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2012年4月25日 (水)

エネルギーの安全保障にもならない日本の原発

 2009年の国連において、鳩山元首相は、2020年までに二酸化炭素排出量を25%減少させると発言し、世界の喝采を浴びました。

 そして、2010年6月の「エネルギー基本計画」は、2020年に向け全電源に占めるゼロエミッション電源(原子力と再生可能エネルギー)の比率を50%以上とし、原発を2020年までに9基、2030年までに14基増設すると言っています。二酸化炭素排出削減は、原発を推進させるための大義名分でした。

 福島原発事故を受けた後でも、原発推進派は、「日本はエネルギー資源が少ない。エネルギーは日本の生命線だ。脱石油を推し進め、日本独自のエネルギーを持たなければならない。それが原発だ。」と言い続けています。

 これと真逆の記事を読みました。「世界において、日本の原発は際どいバランスの上に成り立っており、日本のエネルギーにとって原発は何の安全保障にもなっていない。殺生与奪の権利を外国に握られている。」と、それは言っています。原発推進派の言っていることと全く違っています。こんな事実があったのかと驚きました。以下、紹介します。

 核の拡散を抑止する目的で1963年、核兵器不拡散条約(NPT)が国連で採択されました。1967年時点での核保有国、アメリカ、ソ連、イギリスに、フランス、中国が1992年に加わり、この5ヶ国が核兵器の保有を許されたのです。当然それ以外の国は核兵器の保有は禁止され、不自由な制約を課せられています。「日本と西ドイツの核武装の道を閉ざす」ことにNPTの7割方の目的はあったそうです。

 そして、アメリカ、イギリス、ソ連だけでなく、カナダやオーストラリアからも、日本がNPTに署名しないなら天然ウランを売ってやらないと脅しをかけられました。1970年に日本は不本意ながら、このNPTに署名させられたのです。NPTに違反すれば、天然ウランの輸入が止まります。そして原子力発電はできなくなります。日本の経済活動は、外国の思うがままに制約されてしまうのです。

 アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア、中国との間には、二国間原子力協定も結ばされ、日本の原発にとって大きな縛りとなっています。いくつかの例を紹介します。

 大学における核爆発の研究が協定違反だとみなされて、核燃料を返せと言われました。純然たる学術研究における自由が侵害されたのです。

 カナダは、原子力輸出政策を大幅に転換し、原子力協定の改定を日本に申し入れました。これに日本が直ちに応じないとみるや、カナダ産の天然ウランの供給を停止しました。その後、協定の改定に応じ、供給停止は解除されました。

 日本が天然ウランに関して、濃縮、再処理、第三国移転等をする場合、カナダ、オーストラリア等の天然ウラン原産国の同意を事前に取らなければなりません(対日規制権という)。 

 輸入した天然ウランをフランス等で濃縮した場合、濃縮国フランスも日本に対して対日規制権を持ちます。

 使用済み核燃料をイギリスで再処理した場合、そこで出来たプルトニウム燃料についてもイギリスは対日規制権を持ちます。

 アフリカ産の天然ウランを日本の濃縮工場で濃縮した場合、アメリカ産の原子炉(例えば福島第一原発)で使用すると、その燃料は直ちにアメリカ産の燃料となり、アメリカは対日規制権を持ちます。

 以上見てきたように、あらゆる場面において外国の対日規制権の縛りを受け、いちいち、その国の同意を得る必要が出てくるのです。原子力発電を続ける限り、原料輸入、再処理等に関して強圧的な制限を受け続けるのです。原発についても外国に首根っこを押さえられているのです。こんな状況で、原発は日本のエネルギーの安全保障を担保しているといえるのでしょうか。

 六ヶ所村再処理工場や「もんじゅ」が成功すれば、使用済み核燃料は再処理され1.5倍にもなり、永久に核燃料のリサイクルが可能でした(核燃料サイクルという)。六ヶ所村再処理工場は再開の目途も立っていません。「もんじゅ」は、ナトリウム火災を起こし再稼動の目途も立っていません。冷却剤としてナトリウムを使うことが如何に危険かを露呈しました。再処理で産まれる「高濃度放射性廃棄物は10万年以上にわたり、厳重に保管しなければなりません。

 核燃料サイクルに固執する政府の本音は、「エネルギー安全保障の点からも自前のエネルギーを確保したい。そして、外国の対日規制権を排除したい。」と言うことなのでしょう。

 しかし、核燃料サイクルなどと言う夢のシステムは不可能であることが明らかになりました。これからはシェールガス発電の時代になるでしょう。日本近海には膨大な量のメタンハイドレードがあります。技術開発はこれからですが独自のエネルギーが持てるのです。シェールガスはそれまでのつなぎ役です。

 政府関係者は、出来もしない核燃料サイクルから目を覚ましてください。

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