« 原発コスト 10円/kw・h その2 | トップページ | 原発コスト 8.9円/kw・hは目くらまし »

2011年12月11日 (日)

脱原発 かっこいい

 12/16にも、政府は福島原発の冷温停止を宣言するようです。一方において、二本松市渋川地区の米から780ベクレルのセシウムが検出されたり、30年を超える廃炉作業は経験したことのない未知の領域に挑戦しなければならず、原子力損害賠償紛争センターには300件の事案が持ち込まれ、粉ミルクからセシウムが検出されたり、汚染水が漏れ出したり等、数々の問題が顕在化し、発生しつつあります。食や健康への不安はこれからも続いていきます。

 原発輸出を具体化する原子力協定は衆議院を通過しました。採決では、公明、共産、社民、みんなの党が反対したほか、民主党からは1人が反対し、約15人が退席したといいます。ちなみに、各党の議席数は公明21人、共産9人、社民6人、みんな5人、民主302人です。民主党議員の実に286人が原子力協定に賛成したことになります。286人は原発推進派なのでしょうか。それとも、誰かの顔をたてて、賛成に回っているのでしょうか。前者であれば驚きであり、後者であれば情けないですね。いずれにしても、議員からは原発に関する賛否の声が聞こえてきません。沈黙しているのでしょうか。虎視眈々と世論を見つめているのでしょうか。

 政府機関である「エネルギー調査委員会」では、減原発への賛否が噴出し、結論は次回に持ち越しです。半分程度が、原発維持または推進のようですね。

 政府の「コスト等検証委員会」は原発による発電コストを10円程度と試算し、火力発電所並みであることを公表しました。従来、原子力発電は最も安いといっていたことを思えば大きな進歩です。しかし、この算定にはいくつかの問題が含まれているようです(ものぐさ 原発コスト10円/kw・h その1 その2)。「経営・財務調査委員会」は、スリーマイル島原発事故の経験を踏まえ、廃炉費用は少なくとも1兆5000億円に上ると見ています。東電幹部は数兆円とも言っています。民間のシンクタンクは10年間で最大20兆円になると推計しています。年間国家税収の半分にもなります。

 20兆円の廃炉費用といわれてもなお、国のリーダたちは原発を推進して行くのでしょうか。

 一方、原電の元役員は12年間富岡町に住み、福島原発事故に見舞われました。事故が起きるまで原発推進者でした。元役員は、避難生活を振り返って、「避難時の貧しい食料事情、行政からの情報不足、誠意のない東電の賠償対応、元の生活に戻れるか判らない不安等」と向き合ううちに原発への考えを変えていったと言います。無念を書き綴った本の出版後、原発OBから「よくぞ書いてくれた」との手紙をもらったとも言います。そしてこの経験をを発信し続けていくとも言っています。

 この元役員の原発への変化を、私は遅きに失したとは思っていません。また、元役員を責める気にもなりません。しいて言えば、勇気をもってよくぞ言ってくれたとの思いです。願わくば、原発への疑念が起きた時点で世に発信して欲しかった。誤解を覚悟で言います。元役員は原発事故に遭遇して、悲惨な現実に直面して初めて反原発を言い出しました。結果的にあとの祭りです。人間は弱いものです。浜岡原発の近くに住んでいる私も、今回の福島原発事故で初めて原発の恐ろしさを知りました。恐ろしいものだと気がついた時点で考えを変える勇気を持ちたいものです。

 全国54基も在る原発立地自治体の首長、電力会社役員、御用学者、経産省官僚、経団連、原発メーカ役員、報道関係者、政治家に言います。わが身や家族が原発事故に遭遇したことに思いを巡らしてみてください。違った結論になりませんか。わが身や家族は原発から遠く離れているから、他人事だと思っているとしたら悲しいですね。

 今まで声を出せないでいた原発OBもたくさんいるでしょう。自ら原発を推進してきた反省も込めて声を発して欲しいものです。それが原発を進めてきたものの償いのような気がします。

 牧之原市長は超党派国会議員の勉強会で決議に至った経緯や、原発周辺自治体が抱える不安について講演をしました。市長も浜岡原発から3kmの距離に住み、非常な危機感を持ったといっています。

 元役員の不安や恐れも、牧之原市長の心配も、福島原発事故に遭遇した住民の不安や恐れそのものです。 

 廃炉に30年もかかる現実、今尚続く放射能汚染と健康に対する不安、元役員等の悔恨、牧之原市議会の永久停止の決議等、脱原発の流れに竿をさすことはできないと感じています。

 私は、永きに渡って反原発を唱えてきた関係者を立派だと思い始め、「かっこいい」とも感じるようになりました。なぜなら、わが身を犠牲(昇進もなく、白眼視され、嫌がらせをされてきたといわれています)にしてまで国民のために行動してきたのですから。企業も、首長も、タレントも、コメンテータも、学者も、国民も「クリーンエネルギー、脱原発」を唱え、それが、「かっこいい」と映るような雰囲気を作っていきたいものです。

 原発事故を反省せず、尚推進しようとしている人達の原発推進に関する「哲学」は感じられますか。その哲学を堂々と述べていますか。私は「かっこわるい」と感じます。

« 原発コスト 10円/kw・h その2 | トップページ | 原発コスト 8.9円/kw・hは目くらまし »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 原発コスト 10円/kw・h その2 | トップページ | 原発コスト 8.9円/kw・hは目くらまし »