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2012年9月23日 (日)

日本が怯える日米原子力協定

 「原発ゼロ」を説明するため、9/12、政府は首相補佐官をアメリカに派遣しました。官房長官は「訪米の結果が当然考慮の対象になる」と記者会見で述べています。アメリカの対応によっては、「原発ゼロ政策」を撤回するということでしょうか。政府は国民の声より、アメリカの意向を重視しているようです(ものぐさ どう見る 民主党原発政策)。

 このように日本が怯える「日米原子力協定とは、どんなものでしょう。昭和63年に結ばれた協定を見てみましょう。詳しくは原文を読んでください。条文と簡単な補足をします。間違っているかも知れません。

前文 

 両国政府は「平和目的利用のための原子力の研究、開発及び利用の重要性を認識し、協力を継続させ、かつ拡大させることを希望し、世界における平和利用のための原子力の研究、開発及び利用が不拡散条約の目的を最大限に促進する態様で行われることを確保すること」を誓約する。

 原子力は平和目的に限定し、核不拡散条約を遵守すると、日本はアメリカに対し誓約しています。

第2条1項 

 日本は資材(原子炉用資材)、核物質(ウラン、トリウム、プルトニウム等)、設備(原子炉の完成品)及び構成部分(設備の構成部分その他の物品)をアメリカから受領できる。

 協定に違反すれば上記物品をアメリカから輸入できないことになります。原発は停止します。

第3条 

 プルトニウム、ウラン233並びに高濃縮ウラン(ウラン235の濃度が20%以上)は、両国政府の合意する施設においてのみ貯蔵する。

 管理を行い、核を拡散させないための条文です。

第5条 

 核分裂生成物(プルトニウム、ウラン233、高濃縮ウラン)は、両国政府の合意により再処理できる。

 この規定により、六ヶ所村再処理工場での研究・開発等が可能となります。アメリカからの疑義があれば、再処理はできません。

第8条

 生産された核物質は、いかなる核爆発装置のためにも、いかなる核爆発装置の研究または開発のためにも、いかなる軍事目的のためにも使用してはならない。

 原爆の製造・研究を禁止したものです。

第12条

 第3条から第9条まで若しくは第11条の規定に違反した場合、アメリカは、この協定を終了させ、核分裂生成物のいずれかの返還をも要求する権利を有する。

 核燃料をアメリカに没収されることになります。

第14条

 協定の解釈または適応に関し問題が生じた場合には、両国政府は相互に協議する。

 冒頭の官房長官派遣は、この条文によるものと思われます。

第16条

 協定は30年間効力を有する。

 2018年にこの協定は終了するので、日本が原発を稼動するためには、再協定が必要になります。

 では、何故怯えているのでしょう。「原発ゼロ」であれば、使用済み核燃料の再処理は必要ありません。再処理しないにも関わらず増産し続けるプルトニウムをアメリカは「何故だ」と追求します。軍事目的ではないかと疑います。協定違反となり、ウランの輸入は停止し、核分裂生成物をアメリカに返還しなくてはなりません。たちどころに原発は停止します。これを恐れているのでしょう。

 これに違反しないために、日本は、できもしない核燃料サイクルを続ける決定をしたのです。詭弁もいいところです。アメリカに言い訳が立つと考えたのでしょう。このような見え透いた噓をアメリカはお見通しです。

 決して軍事目的で原発を運転しているのではない、とアメリカを始め世界を説得すべきです。正心誠意(ものぐさ 野田首相変節 減原発)の外交を怠っているとしか思えません。こんな説得はめんどくさいと考えているのでしょうか。

 ドイツも原発ゼロを宣言しました。全原発が停止するまで、ドイツも使用済み核燃料が増え続けます。ドイツで許されることが、何故日本で許されないのでしょうか。日本の外交努力は不足しています。

 関連記事 (ものぐさ 核燃料サイクルは軍事目的だったのか) (ものぐさ エネルギーの安全保障にもならない日本の原発

 

 

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