« 原発コスト 10円/kw・h その1 | トップページ | 脱原発 かっこいい »

2011年12月10日 (土)

原発コスト 10円/kw・h その2

 政府の「コスト等検証委員会」は原発による発電コストを10円程度と試算し、火力発電所並みであることを公表しました。従来原子力発電は最も安いと言っていたことを思えば大きな進歩です。

 報道によれば、事故賠償、追加安全対策、核燃料サイクル開発費、立地コストなどがコスト見直し要因として含まれています。

 しかし、この算定にはいくつかの問題を含んでいるようです。「コスト等検証委員会」は計六回開催されています。最終的にどうなっているのか判りませんが、第一回議事要旨から興味深い点を抜粋しました。この委員会には、大島堅一立命館大学教授が参加しています。心強く感じます。

 原発コスト計算に当たっての大島委員の要望事項を記載します。

1 理想的条件を前提にした計算。

 理想的な条件(例えば実績がない長期運転、非常に高い設備利用率、重大事故は起きない、高速増殖炉サイクルを枠外に置いて計算等)によるものは最低コストである。現実的な状況を考慮した計算をすること。

 特に費用がかかる再処理について下記費用を追加すること。

 ・ 再処理施設の稼働状況にみあった想定とすること。

 ・ 再処理施設で重大事故が起こった場合の費用を含めること。

 ・ 日本の原子力政策(全量再処理を前提としている)にもとづき、全量再処理した場合のコスト計算を行うこと。

 ・ MOX燃料、使用済燃料の処理・処分費用。

 ・ ウラン廃棄物の処理・処分費用。

 ・ 高速増殖炉サイクルの費用

2 安全神話を前提としたコストに事故コストを追加すること。

 事故収束費用。損害賠償費用(少なくとも中間指針に含まれている全ての項目が計算される必要がある)。 除染費用(周辺地域)。廃炉費用、原状回復費用。

 保険市場で評価した場合の保険料率(kWhあたり)と事故コストを参考にすること。

3 原子力施設以外の安全対策コストを追加すること。

 ・ 立地上の安全性の確保(地震や津波が起きない地点に[新規]立地、ないしは建て替え。)に要するコスト。

 ・ シビアアクシデント対策、周辺施設との隔離、防災対策コスト。

 ・ 福島の事故を見ると、60km 圏までかなりの濃度で飛んでいる。それに対する防災対策には、防災訓練も必要になってくる。そうした多重防護に関わる追加的なコスト。

 以上です。

 コスト計算の結果からも、原発の是非が判断されなければなりません。福島原発の事故及びその被害を真摯に受け止めたコスト計算をすべきです。とても割が合わないから、こういうことは起きないなど、新たな安全神話を持ち出してコスト計算をすべきではありません。

 次回は、第二回の「コスト等検証委員会」を勉強してみるつもりです。興味のある方は原文を読んでみてください。何か新しい発見があると思います。

« 原発コスト 10円/kw・h その1 | トップページ | 脱原発 かっこいい »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 原発コスト 10円/kw・h その1 | トップページ | 脱原発 かっこいい »