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2012年3月 7日 (水)

原発について政治家はどう考えているのか

 福島原発事故以降、政治家による原発に対する発言はあまり聞かれません。政治家はどのように考えているのでしょうか。世論の収まりをみて、なし崩し的に、再稼動を進めるのでしょうか。

 たまたま、NHKの日曜討論(2/26)で政治家の意見を聞くことができました。当たり障りのない発言ですが、政党間の考え方の違いが若干判ると思います。赤字はものぐさの意見。

1  民主党 

・ 夏の電力供給不足を起こさないため、万全を期す。

・ すぐに再稼動できない。短期間で結論の出る話ではない。安全確認をして、住民が理解した上で再稼動。

・ シェールガスの輸入ルートを早く確保する努力が必要。

・ 電力はひっ迫状態だ。LNGも必要だが、高効率石炭火力発電所の稼動や再生エネルギーへの本気度がバーゲニングパワーとなる。他社の参入を容易に。中小水力発電をPPS(特定規模の電気事業者)に売れるようにする。

・ 原発の中長期エネルギー政策は夏までに。そして、原発をどうするのか。

・ 東電については、公的資金を投入し、出資比率は2/3以上を守る。

・ 安全第一で、国民にすべての情報を公開。節電を行い、受益者負担による料金上昇を国民も受け入れよ。

 野田首相は、海外メディアのインタービューにおいて、「安全と認めた原発の再稼動に向け、地元の説得に乗り出す」と発言しています。従来の安全基準によるストレステストで安全は確保されているとの認識です。福島原発事故の検証など念頭にないようです。再稼動したいしたい病のようです。前述の民主党議員の発言と矛盾しませんか

 原発を停止したことによる電気料金の上昇については、国民は受け入れるべきです。第二の原発事故が起き、住民が故郷をなくし、路頭に迷うよりましでしょう。もちろん、電気料金に含まれている広告費や原発立地自治体への寄付金等を除外し、東電の更なるリストラを実施してからの値上げが前提になります。安全を金で買うことになります。

2 自民党

・ 再稼動ありきではない。電力の安定供給。

・ 原発は国会事故調査委員会で徹底検証せよ。新安全基準が必要だ。ストレステストはあてにならない。

・ 脱原発を含めベストミックスをどう作るか。

・ 政官業癒着は論外。料金上昇に伴う燃料調整制度の見直し。総括原価方式にも踏み込むことが必要だ。

・ 法的整理をやった上でないと、国有化はダメ。結局生き残るのは東電、そして再上場。合理化を徹底し料金上昇を抑える。

・ 事故の現実をもとにエネルギー政策を行なう。

3 公明党

・ 長期的には脱原発。再生エネルギーの利用や、化石燃料による発電の高効率化。

・ 経済面を理由に再稼動すべきでない。事故の教訓を踏まえた新安全基準が必要。数年間の停止を惜しんではならない。その間は、仮の安全基準による、仮免許での運転であっても良い。ただし、国民の理解が必要。

・ LNGを安く買う政治的努力。足元を見られている。アメリカはシェールガスをバーゲニングパワーとしている。

・ 廃ロス熱を有効利用できるような分散型電源の促進。50/60ヘルツ統一。大陸からの受電(ナショナルグリッド)。直流高圧幹線による電力網。

・ 発送電を自由化しないと料金は安くならない。

 「仮の安全基準による仮免許での運転」発言には唖然としました。仮免許では車でも道路を走ることはできません。仮の安全基準など認められません。

4 みんなの党

・ 事故を口実に料金アップをしようとしている。年間1000円の電気料金を上積みしている核燃料サイクルは破綻している。2兆円の積み立てを取り崩す。

・ 住民投票が必要。新安全基準が必要。廃棄物処理は困難。なし崩し的再稼動はすべきでない。原発事故の被害は甚大であり、原子力安全委員会が安全だからといって、再稼動すべきではない。

・ 電力独占体制の打破。

・ ガスタービン発電はすぐできる。環境アセスメントに時間がかかるが、非常時は免除されている。しかし、既存の電力会社以外は免除されないのはおかしい。

・ 発送電分離で再生エネルギーの普及を。

・ 独占企業だ。競争が働くように自由化を。

5 共産党

・ 原発撤退。自然エネルギーを増加せよ。原発40基分の潜在エネルギーがある。

・ 事故調査結果の報告前にどうして安全が確保されたと言えるのか。事故調査結果に基づく安全基準作成。政治判断による再稼動は論外。事故の徹底的究明を。

・ 節電等で夏は乗り越えられる。電力会社から電力供給のデータを出させる。

・ 原発関連予算4200億円を省エネルギーへ。

・ 料金アップはとんでもない。総括原価方式にメスを入れる。固定価格で買い取る自然エネルギーを増やせ。

6 社民党

・ 再稼動論外。ゼロに立ち返って原子力政策を判断。安全基準がはっきりしない。地震による事故検証必要。

・ 昨年並みなら、原発ゼロでも4.1%の余裕がある。節電、省エネで乗り切れる。

・ LNG単価は事故後上がっているが、輸入量は増えていない。CO2削減は省エネ、節電で可能。

・ 地域分散型エネルギー供給体制。世界から10年遅れだ。

・ 東電を法的処理した後に、国が公的資金を投入し、送電網を5兆円で買い取る。

7 たちあがれ日本

・ エネルギー問題があり、脱原発は疑問。

・ 原子力安全委員会の役割は原発の安全性を高めることにあり、再稼動の是非とは別次元。原子力安全・保安院と政府の判断を国民に説明した上で再稼動すれば良い。

・ 原子力安全委員会の「一次評価だけでは不十分」発言は、二次評価をしっかりやれということだ。

・ エネルギー外交政策としては、日本-イラン外交の強化。

・ 原発を含めたベストミックス。バランス感覚が必要。

・ 原油価格上昇による料金上昇と、東電問題による料金アップは別に考えよ。東電は厳しく問われなければならない。

 脱原発反対のようです。「原油価格上昇による料金上昇と、東電問題による料金アップは別に考えよ」は賛成です。

8 国民新党

・ 今夏、原発ゼロを前提に対応。

・ 天然ガスの輸入料金が対アメリカ6倍、対欧州でも2倍高い。安くすべきだ。電力会社は石油価格に連動し、プレミアムをつけ、LNGを高く買っている。安く買う努力を。燃料費調整制度や総括原価方式があるので、電気料金を下げようとするインセンティブが働かない。季節毎、時間毎に料金を変える方式。

・ 原発再稼動は住民の理解が必要。

・ 産業用はLNG、家庭用は再生エネルギー。

・ ストレステストは原発の弱点をみつけるためで、再稼動とは関係ない。欧州でもそうだ。

・ 事故の原因究明もなく、津波だけが原因とはいえないとの指摘もある。

・ 使用済み核燃料が貯まっていくことに、住民はどう考えるか。

・ 発送電を分離したかといって、必ずしも安くならない。そうならないように、何のための発送電分離かをよく考えよ。

・ 政府としては、LNGを安く買うことと燃料費調整制度を見直せ。

 全体的に、実行力の伴わない国民への「ガス抜きやリップサービス」の感がぬぐえません。そうでないと言うなら、行動で示してください。

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