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2012年3月13日 (火)

ストレステスト 二次評価とは

 内閣府原子力安全委員会は、「大飯原発のストレステストについて、事業者自身が安全性を高めるための資料として、一次評価は不十分」という認識を示しました。

 上記発言に対して、たちあがれ日本は、NHK討論番組において、「原子力安全委員会の一次評価だけでは不十分」とは、二次評価をしっかりやれということだ。と述べています。

 また、3/1報道において、井野博満名誉教授は、内閣府原子力安全委員会の上記発言に対して、「二次評価を含めて再稼動を判断する条件としたい。過酷事故に至った場合、放射能汚染がどのくらいの範囲に広がるのか、どんな影響緩和策を含めた二次評価が出てこないと住民としては判断できない」と述べています。 

 それでは、二次評価とは何なのでしょうか。

 「第53回原子力安全委員臨時会議」は、二次評価について、以下のように言っています。

 設計上の想定を大幅に超える事象の発生を仮定し、評価対象の原子力発電所が、どの程度の事象まで燃料の重大な損傷を発生させることなく耐えることができるか、安全裕度(耐力)を評価する。また、燃料の重大な損傷を防止するための措置について、多重防護の観点から、その効果を示すとともに、クリフエッジ効果(注1)を特定して、潜在的な弱点を明らかにする。これにより、既設の発電用原子炉施設について、設計上の想定を超える外部事象に対する頑健性に関して、総合的に評価する。

 更に、二次評価実施項目の中には「クリフエッジの所在を特定する」や「特定されたクリフエッジへの対応を含め、燃料の重大な損傷に至る事象の過程の進展を防止するための措置について、多重防護の観点から、その効果を示す」とあります。

 そして、シビアアクシデント対策については

1 現在備えているアクシデント・マネージメント対策におけるクリフエッジ効果を明確にするとともに、シビアアクシデントの発生からそこに至るまでの時間を評価する。

2 クリフエッジ効果を防止するために実施可能な措置について、多重防護の観点から、その効果を示す。その際、ハードウェアのみならず、手順書、組織体制の整備などソフト面について考慮する。

 と述べています。 

 注1) クリフエッジとは「崖っぷち」ということらしい。

 参考までに、一次評価も以下に見てみましょう。

 安全上重要な施設・機器等について、設計上の想定を超える事象に対してどの程度の安全裕度が確保されているか評価する。評価は、許容値に対しどの程度の裕度を有するかという観点から行う。また、設計上の想定を超える事象に対し安全性を確保するために取られている措置について、多重防護の観点から、その効果を示す。これにより、必要な安全水準に一定の安全裕度が上乗せされていることを確認する。

 そして、一次評価実施項目の中には「クリフエッジの所在を特定する」や「クリフエッジへの対応」の文言が記述されています。

 一次評価と二次評価の違いがよくわかりませんが、以下、比較してみます。

1 一次評価において、「クリフエッジへの対応」としか書かれていないものが、二次評価では、「特定されたクリフエッジへの対応を含め、燃料の重大な損傷に至る事象の過程の進展を防止するための措置について、多重防護の観点から、その効果を示す」と突っ込んだ表現になっています。

2 二次評価には、一次評価にない「シビアアクシデント対策」の記述があります。

 そこには、「シビアアクシデントの発生からそこ(燃料の重大な損傷?)に至るまでの時間を評価する」とあります。過日、すべての電源と冷却機能が失われた場合のシミュレーション結果が報道されましたが、これをさすのでしょうか。確か、浜岡原発では核燃料の損傷が「原子炉で3日程度、使用済み核燃料プールで25日程度」でした。(ものぐさ:浜岡原発停止でも炉心は溶融する

 こんな程度のシミュレーションで二次評価を行なったとするのでしょうか。

 一次、二次評価とも、想定外の事象に対して、炉心溶融するまでの安全余裕度の評価を求めているに過ぎません。二次評価では、炉心溶融するまでの時間を明らかにするように求めているだけです。

 井野名誉教授は次のように言いたかったのでしょうか。

 冷却剤が失われ、炉心が溶融し、過酷事故に至った場合、

1 放射能汚染がどのくらいの範囲に広がり、

2 どの程度の人に急性障害があらわれ、

2 どんな手段で放射能の影響を緩和し、

3 どの程度の地域が居住不能、または居住制限され、

4 退避期間はどの程度となり、

5 被害総額はいくらとなるのか、

等への評価を提示しなければ、国民は再稼動を判断できませんと。

 二次評価の内容について、もう少し、具体的かつ突っ込んだ議論が必要ではないでしょうか。掘り下げた報道を期待します。あいまいな内容で、二次評価までしたからという実績作りで、原発を再稼動してはなりません。安全の基準を国民が理解できるように示して欲しいものです。

 

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