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2013年1月 5日 (土)

福島原発訴訟 検察捜査開始

 6/11、福島原発事故で被害を受けたとして、福島県民1,324人が、東電の勝俣恒久会長や原子力安全委員会の学者ら33人について、「福島原発事故の責任を問う」との告訴状を出しました(ものぐさ 福島原発 刑事告訴を応援しよう)。

 その後、全国で2次告訴人を募っていましたが、どうなっているのでしょう。

 1 地検等の動向

 ・ 福島地検は、第1次告訴・告発状を受理。・・・8/1

 ・ 業務上過失致死傷容疑の他、公害犯罪処罰法違反容疑、業務上過失激発物破裂容疑で告訴・告発した。・・・11月 

 ・ 全国で総数13,262人が第2次告訴団に加わり、福島地検に第2次告訴・告発状を提出した。・・・11/15

 ・ 検察当局は福島原発に検事を派遣し、原発内部の構造を確認し、作業員や専門家から事故当時の状況やその後の対応、現状について説明を受けた。・・・11/20

 ・ 検察当局は、東電や政府の関係者、国会議員100人を超える主要な対象者をリストアップし、うち約50人について既に聴取し、来春にも刑事処分する方向で捜査を本格化させた。・・・12/8

 ・ 福島地検は、事故当時の東電幹部や政府関係者ら計33人の刑事責任を求めた「福島原発告訴団」の第2次告訴・告発状を受理した。・・・12/21 

 2 報道から伝わってくる告訴・告発内容(業務上過失致死傷等・・・注1)

 ・ 地震や津波への対策を怠り、原発事故を発生させ、避難した入院患者らを死亡させた上、多くの住民を被ばくさせるなどの傷害を負わせた。

 ・ 避難途中の死亡や、避難生活に絶望した自殺など「災害関連死」のほか、子供たちは甲状腺異常で被害に遭った。

  ・ 東電の勝俣会長らが事故の可能性を予測しながら、事故前の安全対策や事故後の避難措置を怠った。・・・結果回避義務違反

 3 起訴できるか否かの焦点

 ・ 津波や地震によって放射性物質がまき散らされる事故が起きると予見できたか。

 ・ 巨大津波は予見可能だったか。最大想定津波6.1mは妥当だったのか。

 ・ 事故は回避可能だったか。

 ・ 津波襲来やそれに伴う全電源喪失などを予測できたか。

 ・ 事故と傷害の因果関係の立証は可能か。 被曝は傷害に該当するか。

 4 素人の見解

 ・ M6.8の新潟中越沖地震では、柏崎刈羽原発の至るところが破壊し、地盤も傾き、変圧器の火災事故が起きました。原子炉は緊急停止したものの、崩壊熱により、炉心溶融に至る可能性があったとも聞きます。地震や津波によって炉心が溶融すれば、放射性物質がまき散らされる可能性は考えられます。

 ・ 発生し得る最悪の原発事故について、科学技術庁は日本原子力産業会議に調査を委託し、同会議は「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算」を1960年に作成しました。「放出放射線の人体及び土地使用に及ぼす影響」について、具体的数値が気象条件や放出される放射能量ごとに記載されています。50年前から、放射線がまき散らされる可能性が予見されていたのです。興味ある内容なので、機会があれば、記事にしたいと思います(ものぐさ 「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算」と「瀬尾試算」)。

 ・ 耐震設計審査指針の基本方針において、 「残余のリスク」についての記述があります。それには「想定された地震動を上回る地震動が施設に影響を及ぼし、重大な損傷が発生し、大量の放射性物質が放散され、住民に放射線を被ばくさせるリスク」があるとしています(ものぐさ 残余のリスク)。当然、地震により放射性物質がまき散らされる可能性を想定しています。

 ・ 事故前、東電の想定津波高さは1~4号機で5.7mでした。しかし、東電は福島原発への5.7mを越える大津波を予想していました(ものぐさ 福島原発事故の刑事責任を東電幹部に問えないのか)。当然、津波による被害の予見は可能であったと考えます。

 ・ 放射能被害による自殺や関連死もあり、甲状腺異常の被害もあります。被曝すること自体が傷害であるとも言われています。

  (注1) 業務上過失致死傷等

 刑法211条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

 

 

  

 

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