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2013年3月 8日 (金)

原発停止は違法の法的根拠 ?

 3/7、電気料金審査専門委員会の委員長は「原発を再稼動させるのは完全に適法。国が再稼動をしてはいけないと言うほうが違法だ。原子力規制委員会の再稼動に関する審査権は法令のどこにもない」と発言しました。

 法律云々と言っているが、違和感を感じます。福島原発事故を経験し、「安全でない原発は動かしてくれるな」が国民の率直な感情です。実情に法律が適合していないなら、法律を変えるべきです。同委員長は、「法律こそが絶対だ」と勘違いしているのでしょうか。

 同委員長の言う法的根拠とは、何を指すのでしょう。

1 原発推進派と見られる某識者は「断層が見つかっても、原子力規制委員会には原発を廃炉にする権限はない。そこで、「重要施設を活断層の上に建ててはいけない」という安全基準を決める方針を出した。つまり今は、活断層の上に建設することは禁止されていないのだ。もちろん運転も禁止されていない。」と述べています。

 しかし、原子炉立地審査指針の「原則的立地条件」には、「原子炉は、どこに設置されるにしても、事故を起さないように設計、建設、運転及び保守を行わなければならないことは当然のことである」と記述されています。活断層の存在、津波対策や耐震設計の不十分な点は、大きな事故を起こす誘引であり(ものぐさ 活断層 原発立地審査指針に違反する)、この点において、原発の再稼動は違法であると考えます。当然、再稼動などできません。

2 日本の原子力規制委員会設置法(第四条)には、「原子力安全の確保に関することが同委員会の所掌事務である」としか書かれていません。 日本の原子力委員会は「具体的に何をするのか」、「安全を確保するために何をするのか」が全く記述されていません(ものぐさ 米原子力規制委員会(NRC)に見る原発再稼動の責任)。この点において、同設置法は不備です。

 同委員長はこの点を法的根拠としているのでしょうか。確かに、許認可の権限を明確に与えている米原子力規制委員会の法律とは大分異なります。しかし、前記した原子炉立地審査指針や原子力規制委員会設置法の趣旨を勘案すれば、原発停止は適法であると考えます。なぜなら、原子力規制委員会設置法(第四条)は大まかな所掌事務を記述しているだけであるが、第四条「安全の確保」と言う概念には原発運転の許認可も当然含まれており、「安全確保」の具体的事項として、原子炉立地審査指針の「原則的立地条件」が存在していると考えるからです。すなわち、「安全を確保」するためには「原則的立地条件」を満たさなくてはいけないのです。判りにくくてごめん。

 同委員長が言うように、「再稼動の是非を判断するのは原子力規制委員会だ」とは明記されていません。「お偉いさん」なら、重箱の隅を突っつくようなことを言ってほしくはありません。

3 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の第36条は、「技術上の基準に適合していないとき、原子力規制委員会は、原子炉の使用停止を命ずることができる」としています(注1)。

 原発停止命令は可能です。これがダメ押しです。

 同委員長は「原発をすぐに立ち上げれば、我々もこういうことをやらずに済んだ」と強調しています。原発事故や再稼動は国民を不安に陥れています。電気料金の負担を少しでも小さくし、未曾有の国難に対処しようという気概はないのですか。いやいや引き受けたのですか。持論を展開するのであれば、同委員長は、法的根拠を示してください。

 (注1) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律には以下の記述があります。

第二十九条  原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、原子炉施設のうち政令で定めるものの性能について、原子力規制委員会が毎年一回定期に行う検査を受けなければならない。以下、略。
 前項の検査は、その原子炉施設の性能が原子力規制委員会規則で定める技術上の基準に適合しているかどうかについて行う。
第三十六条  原子力規制委員会は、原子炉施設の性能が第二十九条第二項の技術上の基準に適合していないと認めるとき、・・・中略・・・  原子炉設置者に対し、原子炉施設の使用の停止、改造、修理又は移転、原子炉の運転の方法の指定その他保安のために必要な措置を命ずることができる。
 

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