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2013年4月11日 (木)

生贄か 浪江・小高原発計画断念

 3/28、東北電力は浪江・小高原発について、「県民の皆様が長期避難を強いられ、大変な苦労の中にあって、計画を続けることはできない。」と述べ、計画を断念しました。悲惨な状況を目の当たりにし、東北電力の判断は当然のことです。

 他の建設計画中の島根原発3号機、上関原発1、2号機、川内原発3号機、東通原発(東北電)2号機、東通原発(東電)1、2号機、敦賀原発3、4号機についても、同じことが言えるのではないでしょうか。

 この発言の深意はどこにあるのでしょうか。

 上記文言を他の原発においても適用すれば、「原発立地県の皆様が長期避難を強いられ、大変な苦労をする可能性のある原発について、計画を続けることはできない。」という論理が成り立ちます。逆に、計画を断念しない電力会社は、「原発立地県の皆様が長期避難を強いられ、大変な苦労をする可能性があったとしても、計画を続ける。」と言っていることになります。心優しい決断をした東北電力は、少なくても、東通原発(東北電)2号機についても断念すべきです(注1)。

 一方、安全が確認されれば、政府は原発の再稼動を認めるとしています。大手を振って建設及び再稼動に突き進むのでしょう。何故、同原発に限って、計画を断念するのでしょう。そして、他の電力会社は「だんまり」を決め込んでいるのでしょうか。同原発を「生贄」とすることで、他の原発の建設や再稼動を容易にしようとの思惑があるのでしょうか(第一の理由)。

 福島原発事故後、政府は唐突に浜岡原発を停止しました。直後、他の原発立地自治体からは「何故浜岡原発だけなのか」との疑問の声が上がりました。聞くところによると、他の原発の再稼動をしやすくする狙いがあったとも言われています。同じ風景が浮かびます。

 東北電力は計画取りやめに伴い、2013年3月期決算は180億円の特別損失となります。その損失額を上回る理由があるのでしょう。以下、独断的に思いついたまま理由を挙げてみます。

 計画断念の第二の理由として、①建設予定地(150ヘクタール)の約8割しか取得できておらず、漁業補償交渉などを含めると運転開始まで相当の時間がかかること。②反対運動も今まで以上に大きくなること。③活断層調査等で、安全基準に適合しない場合が出てくること。④今まで以上に安全対策費用がかかること。⑤原発に対する政府の方針が見えず、途中で梯子をはずされかねないこと。⑥建設したくないとの考えが東北電力にあること。⑦国策だから、国の言うことに逆らえない。やめる良いチャンスだと思っていること。等が考えられます。

 国民にとって何よりも大切なことは、原発反対の意思表示を持ち続け、これを発信していくことだと思います。そうすれば、安全基準をみる国民の見方が厳しくなり、原子力規制委員会は原発稼動のハードルを上げざるを得なくなり、(実効性のある防災計画ができない等の)矛盾点が露呈し、電力会社は自ら廃炉を決断するでしょう(注2)。ドイツの元首相は「脱原発は国民次第だ」と言っています。今一度その言葉を心に刻みましょう。

 (注1) 東通原発2号機の新設計画「16年度以降の着工、21年度以降の運転開始」の予定を震災後は「未定」と変更している。

 (注2) 米国で廃炉に追い込まれる原子力発電所が相次いでいる。老朽化や福島原発事故を受けた規制強化に加え、シェールガスの開発ブームで原発のコスト競争力が低下しているためだ。「シェール革命」が原発大国を揺さぶっている。 

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