« 大間原発の危険性 | トップページ | 浜岡原発県民投票条例 県議会否決 »

2012年10月15日 (月)

面白いぜ 映画「東京原発」

 映画「東京原発」が、福島原発事故を契機に注目されています。DVDにもなっており、早速見ました。原発政策の問題点をパロディーたっぷりに表現したもので、大笑いしましたが、後味の悪いものでもありました。

 映画のストーリーは、都知事が東京に原発を誘致しようとする提案を都幹部に伝えるところから始まります。そして、フランスで再処理された核燃料をトレーラで福井まで輸送するシーンが同時進行します。

 まず、核燃料輸送の話です。MOX燃料が極秘裏にフランスから搬入されるのだが、地元の反対のため、福井の海から直接陸揚げできません。東京に陸揚げし、トレーラでこっそり福井に運ぶ計画です。これに対し、何も聞いていない都知事は激怒して責任者は誰かと問います。搬入担当者は、「国のやることに責任者などいない」と言ってのけます。トレーラは核ジャックされ、時限爆弾が仕掛けられます。犯人の目的は、この状況を生放送させることにありました。核燃料や濃縮ウランは、頻繁に首都高や東名を移動しています。容器が爆発すれば全都民は屋内退避。万が一、水に落ちれば、臨界に至り、屋内退避の意味もなくなります。

 次に、原発の話です。突然、都知事は都幹部を前に原発誘致の考えを伝えます。それにより都の財政を立て直そうというのです。

 原発誘致により、次のような効果が期待できるというのです。、

1 「原子力発電等立地地域振興特別措置法」により、交付金が受け取れ、製造業者への税制優遇や固定資産税の収入も入る。

 都幹部は「都民の反対が起きる」等主張をするが、都知事の反論により、議論は誘致賛成に傾きます。その後のやり取りに移ります。

・ 電力の1/3を原発が担っている。電気のない生活は考えられない。停電すれば、都市は機能不全に陥る。・・・都幹部

・ 原発立地により、地方の自然景観は破壊されている。コンクリートの建造物や送電用の鉄塔だ。・・・都知事

・ 漁業権は買い取られ、農地や山林はつぶされる。農漁民がいなくなり、第一次産業は衰退する。・・・都知事

・ 都民が電気を使うために地方を犠牲にしている。・・・都知事

・ 東京の自然は破壊されているから原発は東京に似合う。原発支持者は東京に多い。・・・都知事

2 莫大な経済効果。

・ 山林や漁業権買取等、莫大な費用は不要。・・・都知事

・ 送電コストも下がり、電気料金も安くなる(業務用電気は、ドイツの2倍、フランスの3倍、アメリカの4倍)。経済が成長し、税収も増える。・・・都知事

3 エネルギーの有効利用。

・ 冷却のため、70%ものエネルギーを海に捨てている。海水温上昇により、海水中のCO2は空気中に放出する。温水を都市で循環し、冷暖房都市を作る。立地場所は、新宿中央公園でも、日比谷公園でも良い。官僚が進める原発を目の前に作る。地震に対して、原発は一番安全だ。キーワードは「安全、きれい、必要性」だ。・・・都知事

・ 「原発大好きキャンペーン」をしよう。・・・都幹部

 その後、専門家の意見を聞こうという都幹部の要請で映画は進行します。そこで明かされる事実は以下の通りです。

・ 建築基準法の耐震基準(200ガルの地震動)は、関東大震災を元にできた。震源地の相模湾では900ガルが観測された。東京は震源地から50kmも離れている。原発の耐震基準は建築基準の2倍程度、浜岡原発でも3倍だ。兵庫県南部沖地震は820ガル。

・ 原発ゼロでも電力不足にならない。火力、水力は発電能力の2~4割程度利用しているだけ。

・ 石油はプラスチック等生活用品を生むが、原発は電気と死の灰しか生まない。

・ 日本の情報公開はロシアに劣る(1999年 NDRC?の批判)。

・ チェルノブイリ原発事故により、事故作業員86万人中5万5千人以上が死亡。残りの87%も発病している(2000年ロシア発表)。

 以下、都民に対する都知事の問いかけ。

・ 原発支持者は東京に多いのに、何故地方に立てるのか。新潟、福島の原発に賛成し、東京への建設反対は矛盾している。傍観者でいることは賛成しているのと同じ。地方のわずかな反対者と、1億人の傍観者を生んでいる。都民は無関心で、原発誘致を別世界の出来事と思っている。

・ 「東京原発はリスクが大きい」と言うが、国や電力関係者にとってのリスクだ。彼らは死人の数と賠償金額を机上で計算している。5000人の村でも、1000万人の東京でも、そこに住む住民一人ひとりの背負う命のリスクは同じだ。

・ 日本で一番電気を浪費し、その恩恵にあずかっている都民がそのリスクを負わないでよいのか。

・ 4000億円の9割が原発関連費用だ。新エネルギーが遅れている最大原因はここにある。

 都知事の真の狙いは、「東京原発を公言し、無関心な都民の目を覚まし、大規模な議論を起こし」原発反対の声を上げさせることです。東京から原発ゼロを発信し、国民主導で国を変える。民衆の声を利用して国家プロジェクトにたてつくことです。

 核ジャックの犯人の目的も、原発の危険性を国民に知らせることにあります。

 10年前の2002年に映画化されたものですが、現在においても、強烈な問題を提起し、色あせていません。是非、DVDを見てください。この映画のヒントとなった広瀬隆著「東京に原発を」も読んでみる価値があるでしょう。地方に原発を建設し、何故電力消費地である東京に建設しないのか。「モヤモヤ」とした差別感を感じます。

« 大間原発の危険性 | トップページ | 浜岡原発県民投票条例 県議会否決 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 大間原発の危険性 | トップページ | 浜岡原発県民投票条例 県議会否決 »