくても放射線により自然被曝をしている」との医師の発言がありました。その発言の内容と疑問点を挙げてみます。赤字は疑問点です。

1 世界平均の年間被爆量2.4ミリシーベルトに比べ、日本は1.5ミリシーベルト。ガン患者が多いというデータはない。

 世界と日本を比べることは適切でしょうか。1万年も前(これは正確ではありません。核実験により被曝レベルは大昔に比べ大きくなっています)から日本人は1.5ミリシーベルトの放射線を浴びて生きてきました。進化の過程で、その放射線量に適応できない種が淘汰され、適応できた種が生き残っているのだと考えられませんか。例えば、黒人は強い太陽光を日常的に浴びています。強い太陽光を吸収し内部組織への影響を極力小さくするために進化の過程で肌が黒色になったと聞いています。黒い肌の種だけが生き残りました。近年、国際化に伴い、黒人が西欧諸国で生活するようになりました。照射する太陽光が弱く、黒人は、十分な太陽光を体内に吸収できず、何らかの障害が出ていると聞いています。異なった環境に住んでいる人を引き合いに出して、比較するのはおかしくはありませんか。

2 成田からニューヨークを航空機で往復すると0.2ミリシーベルト。7往復すると日本国内の年間被爆量に達する。商社マンにガンが多いわけではない。

 米国駐在員にガンが多いわけではないと言っていますが、日本人の米国駐在員は何人いるでしょうか。母集団は日本人口1億人と比べ圧倒的に少ないでしょう。統計数字はあるのでしょうか。仮にあったとしても、それは統計的に有意といえるでしょうか。

3 イランのラジウム温泉で有名な保養地では年間200ミリシーベルト。ガンの増加は認められていない。

 上記1と同様、これも、イランという国で進化してきたイラン人の特殊性ではないのでしょうか。保養所を訪れる外国からの観光客は1年間もその場所にはいないでしょう。

4 日本人は年間5ミリシーベルトを被曝。

 原発事故がなければ、自然被曝量は5ミリシーベルトでしょう。しかし、福島原発事故による放射能が自然被曝量に加算されていることを忘れないでください。加算されていることが問題なのではないですか。

5 「1ミリシーベルトを超える被曝は危険だ」には科学的根拠はない。

 1ミリシーベルトを超えても安全だ」にも科学的根拠はありません。良くわからないからICRPの規定があるのです。 

  首相官邸HPから引用した文章を抜粋します。

 「放射線から人を守る国際基準 ~国際放射線防護委員会(ICRP)の防護体系~」によれば

 平常時には、身体的障害を起こす可能性のある被ばくは、絶対にないように防護対策を計画します。その上で、《将来起こるかもしれないがんのリスクの増加もできるだけ低く抑える》ことを、放射線防護の目的としています。
そのため、放射線や放射性同位元素を扱う場所の管理をすることにより、一般人の被ばくは年間1ミリシーベルト以下になるようにしています(公衆の線量限度)。また、放射線を扱う業務に従事し、被ばく線量を常時観測できる人には、5年間に100ミリシーベルトという被ばく線量限度を定めています(職業被ばくの線量限度)。

 と記載されています。

 また被曝を受けた場合の癌発症率はどうでしょうか。ICRPによると

年間1ミリシーベルトでは    1万人に1人

年間10ミリシーベルトでは   1000人に1人

年間20ミリシーベルトでは   500人に1人

と書かれています。、

 国際基準であるICRPを無視するのでしょうか。

2011年11月15日 (火)

政府よ 原発事故の初心を忘れるな

 「えっ、本当なの」、これは3/15、午前3時に菅首相が発した言葉です。その、生々しいやりとり引用します。

(海江田経産相) 午前15時30分。「東電が第一原発から撤退したい」といっている。

(菅首相) 「えっ、本当なの」と、撤退ってどうするんだ。第一原発だけで六つの原子炉があって、放っていおたら全部がメルトダウンをおこして世界中に放射能が放出される。命に懸けても止めるしかないのに、放棄して逃げるなんて考えられん。

 午前4時17分。清水社長、官邸到着

(菅首相) 「撤退したい意向があると聞いたけど、どうなんですか」

(清水社長) はっきり言わない。撤退したいとも、まったく考えていないとも言わない。一時的に退避するようなしないような。

 東電は「全面撤退」を否定する。だが、菅首相は「あとになってそういう話ではなかったと東電から聞こえてくるが、経産相を通じたのだから、本格的な提案だと当然思う」と反論する。

 午前5時35分。東京、内幸町の東電本店に乗り込む。

 勝俣恒久会長ら東電幹部をはじめ200人が出迎えた。

(菅首相) (放置すれば)すべての原子炉と使用済み核燃料プールが崩壊することになる。そうなれば日本の国が成り立たなくなる。

(菅首相) 逃げても逃げ切れない。金がいくらかかっても構わない。日本がつぶれるかもしれないときに撤退はありえない。撤退したら東電は必ずつぶれる。 

 放射線の危険と隣りあわせの事故対処に、「覚悟を決めてくれ」と迫った。

(菅首相) 「放射性物質がどんどん放出される事態に手をこまねいていれば、(原発から)100キロ、200キロ、300キロの範囲から全部(住民が)出なければならなくなる。国際社会が当然、日本になんとかしろと圧力をかける。黙って指をくわえてみていて、日本が何もやらないなら、国際社会だって黙っていない。ものすごい危機感があった。(放置すれば)間違いなくチェルノブイリ事故どころじゃない量の放射性物質がでる。国際的な部隊がやってきて対応しなければいけなくなることだって十分にありえる、」と思った。

 菅首相は東電幹部をまえに

(菅首相) 60歳以上が現地に行けばいい。私はその覚悟でやる。

 菅首相は海江田経産相や側近議員にも同様の発言をしている。

(菅首相) この事故で命を懸けている。放射能障害の問題を考えたら、ある程度世代の高い人がやった方が相対的には影響が少ないとされている。実際、おれたちがやってもいいという原子力の専門家から連絡があったりした。

 背筋が寒くなるような、緊迫した状況が伝わってきます。

1 菅首相の決断力はたいしたものです。原発事故に対処した指導力がなければ日本はつぶれていました。余談ですが、自衛隊10万の派遣も、北沢防衛相との信頼関係で決定しました。全自衛隊員の半分です。国土防衛の危険を冒しての決断です。戦争に相当するような事故であったと思います。

2 それに比べて、東電幹部の覚悟のなさには、あきれます。太平洋戦争で、敗戦の色が濃くなってきているにもかかわらず、戦争中止を決断できなかった陸海軍(官僚)と全く同じです。その結果が、沖縄玉砕、首都消滅、原爆投下です。 

3 東電幹部の官僚的体質が伝わってきます。経産相に打診し、首相に問われても「撤退する」とも「撤退しない」とも言わない。撤退して、大問題になったとき、東電は「撤退を首相が決断し、我々に撤退を指示した」と言いかねません。

4 経産相の意思が伝わってきません。何をしていたのでしょうか。原発当初は「原発はコリゴリだ」と言ったと聞きました。その後は、原発再稼動を主張し、「安全は国が保証するから」と玄海原発の再稼動を依頼しました。さらに国会答弁で、泣きだしました。こんな人を党員の多くは首相にしようとしました。私は首相にならなくてホッとしています。   

 11/12 福島原発所長は記者会見で「3/11からの1週間。もう死ぬだろうと思ったことは数度あった」 と述べています。

 政府関係者は喉元過ぎても、熱さを忘れるないでほしい。

2011年11月17日 (木)

伊方原発3号炉ストレステスト結果報告

 四国電力は、伊方原発3号炉のストレステスト結果を原子力安全・保安院に提出しました。

 それによると

「地震に対しては想定の1.86倍の1066ガル。津波では想定の4倍の14.2m。」

までなら、燃料損傷に至らないとしています。全交流電源を失った場合でも、新たに配備した電源車によって、10.7日間は燃料損傷は起きない。更に、海抜32mに設置した緊急用ポンプで取水が可能と評価しています。

 四国電力が言う「想定」とは、現在の耐震設計審査指針によるものです。この審査指針に耐え切れず福島原発は事故を起こしました。事故原因(地震動か津波か)の究明も明らかにされていません。

 耐震設計審査指針の変遷を見ていきましょう。

 68年 プレートテクトロニクス理論完成により、巨大地震メカニズムが明らかになる。

 78年 耐震設計審査指針を策定する。

 81年 耐震設計審査指針を改定する。

 95年 阪神大震災が起きる。耐震設計審査指針の信頼性が揺らぐ。

 06年 新耐震設計審査指針に改定する。

 07年 新潟中越沖地震M6.8により、柏崎刈羽原発が破壊し、地盤も傾く。タービン建屋で2058ガルを観測する。新耐震設計審査指針の信頼性が揺らぐ。  

 伊方原発3号炉は87年着工、95年運転を開始しました。上記によれば、新耐震設計審査指針の改定以前に建設されたものとなります。原発の基本設計は変わっていないのに、06年以後、耐震性が450ガルから570ガルに引き上げられました。たぶん、若干の耐震補強はしたでしょう。福島原発事故後、「電源車の配備や緊急用取水ポンプの設置」を保安院は全国の原発に指示し、これにより安全が確保されたといっています。若干の耐震補強で耐震性を引き上げる構図と似ていませんか。

 参考までに、柏崎刈羽原発1~4号炉では、耐震性が450ガルから2300ガルに引き上げられています。07年に新潟中越沖地震で2058ガルの地震動が起きたことに関係するのでしょうか。基本設計が変わらないのに、5倍も耐震性が増加するものでしょうか。この耐震性の見直しは全国の原発で行なわれました。

 上記に見るように、想定する耐震性の数値がいとも簡単に変えられています。

 新潟中越沖地震では、震度6.8程度で2058ガルが観測されました。伊方原発3号炉は想定の1.86倍の1066ガルまで余裕があるという説明です。ストレステスト合格と安心していられるでしょうか。

 06年の耐震設計審査指針も見直せば、「想定」が大きくなる可能性もあります。

 伊方原発3号炉の「想定」が甘ければ、余裕度は更に小さくなります。例えば、想定し直した結果、1000ガルの可能性があったとすれば、余裕度は0となります。

 また、新潟中越沖地震規模の「2058ガル」が発生したとしましょう。1066ガルは余裕どころではありません。                    

2011年11月18日 (金)

河合弘之・浜岡原発訴訟弁護団長講演会より その1

 去る11/15、河合弘之・浜岡原発訴弁護団長の講演が静岡市においてありました。メモ書きですが、その内容を紹介します。

 河合氏は、脱原発弁護団全国連絡会代表のほか、新旧役員61人を相手に損害賠償請求を起こすように東電の監査役に請求した株主側の代理人にもなっています。

 以下、紹介します。メモ書きのため間違っているかもしれません。

 11年7月1日に静岡地裁に提訴された「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」は重要な意味を持つ。原発敷地内を流れていた新野川の存在を文献により明らかにし、液状化の可能性についても言及している。新しい展開だ。

 世界の0.3%の面積しかない日本において、世界の原発の10%が存在している。地震の多いところで、原発が稼動しているのは日本だけだ。原発は水(津波)と振動(地震)に弱い。地震のないフランスが原発推進するのは理解できる。世界地図上で、M4以上が発生した地域と、原発立地地域をプロットすると、重なっているのは日本だけだ。

 原発が稼動しなくても電力不足にはならない。火力発電所の稼働率は50%(残り50%の発電所は停止している)。火力発電所を20%多く稼動すれば原発をカバーできる。横須賀、千葉の火力発電所を稼動して、東電は管内の電力需要を賄っただけでなく、余剰分を他の電力会社に融通した。電気料金が少し上がったり、CO2排出量が多くなるのは止む得ない。放射能が出るよりまし。

 世論は脱原発で、新増設は困難な方向性。徐々に原発を減らしていく減原発は誤り。いつどこで地震が起きるか判らない。今すぐやめるべきだ。

 アイゼンハワーが原発の平和利用を唱え、中曽根氏らがそれに乗っかって国内原発を推進した。「資源の少ない日本にとって、原発は自己完結型のエネルギーだ」がその理由だ。その当時から、MOXやプルトニウムによる発電を想定していた。

 原発は、核兵器の潜在能力を持っている。この記述は、中曽根氏の議事録に残っている。

 ところが、核兵器の潜在能力など無いに等しい。プルトニウムを作る高速増殖炉が稼動する可能性は全くなく、仮に作ることができたとしても、数々の実験が必要。夢物語だ。

 プレートテクトロニクスがわかっていなかった1960~1970年代にかけて、原発が国策となり、巨大利権構造を持つ原産複合体が出来上がった。原子力村とも言う。原発反対派は干され、原発必要論が喧伝され、原発安全キャンペーンが行なわれ、40年たってしまった。その間、国民も裁判官も99%の安全を信じてしまった。裁判官は、原告側の意見を聞くふりをして、原告敗訴の判決を下した。

 3/11以降、原告の言っていたことが正しいと、裁判官は感じ始めた。斑目委員長は「発電機が2台同時にダメになることは考えられない」とも言っていた。裁判官は本気になった。彼らも1市民である。浜岡原発は世界で一番危ない。

 飯館村を訪れた。村は原発の北北東に位置する。原発利益を受けていない。人は誰もいなく、田畑は草でボウボウだ。村の入口のお地蔵さまの歌が流れる。「夢おおらかに」を歌う。

 歌詞の中の美しい山も、清らかな水も、よく肥えた土も、実りの稲田も今は無い。歌を聴いて私は、涙が出そうになりました。故郷を失うというのはこういうことなんだと。(ものぐさ)      

 6000人の村は、ブランド牛をもち、田畑はよく肥え、米、トルコキキョウの産地でもある。村歌から伝わってくる情景そのものである。今、その村が分裂している。村長は除染して2年で戻ると言い、若い人は、住みたくない。除染に何百億もかけるなら別に土地を買って欲しいと言う。悪いのは東電。脱原発運動をしようよといっても、そう言うほどに立ち上がれていない。森の除染はできない。風が吹いて、落ち葉が舞えば、また汚染する。怒りの声も上げられない。

 

 

  

2011年11月20日 (日)

河合弘之・浜岡原発訴訟弁護団長講演会より その2

 その1に続きます。

 原発再稼動の動きが出ている。たてまえ(黒字)と反論(赤字)を示す。                            

電力不足、停電の恐れ。

火力の稼働率20%UPで足りる。

電力コスト増。                        

多少のコストアップやむなし。中長期的には原発廃止はコストダウンになる。

福島原発事故の原因は巨大津波。対策で再開当然。

原因は津波だけではない。地震動自体で炉の破壊の疑いあり。そもそも事故の収束もなく、原因究明もできないのに何故再開できるのか。

ベストミックス論(電源多様化論)

原発のメリット(15%)とリスク(90%)が不釣合い。原発10基でもリスクは変わらない。原発だけは外せ。火力、水力、自然エネルギーのミックスで多様性は十分。

次に、推進派の本音。

巨大利権構造(原子力村)の延命。

なし崩し的な新設、増設が狙い。

原発輸出における信用・権威の確保。そのため原発をやめる訳にはいかない。

核兵器開発の潜在能力の温存。

「国家の繁栄のためには一地方が大きな損害をこうむるようなことがあっても止む得ない。大事の前の小事。上からの目線。

 原発再稼動阻止の方策

1 全国一斉訴訟の提起。脱原発弁護団全国連絡会の結成。7/26

 今までの差し止め訴訟は単発で分断されていた。全国の弁護士130人が立ち上がる。   

 3/11以後、裁判官は自らのリスクをも感じ、考え方が革命的に変わった。

 泊(11/11提訴)、女川(女性弁護士10人立ち上がる)、東海第2(生協立ち上げ。村長廃炉宣言)、敦賀、玄海、川内、大間(フルMOXである点が大問題)。

2 地元知事、市町村長への働きかけ。

 原子力安全協定の効用。知事、首長の拒否権は実際上効力大。

3 地元選出国会議員への働きかけ。霞ヶ関に近づくほど熱気冷化。

4 シングルイシュー政党の立ち上げ。緑の党。

5 デモ、座り込み、集会。

6 株主代表訴訟。 伝家の宝刀になる。

 過去29件の裁判で負け続けています。裁判官は、「科学的なことはわからない」、「国策だから」といい続けていました。司法の限界で、この国には三権分立もないのかと、暗澹たる思いでいました。裁判官は自らのリスクをも感じ、考え方が革命的に変わった。目の色が変わったとの話を聞き、一筋の光明が見えてきました。(ものぐさ)

  

2011年11月21日 (月)

河合弘之・浜岡原発訴訟弁護団長講演会より 東電 株主代表訴訟

 東電が福島原発事故で巨額の損失を出したのは、歴代の経営陣が安全対策を怠ってきたためだとして、脱原発を求める一部の株主が5兆5045億円の返還を求める株主代表訴訟を起こす方針であることが伝えられました。

 原発の安全神話の元に、数多くの原発を作り続け、過去の事故の隠蔽を繰り返し、一片の反省のないまま過去の経営陣は福島原発事故を引き起こしました。この悪意に満ちた行為は厳しく罰せられなくてはなりません。

 11/14、東電の株主は、東電の現取締役及び歴代取締役に対して損害賠償請求訴訟を提起するよう「提起請求書」を東電の監査役全員に送付した。

 下記の事項を怠り、会社に莫大な損害を与えたことが提訴の理由です。

・ 明治三陸地震レベルの地震が起きた場合、第一原発に最高15.7mの津波が到達するとの想定があったにも関わらず、具体的な対策を怠った。

・ 事故時に海水注入が遅れたこと。

・ 重大事故が想定されていたにも関わらず、海水ポンプやディーゼル発電機の同時故障の危険性の無視。

 60日以内に監査役が提訴しなかった場合、株主が提訴を行なう。

 通常の提訴であれば、55億1052万円の印紙代となるが、株主代表訴訟の場合のみ、たった1万3000円で提訴できるという。 

 この波及効果として

・ 原発を再稼動して重大事故を惹起した場合、株主代表訴訟が起きる可能性がある。

・ 電力会社の取締役は、自らの個人的財産的損害賠償リスクを考慮しながら、原発再稼動の可否を判断しなければならない。

等が考えられます。

 福島県民のみならず、原発事故の影響が全国に及んでいるにも関わらず、東電幹部は何の責任もないかのように、刑事訴訟に訴えられることもなく、高額収入を得て生活しています。数々の社会的な不正には必ず検察が捜査に入ります。東電に限ってどういうことでしょう。庶民は、株主代表訴訟を提訴することくらいしか方法がありません。この訴訟を注視していく必要あります。

  

2011年11月25日 (金)

原子力村 隠蔽体質

 日本の原発の使用済み核燃料をロシアで中間貯蔵したり、再処理を提案する外交文書が握りつぶされていたことが11/24に報道されました。

 文書は尾身幸次・元科学技術政策担当相宛(02.10.25付け)で、在ロシア日本大使館は内閣府原子力政策担当室幹部にその文書を渡し、更に、04年までにエネルギー庁一部幹部にもファックスを送ったといいます。

 その内容は、経産省次官、「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」、「新計画策定会議」にも伝えられていませんでした。

 その理由として、関係者は、「ロシアに搬入することになれば、六ヶ所村が動かなくなり、国内での再処理が中止することを恐れていた」といっています。

 再処理が必要なくなり、自らの既得権益がなくなることを恐れたのでしょうか。六ヶ所村にとってはこれほどありがたいことはないはずですが。

 このような報道は、つい最近にもありました。モンゴルでの使用済み核燃料の一時保管・処分場の計画です。

 「隠蔽体質」といえば「原子力」というほど、数々の隠蔽事故が明るみに出ています。

 原子力基本法は「民主、自主、公開」の3原則を掲げています。

 第2条には、基本方針として、「平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする(民主・自主・公開の平和利用3原則)」がここで明文化されています。

 立派な基本法があるにも関わらず、一部の関係者は、この法律を守っていません。

 話は変わります。

 牛肉の中に豚肉、鶏肉、パンの切れ端などの異物を混入させて水増しを図ったほか、色味を調整するために血液を混ぜたり、味を調整するためにうま味調味料を混ぜたりしたことなどが内部告発によりにより明らかになりました。北海道新聞とNHKに告発文を送って黙殺されたが、朝日新聞の一面トップに掲載されたことで、ようやく社会問題化した事件です。これにより会社は消滅しました。

 数々の勇気ある内部告発により、食の安全が保たれてきました。

 原発においても数々の事故が隠蔽され、データが捏造され、大本営発表のように国民は真実を知らされて来ませんでした。その行き着いた先が福島原発事故です。何が何でも原発推進と原子力村さえよければいいという発想が、隠蔽の背景にあるのでしょう。壊滅的な事故がおきたにも関わらず、事故原因の究明の基となる東電からの報告書は黒塗りの状態です。これは傲慢そのものです。

 原発においても、内部告発により多くのことが明らかにされてきました。最近では電力会社、原子力安全・保安院が関与するメール事件が明らかになりました。止むに止まれない気持ちが内部告発という行動に出たのでしょう。元原発技術者は書籍により原発問題を赤裸々に語っています。

 1999(平成11)年に起きた茨城県東海村のJCO 臨界事故を契機に改正された「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(昭和32 年法律第166 号、改正平成11年法律第157 号)(いわゆる原子炉等規制法)第66 条の2 では、従業員の主務大臣に対する申告制度を導入し、雇用主はこの申告を理由としてその従業員に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならず、その違反を処罰するとしています。

 日本には内部告発者(公益通報者)を完全に保護する法律はないといわれていますが、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律は個別に告発したことを理由とした不利益な取り扱いを禁じています。 注1)

 「隠蔽体質」が染み付いている原子力村住人は、この先も自身にとって都合の悪い事故や情報を隠し続けるでしょう。政府発表も信頼できません。まず、疑って考えることにしています。

 このような状態では、報道による地道な取材活動や関係者等の内部告発に期待するしか方法はないのでしょうか。

 内部告発された主な隠蔽、改ざん、捏造事項を羅列しておきます。

1991.7    「もんじゅ」配管設計ミス

1992.3    「もんじゅ」蒸気発生器細管溶接ミス

1994.5    プルトニウムの工程内滞留

1995.6    再処理溶解槽配管の目詰まり運転

1995.12   六ヶ所村再処理プールポンプで欠陥

1997.9    原発配管の溶接焼きなましデータ

1998.5    使用済み核燃料輸送容器の表面汚染

1998.10   使用済み核燃料輸送容器の遮蔽材データ

1998.12   東海再処理溶解槽・臨界防止設備故障運転

2000.3    MOX燃料検査データ処理ミス     

  注1) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律

第一条 この法律は、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)の精神にのつとり、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の利用が平和の目的に限られ、かつ、これらの利用が計画的に行われることを確保するとともに、これらによる災害を防止し、及び核燃料物質を防護して、公共の安全を図るために、製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉の設置及び運転等に関する必要な規制を行うほか、原子力の研究、開発及び利用に関する条約その他の国際約束を実施するために、国際規制物資の使用等に関する必要な規制を行うことを目的とする。
                            
第六十六条の二 原子力事業者等(外国原子力船運航者を除く。以下この条において同じ。)がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、原子力事業者等の従業者は、その事実を次の各号に掲げる原子力事業者等の区分に応じ当該各号に定める大臣又は原子力安全委員会に申告することができる。  
一 製錬事業者、加工事業者、使用済燃料貯蔵事業者、再処理事業者及び廃棄事業者(旧製錬事業者等、旧加工事業者等、旧使用済燃料貯蔵事業者等、旧再処理事業者等及び旧廃棄事業者等を含む。) 経済産業大臣
二 使用者(旧使用者等を含む。) 文部科学大臣
三 原子炉設置者(旧原子炉設置者等を含む。) 第二十三条第一項各号に掲げる原子炉の区分に応じ、当該各号に定める大臣
2 原子力事業者等は、前項の申告をしたことを理由として、その従業者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

2011年11月29日 (火)

原発による精神的苦痛賠償金

 東電は原発事故により避難した住民に精神的な苦痛を賠償する基準を、月額10万円としていました。原子力損害賠償紛争審査会は、避難住民の大多数が仮設住宅などに転居し住環境が改善されるとの理由で9/1から来年2/29日は賠償額を半減するとしていました。東電はこれに従って、半額にする予定であったが、「避難生活が長期化すれば、むしろ苦痛は増す」との批判が強まり、東電は9/1以降も月額10万円の賠償額を支払うとしました。

 改めて、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針と精神的苦痛の及ぶ対象、期間と賠償額の妥当性について考えてみます。

 原子力損害賠償紛争審査会の中間指針の「精神的損害」には次のように記載されています。不正確ですが、簡略して表現します。更に簡略化すれば赤字の部分になります。

1 対象

(1) 対象区域(注1)から実際に避難した上引き続き同区域外滞在を長期間余儀なくされた者が、自宅以外での生活を長期間余儀なくされ、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的苦痛

(2) 屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域における屋内退避を長期間余儀なくされた者が、行動の自由の制限等を余儀なくされ、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的苦痛

2 期間と賠償額

(1) 原発事故発生から6ヶ月間(第1期)     第1期については、一人月額10万円を目安とする。

(2) 第1期終了から6ヶ月間(第2期)       第2期については、一人月額5万円を目安とする。

(3)   第2期終了から終期までの期間(第3期)  第3期については、諸般の事情を踏まえ、改めて損害額の算定方法を検討する。

 このことについて、福島県は、東京電力が福島第1原発事故に伴う住民避難の「精神的苦痛」に対する賠償について不誠実な対応をとっているとして、市町村と連携し原子力損害賠償紛争解決センターへの集団申し立てを支援する方針を固めました。申し立ては市町村単位で代表的な集団を選び、弁護士による書類作成などを県が支援することで賠償に被災住民の声が反映されるよう目指しています。
 

 私ならこう要求します。福島原発事故以前とそれ以後に感じることになった精神的ストレスの増加分について、金銭的な補償を要求します。原発事故がなかった生活と今の生活との差分を賠償金として要求します。東電が事故を起こさなかったら、平穏な生活が送れていたのです。何故、加害者に遠慮しなければならないのでしょうか。

1 著しく阻害されたために生じた精神的苦痛」に対してみの支払いです。何故、「著しく」に甘んじなければならないでしょうか。私なら阻害されたために生じた精神的苦痛」に対して要求します。1~20ミリシーベルト以内の被曝でも苦痛を感じる人もいるでしょう。上から目線で、苦痛の程度を規定すべきではありません。

2 同様に、長期間余儀なくされ」という文言もおかしく感じます。私なら、「長期間」という部分を削除して「余儀なくされ」に対して要求します。

3 年間被曝20ミリシーベルト未満の区域の住民は補償の対象になっていないようです。20ミリシーベルト以下に除染して、政府は賠償金を払わない魂胆なのでしょうか。私なら5ミリシーベルトでも要求します。

4 精神的苦痛には、正常な日常生活の維持、継続ができないことのほか、下記の不安や恐れも含まれていると考えます。それらについても要求します。 

 放射線を浴びて暮らさなければいけないこと。  いつ帰れるかわからない状況であること。 生活再建の目途が立たないこと。 子供たちと離れて生活しなければならないこと。 癌発症の可能性を心配し続けないといけないこと。 コミュニティーが分断され離れ離れに生活しなければいけないこと。  美しく、自然豊かな山河を見て生活できないこと。 高放射線量であるがため遺体の捜索が不十分であること。 東電が誠意ある態度を示さないこと。  

5 災害発生から6ヶ月で賠償金を半額にしようとしています。精神的苦痛の程度が多様であるにも関わらず、期間で区切ってしまっています。10年でも20年でも精神的苦痛は引きずります。加害者である東電が、賠償金はこれしか出さないといっているのもおかしくありませんか。私なら、生涯にわたって要求します。

6 仮設住宅での生活はストレスそのものです。東電経営幹部は一度住んでみてください。

 「事故が起きた場合の精神的損害賠償額はこんな程度ですが、原発を作らせてください」と東電が言ったとしたら、住民は原発建設を許可していたでしょうか。

 (注1) 対象区域は以下のように定められています。簡略化します。

1 避難区域

 政府が首長に対して住民の避難を指示した区域
・ 福島第一原発から半径20km圏内(平成23年4月22日には、原則立入り禁止となる警戒区域に設定。)
・ 福島第二原発から半径10km圏内(同年4月21日には、半径8km圏内に縮小。)

2  屋内退避区域

 政府が首長に対して住民の屋内退避を指示した区域
・ 福島第一原発から半径20km以上30km圏内

3 計画的避難区域

 政府が各首長に対して計画的な避難を指示した区域
・ 福島第一原発から半径20km以遠の周辺地域のうち、積算線量が年間20ミリシーベルトに達する区域であり、同区域外に計画的に避難することが求められる区域

4 緊急時避難準備区域

 政府が首長に対して緊急時の避難又は屋内退避が可能な準備を指示した区域
・ 福島第一原発から半径20km以上30km圏内の区域のうち、常に緊急時に避難のための立退き又は屋内への退避が可能な準備をすることが求められ、引き続き自主避難をすること等が求められる区域

5 特定避難勧奨地点
政府が、住居単位で設定し、その住民に対して注意喚起、自主避難の支援・促進を行う地点
・ 計画的避難区域及び警戒区域以外の場所であって、積算線量が年間20ミリシーベルトを超える地点であり、政府が住居単位で設定した上、そこに居住する住民に対する注意喚起、自主避難の支援・促進を行うことを表明した地点

6 首長(南相馬市)が住民に一時避難を要請した区域

 

 

« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »