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2012年4月 6日 (金)

原発立地首長は脱原発に舵を切れ 

 原発マネーは立派な「はこ物」を作り、道路を整備し、原発関連雇用を生み出し、民宿や飲食店は賑わいを見せていました。しかし、原発の建設が一段落すると、交付金等の原発マネーが減少し、「はこ物」の減価償却、維持費、人件費が負担となり、新たな原発を誘致しない限り、自治体の運営は「ニッチモサッチモ」いかなくなりました。財政の半分を原発マネーに頼っている自治体も少なくありません。原発マネーで作った「はこ物」は、むしろ、自治体の足かせになっています。

 福島原発事故により、原発の増設は望めません。再稼動も困難です。原発立地周辺住民の反原発の声は大きくなっています。原発立地自治体はどうしたらよいのでしょう。当該地域の声を集めてみました。

1 原発立地の恩恵

 民宿には作業員が泊まり、若者は電気会社に就職した。ここは僻地だったが、原発のおかげで地域は発展した。

 原発は地域振興の起爆剤になった。

2 立地地域の現状

 公共施設は老朽化しているが、耐震工事もできない。

 高齢者が多く、集落の風景は他の過疎地と変わらない。

 人口も減少している。

 道路は土砂崩れで、頻繁に通行止めとなる。

3 立地自治体の悩み

 原発は怖いが、親族や近所に原発関連の仕事をしている人が多く、脱原発とは言いにくい。

 脱原発に代わる具体的な地域振興が見出せない。

 産業・雇用を守るため原発は必要。

4 脱原発への動き

 「復興ビジョン」で、洋上風力発電など再生可能エネルギーの実証実験施設や、放射能に関する最先端の治療・研究施設の誘致。・・・福島県いわき市

 風車の発電能力を試す風洞実験施設の誘致・・・福島県いわき市

 「自然共生・国際医療産業都市構想・・・宮城県岩沼市

 バイオマスエネルギー関連事業・・・福島県川内村

 原発なき町作りを見据えた「地域ビジョン検討会」の発足・・・山口県上関町

 廃炉や廃棄物の処理や安全対策についての研究拠点(人材育成、平和・安全規制の基盤研究、世界最高水準の大強度陽子加速器施設)。原子力イコール発電ではない。・・・茨城県東海村

 ふじのくに新エネルギー等導入倍増プラン(太陽光温泉発電等)。風力発電は建設中も含め県内に22ヶ所、85基あり、総発電量14万kw。・・・静岡県

 風力発電量は原発7~40基分の資源量がある。東北は風力資源の宝庫。・・・環境省試算。

 以上です。

 増設が見込めない状態で、原発マネーは先細りです。それでも、原発立地自治体は再稼動による延命を図っています。しかし、このままでは、いずれ過疎地となります。

 また、原発マネーがあるから、新たな産業の振興に対して、思考停止に陥っているようにも見えます。

 原発被害に見舞われた福島原発周辺の自治体は、原発の廃炉を宣言し、新たな産業を興そうとしています。今からでも遅くありません。原発を廃炉として、新たな産業を興してみませんか。崖っぷちに立った気持ちで挑戦してみませんか。そして、子孫が安心して暮らせる故郷を構築しなおして見ませんか。

 放射能の影響が30km以上にも及び、最悪事態には、首都圏3000万人の避難も考えられた福島原発事故を見ても、立地自治体の判断だけで再稼動は認められません。「原発マネーが入るから」、「地域振興が期待できないから」、という理由で、尚、再稼動するなど、周辺自治体は認めないでしょう。

 30数年前に原発を誘致した関係者は、政府の安全神話を信じ、地域の未来を本当に願っていたことでしょう。状況が変わった今、危険なものを運転し、財政悪化招き、負担を将来の世代に押し付けることが正当化されるでしょうか。

 現実路線をふまえた妥協案も模索されていますが、明日にも、第二の福島原発事故が起きないとはいえません。事故が起きた場合、妥協策を進めた人はどんな責任をとるのでしょうか。もはや、「国が安全であると言った」などの言い訳は通用しません。

 上記自治体は、脱原発に向けた試みを始めました。私なりに、脱原発の具体策を考えて見ます。

1 今後、半世紀にも及ぶ廃炉事業があります。廃炉には一基当り何千億円もの費用が必要です。雇用は確保されるでしょう。その間に、新たな産業を育ててください。

2 上記に見るように、自然エネルギー特区や、核研究施設の誘致計画もあります。地熱発電等地域の特徴を生かした事業もあるでしょう。

3 タービン建屋を利用しての、LNG発電も可能です。この場合、原子炉をボイラに置き換えるだけですみます。

4 農漁業の見直し。大間のマグロは昨年高値で取引されました。地元住民は、「何故、大間原発を誘致したか後悔している」とも言っています。日本周辺の海は、魚介類の宝庫ではないですか。その点、絶対的な「強み」を田舎は持っています。

5 浜岡原発の近くにあるスズキ自動車は、一時、工場の撤退を考えたようです。牧之原市は、あわてて永久停止決議をしました。スズキ自動車からの税収は市の財政の多くを占めています。原発ゼロにすることで、自然豊かな地域として、観光も、企業誘致も期待できます。原発関連道路は立派に整備されているから。40年前の高度成長は望めません。幸せの考え方も代わるでしょう。沖縄の人口は増加しているとも聞きます。

6 国策で進めた原発政策が間違っていたのです。政府は、その償いとして原発廃炉交付金を地域振興対策として交付してください。その原資は、従来電気料金として徴収されていた原発関連費でも良いし、4000億円もの原発関連研究費でも、核燃料サイクルの埋蔵金2兆円でもよいでしょう。

 「国が具体像を示せ」といっても、国策で進めてきた原発を自ら否定することであり、具体像を示さないと思う。報道や、知識人や、切羽詰った原発立地自治体がその具体像を示し、政府に突きつけるしかありません。

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