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2012年5月15日 (火)

放射性焼却灰埋立てと足尾鉱毒事件

 1kgあたり8000ベクレル以下の放射性焼却灰について、政府は、管理型処分場に埋め立て可能としています。

 元原子力委員会委員長代理は、生活圏から離れた谷間にダムのような施設を作って、谷底にはゼオライトや遮水シートをはり、上部は土で覆い放射線を遮蔽する「管理型仮置き場」を提案しています(ものぐさ:埋め立て基準 8000ベクレルは大丈夫か)。

 この報道を読んで、「足尾鉱毒事件」が頭に浮かびました。概略を記述します。

 「足尾鉱毒事件」は、銅山の開発により排煙、鉱毒ガス、鉱毒水などの有害物質が周辺環境に著しい影響をもたらした事件として知られています。

 この被害は、1885年頃から渡良瀬川の魚類の大量死として始まりました。

 そして、鉱毒ガスやそれによる酸性雨により近辺の山は禿山となり、木を失い土壌を喪失した土地は次々と崩れたのです。次に、渡良瀬川から取水する田園や、洪水後、足尾から流れた土砂が堆積した田園で、稲が立ち枯れるという被害が続出しました。田畑への被害は、1890年の大洪水により顕著になったのです。

 そして、第二次鉱毒調査会の報告書を受け、鉱毒沈殿用の渡良瀬遊水地が作られたのです。そして、谷中村は1906年に強制廃村となり、藤岡町に合併されました。足尾山地の広大な禿山と3000ヘクタールに及ぶ渡良瀬遊水池は、「百年公害」の実態をいまに伝えています。

 2011年に発生した東北大震災により、源五郎沢堆積場が決壊し、鉱毒汚染物質が再度渡良瀬川に流下し、下流の農業用水取水地点において、基準値を超える鉛が検出されるなど、21世紀となった現在でも影響が残っています。

 放射性焼却灰の埋め立て問題に戻ります。ダムに埋め立てたられた焼却灰は本当に大丈夫でしょうか。

 両側の山から雨水がダムに向かって流入します。雨水は土壌に付着したセシウムを洗い流し、高濃度のセシウムが谷底に集積します。谷底の遮水シートは200年の間には穴が開くでしょう。地震による活断層の隆起によりダムは決壊しないのでしょうか。決壊により漏洩した水は、渓谷を流れ、鮎や岩魚は汚染され、川からの水は、水田を汚染しないでしょうか。廃村などにならないでしょうか。足尾鉱毒事件と同じ構図が浮かびます。

 五木寛之「下山の思想」よれば、「民」と言う字の語源には残酷な意味があるという。「目を針で刺すさまを描いたもので、目を針で突いて見えなくした奴隷をあらわす。・・・物のわからない多くの人々、支配下におかれる人々の意味」と言う。

 原発事故は、「安全神話」が真っ赤な噓であることを白日の下にさらしました。今まで、目に針を刺されていたのです。原発の恐ろしさを身をもって感じました。

 再稼動。政府の言う新安全基準。夏の電力不足。津波原因説。核燃料サイクル。焼却灰埋め立て基準。除染の効果。賠償基準。さあ、目から針を抜き原発問題をしっかり見つめていきましょう。

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