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2012年1月 8日 (日)

経産官僚 福島へ行ってみろよ

 城山三郎は「官僚たちの夏」のなかで、「俺たちは国家に雇われている。大臣にやとわれているんじゃないんだ」といっています。経済成長が始まろうとしている時代でした。外国の経済的進出から日本を守るために奮闘した通産省官僚たちの物語です。コンピュータ、車等、保護主義的な政策を推し進めました。小説からは、その当時の官僚たちの熱い志が伝わってきます。 

 翻って、現在の経産官僚はどうでしょうか。熱い志を持っているでしょうか。10年ほど前と比べて、国家の将来を憂い、星雲の志を持った官僚は減っているといわれています。

 弱気な経産官僚のつぶやき。

1 「税金をつぎ込むばかりで成果はない」として核燃料サイクル中止を訴えたが、政治の力に負けた。

2 古賀さんの退職で、正論を主張する若手が後に続かない。古賀さんにはやめて欲しくなかった。

3 官僚の身分保障は「正しいことは正しい」と主張し続けるためにある。

4 省全体では、脱原発の成り行きを見守ろうと言う空気がある。

5 電力会社や天下りしたOB、政治家など「原子力村」の構図は変わっていない。

6 経産省の職員が住民に頭を下げている一方、原子力村のエリートは、福島に足を運ぶこともなく、世論の節目が変わるのを息を潜めて待っている。

7 こんな事故が起きたことに申し訳ない気がする。

 なんとも日和見的な態度ですね。出世が気になるのでしょう。自分のことしか考えない官僚に日本を任せられません。この人はどうしたいと思っているのでしょうか。

 脱原発反対官僚のつぶやき

1 脱原発を進め、代替エネルギーの比率が増せば、電気料金は高コストとなる。産業の発展に障害となり、経済が落ちれば、給料が下がり、失業者も増える。国民はその覚悟ができているか。

2 海外流出のいい口実となる。家庭用の電気料金も上がり、国民生活は苦しくなる。官僚は心地よい言葉になびく国民に不信感を持っている。

 良くできた三段論法です。反論してみましょう。

 代替エネルギーによる発電はコスト高ですか。

 コスト検証委員会の試算で原発の安価神話は崩れました。太陽光発電は将来安くなります。高コスト体質は、電力会社の1社独占にもあるといわれています。発送電分離でも安くなります。

 産業の発展に障害となり、経済が落ちますか。

 長期的には電力は安くなり、障害にはなりません。代替エネルギーの普及は外国に比べ小さい。この分野に、「人、物、金」をつぎ込めば、産業の裾野が広がります。高度な新技術は日本人の「お家芸」ではないですか。輸出も伸びます。代替エネルギー産業の拡大は、内需に大きく貢献し、雇用も増えます。

 経産官僚でありながら、技術革新の可能性を全くを考えていません。現在の延長線上で政策論理を組み立てています。役人特有の発想です。

 良心ある官僚の皆さん。机上でのみ考えている場合ですか。迷っているなら福島へ行ってその現実を見てください。百聞は一見に如かずです。刑事は現場100回といいます。住民の苦しみを見れば、経済が大事だとはとても言えなくなるでしょう。

 理想的なあるべき姿を思い浮かべてください。今回は、脱原発です。そして、その目的を達するため、あらゆる選択肢を考え、玉石混交した専門家の意見を素直に聞いてください。そこから最適解が見つかります。

 短期的な対応、中長期の対応があるでしょう。正解のある問題を得意としてきた官僚には難しいかも知れないが、これは正解のない問題です。当面君たちしかいません。とりあえずエールを送ります。

 報道によれば、経団連会長は次のように言っています。

 脱原発は人類の夢だ。その夢を実現するためにどうすれば良いのか。再生エネルギーの研究開発を加速することが必要だ。その結果、原発の比重が下がっていくのは本当に喜ばしい姿だ。経団連は原発推進ではない。政府のトップは筋道をたたて脱原発と言うべきだ。

 驚きの発言です。経団連会長の問題意識を経産官僚はもって政策を進めてください。そして夢を持ち、日本人の優秀な技術力を信じましょう。

 報道された「未来のエネルギーの夢」を見てみましょう。

 月の赤道部に幅400kmの帯状の太陽光パネルを月面全周に渡って敷き詰めます。太陽の位置に関わらず、発電が可能です。そこで発電された電力はマイクロ波やレーザ光に返還され、地球に送電されます。気象に影響されない発電が可能となり、世界で使う年間エネルギー(8.8テラワット)を賄えるといいます。清水建設が提唱する「ルナリング」構想。

 日本上空を常に流れるジェット気流による風力発電です。ワイヤで接続された地上300mの高さの風船型風車により発電します。風速は毎秒30mと安定しており、気象変動の影響を受けにくいといいます。 東京農工大の研究。

 有機薄膜系を使った太陽電池も開発中です。軽量で、フレキシブルなため様々な場所での発電が可能です。価格は既存パネルの数分の1。自動車の屋根、ビルの屋上や壁面等適用は広い。三菱化学は15年に量産開始。

 その他、代替エネルギーは数多い。電力の受給状況に応じ料金を大幅に上下させる「ダイナミックプライシング・・・価格変動設定」の実証試験も魅力的です。北九州市、新日鉄、IBM。

 

 

 

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