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2012年3月

2012年3月 4日 (日)

安全確保で原発再稼動 ?

 政府からは、「原発の安全確保と地元の同意が得られれば、再稼動可能」との声が聞こえてきます。その理由として、今夏の電力不足が挙げられています。再稼動できなければ、燃料費が増加し、電気料金の値上げは避けられないとも言っています。再稼動したいがための魂胆が垣間見れます。

 それでは、何をもって「原発の安全」が確保されたというのでしょうか。今だ、その基準は定められていません。

 高台への電源車の配備ですか。これでもって、福島原発事故後の6/29、政府は玄海原発を再稼動しようとしました。(ものぐさ: デタラメ 原発ストレステスト

 それとも、ストレステストの実施ですか。「電力会社の一次評価は妥当」との判断を原子力安全・保安院はしました。ストレステストは2006年の耐震設計審査指針に対して、どの程度、安全余裕度があるかを示しているに過ぎません。耐震設計審査指針は甘く、見直しが叫ばれています。このような状態で、「ストレステストは妥当であり、原発は安全だ」と言われても不安です。

 過日、内閣府原子力安全委員会は、「電力会社が行なった一次評価は不十分」との見解を示しました。これに対して、官房長官は、あわてて、「内閣府安全委員会は再稼動の是非を決定する立場にない」と発言をしています。再稼動への流れが、後戻りするのを恐れたのでしょうか。確かに、その立場に、原子力安全委員会はありませんが、専門的な立場から、問題点を指摘したのです。政府及び政治家は、これを真摯に受け止めるべきでしょう。そして、最終判断は首相と3閣僚で構成される機関で判断すれば良いのです。原子力安全委員会の発言に、あわてて反応するのは滑稽です。原発再稼動に向けた妥当性の手続きは、(ものぐさ 「バックチェック」と「バックフィット」で原発は安全か)を参照してください。

 再稼動への判断基準も示されていない中、その是非を判断することに意味があるでしょうか。

 改めて、「原発の安全」とは何なのでしょうか。ある識者が「原発の事故の発生確率は一万年に一度」と言ったそうです。これを聞いた住民は、「その一万年に一回が明日来るかもしれない」と言ったそうです。事故確率が低いから原発は安全だとは言えません。福島原発事故に遭遇した人にとっては、そんな確率に意味はありません。

 「想定外」という言い訳を何度も聞きました。経済性に見合った安全対策に留め、電力会社は原発を設計しています。その安全設計を超える事象が起きたので、「想定外」であったと言っているのです。経済性に見合った安全対策を超える震災は「想定外」で、事故がおきたら保証できないのです。

 絶対に安全でなければ、再稼動できません。原発は飛行機事故とは異なります。その被害の及ぶ範囲は、全国に及びます。日本沈没です。「絶対に安全でなくても、都会から離れた原発は再稼動しても良い」と、政治家は判断するのでしょうか。それでは、絶対に安全とはどういうことでしょう。

・ 原発直下で、M9クラスの地震が発生したらどうでしょう。先日も、「東京直下、震度7の地震」との報道がありました。都民は、あわてています・。

・ 原発直下で火山が爆発したらどうでしょうか。

・ 福島原発事故で、原子炉天井が水素爆発で吹き飛びました。天井が最も弱いのです。原発に、飛行機が墜落したり、北朝鮮からミサイルが打ち込まれたらどうでしょうか。

・ 30mの津波が来たらどうでしょうか。

・ 長周期地震がきたらどうなるのでしょう。その揺れにより、使用済み核燃料プールは破壊するかもしれません。破壊しないまでも、冷却水はあふれ出します。石油コンビナートの石油タンクが、長周期地震により火災を起こした記憶がよみがえります。

・ 断層ズレが原子炉建屋とタービン建屋の間に生じたらどうなるのでしょうか。それらをつなぐ配管、配線は断裂し、直ちに冷却材は失われ、高台の電源車も機能しません。

・ 高台に設置した電源車との接続は上手くいくのでしょうか。浸水により、敷地内には、海水や瓦礫が溢れています。作業はできるのでしょうか。

 そんなことは考えられない。考えれば、原発など再稼動できない。だから、考えないことにしよう。そして、そんなことは起きないだろう。起きないことにしよう。だから原発は安全だ。絶対安全だ。そう言うのでしょうか。

 政府は、安全が確保されれば再稼動は可能と言っていますが、絶対に安全は確保されないのです。よって、再稼動はできないのです。

2012年3月 7日 (水)

原発について政治家はどう考えているのか

 福島原発事故以降、政治家による原発に対する発言はあまり聞かれません。政治家はどのように考えているのでしょうか。世論の収まりをみて、なし崩し的に、再稼動を進めるのでしょうか。

 たまたま、NHKの日曜討論(2/26)で政治家の意見を聞くことができました。当たり障りのない発言ですが、政党間の考え方の違いが若干判ると思います。赤字はものぐさの意見。

1  民主党 

・ 夏の電力供給不足を起こさないため、万全を期す。

・ すぐに再稼動できない。短期間で結論の出る話ではない。安全確認をして、住民が理解した上で再稼動。

・ シェールガスの輸入ルートを早く確保する努力が必要。

・ 電力はひっ迫状態だ。LNGも必要だが、高効率石炭火力発電所の稼動や再生エネルギーへの本気度がバーゲニングパワーとなる。他社の参入を容易に。中小水力発電をPPS(特定規模の電気事業者)に売れるようにする。

・ 原発の中長期エネルギー政策は夏までに。そして、原発をどうするのか。

・ 東電については、公的資金を投入し、出資比率は2/3以上を守る。

・ 安全第一で、国民にすべての情報を公開。節電を行い、受益者負担による料金上昇を国民も受け入れよ。

 野田首相は、海外メディアのインタービューにおいて、「安全と認めた原発の再稼動に向け、地元の説得に乗り出す」と発言しています。従来の安全基準によるストレステストで安全は確保されているとの認識です。福島原発事故の検証など念頭にないようです。再稼動したいしたい病のようです。前述の民主党議員の発言と矛盾しませんか

 原発を停止したことによる電気料金の上昇については、国民は受け入れるべきです。第二の原発事故が起き、住民が故郷をなくし、路頭に迷うよりましでしょう。もちろん、電気料金に含まれている広告費や原発立地自治体への寄付金等を除外し、東電の更なるリストラを実施してからの値上げが前提になります。安全を金で買うことになります。

2 自民党

・ 再稼動ありきではない。電力の安定供給。

・ 原発は国会事故調査委員会で徹底検証せよ。新安全基準が必要だ。ストレステストはあてにならない。

・ 脱原発を含めベストミックスをどう作るか。

・ 政官業癒着は論外。料金上昇に伴う燃料調整制度の見直し。総括原価方式にも踏み込むことが必要だ。

・ 法的整理をやった上でないと、国有化はダメ。結局生き残るのは東電、そして再上場。合理化を徹底し料金上昇を抑える。

・ 事故の現実をもとにエネルギー政策を行なう。

3 公明党

・ 長期的には脱原発。再生エネルギーの利用や、化石燃料による発電の高効率化。

・ 経済面を理由に再稼動すべきでない。事故の教訓を踏まえた新安全基準が必要。数年間の停止を惜しんではならない。その間は、仮の安全基準による、仮免許での運転であっても良い。ただし、国民の理解が必要。

・ LNGを安く買う政治的努力。足元を見られている。アメリカはシェールガスをバーゲニングパワーとしている。

・ 廃ロス熱を有効利用できるような分散型電源の促進。50/60ヘルツ統一。大陸からの受電(ナショナルグリッド)。直流高圧幹線による電力網。

・ 発送電を自由化しないと料金は安くならない。

 「仮の安全基準による仮免許での運転」発言には唖然としました。仮免許では車でも道路を走ることはできません。仮の安全基準など認められません。

4 みんなの党

・ 事故を口実に料金アップをしようとしている。年間1000円の電気料金を上積みしている核燃料サイクルは破綻している。2兆円の積み立てを取り崩す。

・ 住民投票が必要。新安全基準が必要。廃棄物処理は困難。なし崩し的再稼動はすべきでない。原発事故の被害は甚大であり、原子力安全委員会が安全だからといって、再稼動すべきではない。

・ 電力独占体制の打破。

・ ガスタービン発電はすぐできる。環境アセスメントに時間がかかるが、非常時は免除されている。しかし、既存の電力会社以外は免除されないのはおかしい。

・ 発送電分離で再生エネルギーの普及を。

・ 独占企業だ。競争が働くように自由化を。

5 共産党

・ 原発撤退。自然エネルギーを増加せよ。原発40基分の潜在エネルギーがある。

・ 事故調査結果の報告前にどうして安全が確保されたと言えるのか。事故調査結果に基づく安全基準作成。政治判断による再稼動は論外。事故の徹底的究明を。

・ 節電等で夏は乗り越えられる。電力会社から電力供給のデータを出させる。

・ 原発関連予算4200億円を省エネルギーへ。

・ 料金アップはとんでもない。総括原価方式にメスを入れる。固定価格で買い取る自然エネルギーを増やせ。

6 社民党

・ 再稼動論外。ゼロに立ち返って原子力政策を判断。安全基準がはっきりしない。地震による事故検証必要。

・ 昨年並みなら、原発ゼロでも4.1%の余裕がある。節電、省エネで乗り切れる。

・ LNG単価は事故後上がっているが、輸入量は増えていない。CO2削減は省エネ、節電で可能。

・ 地域分散型エネルギー供給体制。世界から10年遅れだ。

・ 東電を法的処理した後に、国が公的資金を投入し、送電網を5兆円で買い取る。

7 たちあがれ日本

・ エネルギー問題があり、脱原発は疑問。

・ 原子力安全委員会の役割は原発の安全性を高めることにあり、再稼動の是非とは別次元。原子力安全・保安院と政府の判断を国民に説明した上で再稼動すれば良い。

・ 原子力安全委員会の「一次評価だけでは不十分」発言は、二次評価をしっかりやれということだ。

・ エネルギー外交政策としては、日本-イラン外交の強化。

・ 原発を含めたベストミックス。バランス感覚が必要。

・ 原油価格上昇による料金上昇と、東電問題による料金アップは別に考えよ。東電は厳しく問われなければならない。

 脱原発反対のようです。「原油価格上昇による料金上昇と、東電問題による料金アップは別に考えよ」は賛成です。

8 国民新党

・ 今夏、原発ゼロを前提に対応。

・ 天然ガスの輸入料金が対アメリカ6倍、対欧州でも2倍高い。安くすべきだ。電力会社は石油価格に連動し、プレミアムをつけ、LNGを高く買っている。安く買う努力を。燃料費調整制度や総括原価方式があるので、電気料金を下げようとするインセンティブが働かない。季節毎、時間毎に料金を変える方式。

・ 原発再稼動は住民の理解が必要。

・ 産業用はLNG、家庭用は再生エネルギー。

・ ストレステストは原発の弱点をみつけるためで、再稼動とは関係ない。欧州でもそうだ。

・ 事故の原因究明もなく、津波だけが原因とはいえないとの指摘もある。

・ 使用済み核燃料が貯まっていくことに、住民はどう考えるか。

・ 発送電を分離したかといって、必ずしも安くならない。そうならないように、何のための発送電分離かをよく考えよ。

・ 政府としては、LNGを安く買うことと燃料費調整制度を見直せ。

 全体的に、実行力の伴わない国民への「ガス抜きやリップサービス」の感がぬぐえません。そうでないと言うなら、行動で示してください。

2012年3月13日 (火)

ストレステスト 二次評価とは

 内閣府原子力安全委員会は、「大飯原発のストレステストについて、事業者自身が安全性を高めるための資料として、一次評価は不十分」という認識を示しました。

 上記発言に対して、たちあがれ日本は、NHK討論番組において、「原子力安全委員会の一次評価だけでは不十分」とは、二次評価をしっかりやれということだ。と述べています。

 また、3/1報道において、井野博満名誉教授は、内閣府原子力安全委員会の上記発言に対して、「二次評価を含めて再稼動を判断する条件としたい。過酷事故に至った場合、放射能汚染がどのくらいの範囲に広がるのか、どんな影響緩和策を含めた二次評価が出てこないと住民としては判断できない」と述べています。 

 それでは、二次評価とは何なのでしょうか。

 「第53回原子力安全委員臨時会議」は、二次評価について、以下のように言っています。

 設計上の想定を大幅に超える事象の発生を仮定し、評価対象の原子力発電所が、どの程度の事象まで燃料の重大な損傷を発生させることなく耐えることができるか、安全裕度(耐力)を評価する。また、燃料の重大な損傷を防止するための措置について、多重防護の観点から、その効果を示すとともに、クリフエッジ効果(注1)を特定して、潜在的な弱点を明らかにする。これにより、既設の発電用原子炉施設について、設計上の想定を超える外部事象に対する頑健性に関して、総合的に評価する。

 更に、二次評価実施項目の中には「クリフエッジの所在を特定する」や「特定されたクリフエッジへの対応を含め、燃料の重大な損傷に至る事象の過程の進展を防止するための措置について、多重防護の観点から、その効果を示す」とあります。

 そして、シビアアクシデント対策については

1 現在備えているアクシデント・マネージメント対策におけるクリフエッジ効果を明確にするとともに、シビアアクシデントの発生からそこに至るまでの時間を評価する。

2 クリフエッジ効果を防止するために実施可能な措置について、多重防護の観点から、その効果を示す。その際、ハードウェアのみならず、手順書、組織体制の整備などソフト面について考慮する。

 と述べています。 

 注1) クリフエッジとは「崖っぷち」ということらしい。

 参考までに、一次評価も以下に見てみましょう。

 安全上重要な施設・機器等について、設計上の想定を超える事象に対してどの程度の安全裕度が確保されているか評価する。評価は、許容値に対しどの程度の裕度を有するかという観点から行う。また、設計上の想定を超える事象に対し安全性を確保するために取られている措置について、多重防護の観点から、その効果を示す。これにより、必要な安全水準に一定の安全裕度が上乗せされていることを確認する。

 そして、一次評価実施項目の中には「クリフエッジの所在を特定する」や「クリフエッジへの対応」の文言が記述されています。

 一次評価と二次評価の違いがよくわかりませんが、以下、比較してみます。

1 一次評価において、「クリフエッジへの対応」としか書かれていないものが、二次評価では、「特定されたクリフエッジへの対応を含め、燃料の重大な損傷に至る事象の過程の進展を防止するための措置について、多重防護の観点から、その効果を示す」と突っ込んだ表現になっています。

2 二次評価には、一次評価にない「シビアアクシデント対策」の記述があります。

 そこには、「シビアアクシデントの発生からそこ(燃料の重大な損傷?)に至るまでの時間を評価する」とあります。過日、すべての電源と冷却機能が失われた場合のシミュレーション結果が報道されましたが、これをさすのでしょうか。確か、浜岡原発では核燃料の損傷が「原子炉で3日程度、使用済み核燃料プールで25日程度」でした。(ものぐさ:浜岡原発停止でも炉心は溶融する

 こんな程度のシミュレーションで二次評価を行なったとするのでしょうか。

 一次、二次評価とも、想定外の事象に対して、炉心溶融するまでの安全余裕度の評価を求めているに過ぎません。二次評価では、炉心溶融するまでの時間を明らかにするように求めているだけです。

 井野名誉教授は次のように言いたかったのでしょうか。

 冷却剤が失われ、炉心が溶融し、過酷事故に至った場合、

1 放射能汚染がどのくらいの範囲に広がり、

2 どの程度の人に急性障害があらわれ、

2 どんな手段で放射能の影響を緩和し、

3 どの程度の地域が居住不能、または居住制限され、

4 退避期間はどの程度となり、

5 被害総額はいくらとなるのか、

等への評価を提示しなければ、国民は再稼動を判断できませんと。

 二次評価の内容について、もう少し、具体的かつ突っ込んだ議論が必要ではないでしょうか。掘り下げた報道を期待します。あいまいな内容で、二次評価までしたからという実績作りで、原発を再稼動してはなりません。安全の基準を国民が理解できるように示して欲しいものです。

 

2012年3月16日 (金)

反原発政党の脱原発本気度

 報道によると、南ドイツ新聞は「70%の日本人は脱原発を望んでいるが、街に出てデモに参加する人は少ない。むしろ人々はShoganai(しょうがない)と話す」と報じています。

 Shoganai(しょうがない)と言う人がいたことは残念です。ただ、その思いを主張し、デモに参加したいと思っている人は少なくないはずです。

 福島原発事故以後、私は2度のデモに参加しました。1回目の参加者は800人程度で、乳幼児を連れた若い母親や若者達が多く参加していました。原発に関心を持っている普通の人が多く目立ちました。2回目の参加者は500人程度と少なく、前回と異なった何かを感じました。そういえば、若い母親はいません。各種団体に属しているらしい「のぼり旗」を持った人が目立ちました。普通の人がいません。開催の主体が各種団体であるなら参加を呼びかけるネットワークはあったはずです、なぜ、県民に広く呼びかけないのだろうかと感じ、少々がっかりしました。そして、これが最後のデモとなりました。

 自民党と社会党の2大政党が長く続いた時代がありました。間違っているかもしてませんが、その時代の社会党の目的は自民党に反対することであり、本気で政権をとり自らが目指す政治を行なおうとの気概がなかったと聞いています。

 デモへの呼びかけが積極的でなかったのでしょう。うがった見方をすれば、デモ自体が各種団体の閉鎖的行事になっているようにも見えます。脱原発を唱えることが、その政党の目的となってはいないでしょうか。脱原発の実現は困るわけです。

 本気で脱原発を唱えるなら、色々な手段でもって、デモへの参加を呼びかけてくれませんか。インターネットでもできます。チラシ配布のボランティアでも、脱原発推進活動へのカンパでもかまいません。数千円のカンパで脱原発ができるなら、安いものです。70%の脱原発を望んでいる人に対して、デモ参加へのハードルを下げてください。

 

2012年3月19日 (月)

大飯原発 再稼動か 

 大飯原発の再稼動に関して、原子力安全委員会は再稼動を了承し、そして、それは政治判断に委ねられることとなりました。

 有識者、自治体首長が懸念を示している中、強行に政府は再稼動を行なおうとしています。

 同原発の目前に広がる若狭湾で三つの断層が連動して地震を起こす可能性が原子力安全・保安院の専門家会合で指摘されているにも関わらず、関電は「3連動の可能性は極めて低い」と主張し、原子力安全委員会は、再稼動を了承したのです。3連動地震がおきれば、関電は想定外と言うに決まっています。

 今までの報道を時系列的に見てみましょう。

 2011.10.28 

 関電は原子力安全・保安院にストレステストの結果を報告。

 2012.1.18

 原子力安全・保安院のストレステスト意見聴衆会は審議の進め方を巡って「市民団体の抗議」により開催できず。

 諸葛東京大特任教授は「ストレステストは、炉心溶融のような過酷事故が起きるまでどのくらいの余裕があるかを推定するためで、安全を保証する合格点というものはない」と話す。更に、「想定外の事故が起きても、適切に機器や職員を動かすことができるのかを含めて評価すべきだ」とも言っている。

 井野東大名誉教授は「どこまで余裕があったら合格という判断基準がないまま、評価結果を出すのはおかしい。福島原発事故で得られた知識を取り入れた上で安全評価し直すことが先で、再稼動ありきだ」と言う。

 福井県知事は「シミュレーションに過ぎず、机上の調査だ。結果を原発再稼動の判断にどう生かすかという基準も不明確で、原発再稼動の判断材料とするのは不十分」と言及。

 2012.2.7

 経産相は「期限を切って再稼動をするつもりはない」と強調した。

 2.012.2.8 

 原子力安全・保安院はストレステスト結果について、「妥当」とした。

 福井県知事は「福島原発事故をふまえた新たな安全基準を策定するよう」要望した。

 経産相は、4月再稼動との報道に対し「そんな気はない」と否定。

 2012.2.20

 原子力安全委員会はストレステスト結果について、「事業者自身が安全性を高めるための資料として、一次評価は不十分。運転再開の可否の判断を行なうものではない」と言及。

 2012.3.5

 経産相は「安全確認できたら、当面は原子力を使わせて欲しい」と言及。

 2012.3.13

 原子力安全委員会は原子力安全・保安院が「妥当」と判断したストレステストを了承した。

 首相、経産相は「先頭にたって地元を説得する」と表明。

 福井県知事は「われわれが求めているのは福島事故の知見がいかに反映されるかということ」と言及。

 九州大副学長は「最新データを考慮しないストレステストの結果など、吹けば飛ぶようなもの。事故を含めた安全基準が必要」と言及。

 2012.3.15

 経産相は「政府としては、再稼動に前向きではない。ゼロになるかは今後次第だが、相当少なくなるのは間違いない」と予算委員会で発言。

 次に、疑問点なり、感じたことを記します。

1 経産相の発言が、ふらふらと変わっています。当初は、再稼動に慎重でした。ところが、.3/5には「当面は原子力を使わせて欲しい」と微妙に変わっています。その後、「再稼動に前向きではない」と発言が元に戻っています。そして、「当面」とは、いつまでのことでしょう。どのような状況になったら、「運転停止」するのでしょう。「誰がーいつまでにー何をーどうする」と発言しなければなりません。

2 識者、県知事は「ストレステストは安全を保証するというものではない」、「合格の判断基準がないまま評価結果を出すのはおかしい」、「原発事故をふまえた新たな安全基準を策定」、「再稼動ありきだ」、「基準も不明確で、原発再稼動の判断材料とするのは不十分」、「最新データを考慮しないストレステストの結果など、吹けば飛ぶようなもの」等、同様の懸念を表明しています。そして、その主張するとことは一貫しています。

3 3/14の報道によれば、原子力安全・保安院は同専門家会合で3連動地震の可能性を指摘されているにも関わらず、再稼動を何故了承したのでしょう。保安院は「連動問題は検討中」と言っていますが、その場しのぎの発言でしょう。最悪の事態を考慮して、安全性を検討するのではないですか。これが「再稼動ありき」と言うのでしょう。

4 ストレステスト結果は、関電→原子力安全・保安院→原子力安全委員会と妥当性が検討され、最後に政治判断されることになっています。ところが、2/20、当初、原子力安全委員会は「事業者自身が安全性を高めるための資料として、一次評価は不十分」と表明していたにも関わらず、原子力安全・保安院が「妥当」と判断したストレステストを何故、原子力安全委員会は了承してしまったのでしょう。一次評価として不十分な点を、原子力安全・保安院は再検討すべきです。力関係が逆転しています。

5 経産相、首相は、道理のない、不安だらけのストレステストを安全だと強弁し、再稼動をしようとしています。

 原子力安全委員会、原子力安全・保安院は、この期に及んでも、国民の安全を守るという意識が全くないようです。識者、県知事ばかりか、大多数の国民は、原発の再稼動に不安を感じています。当たり前の国民感情をどうして政府は汲み取らないのでしょうか。国民のための政治ですか。

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