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2013年3月

2013年3月 3日 (日)

原発震災 緊急避難後どうするつもりだ

 2/27、原子力規制委員会は、原発立地自治体に対し、3月中を目途に防災計画を作るように要請しました。再稼動を前提として、着々と儀式が進んでいるようです。

 原子力災害対策指針(平成24年10月31日)に基づき、原発立地地域は「具体的な緊急避難計画を立案せよ」との要請です。そして、この程度の計画立案により、同委員会は「再稼動の条件が揃った」と判断するのでしょうか。その指針を以下に示します。

1  5km圏内

 ・ 安定ヨウ素剤を家庭に事前配布。

 ・ 原子炉冷却機能の喪失などで、すぐ避難し、ヨウ素剤を服用。

2  5km圏外

 ・ 避難や屋内退避の指示が出た段階で安定ヨウ素剤を服用。具体的な手順は今後検討。

 ・ 毎時500マイクロシーベルト(年4380ミリシーベルトに相当)の放射線量が測定されれば、すぐ避難。

 ・ 毎時20マイクロシーベルト(年175ミリシーベルト相当)で地元産食品の摂取制限。1週間以内に一時退避。

3  放射線量が毎時5マイクロシーベルト(年44ミリシーベルト相当)に達した時の食物摂取制限値

 食品       放射性ヨウ素         放射性セシウム

 水・牛乳     300ベクレル/kg超     200ベクレ/kg超

 肉・野菜     2000ベクレル/kg超    500ベクレル/kg超 

 以上です。

 福島原発事故以前、「原発は絶対に安全だ」との安全神話のもと、原発は稼動してきました。

 ところが、安全神話が崩れると「原発は絶対安全ではない」と言い出し、想定外の事故が起きれば放射能が放散すること(ものぐさ 原発 新安全基準骨子案パブリックコメントを(シビアアクシデント))を容認したのです。

 そして、絶対安全でない原発に対する「新安全基準骨子案」なるものが発表され、この新基準に適合した原発の稼動は可能であると言い出したのです。

 最後は、地域の責任で「緊急避難計画を立て、災害時には住民を避難させろ」と政府は言うのです。浜岡原発のUPZ圏内には80万人の住民が暮らしています。膨大な数の輸送手段(バス、ヘリコプター、輸送船等)の手配や、一時避難先の確保をしなければなりません(ものぐさ 原発事故訓練とはこういうものだ)。入院患者の受け入れ先も必要です。

 可笑しくはありませんか。絶対安全でもない原発を稼動させようとしているのです。そして、この程度の避難計画でもって、国は原発を再稼動します。 

 避難後、80万人の住民の生活をどうするつもりなのでしょう。政府は考えているのでしょうか。そこを直視しないで原発を再稼動しようとしているのです。事故後は「海となれ山となれ」ですか。故郷に帰れなくなります。山林、田畑、住宅の除染は不可能です。除染できたとしても、その前に寿命が尽きてしまいます。放射能のない終の棲家となる土地と住宅を用意してください。所有する不動産を全て買い取ってください。事故当時の収入に見合う職場を見つけてください。できなければ、その収入を国が負担してください。現状復帰に必要な金額は、失われたすべての資産の損失、土壌等の除染、所得保障、風評被害等の合計額であるといわれています(ものぐさ 福島原発損害額 366兆円)。これらに対応できないなら、原発の再稼動はすべきでありません。

 関連記事 (ものぐさ 政府は原発防災計画を立てよ

2013年3月 4日 (月)

名雪前審議官の違反は個人的問題か

 敦賀原発活断層についての報告書である未公開草案を名雪前審議官が日本原電に渡していた問題で、原子力規制委員会は、「前審議官個人の問題」との見解を示しました。日本原電にとっては重要な活断層調査です。少しでも早く報告書を入手し、対応(悪く取れば裏工作)しようとしたのでしょうか。真相は闇の中です。

 2/8、同審議官と日本原電双方に対する聞き取り結果が同委員会HPにおいて「原子力規制庁次長記者会見補足資料」として公開されています。

 それによると、

・ 前審議官に面談したのは、平成24年12月3日(月)、11日(火)、14日(金)、21日(金)、26日(水)、平成25年1月4日(金)、11日(金)、22日(金)の合計8回。・・・日本原電

 面談では、①今後のスケジュールや進め方、②幅広い専門家の意見も聞いて欲しい、③当社の意見を述べる機会を与えて欲しい旨を伝え、④会合に出席できるのであれば、会議の資料を事前送付して欲しいと依頼した。・・・日本原電

・ 1/22、面談は20分程度。前審議官が一人で対応。原電から強い要望があり、報告書案のドラフトを渡した。その際、「厳重に取り扱ってほしい」旨を伝え、日本原電は「十分理解している」と言った。軽率であったと反省している。同様の行為を他にやったことはない。・・・前審議官

 「28日の有識者会合に日本原電は出席してもらうこととなった」と前審議官が発言。当社から、事前の資料入手を依頼したところ、報告書案のドラフトを渡された。・・・日本原電

 以上、1時間程度の聞き取り調査。

 これに対し、2/6、同委員会の委員長代理は「個人ではなく組織全体として隙があったのではないか。敦賀原発の破砕帯が問題となっている最中に、日本原電が前審議官に会っていたことについておかしいと思った人はいないのでしょうか」と述べ、長官は「ご指摘の通り」と答えている。しかし、同委員長は「前審議官の行為は個人の考え違い」とし、前両者の発言を否定した。

 どちらが真実でしょうか。同委員会の中で食い違っています。

 原子力規制委員会のHPには、毎日のように、議事や検討事項が公開されています。公開性、透明性が保たれていることが感じられます。もちろん、活断層についての報告もあります。それ故に、前審議官事件は残念です。同委員会のメンバーは、福島原発以前から原発政策に携わってきた人々です。またぞろ、隠蔽癖が出てきたのではと心配します。「一事が万事」、国民は不安です。第三者機関で「組織的な問題か、個人の問題か」徹底的に調査をしてください。いずれの問題であったとしても、再発防止対策が必要です。国民はまだ色眼鏡で同委員会を見ています。この問題に真摯に向き合うことでしか、国民の信頼を取り戻すことはできません。

 

 

2013年3月 6日 (水)

六ヶ所再処理事業に関する覚書

 核燃料サイクルからの撤退は何故できないのか。青森県の立場、燃料高騰理由、米国核政策の立場、日米原子力協定の立場(ものぐさ 脱原発を拒むもの 日本が怯える日米原子力協定)がありますが、今回は青森県の立場を見ましょう。

 青森県と六ヶ所村は、同地域を最終処分場としないことを前提に再処理事業を受け入れました。その契約は、「①使用済み核燃料の最終処分場としない。②再処理が困難になれば、使用済み核燃料は青森県から搬出する。」と書かれているそうです。②によれば、六ヶ所村の使用済み核燃料は、全国の原発に送り返され、全原発は、たちどころに停止に追い込まれます。

 また、青森県は、「再処理に代わる振興策などありえない」と、核燃料サイクルの維持を訴えています。当然、核燃料サイクルの破綻や再処理の怖さは認識しているはずですが、再処理事業がなくなれば、自治体財源となる電源3法交付金が入らなくなります。青森県としてはお金の問題です(ものぐさ どう見る 民主党原発政策)。

 「再処理が継続できないなら、核燃料を全国の各原発に送り返す」と、脅されているようです。さて、本当でしょうか。再処理に関する覚書をHPで見ることができました。平成10年7月29日、電気事業連合会の立会いのもと、青森県及び六ケ所村と日本原燃株式会社は、次の覚書を締結していました。

                     記

 再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合には、青森県、六ケ所村及び日本原燃株式会社が協議のうえ、日本原燃株式会社は、使用済燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずるものとする。

 この覚書には、「再処理事業が困難になった場合、必ず使用済み核燃料を施設外に搬出しなければならない」とは書いてありません。「な~んだ」と言う感想です。

 この覚書の内容は、前記①~②のような一般的認識と異なります。政府はこの部分を正確に国民に説明していませんでした。あえて言えば、政府は詳細を国民に意図的に伝えることをせず、騙してきたとも勘ぐることができます。搬出しないで済む「適切な措置」による問題解決の方法もあったのです。もちろん、青森県や六ヶ所村には事情を十分説明し、納得を得て、問題解決の方策を検討していく必要があります。そこには、お金の問題で青森県や六ヶ所村が困らないような手立てをする必要があります(ものぐさ 原発廃炉交付金の新設をせよ)。 

 (参考)

 再処理問題はどのように検討されてきたのか。以前の記事(ものぐさ 安井正也 原子力安全規制改革担当審議官は適任か)に追加(赤字)します。

 90年代前半 原子力産業課の課員が「再処理工場は当面ストップし、中間貯蔵案する案(X作戦)」を検討していた。

 98年    「原子力環境整備センター」(「現原子力環境整備促進・資金管理センター)」は「直接処分」コストを4兆2000億円~6兆1000億円と試算していた。

 02年5月  東電と経産省首脳は「使用済み核燃料再処理事業」からの撤退を協議していた。その理由は同施設からのトラブルの続発と2兆円超にもなる建設費。

 02年8月  東電のトラブル隠しが発覚し、当時の首脳は辞任し、再協議は頓挫した。

 02年10月 原子力委員会やエネルギー庁の一部幹部は使用済み核燃料の受け入れを提案するロシアの外交文書を隠した。 

 03年7月 電力側から、安井氏に対し再処理から撤退するための条件(①国から撤退したいと言う。 ②使用済み核燃料は国の責任で処理。 ③電気料金に上乗せして集めた再処理費用(2.7兆円)は再処理をやめても電力会社が自由に使う。)の提示がありました。経産省事務次官は「電力側が撤退したいと言え。」と言っています。言い出したほうが責任を負うというなすりつけの構図になっています。

 03年8月 学者や電力中央研究所の職員らで作る「原子力未来研究会」は、サイクルは原子力の未来を危機に陥れる。国策を変えるべきだ。」と発言。その記事は闇に葬られた。

 03年秋 経産省幹部と関電幹部が会合。官民共に「六ヶ所村は危険」との認識で一致。「投資が巨額で自分たちからはやめられない。国がやめろといえば辞めれるかも知れない。」と幹部は言った。

 04年1月  再処理工場の稼動、約19兆円との試算が公表された。撤退は責任問題に発展しかねず、東電も経産省も撤退方針を出さなかった。

 04年2月  東電幹部と経産省は撤退を模索していた。

 04年3月  社民党党首が再処理をしない場合のコストを求めたのに対し、当時のエネルギー長官は「日本には直接処分コストの試算はない」と答弁している。答弁案は安井氏が作成した。安井氏は3ヶ月前からこの試算の存在を知っていたことが、今回明らかになった。

 04年4月  安井氏(元経産省原子力政策課長)は使用済み核燃料を「直接処分」する場合のコストの隠蔽(世の中の目に触れさせないようにとの指示)を部下に下した。

 04年4月 経産省職員は、自民党大臣経験者と面会。「再処理工場は安全性に疑問がある。行政も電力も動かしたくないと思っている。原発自体は維持し、再処理は凍結すべきだ。」と訴えるものの、大臣経験者は「主張はわかるが、サイクルは神話だ。神話がなくなると、核のゴミの問題が噴出し、原発そのものが動かなくなる。六ヶ所村はずっと試験中でいいんだ。あそこが壊れた。ここが壊れた。今直しています。」でいい。

 04年5月  「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」は「直接処分」に関するコストの算出を要求していたが、安井氏はその存在を伝えなかった。安井氏の所属する原子力政策課は分科会の担当課でした。

 04年5月 自民党政調内のエネルギー関係の委員会で、自民党議員は「直接処分のコストについて強引に試算を作ればいい」と発言。この意味は「意図的に直接処分のコスト試算を膨らませろ。」と言う意味。

 04年5月 電力業界はサイクル推進に関する決議をした。

 04年5月 学者や「日本エネルギー経済研究所」の理事らは、サイクル是非の報告書を作成。同報告書には、「六ヶ所をやめる」パターンも含まれていたが、東電幹部がクレーム。報告書は闇に葬られた。

 04年6月  分科会は約19兆円を電気料金に上乗せする制度の導入案をまとめた。これにより、「国内全量再処理」が国策となった。

 04年6月 経産省「サイクル撤退派」は次々に更迭される。

 04年7月  「直接処分」コスト試算の存在は報道で判明した。

 04年    再処理工場において、劣化ウランを流すウラン試験が稼動した。

 06年    そして、使用済み核燃料を流すアクティブ試験に移行した。

 08年12月 トラブルにより試験中断。

 以上が、再処理問題に関する発言や経緯です。再処理事業からの撤退が幾度となく検討されていたことがわかります。政治家の発言は国民をバカにしたものです。これからも変わりそうもありません。

  

 

 

2013年3月 8日 (金)

原発停止は違法の法的根拠 ?

 3/7、電気料金審査専門委員会の委員長は「原発を再稼動させるのは完全に適法。国が再稼動をしてはいけないと言うほうが違法だ。原子力規制委員会の再稼動に関する審査権は法令のどこにもない」と発言しました。

 法律云々と言っているが、違和感を感じます。福島原発事故を経験し、「安全でない原発は動かしてくれるな」が国民の率直な感情です。実情に法律が適合していないなら、法律を変えるべきです。同委員長は、「法律こそが絶対だ」と勘違いしているのでしょうか。

 同委員長の言う法的根拠とは、何を指すのでしょう。

1 原発推進派と見られる某識者は「断層が見つかっても、原子力規制委員会には原発を廃炉にする権限はない。そこで、「重要施設を活断層の上に建ててはいけない」という安全基準を決める方針を出した。つまり今は、活断層の上に建設することは禁止されていないのだ。もちろん運転も禁止されていない。」と述べています。

 しかし、原子炉立地審査指針の「原則的立地条件」には、「原子炉は、どこに設置されるにしても、事故を起さないように設計、建設、運転及び保守を行わなければならないことは当然のことである」と記述されています。活断層の存在、津波対策や耐震設計の不十分な点は、大きな事故を起こす誘引であり(ものぐさ 活断層 原発立地審査指針に違反する)、この点において、原発の再稼動は違法であると考えます。当然、再稼動などできません。

2 日本の原子力規制委員会設置法(第四条)には、「原子力安全の確保に関することが同委員会の所掌事務である」としか書かれていません。 日本の原子力委員会は「具体的に何をするのか」、「安全を確保するために何をするのか」が全く記述されていません(ものぐさ 米原子力規制委員会(NRC)に見る原発再稼動の責任)。この点において、同設置法は不備です。

 同委員長はこの点を法的根拠としているのでしょうか。確かに、許認可の権限を明確に与えている米原子力規制委員会の法律とは大分異なります。しかし、前記した原子炉立地審査指針や原子力規制委員会設置法の趣旨を勘案すれば、原発停止は適法であると考えます。なぜなら、原子力規制委員会設置法(第四条)は大まかな所掌事務を記述しているだけであるが、第四条「安全の確保」と言う概念には原発運転の許認可も当然含まれており、「安全確保」の具体的事項として、原子炉立地審査指針の「原則的立地条件」が存在していると考えるからです。すなわち、「安全を確保」するためには「原則的立地条件」を満たさなくてはいけないのです。判りにくくてごめん。

 同委員長が言うように、「再稼動の是非を判断するのは原子力規制委員会だ」とは明記されていません。「お偉いさん」なら、重箱の隅を突っつくようなことを言ってほしくはありません。

3 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の第36条は、「技術上の基準に適合していないとき、原子力規制委員会は、原子炉の使用停止を命ずることができる」としています(注1)。

 原発停止命令は可能です。これがダメ押しです。

 同委員長は「原発をすぐに立ち上げれば、我々もこういうことをやらずに済んだ」と強調しています。原発事故や再稼動は国民を不安に陥れています。電気料金の負担を少しでも小さくし、未曾有の国難に対処しようという気概はないのですか。いやいや引き受けたのですか。持論を展開するのであれば、同委員長は、法的根拠を示してください。

 (注1) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律には以下の記述があります。

第二十九条  原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、原子炉施設のうち政令で定めるものの性能について、原子力規制委員会が毎年一回定期に行う検査を受けなければならない。以下、略。
 前項の検査は、その原子炉施設の性能が原子力規制委員会規則で定める技術上の基準に適合しているかどうかについて行う。
第三十六条  原子力規制委員会は、原子炉施設の性能が第二十九条第二項の技術上の基準に適合していないと認めるとき、・・・中略・・・  原子炉設置者に対し、原子炉施設の使用の停止、改造、修理又は移転、原子炉の運転の方法の指定その他保安のために必要な措置を命ずることができる。
 

2013年3月16日 (土)

新安全基準 拙速

 3/10のNHK番組をみて、原子力規制委員会の作る新安全基準で、住民の安全は守れるのでしょうか。福島原発事故の検証ができていない中で作る同基準は信頼できるのでしょうか。疑問です。

 まず、新安全基準案(シビアアクシデント対応)を見てみます。原子炉が全電源喪失に陥り、緊急炉心冷却装置等が全て機能不全に陥った場合に備えて、同基準は可搬式代替設備を要求しています。以下、その部分を抜粋します。

① 可搬式代替設備と恒設設備が容易かつ確実に接続できるように、また、系統間及び号機間で融通可能とするため、接続方法を規格化する等の措置を講じること。また、接続口は、複数用意し、位置的分散を図ること。 

② 炉心の著しい損傷を防止し、格納容器の破損を防止するため、可搬式代替設備を配備すること。

③ 格納容器下部に落下した溶融炉心を冷却するため、可搬式の格納容器下部注水設備(例、ポンプ車、耐圧ホース等)を配備すること。

 この基準を見越して、全国の原発は消防車や注水ポンプの設置を計画しています。この対応等により、福島原発事故と同じような事故は起きないと電力会社は明言しています。

 さて、福島原発3号機の炉心溶融を防ぐため、注水ポンプ車が用意され給水を開始したにも関わらず、炉心は溶融してしまいました。「何故溶融したのか」との疑問をNHKは調査により明らかにしたのです。

 その調査によれば、注水口からの配管は「復水器の水を循環するためのポンプ」のスクリュー部を経由して原子炉に接続されていました。電源が確保されていればこのスクリューの回転により、注水口からの冷却水は復水器側に漏れることなく、原子炉に向かうはずでした。ところが、電源喪失により、このポンプは動作せず、注水口からの冷却水の55%が復水器に流入し、残り45%だけが原子炉に達したのです。この時、復水器は1気圧、原子炉は3.5気圧。当然気圧の小さいほうに冷却水は流れ込みます。こんな抜け道があったのです。これが炉心溶融の大きな要因で、原因は炉心周りの配管類の設計ミスでした。しかも、そのミスに長年、気づいていなかったのです。

 同委員会は、「何故溶融したのか」との疑問を追求することもなく同基準案を策定したのです。この同基準案が机上で作られたものであり、NHKの報道により、安全対策の不十分さが露呈しました。これは氷山の一角でしょう。

 解明されていない事項として、1号機4階部分からの地震直後の出水があります。ここには非常用復水器の配管などがあり、下請け作業員も「地震直後、水が噴出しているのを見た」と証言していました。この部分の調査をさせたくないのか、東電は「同号機の4階は真っ暗で放射線も高く危険である」との虚偽説明をしたのです(ものぐさ 原発 新安全基準にパブリックコメントを(地震・津波))。その結果、国の事故調査委員会は、地震による破壊の可能性に踏み込めず、世論は津波原因説に誘導されていきました。 

 1企業(NHK)が原因究明できるようなことを同委員会は見落としていたのです。真の事故原因を検証することなしに、机上で同基準案を策定したのでしょう。同委員会のメルトダウンです。お粗末としかいいようがありません。炉心溶融の原因がつかめていれば、そして外国の実施例を参考にすれば、上記とは異なった安全基準案となっていたでしょう。事故の徹底的検証、説明のつかない現象に対しての検証実験等が必要です。

 次は、組織の問題です。同委員会は旧原子力安全・保安院等からなるメンバーで構成され、大部分が事故以前から原子力行政に携わっていた人です。このよう人が、心を入れ替えて、国民のための規制業務を行なってくれるでしょうか。疑問を持たざるを得ません。

 果たして、名雪前審議官が敦賀原発活断層についての報告書である未公開草案を日本原電に渡していた問題が明らかになりました(ものぐさ 名雪前審議官の違反は個人的問題か)。これに対し、同委員会は、「前審議官個人の問題」だとして、片付けてしまいました。原子力村の隠蔽体質そのものです。これも氷山の一角でしょう。

 40年廃炉規制ルール(運転延長の基準作り)策定にあたっては、外部専門家を入れることなしに、同委員会と規制庁との内部作業だけでこれを行なうといいます。議論が公開されず、透明性が確保できません。

 名雪前審議官の問題に象徴されるように、こんな人が作った新安全基準を国民は信用するでしょうか。7月までに、見てくれだけの同基準を策定しようという雰囲気が伝わってきます。例外規定が多く、骨抜きだらけです。

 

 

2013年3月20日 (水)

地震用語 解放基盤 はぎとり波 基準地震動 基礎版

 福島原発事故後、ガルと言う単位が頻繁に使われています。加速度を表す単位で、1ガルは 0.01m/s² です。地球における重力の加速度は981ガルで、それ以上の地震で下から突き上げられれば、地表面に置かれた物体は空中に飛び上がります。加速度に関連した地震用語について、勉強した範囲で記します。理解を深めるために、新潟中越沖地震の数値を参考にしてください。

1 解放基盤(工学基盤)

 原発敷地において一定以上の固さをもつ地中の地盤の上部を仮想的にはぎとった表面。柏崎刈羽原発1号機の解放基盤表面の深さは、海面下284m。

2 原子炉建屋基礎版

 柏崎刈羽原発1号機の同基礎版の深さは、海面下45m。この基礎版上に原発は設置されている。ここで観測された地震波は680ガル。

3 はぎとり波

 原発直下で観測された地震波(注1)から作成された解放基盤表面における地震波。柏崎刈羽原発1号機の解放基盤表面におけるはぎとり波は1699ガル。

(注1) 柏崎刈羽原発1号機基礎版で680ガル、同1号機の解放基盤表面と同じ深さの地中(海面下250mのG10地点)において観測された地震波は993ガル、より浅い地中で760ガル、サービスホール地中で728ガル。

4 基準地震動 S1 ・・・敷地の解放基盤表面で定義

 設計用最強地震として、発電所周辺で過去に発生した地震と周辺の活断層から想定される地震動。柏崎刈羽原発1号機のS1は273ガル(はぎとり波)。

5 基準地震動 S2 ・・・敷地の解放基盤表面で定義

 設計用最強地震よりも大きな設計用限界地震として、周辺の活断層や地震地帯構造から想定される地震動。柏崎刈羽原発1号機のS2は450ガル(はぎとり波)。

 次に、柏崎刈羽原発を襲った新潟中越沖地震動の意味するところについて検討します。

・ 通常、表面の軟らかい堆積物により、地震の揺れは増幅するので、地下の岩盤での揺れは地表の半分くらいと言われています。よって、原発は直接岩盤に設置することになっています。

・ 1号機直下で観測された地震動から作成した解放基盤面のはぎとり波は1699ガル。なんと設計時の基準地震動(S2)450ガルの4倍も大きな地震動です。設計時の想定はお粗末としか言いようがありません。

・ 解放基盤面でのはぎとり波1699ガルは、解放基盤表面と同じ深さの地中(海面下250mのG10地点)において993ガルに減少しています。これは、解放基盤上部に積み上げられた重たい地盤で揺れが小さくなったと言われています。地盤が軟弱な柏崎刈羽原発は、解放基盤表面が非常に深く、その上部の地盤が大きくて重いことから、はぎとり波の半分の揺れになったと言われています。解放基盤と原子炉建屋基礎版間に挟まれているスポンジを思い浮かべてください。ちなみに、地盤の固い女川原発の解放基盤は海面下わずか8.6m。宮城県沖地震(2005年)でのはぎとり波は284ガル、解放基盤と同じ深さの地中では221ガルが観測されています。

・ 補強することで450ガルから2280ガルまで向上したと、東電は言っています。補強程度で5倍も耐震力は向上するものでしょうか。

2013年3月26日 (火)

浜岡原発 風船プロジェクト

 3/21、浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団は、12/2に浜岡原発付近のマリンパーク御前崎から飛ばした風船1100個の実験結果を報告しました。風船を放射能に見立てての実験で、浜岡原発事故による放射能の外部拡散の影響範囲を視覚的に明らかにしようとしたものです。詳しくは「HP 風船プロジェクト静岡」を見てください。

 風船をリリースした午前9~12時における地上付近の気象状況は、風力3~5m/s、風向は東、天候は曇りでした。風船は県の中部から東部、伊豆、神奈川、遠くは千葉県の君津市まで飛び、現在までに24個の風船が発見されています。地上付近では東よりの風だったにもかかわらず、上空(1~2km)では1~12m/sの南西の風が吹き、風船は北東方向で発見されるという興味深い結果となりました。

 この実験結果をどう見ればよいのでしょう。

 東よりの風であれば、風船の飛ぶ方向は浜松、名古屋方面となるはずです。それに反して、風船は千葉方向に飛んでいきました。放射能の拡散方向は、地上付近の風向きで判断できません。

 仮に、放射能が上空2kmに達し、風速12m/sの南西の風に乗った場合、わずか1日で100kmの遠方の熱海、御殿場まで、2日で200km遠方の東京、千葉まで拡散します。

 「風船飛ばし」について、日本バルーン協会のHPには、「通常、上空8kmまで上昇した風船は、外気が摂氏零下40度の中で硬化し、気圧の低下で既に7.3倍に膨張している。ここでゴム膜が膨張に耐え切れず、粉々に破裂し地上に落下する。風船は、ラテックスを原料とする『ゴム風船』である。」との記述があります。風船は数km上空にまで上昇し、千葉にまで達したと考えます。

 上空の風向や風速は「気象庁HP」ウインドプロファイラでリアルタイムに知ることができます。3/25の静岡市のデータは、地上200mで東の風、風速1m/s、同2kmで西の風、風速11m/s、同5kmで南西の風、風速34m/sとなっています。原発から放出した放射能はどの高度にまで達し、どの高度の風に乗って拡散するのでしょうか。一般的には、風向に対して、反対方向に逃げろとか、直角方向に逃げろと言われていますが、どの高度の風向で判断したら良いのでしょうか。

 また、時として、浜岡原発付近で西よりの風であったとしても、伊豆では東の風となる場合があります。これは、「駿河湾で発生する上昇気流、地形や気圧等により生ずる複雑な現象によるものだ」と言われています。本当にどこに避難してよいか、素人は判断できません。

2013年3月28日 (木)

3月の庭

00032 3月の庭の全景写真です。庭が色付き始めました。ピンク色はヨシノツツジです。ツバキの季節にもなりました。後ほどご案内します。

00003 いらっしゃい。ここから入ります。ベンチに腰掛けて右下を見てください。たくさんのムスカリが咲いています。                                                                   

                                  

                                                           

                           

00010 ただいま紹介したムスカリです。今が最盛期です。

00037 ベンチで一休みしたあと、まっすぐ進んでください。左に折れると、展望台へと向かう中央ルートとなりますが、更に進んでください。ツバキルートになります。                        

                                     

                                                                               

00028 これはクロモジです。小さな花が咲いています。茎は殺菌成分が含まれているので、高級料亭の爪楊枝として使われています。ちなみに私はお目にかかったことはありません。

00027 ツバキルートとなりす。手前はアジサイ、正面は唐獅子です。                        

                                 

 

     

           

          

                                                                   

00013近づいてみます。唐獅子です。            

00049更に進みます。

                                                

                      

                                                  

                            

00017 名前は忘れました。白とピンクの色合いがとてもきれいです。

00036 更に進みます。正面に白い花が見えます。

00040 ツバキです。名はわかりません。                          

                                  

                                  

00054              

                  

                  

そして、オトメツバキです。

00166 電柱で作った階段をのぼると、ヨシノツツジが見えます。                               

                                

                               

                              

                                 

                                          

00064 右に曲がって見えるのはヤブツバキです。                                               

00065 これもツバキです。                    

                           

                              

                         

                           

00076 更に上ると展望台に向かいますが、ツバキルートを引き返してください。そして、中央ルートに向かってください。1月に紹介したキブシが満開となりました。湾曲に垂れ下がる白い花です。                        

                         

                            

                        

                                                                                                

00165中央ルートです。正面上部にヨシノツツジが見えます。           

00184階段を上る前に、左に進んでください。 

00069右下にあるのは、ハナニラです。イフェイオンとも言います。葉の形や匂いがニラに似ていることからそう呼ばれるそうです。ユリ科に属します。

00171 階段を上がり、左に向かってください。  

000182月に紹介した王冠(ツバキ)のアップです。名にふさわしく大きく見事な花びらです。                           

                       

                      

                                                       

000792月に紹介したアセビです。満開です。                                                                                

             

             

           

                

                        

                                  

00087 引き返し階段を上がります。正面に見えるのはヨシノツツジです。                            

00031近づきます。ピンクがヨシノツツジ、黄色はオウバイです。                      

                                   

00022                  

左下に赤いボケが見えます。

00023右上は白いボケです。                          

                             

                                     

                             

00177            

               

更に上ります。

00174 左下はスイセンです。

00179 展望台に到着です。                              

                                      

                                   

                               

                                  

                                

00095            

展望台から左に折れ、日陰の庭に向かいます。

00098左には、ハクモクレンが咲いています。前に進みます。                           

                                  

                           

00102 ムスカリです。

00005クロッカスです。春を告げる可愛らしい花です。                      

                                

                                 

00108            

ハクモクレンです。

00118 日陰の庭です。ベンチの左下を見てください。                         

                               

                            

00127                  

クリスマスローズです。                 

00058

ヒノキが日陰を作ってくれます。          

             

               

             

                 

別の場所にご案内します。                                  

00059ミヤマツツジが満開です。ミツバツツジとも呼ばれます。                                                                   

   

00012アセビです。スズランに似た花を多数つけます。馬が食べると酔ったような状態になるので馬酔木ともいいます。               

00035ナノハナです。      

00041ヤブツバキです。鳥が蜜を吸いにすぐ近くまで来ます。                             

                              

                                                     

                                               

00045ヤブツバキの下に密生しているツルニチニチソウです。最初は直立しますが、しだいにつる状に匍匐します。半常緑、多年草です。 

00047 アネモネです。鮮やかな花色と、中心の黒い芯とのコントラストが美しい。         

               

                     

            

          

            

00057白いスイセンです。

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