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2012年12月19日 (水)

敦賀原発 活断層調査

 原発敷地内において、活断層の可能性が否定できず、再調査を指示されている原発が相次いでいます(ものぐさ 原発直下の活断層)。活断層の評価も、原子力規制委員会の本気度を問う試金石です。国民は注視しています。玉虫色の結論になっては困ります。

 大飯原発の活断層については、(ものぐさ 大飯原発 活断層調査)に詳しく記述しました。「明らかに活断層」、「先走って活断層との結論を出すのは危険」と専門家の意見は真っ二つとなりました。活断層の疑いが指摘されている問題で、関電は来年2月までの追加調査計画を原子力規制委員会に提出しました。焦点の破砕帯が想定した場所で見つからず、違う位置にある可能性が高まり、同委員会は関電に追加調査を指示したのです。再稼動したままでの先送り戦術のように見えますが、今後の調査内容に注目していきます。

 今回は、敦賀原発の活断層の調査内容を見てみます。

 同原発敷地内を通る「浦底断層」から枝分かれするように伸びる複数の破砕帯の一部が、1、2号機の直下を通り、浦底断層と連動する危険性が指摘されています。

 12/1~2、原子力規制委員会は、敦賀原発直下の断層が活断層か否かを判定するため、現地調査を行いました。

 現地調査の結果を受けた評価会合で、2号機直下を通る「D-1破砕帯」について、同委員会は、活断層として活動し浦底断層と同時にずれたと結論付けました(12/10)。

 現地調査後及び評価会合における各専門家の見解を示します。

 島崎邦彦・原子力規制委員長代理・・・浦底断層は大変活動的な断層。それが原発敷地内にあること自体がかなり特殊。「D-1破砕帯」は活断層で、浦底断層と連動して活動したと考えられる。1号機は原電が今後も調査するし、必要なら我々も調べる。

 鈴木康弘・名古屋大教授・・・浦底断層は縄文時代くらいに活動している。「D-1破砕帯」は活断層の可能性が高い。これ以上調査しても(活断層かどうかの)明確な証拠を得るのは容易ではなく、安全側に判断するのが重要だ。2号機の設置許可が下りた当時の審査が検証されるべきだ。

 堤浩之・京都大准教授・・・新たに見つかったずれは、「D-1破砕帯」の延長である可能性がある。浦底断層に誘発されて活動すると考えるのが自然だ。

 藤本光一郎・東京学芸大准教授・・・「D-1破砕帯」は活断層と言えるが、どの程度の規模かわからない。深いところで地震性の滑りを起こしたと確認できれば(活断層という判断は)100%だと思うが、現段階でそのデータはない。

 宮内崇裕・千葉大教授・・・一級の活断層。これが動けば、周辺では揺すられていろんなことが起こると直感的に思った。浦底断層は長大な活断層帯の一部で、阪神大震災を上回る地震を起こす可能性がある。破砕帯以上の脅威ではないか。

 浦底断層は、80年代に複数の専門家が活断層の可能性を指摘し、91年発行の学術書「新編日本の活断層」で活断層と指摘されました。それを放置していた国の安全審査の限界が浮き彫りにされました。

 想定していなかった別の破砕帯が発見されるなど、日本原電は破砕帯の実態を正確につかんでいないようです。

 廃炉の可能性が高くなり、日本原電の経営危機が現実的となりました。敦賀原発と東海第2原発の廃炉で資産価値の喪失は2559億円、純資産額1626億円を上回ります。更に敦賀原発1、2号機の廃炉費用は1000億円とも言われています。政府は、日本原電を廃炉専門会社に衣替えさせることも検討しているようです。発電事業から撤退し、新会社に生まれ変わってくれることを期待します。また、地元の財政に及ぼす影響も甚大です。しかし、危険な原発を再稼動することで、地元民の生命・財産が脅かされることは、福島原発事故が教えてくれました。廃炉は避けて通れない課題でもあります。廃炉という現実を直視せず、困難な課題から目をそらすような問題解決は絶対にしないでください。

 地元財政が破綻しないような政策や電力会社の経営負担を軽減する政策が必要です。廃炉をスムーズに行なうためにも、電力会社や株主の負担はもとより、国民も応分の負担が必要と考えます(ものぐさ 原発廃炉交付金の新設をせよ)。

  

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