« 脱原発学会を設立せよ | トップページ | それでも不安が残る 原子力規制委員会 »

2012年6月29日 (金)

怖い 六ヶ所村再処理工場

 6/18、日本原燃は青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場で高レベルガラス固化体製造試験を再開しました。08年にトラブルで中断して以来の再開です。以前にも六ヶ所村再処理工場の危険性について言及(ものぐさ 六ヶ所村 核燃料再処理工場再開か)していますが、今回は、再処理工場から放出される放射能の怖さについて、改めて紹介します。

1 再処理工場の製造工程

 再処理工場は、各地の原発で使用済みとなった「使用済み核燃料」を再処理し、新たにプルトニウム燃料を製造します。製造されたプルトニウム燃料は、「もんじゅ」の発電用燃料となります。この再処理工程では、まず「使用済み核燃料」が細かく裁断されます。そして、硝酸と有機溶剤によりプルトニウムが抽出されます。その過程で生じた副産物が「高レベル放射性廃液」です。その廃液にガラスを加え、高温状態で溶融し、それを固めたものが「高レベルガラス固化体」となります。

2 放出される放射能 クリプトン85(注1)

 「使用済み核燃料」内のプルトニウムは被膜管で閉じ込められていましたが、再処理工程において裁断・溶融されると、溶液中に溶け出てきます。当然、再処理工場から放出される放射能は桁違いに多く、原発から1年間に放出される量を、わずか1日で放出すると言われています。本格稼動すれば、日常的に大量の放射能を放出し続けます。

 「使用済み核燃料」を裁断・溶融したとき、気体状のクリプトンが排気塔から全量垂れ流されます。管理目標値でいうと、柏崎刈羽原発の5000倍とも言われています。

3 薄めずに海洋放出 トリチウム(注2)

 「原子炉等規正法」において、原発からの放射能は一定の濃度以下でないと捨てることができません。ところが、再処理工場は、この規制の適用除外となっています。

 再処理工場の放水管から放出される放射能の1種、トリチウムは1日あたり60テラベクレルとのことです。ところが、「原子炉等規正法」で許される濃度まで薄めようとすれば、毎日100万トンの水が必要になります。これは不可能なので、猛毒をそのまま海洋放出することになります。こちらは8万倍とも言われています。

 福島原発事故でも汚染水の流出が問題になりました。薄めて放出したとしても、放射能は小魚に蓄積され、大きな魚へ、そして人へと広がります。福島原発事故での海洋放出は短期間でしたが、再処理工場からの放出は何年も継続します。

4 事故がおきたときの被害範囲

 高い放射線レベルのもとで引火性の高い有機溶剤や硝酸を扱うため、火災や爆発事故が起きやすいと言われています。また、上空には自衛隊の軍用機が日常飛び交っています。北朝鮮がテポドンを打ち込んだらどうなるでしょう。核兵器を搭載していなくても、再処理工場は爆発し、全国に放射能をばら撒きます。

 大事故が起きたら、どの程度の被害となるでしょう。

 高木仁三郎氏は、廃液100立方メートルのタンクが破壊され、1%の放射能が外部に放出したときの試算をしています。雨天の場合、半径100kmを超える範囲が緊急避難地域(100ミリシーベルト)となり、半径360kmの範囲は10ミリシーベルトになると言います。240立方メートルの廃液が放出すれば、全土は終わりになると言います。

 明石昇次郎、小出裕明氏らは、3,000トンの使用済み核燃料のうちの5%が放出した場合、汚染値は関東にまで及び、最大で1.9万人が急性障害で死亡、190万人が後に癌死すると試算しています。急性障害は六ヶ所村に集中しています。 

 本当でしょうか。にわかには、信じられない数値です。「原子炉等規正法」において、再処理工場は、この規制の適用除外となっていることも信じられません。日本原燃、原子力安全・保安院は、再稼働において、この危険性の有無を国民に説明すべきです。

(注1) クリプトン 半減期は10.8年。ガンマ線による全身被曝と、ベータ線による皮膚癌が問題。

(注2) トリチウム 半減期12.3年。水の中の水素と置き換わってトリチウム水となる。内部被曝が問題。

« 脱原発学会を設立せよ | トップページ | それでも不安が残る 原子力規制委員会 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 脱原発学会を設立せよ | トップページ | それでも不安が残る 原子力規制委員会 »