« いいねー 都内発電 600万kw | トップページ | 浜岡原発周辺自治体の動き 12/26 »

2011年12月25日 (日)

帰還困難区域指定より除染計画だろうが

 避難区域該当地域の首長らは「町を分断するのか」、「帰還に向けた除染やインフラ整備の工程を示すほう先ではないか」と不満をあらわにしています。

 政府は福島原発事故に伴い設定した警戒区域を来年4月に解除して、新たに被ばく線量に応じた三つの区域を設定するとしています。

 新たな三区分は、年20ミリシーベルト未満の「避難指示解除準備区域」、年20ミリシーベルト以上50ミリシーベルト未満の「居住制限区域」、年50ミリシーベルト以上の「帰還困難区域」です。

 一方、政府は、11/1から3/末にかけて行なう「モデル事業」、12/1から2/末にかけて行なう「役場やインフラ設備の除染」、3/1から始まる「本格除染」と、かなり大雑把な除染計画を12/16に発表しています。

 しかも、「モデル事業」は効果的な除染方法を探るための実験・調査です。委託事業先の日本原子力開発機構によれば、2メートル四方の屋上床面を高圧洗浄機で10分間洗浄し、その結果、表面の放射線量は16マイクロシーベルトから8マイクロシーベルトに減少したといいます。正直、10分間も洗浄してこの程度かという思いです。

 まさに、手探りの状態であり、その効果も芳しくありません。何の具体性もない除染計画を示した上で、政府は上記三区分を唐突に発表しました。除染の実現性もない状態で、三区域の定義と空間線量を示しただけです。早めに出すのは結構なことですが、これは政府の希望的数値でしかありません。しかも、その数値は妥当なのでしょうか。低線量被曝を長期にわたって受けることには、色々と異論が出ています。これで、住民は安心し、期待できるでしょうか。

 除染方法の確立ができなければ、計画などできるはずはありません。以下、その計画立案前に明確にしておなければならないことを列挙します。

1 除染対象はどこか

 住民の居住区域(住宅、道路、学校等)、田畑はもちろんですが、山林、河川はどうするのでしょうか。非常にあいまいです。

2 除染方法の確立と除染期間

 「モデル事業」で10分間の高圧洗浄をしたにもかかわらず、表面の放射線量は半分にしか減少していません。この洗浄の効果に疑問がわきました。仮に、このような方法で洗浄しても、20ミリシーベルトの地域は10ミリシーベルトにしかなりません。全区域の洗浄にどの程度の期間が必要になるのでしょうか。

 半径20km圏内の洗浄を考えてみましょう。その面積は、12億6500万平方メートル(1256×10の6乗)です。それを4平方メートルで割ると、314×10の6乗となります。4平方メートルの区分が314×10の6乗(ブロック)あるということです。これを洗浄するには3140×10の6乗(分)かかります。これを1000人が洗浄作業をしたとし、何年かかるでしょうか。換算するために、60(分)×24(時間)×365(日)×1000(人)=525.6×10の6乗で割り算すると、6年になります。

 2000人の作業員なら3年です。40km圏内の洗浄には4倍の8000人の作業員が必要です。間違っているかも知れません。各自計算してください。

 「モデル事業」は理想的な屋上床面の洗浄でした。住宅の屋根、道路の側溝、校庭、田畑、河川、山林で洗浄方法は異なるでしょう。各対象物に対しての洗浄方法とその効果は示されていません。特に山林の除染はどうするのでしょうか。山林内でのキノコ等の生産はどうなるのでしょう。絶望的な感じがします。また、山林から流れ出た雨水により、洗浄した田畑、道路側溝、河川の空間線量は再び上昇します。

 山林面積は川内村で9割、福島県で7割を占めています。樹木に付着したセシウムが降り注いだり、汚染された土砂が流れ出たことより再び線量が上昇したことが確認されています。

 神社境内の階段で、6月に7.7マイクロシーベルトであった空間線量は、9月には21マイクロシーベルトに上昇しています。6月に46,000ベクレル/kgの土壌は、9月に230,000ベクレル/kgに上昇しています。

 各対象物毎の洗浄方法や洗浄効果を明らかにすべきです。

3 除染の限度

 各対象物毎の除染効果はおおよそ見当がついているのではないですか。民家と山林との境界地域は除染しても空間線量は再上昇することが明らかになっています。「モデル事業」でもわかるように、理想的な床面でも空間線量は半分にしかなりません。政府は年1ミリシーベルトまで除染するといっています。どの程度の人員をかけどの程度の期間をかけるのでしょうか。明確な試算を住民に示すべきです。

4 居住基準

 年20ミリシーベルトは復旧時の暫定基準値です。何年、暫定基準値を適用するのでしょうか。ガソリンの暫定税率のようにはならないでしょうね。政府は年1ミリシーベルトまで空間線量を下げるといっています。20ミリシーベルトを1ミりシーベルトにするのにどのような方法で、いつまでかかるのか。何の当てもなく、期間も明示しないのは、無責任というべきです。廃炉計画と同様行き当たりばったりなのでしょうか。

 政府は、退避基準を年20ミリシーベルトと定めました。「政府ワーキンググループ 内閣官房」もこれを妥当な値と追認しています。インターネット中継では、東大の児玉教授が孤立無援の形で、これに反論していましたが、多勢に無勢で検証は終了しました。報道には、児玉教授の主張が記載されていません。少数意見も明らかにして、国民の判断を仰ぐべきだと思います。少数意見を無視して安全神話を推し進めた結果である福島原発事故の二の舞になりませんか。(注1)

 私は、年20ミリシーベルトの避難基準に納得できません。(ものぐさ 年間被曝量20ミリシーベルトとは

 年20ミリシーベルトは復旧時の暫定基準であること。一般人が入室できない病院等の放射線管理区域は、年5.2ミリシーベルトであり、医療従事者であっても妊婦は年1ミリシーベルトに抑えられています。

 ICRPは年20ミリシーベルト未満でも確率的に癌発症のリスクがあるといっています。

 改めて、訴えます。私は、放射線管理区域外の放射線量、すなわち年5.2ミリシーベルト未満を被曝退避基準とすべきであると思います。

5 工程表

 除染対象、除染方法と除染期間、除染限度、居住基準を明確にした上で、工程表を提示すべきです。この工程表は絵にかいた餅です。

 (注1) 後日、報道は「進歩著しいゲノム科学の成果も含め最新の知識で評価して欲しい。住民はそう思っているはずだ」と述べています。

« いいねー 都内発電 600万kw | トップページ | 浜岡原発周辺自治体の動き 12/26 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« いいねー 都内発電 600万kw | トップページ | 浜岡原発周辺自治体の動き 12/26 »