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2012年2月11日 (土)

脱原発はシェールガスとメタンハイドレートで

 報道によれば、米国シェル社は65億ドルの利益を計上したといいます。同CEOは「北米でのシェールガス開発が相次ぎ、過剰生産により値崩れが生じているので、減産体制に入る」と言っています。

 このようなシェールガスとはどんなものでしょうか。

・ シェールガスとはメタンを主成分とする天然ガスでシェール(頁岩-けつがん・・・粘土が水底に積み重なって固まったもの)の隙間に入り込んでいる。

・ 2005年版の米エネルギー情報局(EIA)の天然ガス輸入依存度は2025年で28%の予測であったものが、2011年版では4%と激減し、35年には0.8%に低下するといいます。

・ 米国天然ガスの輸出は2035年には2009年の2.5倍に達する。

・ 全世界の埋蔵量は188兆立法メートルで、少なく見積もっても400年分ある。

・ ガス・コンバインド発電と組み合わせれば、CO2排出量を1/3(対石炭排出量)にまで減じることができる。

・ 日本には存在しないが、価格低下し大きな魅力。

・ 日本商社は2009年以降、米国、カナダ、オーストラリア、インドネシアのプロジェクトに投資している。

 一方、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は次世代エネルギー資源として期待が高い「メタンハイドレート」の産出試験に向けた事前掘削作業を、2/14ごろから愛知県渥美半島沖海底で始めると発表しました。メタンハイドレートを海底で掘削して産出する試験は世界初と言います。安定的に取り出すことに成功すれば、2018年度の商業化を目指ことができるようです。静岡県沖から和歌山県沖に広がる「東部南海トラフ」周辺の海域で、日本の天然ガス消費量の十数年分に当たる約1兆立方メートルのメタンハイドレートが埋蔵されているとみられます。

 メタンハイドレートとはどんなものでしょうか。

・ 「燃える水」とよばれ、水分子の作るかご状の中にメタンガスが存在する。

・ 日本列島周辺や米国西海岸に存在する。

・ 全世界の埋蔵量は数千兆立法メートルで、日本列島周辺海域だけでも100年分ある。

・ 現場で算出試験をしているのは日本だけで、産出効率の高い減圧法(注1)を開発。

商業生産するためには多くの課題もあるが、メタンハイドレートは日本を資源大国に変える可能性をも秘めています。そのつなぎとしてのシェールガスは日本のエネルギー政策を脱原発に転換させるための大きな役割を果たすでしょう。

 さて、2010年における主要国のエネルギー開発費を見て、日本の極端な偏重に愕然としました。以下、原子力関連に対する総エネルギー開発費の割合を見てみます。

国         原子力関連予算額   原子力に対する総エネルギー開発割合

日本        2,500億円      70%

米国          800         19

フランス        500         42

ドイツ          200         28

 日本の原子力開発費用が、他国に対して突出していることがわかります。異常と言うべきでしょう。その大半は、高速増殖炉(もんじゅ)、核燃料サイクル、新型原子炉開発関連です。福島原発事故があったにも関わらず、12年度の原子力関連研究予算は13.5%減の2,095億円です。その分、安全・事故対策費は783億円と前年対比2.5倍の783億円(この中には、重大事故を防ぐ研究や廃炉のための技術開発が含まれている)に膨れ上がっています。それに電源立地交付金を加えれば2011年度とほぼ変わらない予算額となっています。この金を原子力村が吸い込んでいるのです。

 この原子力関連予算の大半をシェールガスやメタンハイドレート、その他自然エネルギー開発予算に振り向けてください。高速増殖炉(もんじゅ)や核燃料サイクル予算を切れば済むことです。さもなくば、原子力以外のエネルギー開発において、日本は対外的な遅れを取ってしまいます。

注1) 減圧法 : メタンハイドレート層にまで掘削した穴にポンプを埋設し、水をくみ上げると、坑内は減圧状態となり、シェール内に閉じ込められていたメタンガスが分離回収される。

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