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2013年2月

2013年2月 1日 (金)

柏崎刈羽原発 活断層の可能性大

 原発敷地内において、活断層の可能性が否定できず、再調査を指示されている原発が相次いでいます(ものぐさ 原発直下の活断層)。活断層の評価も、原子力規制委員会の本気度を問う試金石です。国民は注視しています。玉虫色の結論になっては困ります。

 東通原発の活断層(ものぐさ 東通原発 活断層調査)に引き続き、今回は、柏崎刈羽原発の活断層の可能性について、備忘として記します。

 報道によれば、従来は活断層の定義を「13~12万年前以降に活動した断層」としていましたが、新基準骨子案は「40万年前以降」に拡大しています。

 この変更により、柏崎刈羽原発の直下を走る複数の断層が活断層と判定される可能性が高まりました。

 東電によると、1、2号機直下にはα断層、β断層があり、3号機と5~7号機直下にも複数の断層があります。4号機は原子炉直下にはないが隣接のタービン建屋下で複数確認されています。

 産業技術総合研究所の主幹研究員は「β断層は少なくとも火山灰の上の層をずらしている。」と、従来基準でも活断層の疑いがあることを指摘しています(昨年8月)。広島大名誉教授は「β断層以外にも活断層の疑いのある断層があるが、東電は強引に否定しようとしてきた」と述べています。

 報道された原発敷地内の断層は、α、β断層を含め少なくとも19本以上あります。まさに、断層の網の上に1~7号機の原発が立地しているのです。

 ここで、2007年に発生した新潟中越沖地震を振り返ってみます。震源は原発から16kmの沖合い。地震のエネルギーを示すマグニチュードはわずか6.8(以下、M6.8と表示)。開放基盤における基準地震動S2(設計用限界地震)は450ガル、実際は1699ガル(1~4号機)を観測。非公式であるが敷地内の地震計1基は震度7(計測震度6.5)に相当する揺れを算出しています(注1)。

 そして、以下のような被害が発生しています。3号機の変圧器で火災。敷地内の原発周辺の地盤はいたるところで隆起や陥没が生じ、変圧器から100m離れたところで最大1.6mの陥没。6号機原子炉の真上にある大型クレーンの太さ約5cmの車軸2本が破断。 

 以下、検討します。

 わずかM6.8にもかかわらず震度7の揺れであったことは、地下の地盤がいかに脆弱かを示します。もしM9の地震であったならと想像してください。東電は、基準地震動S2を450ガルと仮定していましたが、実際の揺れは1699ガルでした。S2とは、「弾性限界(注2)を超える地震があったとしても安全機能を保持する地震動」と定義されます(ものぐさ 脆弱な原発構造)。東電の仮定450ガルの3倍以上の加速度が計測されました。これは地盤の評価がいかに甘いかを示しています。

 報道で発表された19本もの断層が原発直下に網の目のように存在するという事実は、(M6.8と比較的小さな地震規模の)新潟中越沖地震の被害の大きさと1699ガルという異常な地震動S2をよく説明してくれます。

(注1) 地震情報などにより発表される震度階級は、観測点における揺れの強さの程度を数値化した計測震度から換算されるものです(気象庁HP)。これによれば、計測震度6.5以上は震度階級7に相当。

(注2) 物体に外力を加えたときの弾性を保つ限界の応力であって、外力を取り除いた後、元に戻らなくなる限界。

 

2013年2月 3日 (日)

疑問 浜岡原発津波対策

 浜岡原発の津波に対する安全対策が実施されていますが、果たして信用してよいものでしょうか。中電広報「安全性を一層高めるための津波対策の強化(平成25年12月工事完了)」について、素人が検証をします。間違っていたら指摘してください。

1 津波高さは防潮堤前面で海抜14.7~20.7m。海抜22mの防潮堤。

 2012.8.29発表の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」(座長・阿部勝征東京大学名誉教授)によれば、M9.1の地震が起きた場合、浜岡原発付近は「震度7の地震動、最大19メートルの津波」に襲われます。

 津波は防潮堤に衝突すると前進できなくなり、津波の持つ運動エネルギーは位置エネルギーに変換され、衝突前の1.5倍くらいの高さまで盛り上がります。19mの1.5倍は28..5mです。この場合、防潮堤より6.5m高い津波が原発敷地内に流れ込みます。

 また、津波の遡上効果が織り込まれていません。1993年北海道南西沖地震では、奥尻島海岸線で15mであった津波は、海岸背後の谷筋を駆け上がり30.6mのところまで遡上しました。浜岡原発でも、津波は19mの高さを保ったまま砂丘を駆け上がります。18m防潮堤での試算によれば、地上高(原発敷地構内道路の高さ?。以下同じ)に対して、13~14mの津波が原発敷地内に押し寄せることになります(ものぐさ 浜岡原発 津波高さ19mは22mの防潮堤で安全か その3)。

2 原発敷地東西の盛土を20~24mにかさ上げ。

 盛土はなだらかな斜面なのでしょう。その場合、19mの高さを保ったまま、津波は敷地内に流れ込みます。

3 地震発生後20分で最大水位は19.5m。海抜18mの防潮堤を越えて敷地内に侵入している時間は1分程度。

 22mの防潮堤の場合、天端から6.5mの高さの津波が敷地内に流入します。しかも、津波は長周期で防潮堤を押し続けます。

 津波が1.6kmの幅で、10mの波高、時速36kmで押し寄せた場合、この貯水池を満たすのはわずか96秒との試算もあります(注1)。

4 5号機建屋側面の開口部からの海水の浸入に対処するため、(電気駆動によらず)波の浮力のみによる自動閉止装置を設置。

 地震により、自動閉止装置が歪んだ場合、海水の侵入を防ぐことができません。また、建屋側面にあった空調用排気口を屋上に移動したとしているが、屋上面の海抜は15mです。津波が海抜22mの防潮堤を乗り越え、敷地内が水没すれば、屋上の空調用排気口から海水が建屋内に流入します。

5 海水取水ポンプ周囲の防水壁の高さを3mかさ上げ。

 このかさ上げにより、防水壁天端は3~4号機で海抜9m(地上高は海抜6m)、5号機で海抜11m(地上高は、海抜8m)です。原発敷地は防潮堤で囲まれており、一旦海水が浸入すれば、ため池と化し敷地は10~12m水没(中電は2~3mの水没と試算している)し、海水ポンプも水没します

 海水取水ポンプは、原子炉建屋より海側に位置しています。5号機建屋の高所には開口部があり、海水の浸入を防ぐためにわざわざ自動閉止装置をつけました(前4項)。

6 建屋への海水侵入を防ぐための外側強化扉(厚さ1m、重さ40t)と内側水密扉(厚さ80cm、重さ23t)の設置。

 浸水を防ぐために変更した防水構造扉(外側強化扉は高さ6.9m、幅7.1m。内側水密扉は高さ5.8m、幅5.6m。)は、震度7の地震で歪み扉が閉まらず、海水が流入する可能性があります。しかも、地震発生後数分で津波が到来します。扉が電動でないとすれば、わずか数分以内に扉を閉じることは可能でしょうか。

7 (トンネルで海とつながっている)取水槽や津波の浸水などからあふれる海水により3、4号機周辺の浸水深さは1~3m、5号機周辺は1~6m程度。しかし、浸水から30分後には20cmを下回る。

 敷地内は、津波により10~12m水没します。しかも一旦水没したら、22mの防潮堤があるため、敷地内はため池と化します。中電の試算と大きく違います。

 このほか取水槽には大きな弱点があります。地震により海底トンネルが崩れ落ちたら、原子炉の冷却水を取り込むことはできません。津波は長周期で押し寄せたり、引いたりします。海底トンネルが無事であったとしても、引き潮により取水槽内の水はなくなり、原子炉を冷却することができません。いずれにせよ、炉心溶融の可能性があります。

 「19mの津波の可能性」という内閣府有識者の試算を受け、中電は数々の対策を実行しつつありますが、自然現象の大きさに、その対策はあまりにも貧弱に見えます。22mの防潮堤建設は、経済的な面からして、ギリギリの対応なのでしょう。防潮堤で盛りあがった28.5mの津波や遡上効果を加味した対応にはお手上げのようです。この指摘を真摯に捉えて対応しようという姿勢が見えません。「衝突前の1.5倍程度に津波が盛り上がるか」が争点のように思います。

 (注1) 浜岡原発の敷地面積は160万立方メートル。水深10mに渡って水没する場合の貯水池の容量は1600万立法メートル。

 <参考> 海岸から原発建屋に向かっての、主要構築物等の海抜高さ

砂丘堤防                     10~15m

防潮堤                          22m

敷地内道路                    10~12m

敷地                                               6~8m

海水取水ポンプ防水壁天端   3~4号機       9m       

海水取水ポンプ防水壁天端     5号機     11m  

原子炉建屋屋上                                      15m        

  

 

2013年2月 7日 (木)

日本学術会議 核のゴミは「暫定保管」と「総量管理」で 

 2010年9月、内閣府原子力委員会委員長は日本学術会議に対し、「高レベル放射性廃棄物の処分の取り組みにおける国民に対する説明や情報提供のあり方についての提言」を依頼しました。詳しくは「HP 回答 高レベル放射性廃棄物の処分について 日本学術会議」を見てください。

 背景は、2000年6月に制定された「最終処分法」に基づく処分地選定が国民の反対により一向に進まないことにあります。そこで、同委員長は「地層処分」ありきの政策のままで、「国民を上手く説得する方法を提言してくれ」と同学術会議に依頼したのです。

 この依頼に対して、日本学術会議は人文・社会科学と自然科学の分野から委員を人選し、同委員会はスタートしました。ところが、2011.3.11、東日本大震災が起き、福島原発が炉心溶融し、放射能を環境に撒き散らすという事故が発生しました。これにより、同委員会は地層所処分の概念や最終処分地選定のあり方にも改めて再考の必要があるとし、地層処分ありきではなく、提言は白紙の状態から見直されることになりました。

 以下、同委員会の提言を列挙します。ここで扱う「高レベル放射性廃棄物」とは、再処理により生ずる「高レベル放射性廃棄物」のみならず、直接処分が実施されることとなった場合の「使用済み核燃料」を含みます。

1 高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し

 「最終処分法」に基づく政策(最終処分地選定)が、各地で反対に遭い、行き詰まっているのは、説明の仕方の不十分さというレベルの要因に由来するのではなく、より根源的な次元の問題に由来していることをしっかりと認識する必要がある。

 これらの問題に的確に対処するためには、従来の政策枠組みをいったん白紙に戻す覚悟で見直さなければならない。

2 科学・技術的能力の限界の認識と科学的自律性の確保

 超長期にわたる安全性と危険性の問題に対処するに当たり、現時点の科学には限界がある。特定の専門的見解から演繹的に導かれた単一の方針や政策のみを提示し、これに対する理解を求めることは、もはや国民に対する説得力を持つことができない。

 施設建設という利害関心が先行して安全性/危険性に関する認識を歪めてはならない。様々な立場の関係者が排除されることなく討論を尽くすべきである。

3 暫定保管および総量管理を柱とした政策枠組みの再構築

 原子力発電をめぐる大局的方針政策についての国民的合意を得る努力を十分に行わないままに、最終処分地選定という個別的な問題が先行している。手続き的に逆転した形でなされてきた。広範な国民が納得するような大局的方針を示すことが不可欠であり、それには暫定保管と総量管理の2つを柱に原発政策を再構築することが不可欠である。

 <暫定保管>とは、「高レベル放射性廃棄物」を一定の暫定期間に限り保管することであり、その後のより長期的期間における責任ある対処法を検討し決定する時間を確保するために、回収可能性を備えた形で、安全性に厳重な配慮をしつつ保管することである。その期間は数十年から数百年程度となる。

 「暫定保管施設」等の関係施設の適地選定に際しては、地震・火山活動・地殻変動が活発に生じている「変動帯」や活断層が存在する地域を専門的見地から除外し、また将来的に断層が活動する可能性が小さい地域を選定する作業がまず必要である。長期に安定した地層が日本に存在するかどうかについて、科学的根拠の厳密な検証が必要である。さらに、万年単位に及ぶ超長期にわたって安定した地層を確認することに対して、現在の科学的知識と技術的能力では限界があることを明確に自覚する必要がある。

 暫定保管は、回収可能性を備え、他への搬出可能性があるため、あらかじめ貯蔵終了後の処理・処分方法(例えば、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体での最終処分)を定めた上で30~50年間安全に貯蔵・管理する中間貯蔵とは異なる。

 暫定保管が実現するまでの安全管理は喫緊の課題である。アメリカでは乾式貯蔵するとの政策転換が出されている。

 <総量管理>とは、高レベル放射性廃棄物が無制限に増大していくことに対する歯止めとしての概念である。その意味するところは「総量の上限の確定」と「総量の増分の抑制」であり、原発政策と大きく関係(例えば、2030年原発ゼロか15%か20~25%)する。

 社会が直ちに脱原発を選択する場合には、「総量の上限の確定」が可能となり、処分すべき高レベル放射性廃棄物の最終的な総量が数量的に把握される。

 社会が一定程度の原発の継続を選択する場合には、「総量の増分の抑制」の考え方を厳格に適用し、総量の増分を厳しく管理しなければならない。

4 負担の公平性に対する説得力ある政策決定手続きの必要性

 受益圏である中心部の生み出す高レベル放射性廃棄物を周辺部に負わせるという構造は、「受益圏と受苦圏の分離」を伴う不公平なものであるという批判がなされてきた。「受益圏と受苦圏の分離」は、高レベル放射性廃棄物に対する大都市圏の無関心を引き起こしてきた。この不公平な状況に由来する批判と不満に対して、電源三法交付金など金銭的便益提供という政策手段により処理しようとするのは、適切でない。金銭的手段による誘導を主要な手段にしない形での立地選定手続きの改善が必要である。

 安全性を担保するには住民が納得する安全性の確保とともに安全な地盤であることもその要件である。迷惑施設を建設する立地地域に対する受益の還元政策としては、安定な地層が防災上有利であることを活かし、政府・電力会社等の機能の一部を移転する、重要データの保管機能を持った施設を建設する、あるいは原子力・放射性廃棄物関係の大型研究拠点を設置する等である。そのような施設が併設され、実際に多くの人びとがそこで業務に従事し、生活の基盤を置くことは、高レベル放射性廃棄物の保管施設の安全性に対する社会的信頼を高める効果を持ちうる。

5 討論の場の設置による多段階合意形成の手続きの必要性

 暫定保管と総量管理についての国民レベルでの合意を得るためには、「様々な利害関係者が参加する討論の場を多段階に設置していくこと、公正な立場にある第三者が討論の過程をコーディネートすること、最新の科学的知見が共有認識を実現する基盤となるように討論過程を工夫すること、合意形成の程度を段階的に高めていくこと」が必要である。
 この手続きにより、「大局的政策についての合意形成から個別的な課題である高レベル放射性廃棄物の処分地の選定についての合意形成」へという適切な手続きを経ることが可能となる。従来の原子力発電政策に欠落していたものはまさにこれである。

6 問題解決には長期的な粘り強い取り組みが必要であることへの認識

 高レベル放射性廃棄物の処分問題は、千年・万年の時間軸で考えなければならず、これに伴う大きな不確定性の存在を免れない問題である。また、民主的な手続きの基本は、様々な選択肢に対して開かれた討論の場における十分な話し合いを通して、丁寧に合意形成を目指すものである。

 現時点での単一の意思決定で最終的な解を出しうるものとは考えられず、時間をかけた粘り強い取組みを覚悟することが必要であり、限られた利害関係者の間での合意を軸に合意形成を進め、これに当該地域への経済的な支援を組み合わせるといった手法は、かえって問題解決過程を紛糾させ、行き詰まりを生む結果になることを再確認しておく必要がある。

 以上見るように、政府は核のゴミが増え続ける現状を認識し、原発政策をどうするのか明らかにしなくてはなりません。核燃料サイクルが完成するので核のゴミなど考えなくても良いとか、将来放射能を無毒化できるとか、多重のバリアで埋設処分が可能(ものぐさ 高濃度放射性廃棄物は安全に保管できるか)などといったごまかしに国民は納得しません。そこで初めて、核のゴミ問題はようやくスタート地点に立ち、国民的議論へと進むことができます。なし崩し的に原発を再稼動した場合、核のゴミはどこまで増えるのでしょうか。国民は心配しています。原発政策を維持したままで、「核のゴミが増えるから、貯蔵施設を建設したい」と政府が言ったところで、国民は建設を認めるでしょうか。日本中がゴミだらけになります。

 暫定保管については、科学的に保管方法の安全性を評価し、誠意をもって国民に貯蔵施設の必要性を説明しなければなりません。そこには、金で有無を言わさず最終処分地を決定するような、従来の原子力政策で用いられた手法は通用しません。

 国民はバカではありません。将来世代の負担を少しでも少なくするため、核のゴミを何とかしようと考えるはずです。丁寧な議論を経て安全性が確保されるのであれば、受け入れようとする地域が必ず現れます。福島原発事故で生じた8000ベクレル以上の放射性廃棄物を受け入れる自治体は現れていません。これは政治家が信頼されていないからです(ものぐさ 埋め立て基準 8000ベクレルは大丈夫か)。

 暫定保管と総量管理と言う考え方は脱原発を進めるための穏やかな手法で、ある程度評価され得るものと考えます。ただ、「総量の増分の抑制値」を甘く設定し、原発維持にお墨付けを与えるようなことは絶対あってはいけません。「総量の増分の抑制」についても、時間とともに増し分を小さくし、最終的にはその増し分をゼロとしなくてはいけません。なぜなら、原発が稼動し続けているかぎり、核のゴミは増え続け、迷惑施設を次々に作っていかざるを得なくなるからです。

 同委員会は、使用済み核燃料について、①燃料プールでの保管 ②乾式貯蔵等での保管 ③暫定保管 ④最終保管の4段階からなる保管手順を提言しています。そして暫定保管場所の要件として、「回収可能性と他への搬出可能性」が上げられていますが、暫定保管中に事故等が発生し、放射性物質が周辺地域に及んだ場合、「回収可能性と他への搬出可能性」があるからといっても、他の地域がこれを受け入れてくれるでしょうか。暫定保管場所が最終処分地になりはしないかとの危惧があります。

 明日にも地震が発生し、原発事故が何時起こらないとも限りません。できるだけ早く脱原発することが基本です。全国各地が迷惑施設を受け入れるわけです。直ちに脱原発としなければ、国民は同委員会の提言を受け入れない可能性もあります。暫定保管については具体的方法が明確に定まっていません。これからの技術的な課題です。安全な最終処分地などは希望的願望に過ぎません。願わくば、直ちに原発を止め核のゴミの増加を止めて欲しいものです。

 核のゴミの処分方法がなく、各原発の使用済み核燃料が満杯(あと6年)となれば、原発の稼動はゼロとなります(ものぐさ 「核のゴミ」はどこに行くのでしょうか)。

   

  

2013年2月11日 (月)

原発 新安全基準にパブリックコメントを(地震・津波)

 2/7、原子力規制委員会は、「発電用軽水型原子炉施設に係る新安全基準骨子について」に関する意見募集を開始しました。募集期間は2/7~2/28までの22日間です。判りにくい資料(注1)で、1ヶ月間は短いように感じます。

 骨子や報道から、その内容を勉強してみます。

 以下、地震・津波骨子案。

1 国会事故調査委員会が福島原発1号機の現地調査を決めていたことに対して、東電は「同号機の4階は真っ暗で放射線も高く危険である」との虚偽説明を同委員会にしました(13年2月7日に判明)。この東電の説明により、同委員会は現地調査を断念し、報告書は「現地調査できないため、出水元は不明」との記述で終わっています(ものぐさ 黒川事故調査報告書 津波前、原発破損の可能性あり)。同号機4階部分には非常用復水器の配管などがあり、下請け作業員も「地震直後、水が噴出しているのを見た」と証言していました(ものぐさ 津波到着前に原発は壊れていた)。地震で原発が壊れたとなれば、新安全基準も見直しが必要です。同委員会の再調査が終わるまで、新安全基準の作成は見送るべきです。・・・ものぐさ

2 重要な安全機能を有する原子炉施設(以下、施設と言う)は、将来活動する可能性のある断層等(活断層のほか地震活動に伴って永久変位が生じる断層に加え、支持基盤を切る地すべりが含まれる)の露頭がない地盤に設置すること。同断層等については、12~13万年前以降に活動していないことが証明できない限り、40万年前以降にさかのぼって活断層を調査。重要施設直下での確認が困難な場合には、当該断層の延長部で確認される断層等により判断する。・・・骨子案

 上記要件を満たさなければ施設を建設することは認められない。活断層の基準はこれまでより厳しくなる。地下で延びる活断層の立体的な精密調査を原発によっては新規に要求。原子炉建屋などの重要施設の建設を活断層の真上に認めない。法的な強制力で運転停止を命令。・・・報道

3 基準地震動、基準津波の策定において、「残余のリスク」(策定された基準地震動、基準津波を上回る影響が施設に及ぶことにより、重大な損傷事象や大量の放射性物質が放散し、周辺公衆に対して放射線被曝災害が及ぶリスク)が存在することは否定できない。よって、「残余のリスク」小さくするため努力が払われるべきである。・・・骨子

 原発ごとに海底地形や地質構造を調べ、最大の津波の高さを想定する「基準津波」を策定。・・・報道

 基準津波という概念が登場しました。基準地震動については、旧指針と変わわらないように感じます(ものぐさ 残余のリスク)。どこまで強化されているのか全くわかりません。・・・ものぐさ 

 原発は震度6程度で壊れると言う識者もいます(ものぐさ 脆弱な原発構造)。これらは改善されているのでしょうか。・・・ものぐさ

4 重要な安全機能を有する施設の全てはSクラスとする。以下、骨子。

① 原子炉冷却材圧力バウンダリー・・・原子炉の通常運転時に原子炉冷却材を内包し、原子炉容器内と同様の圧力条件となり、かつ一次(原子炉)冷却系の圧力障壁を形成するもので、それが破壊されると冷却材喪失事故となる範囲をいう。通常、原子炉圧力容器、一次系(原子炉冷却系)配管などが含まれるが、冷却材喪失事故時に隔離される部分は該当しない。

② 使用済み核燃料貯蔵施設。③ 津波防護機能を有する施設。

④ 原子炉の緊急停止のために急激に負の反応度を付加するための施設、及び原子炉の停止状態を維持するための施設(原子炉緊急停止装置か?)。⑤ 原子炉停止後、炉心から崩壊熱を除去するための施設(再循環ポンプや緊急炉心冷却装置か?)。⑥ 原子炉冷却材圧力バウンダリ破損事故後、炉心から崩壊熱を除去するための施設。⑦ 原子炉冷却材圧力バウンダリ破損事故の際に、圧力障壁となり放射性物質の放散を直接防ぐための施設(原子炉格納容器か?)。⑧ 放射性物質の放出を伴うような事故の際に、その外部放散を抑制するための施設であり、前項以外の施設(ベント装置か?)。

 防潮堤などの津波対策施設は原子炉圧力容器などの重要施設と同様、最高水準の耐震性を要求。活断層があれば建設のやり直しを要求。・・・報道

 ②、③は新たに追加されています。④~⑦までは報道でも解説がなく、理解できません。・・・ものぐさ

5 重要施設は基準津波に襲われても海水が到達しない高台に設置するよう求め、敷地の高さが十分に取れない場合は、防潮堤などの設置を要求した。また、それでも水が敷地内に入ってきた時に備えて、重要な設備を水から守る水密扉などの設置を求める。・・・報道

 防潮堤への衝突による津波の盛り上がりや遡上高、地震動による水密扉の実効性等について、骨子からはよくわかりません(ものぐさ 疑問 浜岡原発事故対策)。 

6 その他の報道

・ 全国に約2千本あるといわれる活断層大国の日本では「耐震設計で活断層との、共生は可能」との見方も出ている。

・ 活断層があってもどうすれば安全が保たれるか研究開発を進めればよい。

・ 活断層といかに共存し、地震に耐える構造を持つことの方が現実的な対応といえるが、あらゆる工学システムには、故障のリスクがつきまとう。極限まで下げてもゼロにはできないことを、規制委も国民の側も、しっかり再確認しておくべきである。

・ 「ゼロリスク幻想」の虜(とりこ)になると机上の空論に傾きやすい。原子力規制委員会が活断層判別の年代を一律40万年前までに拡大しようとしたのが典型だ。幸い現行の12万~13万年前も基準として維持されたが、甘美な理想論は迷路に通じる。

・ 原子力規制委員会は一部の要求項目について、一定の猶予期間を設ける方針だが、猶予を認める項目の選定や基準の運用方法によっては、安全対策が「骨抜き」になる恐れもある。原子炉格納容器を遠隔操作する「特定安全施設」(第2制御室)、緊急時対策所や加圧水型原発のフィルター付きベト装置が猶予対象。

・ 運転から30年以上経過した原発や、大きな地震や津波に見舞われやすい原発は補強や改修の費用がかさみ、廃炉に追い込まれる場合も出てきそうだ。

・ 軽水炉は水で燃料を冷却する構造だ。水がなくなれば炉心溶融などの過酷事故を止められなくなる「根本的な弱点」は残ったまま。新基準が求める冷却手段の複数整備は当然必要だがそれで十分とも言えない。

・ 本質的な問題にメスを入れることなく、小手先の対策に終わっている。

・ 肝心の規制委には課題が多い。骨子は限られた人数の検討チームが短期間でまとめた。外部の専門家が意見を述べる場はほとんどない。

・ 新安全基準は既設の原発にも適用される。

・ 運転期間を原則40年とする「40年運転制限制」については、4月段階で織り込む方向。

 米国で設計された原発はそもそも地震を想定していないと聞きます。地震国日本での稼動は可能なのでしょうか。再稼動を前提に、安全基準は作られているような気もします。猶予規定を盛り込む等、原子力村の影がちらつきます。人命尊重より経済優先なのでしょうか。

 絶対安全な原発は存在しません。原発事故により大量の放射性物質が放出され、放射線被ばくによる災害が周辺公衆に対して及ぶことのリスクを同委員会は認めています(残余のリスク)。万が一の場合、住民が死亡したり、故郷を失うことは、日本の経済発展のために止むを得ないと考えているのでしょうか。この素朴な疑問に対して政府はどのように考えるのでしょうか。

 脆性破壊や配管の減耗による冷却材喪失の危険はないのでしょうか(ものぐさ 原発廃炉 40年は本当か)。規定に盛り込めれているのでしょうか。

 「工学システムには、故障のリスクがつきまとう。だから原発が事故を起こすことを国民は認識すべきだ」と述べています。第一に、事故が起き放射能が漏れれば、地域や国が滅びる原発事故と自動車や火力発電所の事故を同列で扱うべきではありません。第二に、発言者に聞きたい。地方住民は死んでもかまわないのか。

 報道の歯がゆさを感じます。何故、素朴で根本的な問題提起をしないのだろうか(爆発すれば人が死ぬ。そこをどう考えるのか等)。切り込み不足も感じます(防潮堤に衝突した津波は1.5倍程度に盛り上がり、敷地内に流入する等)。

 「新安全基準は既設の原発にも適用される」というバックフィット制については、注意が必要です。経済的にもっと費用の安い代替策で置き換えてこの目標を達成することを認めると言うバックフィット制度にはしないでください。電力会社の思惑を忖度するような、非科学的な妥協の産物であってはなりません。(ものぐさ 「バックチェック」と「バックフィット」で原発は安全か)。

 最後に、専門家や報道が新・旧安全基準の比較を検証し、国民にわかりやすく説明してくれることを期待します。

 (注1) 資料は「発電用軽水型原子炉施設に係る新安全基準骨子案について」としてHP上に公表されています。骨子案は ①新安全基準(設計基準)骨子案 ② 新安全基準(シビアアクシデント対策)骨子案 ③新安全基準(地震・津波)骨子案からなります。

 

2013年2月15日 (金)

原発 新安全基準骨子にパブリックコメントを(シビアアクシデント)

 2/7、原子力規制委員会は、「発電用軽水炉施設に係る新安全基準骨子について」に関する意見募集を開始しました。募集期間は2/7~2/28までの22日間です。判りにくい資料(注1)で、1ヶ月間は短いように感じます。

 骨子や報道から、その内容を勉強してみます。

 以下、シビアアクシデント対策骨子案

1 シビアアクシデント対策では、「原子炉、格納容器、使用済み燃料貯蔵プールが著しい破損に至るのを防止する対策を講じなさい」と要求しています。骨子のなかの「包括的拡散抑制対策」は、「原子炉設置者は、炉心の著しい損傷及び格納容器の破損に至った場合、又は使用済燃料貯蔵プールの大規模燃料破損に至った場合など様々な事象に包括的に対処するために、敷地外への放射性物質の拡散を抑制する手段を整備すること」と述べています。

 想定外の事故が起きれば放射能が放散することを容認しています。そして、「抑制する手段を整備」とあるだけで、原発敷地境界で○○シーベルトに押さえなさいとは言っていません。想定したシナリオに沿って原発事故が推移せず、代替設備が有効に機能せず、最後の砦が破壊すれば、放射能は住民に降り注ぎます。

2 原子炉緊急停止(スクラム)に失敗した場合の代替設備として骨子は、①手動による原子炉スクラム操作、②代替制御棒挿入回路(ARI)の装備、③再循環ポンプを自動または手動でトリップさせる装置、④ほう酸水注入設備(SLCS)を要求しています。

 代替設備が本当に機能し、損傷の拡大を抑えることができるか厳しく見ていく必要があります。かつて、原発は5重のバリアで安全が保たれていると信用していた苦い経験があります。代替設備の実効性を外部専門家を交えて検証する必要があります。

3 骨子は「原子炉建屋への意図的な大型航空機の衝突に対して必要な機能が損なわれないよう適切な措置を講ずること、例えば、原子炉建屋と特定安全施設が同時に破損することを防ぐために必要な離隔距離(例えば100m 以上)を確保すること」と述べています。

 これは、航空機の墜落に備えて特定安全施設(第2制御室)を設け、遠隔操作による原子炉のコントロールを要求しているだけです。ミサイル攻撃や航空機墜落により、原子炉や配管類が破壊されれば、第2制御室の意味はなくなります。航空機等が墜落した場合の具体策は、外部火災を想定した泡放水砲等を用いた消火活動です。心もとない対策です。中国、北朝鮮の脅威が増しています。原発ごとにパトリオット地対空ミサイルの配備をお願いしたいくらいです。

4 骨子は、「炉心の著しい損傷及び格納容器の破損に至った場合、又は使用済燃料貯蔵プールが燃料損傷に至った場合に、敷地外への放射性物質の拡散を抑制する設備」を要求しているが、その具体策は放水設備です。これも心もとない対策です。

5 骨子は、「格納容器の破損を防止するため、格納容器内雰囲気の圧力及び温度を低下させる設備」として、フィルター付きベント設備を要求しています。

6 骨子は、「大規模なプール水の漏えい等により使用済燃料貯蔵プールの水位維持ができない場合の設備として」スプレー設備(水位維持できない場合でも、燃料冷却を維持できるものであること)を要求しています。

7 骨子は、「原子炉や格納容器等の破損に至った場合の敷地外への放射性物質の拡散を抑制する設備」として、放水設備を要求しています。

8 その他の報道

・ 第2制御室、非常用電源、冷却設備などを備えた「特定安全施設」、免震能力や放射線遮蔽能力を備えた「免振重要棟」、加圧水型原発のフィルター付きベト装置は3~5年程度の猶予期間を設ける。猶予を認める項目の選定や基準の運用方法によっては、安全対策が「骨抜き」になる恐れもある。来月以降、猶予のあり方を議論。一部委員は、猶予をつけないその他の対策で安全性は十分確保できると判断。3~4年原発が停止すれば故障など別のリスクが産まれる。しかし、元東電社長は「免震重要棟がなければと思うとゾッとする」と証言している。

・ 火災対策として、ケーブル類は原則として難燃性の素材に交換。

・ 全電源喪失の対策は、少なくとも24時間分の容量があるバッテリーを設置し、電源車から充電できる設計とする。外部から燃料や予備品などの支援がなくても1週間は安全機能を確保できるよう求めた。

・ 何より肝心なのは、新基準は「再稼働のための条件」ではない。

・ 軽水炉は水で燃料を冷却する構造だ。水がなくなれば炉心溶融などの過酷事故を止められなくなる「根本的な弱点」は残ったまま。新基準が求める冷却手段の複数整備は当然必要だがそれで十分とも言えない。

・ 原発が新たな安全基準を満たせば、再稼働の重要な条件二つのうち一つをクリアすることになる。しかし、もう一つの重要な条件である住民の安全を守る「地域防災計画」づくりは各地で難航している。どれくらいの放射線量が検出されれば住民が避難を始めるのかなど肝心の規制委の議論が混乱している。避難ルートは確保されるのか。

・ 肝心の規制委員会には課題が多い。骨子は限られた人数の検討チームが短期間でまとめた。外部の専門家が意見を述べる場はほとんどない。

・ 原発から半径30キロ圏に大幅拡大された事故時の住民避難計画もモデルを示せず、自治体任せだ。

・ 新安全基準は既設の原発にも適用される。

 米国で設計された原発はそもそも地震を想定していないと聞きます。地震国日本での稼動は可能なのでしょうか。再稼動を前提に、安全基準は作られているような気もします。猶予規定を盛り込む等、原子力村の影がちらつきます。人命尊重より経済優先なのでしょうか。

 絶対安全な原発は存在しません。原発事故により大量の放射性物質が放散され、放射線被ばくによる災害が周辺公衆に対して及ぶことのリスクを同委員会は認めています(残余のリスク)。万が一の場合、住民が死亡したり、故郷を失うことは、日本の経済発展のために止むを得ないと考えているのでしょうか。この素朴な疑問に政府はどのように考えるのでしょうか。

 福島原発事故では、原子炉建屋の天井が吹き飛びました。第2制御室などあっても、原子炉自体がミサイル攻撃され、原子炉が爆発すれば、日本は壊滅です(ものぐさ 「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算」と「瀬尾試算」)。

 いくつかの要求事項があるが、最後の手段は放水設備だけのようです。

 「工学システムには、故障のリスクがつきまとう。だから原発が事故を起こすことを国民は認識すべきだ」と述べています。第一に、事故がおき、放射能が漏れれば、地域や国が滅びる原発事故と自動車や火力発電所の事故を同列で扱うべきではありません。第二に、発言者に聞きたい。地方住民は死んでもかまわないのか。

 報道の歯がゆさを感じます。何故、素朴で根本的な問題提起をしないのだろうか(爆発すれば人が死ぬ。そこをどう考えるのか等。)。切り込み不足も感じます(防潮堤に衝突した津波は1.5倍程度に盛り上がり、敷地内に流入する等)。

 最後に、専門家や報道が新・旧安全基準の比較や代替設備の実効性を検証し、国民にわかりやすく説明してくれることを期待します。

 (注1) 資料は「発電用軽水型原子炉施設に係る新安全基準骨子案について」としてHP上に公表されています。骨子案は ①新安全基準(設計基準)骨子案 ② 新安全基準(シビアアクシデント対策)骨子案 ③新安全基準(地震・津波)骨子案からなります。

 

2013年2月25日 (月)

活断層 原子炉立地審査指針に違反する

 原発推進派と思われる某識者が「安全対策のコストを考えない原子力規制委員会の暴走」と発言していました。推進派がずっと言い続けてきた論理であるが、以下気になった点を反論します。

1 断層が見つかっても、同委員会には原発を廃炉にする権限はない。そこで、「重要施設を活断層の上に建ててはいけない」という安全基準を決める方針を出した。つまり今は、活断層の上に建設することは禁止されていないのだ。もちろん運転も禁止されていない。

 (反論) 問題となった原子炉立地審査指針の「原則的立地条件」を以下に記します。

 原子炉は、どこに設置されるにしても、事故を起さないように設計、建設、運転及び保守を行わなければならないことは当然のことであるが、なお万一の事故に備え、公衆の安全を確保するためには、原則的に次のような立地条件が必要である。

(一) 大きな事故の誘因となるような事象が過去においてなかったことはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこと。また、災害を拡大するような事象も少ないこと。

(二) 原子炉は、その安全防護施設との関連において十分に公衆から離れていること

(三) 原子炉の敷地は、その周辺も含め、必要に応じ公衆に対して適切な措置を講じうる環境にあること

 以上、見るように、(一)~(三)のいずれかに抵触すれば、立地条件を満たしません。以下、見てみます。

(一) 活断層は大きな事故の誘引となるような事象に該当すると考えます。地震により、活断層が数m隆起すれば、配管断裂や原子炉の傾きにより冷却材喪失事故が起こり、大きな事故に進展します。もちろん津波も大きな事故の誘引となります。

(二) 福島原発事故では30km圏内外の住民が避難し、故郷に帰れない人は16万人もいます。安全神話に騙されて、「放射能による被害は少ない」と言われてきましたが、福島原発事故では、多くの住人が避難することになりました。事故後、UPZ(緊急防護措置区域)は30km圏内とされ、その圏内で暮らしている住民は、例えば、浜岡原発(静岡)で80万人、東海第2原発(茨城)で93万人、大飯原発(福井)で14万人、全国(21道府県135市町村)で480万人にも上ります。東海原発2号炉が事故を起せば、800万人が癌死するといわれています(ものぐさ 「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算」と「瀬尾試算」)。これで、十分に公衆から離れていると言えるでしょうか。そうは思いません。

(三) UPZ圏内の住民に対する避難計画の策定が各自治体で行なわれようとしています。同圏内(浜岡原発周辺)には80万人もの住民がいます。必要に応じ公衆に対して適切な措置を講じうる環境と言えるでしょうか。

 上記、見るように、全ての項目で立地条件を満たしていません。原子炉を設置するための原則的条件を満たさなくなった原発は、そもそも、立地し続けることができないのです。このことが原発廃炉の根拠です。百歩譲っても再稼動はできません。

 確かに、条文において、「活断層の上に原発を設置してはいけない」と明文化はされていません。法律の趣旨と、福島原発事故の実態を直視すれば、某識者の発言は正しくありません。法律が明文化されていないことを良いことに、運転さえできるという。恐ろしいことだ。

2 安全のコストはただではない。その費用は1兆円に達する。建築基準法が改正されても、古いビルを取り壊す必要がない。バックフィットを義務づけることは大きな副作用をともなう。改修ですめばいいが、運転期間は40年間に制限されており、古い原発は投資をしても回収できないので、廃炉にするものが増えるだろう。

 (反論) バックフィット(ものぐさ 「バックチェック」と「バックフィット」で原発は安全か)は小手先の対策であり、真の安全を目指すなら、基本設計からやり直す必要があると言いたいのでしょう。私もそう思います。裏を返せば、バックフィットでも安全ではなく、廃炉しかないのです。建築基準法を引き合いに出し、原発もそのままで良いとは笑止千万です。

3 東日本大震災と同じ規模の地震が他の地域で起こったとすると、津波による死者は1万5000人以上出るが、原発事故の死者は1人も出ないだろう。リスクに見合ったコストをかけるのが防災対策の原則である。

 (反論) 傲慢な論理です。確かに急性障害で死亡した人はゼロであったが、将来を悲観して自殺した人もいます。晩発性障害で苦しむ人もあるでしょう。現時点において、(事故の影響と見られる)甲状腺癌の見つかった人は3人となりました。福島原発事故以上の事故が発生し、多くの死者が出ることも否定しきれなくなりました。死者が出てからでは遅すぎます。

4 行政経験のない技術者は暴走する傾向が強い。エネルギー問題は社会全体のインフラであり、第一義的には経済問題である。安全性を追求するのは結構だが、まず常識的なバランス感覚を身につけてほしい。

 (反論) 原発は絶対安全だと喧伝され、国民は、シブシブその建設を容認してきたという歴史があります。安全神話が壊れ、社会的なインフラとしての原発は否定されつつあります。原発の代替エネルギー施設こそ、今後望まれる社会的インフラでしょう。経済問題解決のための原発の存在意義は完全に否定されました。賠償費用、除染費用、バックエンド費用を考えれば、経済的には百害あって一利なしです。経済問題しか念頭にないバランス感覚こそ危険です。

5 安全対策に1兆円かけ、古い原発が廃炉になると、その分だけ化石燃料の輸入が増える。これによって電気料金が上がるだけでなく、二酸化炭素の排出量も増え、大気汚染も悪化する。それによる健康被害は、少なくとも福島第一原発の事故より大きい。絶対安全を実現するのは簡単である。今のように原発を止めておけばいいのだ。運転しなくても核燃料があると危険なので、それもはずせば万全である。それが問題の解決にならないことは明らかだろう。原子力規制委員長も認めるように「原発のリスクはゼロではない」のであり、ゼロにすべきでもない。

 (反論) 今春3月にもシェールガスが米国から輸入される模様です。米国でのシェールガスの単価は、日本が輸入している天然ガスの20%程度です。原発のバックエンド費用や事故対応費用を加味すれば、原発による電気料金は決して安くありません。二酸化炭素の排出量増加もウソです。ウラン鉱石の算出・精製・輸送や、原発の建設資材の製造、原発建設、バックエンド処理施設の建設には多くのエネルギーが使われます。当然、これら発電行為以外の工程で多くの二酸化炭素が排出されます。原子力発電所内の発電行為では、某識者が言うように、二酸化炭素は排出しません。その代わり猛毒の放射能が生成されます。

 原子炉を冷却し高温となった海水は海に捨てられています。そのエネルギーロスは2/3にもなり、地球温暖化の原因ともなります。

 

2013年2月26日 (火)

2月の庭

00118 2月の庭の全景写真です。少しだけ花が咲き始めました。春の息吹が感じられると思います。

00121石垣のところにスイセンが咲いています。                   

                                      

                                  

                                   

00019 いらっしゃい。飛び石を渡るとベンチです。ベンチに腰掛けて右下を見てください。ムスカリ、ノースポールが咲いています。

00014ムスカリが咲き始めました。ほおっておいても毎年咲きます。春を告げる花です。                

                                     

00012ノースポールです。

00020 ベンチから立ち上がり、右に折れてください。                                 

                                   

                                 

                                    

00025_3 紅梅です。緑化木センターで白いしだれ梅を買ったつもりでしたがチョット違いました。何かの縁です。大切に育てます。

00041 左はシダレモミジです。これ以上大きくなりません。                            

                                  

                                   

                                

                               

                                   

00042

左に曲がると階段が見えます。右手がツワブキ、その上はオオテマリです。

00032階段を上る前に右に曲がってください。ツバキルートです。 ツバキ(唐獅子)が咲いています。まだ、蕾が多く、満開ではありません。3月には紹介できると思います。               

                                    

00054 階段まで戻り、左を見てください。寒さでサツキが紅葉しています。1月の庭と同じで、花は見えません。正面の青い木はアオギリです。

00057 階段を上り右に曲がってください。右は手前からシラカシ、キンメツゲです。左はサツキ、シャラの木です。道の両脇はリュウノヒゲです。まっすぐ進んでください。左下に王冠(ツバキ)が咲き始めました。

                             

                                                     

                                                        

00021_3 王冠です。名にふさわしく大きなツバキです。3月に王冠のアップを紹介します。左側はシャラの木です。夏ツバキともいい、白く可愛い花を夏咲かせます。夏まで楽しみにしていてください。                                  

00044 更に進みます。左下はアセビ(紫色)です。馬が食べると酔ったような状態になることから馬酔木とも書きます。3~4月にスズラン似た花を多数つけます。

                                                      

                                                        

                                                        

                                                      

00066引き返し、階段を上ります。右はシラカシ、正面はヨシノツツジです。近寄ってみましょう。                                                                       

00074 ヨシノツツジの蕾が膨らんでいます。3月には満開になります。

                                                      

                                                      

                                                          

                                                         

00069 更に上ります。右手はクロガネモチです。手前を右に折れてください。                                    

00023_2 サザンカが咲いています。名前は忘れました。花びらで地面が真っ赤に染まっています。大きくなればもっと見事になると思います。

                                                     

                                                       

00049 引き返し、更に上ってください。展望台に到着です。                 

00078 展望台から、左に折れ、ヒラドツツジを見ながら日陰の庭に向かいます。

00081 正面に日陰の庭が見えます。左手を見てみましょう。                

                                       

                                       

                                      

                                     

00102

道端にムスカリが咲き始めました。                

00082 ハクモクレンです。3~4月に葉に先だって純白の大きな花が咲きます。近寄ってみましょう。

                                       

                                    

                                    

                                    

                                         

00086 蕾です。                               

00088 名前はわかりません。カタバミでしょうか。葉は3枚ですが、ハート型ではありません。

                              

00104日陰の庭に入ります。左手前はムラサキシキブです。正面にベンチがあります。             

00108 ベンチで休憩してください。ベンチの上に木漏れ日が見えます。日陰で、風が吹きぬけ、夏は快適です。薮蚊さえいなければ。足元を見てください。オモトです。1年中葉は青く、万年青と書きます。

00112 近づいてみましょう。赤い実が見えます。                

                                  

                                    

                                   

                                       

                                     

                                      

                                        

別の場所にご案内します。

00008 樹齢50年程度のしだれ梅です。選定作業が難しく、花が落ちた直後細かい枝を全て切り落とす方法と、秋に徒長枝のみ切り落とす方法を試みました。徒長枝の中間で切り落とすと切り口から数本の枝が出て樹形が乱れます。時々前者のようにすると、新しい枝が伸び樹形がよくなるようです。

00009 オキザリスです。カタバミの一種です。

2013年2月27日 (水)

東通原発 活断層認定

 原発敷地内において、活断層の可能性が否定できず、再調査を指示されている原発が相次いでいます(ものぐさ 原発直下の活断層)。活断層の評価も、原子力規制委員会の本気度を問う試金石です。国民は注視しています。玉虫色の結論になっては困ります。

 柏崎刈羽原発の活断層(ものぐさ 柏崎刈羽原発 活断層の可能性大)に引き続き、今回は、東通原発の活断層が認定されました。備忘として記します。

 昨年12月に調査した「Fー3断層」「F-9断層」を、同委員会は「活断層の可能性が高い」と認定し、敷地内を南北に縦断する他のF系断層(8本)についても「敷地全体で系統的に続いている」と公表しました。

 「F-3」と呼ばれる断層については、周辺に活断層が動いたときに見られる小さな亀裂が多く確認されたことや、断層による地層のずれが活断層の定義の範囲に当たるおよそ11万年前の火山灰の層まで及んでいることが指摘されています。

 「F-9」と呼ばれる断層については、周辺に断層の動きによって広範囲に隆起したことを示す地形があることや、地層の火山灰の分析から繰り返し活動していることが認められます。

 そのほか、冷却用海水の通る「取水路」の直下にも「f-1断層」があり、検討の必要性があると言及しています。これらの断層は原発から最短で200mしか離れておらず、抜本的な見直しが必要です。

 敷地内の断層2本について、東北電力が「断層周辺のずれや亀裂は地層が地下水によって膨らんで起きた」と説明していることについては、地下水で膨らむ場合、現場で見られたような3メートルもの隆起は考えにくいことや、地下水が上昇した痕跡が確認できなかったことから、根拠に乏しいとしています。

 従来、同原発の設計基準地震動(注1)は375ガルでした。2006年に改訂された耐震設計審査指針に適合するように、東北電力は、同地震動を450ガルに引き上げましたが、これについて、原子力安全保安院は(2010年時点で)審査中です。活断層から200mもの近くに原発があり、東北電力が安全であるとしてきた耐震性は大きく見直されるでしょう。そして、同地震動は(450ガルから)更に引き上げられることになるでしょうが、果たして、新基準地震動に耐えられる原発になるでしょうか(注2)。そうは思えません。

 活断層の可能性を少しでも指摘された原発は、少なくとも、活断層ではないと証明されない限り、再稼動してはいけません。原発推進派が、色々発言してきます。腰砕けにならないことを祈ります。

 電力関係者は、結論を先延ばしして、参院選後の風向きが変わるのを待っているとも言われています。自民党の大勝だけは避けたいものです。

 (注1) 地表近くの柔らかい堆積層を取り除いた状態の基盤上での地震動を指す。最終的な揺れの強弱は地表近くの堆積層で増幅され、その程度は堆積層の柔らかさや厚さで異なります。柏崎刈羽原発の基盤(解放基盤表面)は地下150~300mにあるとされています。

 (注2) 新潟中越沖地震で、柏崎刈羽原発は、設計基準地震動450ガルに対し、なんと4倍以上の推定1699ガルの揺れに襲われたのです。なんと4倍以上の想定ミスがあったわけです。その後、同原発は2300ガルまでの地震動に耐えられることとなりましたが、原発の補強程度でこんなにも耐震力が向上するのでしょうか。でっち上げの数値のようにも感じます。

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