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2012年1月10日 (火)

原発廃炉 40年は本当か

 原発事故担当相は、運転開始から40年超の原発を廃炉とする原子炉等規正法改正案の骨子を発表しました。ただし、条件を満たせば一定期間の延長を認める例外規定設けています。例外的に事業者から申請があった場合には、「施設自体の老朽化の評価」と「施設を保全できる技術的能力」を審査し、問題がない限り延長を承認するとしています。

 疑問点を述べます。

1 何故、40年で線引きをしたのか。

 54基の原発のうち、現時点において40年以上の原発は、3基です。今後、5年以内に廃炉となるものは6基となります。

 専門家は「原子炉圧力容器やその付属機器は交換できない。圧力容器は、ある温度以下で脆くなる。その温度を脆性遷移温度という。原子炉炉心からの中性子を浴びると、圧力容器内部に微小な欠陥が生じ、その脆性遷移温度は上昇する」と言っています。(ものぐさ 廃炉の基準は その1

 玄海原発1号炉の脆性遷移温度を2009年4月に検査した結果では、原子炉圧力容器の母材の脆性遷移温度は98℃ということです。この温度以下になると、炉心はガラスのように破壊されるといわれています。緊急冷却時に耐えられるでしょうか。このように老朽化した玄海原発は今後4年も稼動することになります。怖いですね。九電は玄海原発について脆性遷移温度の推移を公表しています。それによれば、1976年に35℃、1980年に37℃、1993年に56℃、2009年の発表は98℃です。

 廃炉の基準を年数で一義的に決めるのは間違っています。○○℃に脆性遷移温度が上昇したら廃炉とするような明確な基準を決めるべきです。科学的でない基準で老朽化を決めるべきではありません。

 「原発の寿命40年」とする背景には、老朽化した原発の廃炉をアピールして、再稼動に向けた「地ならし」があるといわれています。

2 一定期間の延長を認める例外規定

 これも問題です。例外規定により、「原発廃炉40年」は骨抜きになります。審査項目である「施設自体の老朽化の評価」と「施設を保全できる技術的能力」について検討します。

 「施設自体の老朽化」の基準が示されていません。その都度毎のさじ加減で「健全である」と評価されてしまいます。科学的に定めた数値でもって評価すべきです。

 「施設を保全できる技術的能力」を審査するとあります。これも何を言っているのか判りません。そもそも、保全できる技術的能力がなければ、新品の原発であっても運転する資格はありません。

3 老朽化が原因とされる原発事故

 美浜2号炉      稼動期間 40年   細管破断 

 福島第一2号炉          38年   炉心隔壁ひび割れ

 浜岡1号炉             36年   緊急炉心冷却系の配管破断

 美浜3号炉             36年   配管破断・・・5人死亡

 気をつけよう!。「暗い夜道」と「例外規定」。字余り。

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