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2013年4月 3日 (水)

浜岡原発訴訟 傍聴記 回答を引き延ばしするな その4

 3/21、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第八回口頭弁論を傍聴しました。第六回(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記 構造の欠陥と海水流入 取水塔 アスペリティー その3)に続き4回目です。

 朝、9時35分までに裁判所に集合し、行列に並びました。定員オーバーした場合には抽選です。一般傍聴席42人に対し、希望者は17人。全員が入廷できました。

 向かって左に原告、右が被告(中電)です。原告側20人超、被告側20人弱でした。一般傍聴17人、うち女性2人、高校生とおぼしき男性1人でした。たぶん春休みなのでしょう。裁判官3人、報道関係者は今回少なく7人でした。

 裁判及び記者会見の内容について、裁判後に配布された「準備書面8、9」を参考にして、以下、記します。

 (準備書面8)

 同書面8は、国会事故調査委員会の報告書を基に、被告の責務について言及したものです。特に、地震による原子炉損傷の可能性、シビアアクシデント対策、地震想定の誤りについて問うています。

 そして、原子力規制委員会は、「南海トラフの巨大地震による震度分布・津波高について」を含む最新の科学的知見に基づいて、耐震設計審査指針、安全評価指針を全面的に見直すべきであるとし、「より厳しい想定での基準を設定した上で、事前に想定しなければならない地震と津波の規模を確定し、それに原発が耐えられるか否かを検証しなければならない。耐えられないと判明したら、すぐに廃炉を決めなければならない」と、原告は被告に要求しています。

・ 昨年2/28、国会事故調査委員会に対し、東電幹部は「(原子炉が入る建物の内部は明かりが差し、照明を使えるのに)真っ暗」「道に迷えば恐ろしい高線量地域に出くわしちゃいます」「迷うと帰り道は判らなくなる」などと虚偽の説明をして現地調査を断念させました。しかし、同委員会は、地震そのもので原子炉が損傷した可能性があるとして、6つの根拠(略)を挙げています。仮に誤った事故原因を前提として「新しい基準」が策定されたならば、安全性に欠ける「新しい基準」基づいて原発は再稼動される事態となる。

・ 国と東電は、「福島原発事故が津波だけの原因ではなく、地震の想定が間違っていたこと」を認めるべきである。

・ 原発リスクは想定外を想定しなければならない。テロ、ミサイルや飛行機の墜落を想定した具体的な安全性に中電はどのように対処するのか答えてほしい。

・ P、S波が同時に襲った場合、制御棒入らない可能性もあり、核暴走が起きる。使用済み核燃料の冷却システムが、ネズミ一匹の侵入で22時間も停止した。この事実が示すように、いくら事故対策を立てても、ストーリーはそのように進まない。

・ 一旦認めた原発内部の見学を、中電は拒否した。事故の影響を受ける住民も原告に含まれており、原告であるとの理由で見学を拒否して欲しくない。新安全基準を踏まえ、見学ポイントを絞る。

・ 公共体である中電は、利害を超えて正々堂々と議論せよ。

・ 景気は原発の有無ではなく、為替相場に左右される。今、原発が稼動していなくても、景気は上向き始めたではないか。

 (準備書面9)

 同書面9は、原告の提出済み準備書面に対して、被告の釈明を要求しています。ミサイル等の落下対策や防水構造扉の実効性を問うものです。

・ 原発へのミサイル等による攻撃、航空機が墜落したり隕石や人工衛星の一部や宇宙ゴミなどの落下があった場合、放射能漏出事故が生じないような対策を講じているか。

・ 浜岡原発の停止は、横須賀米海軍の機能不全を恐れた米国の要請による。

・ 敷地内に侵入した津波への対応策としての防水構造扉(外側強化扉と水密扉を含む)は、それぞれ何枚あるか。同扉を閉める手順、必要人数、要する時間を示せ。

・ 4~5分て津波が到来し、地面も地震の影響で波打っている可能性もある。全ての防水構造扉を閉鎖することは可能か。1~6m浸水するが同扉で安全か。津波の遡上や越流に対する耐力は中電のシミュレーションに含まれていないのではないか。決死隊を組むのか。机上の空論で良しとするな。安全性に関して具体的な内容で答えることを求める。中電からの書面はダラダラであり、踏み込んだ書面の提出が何時になるのか明確でない。

・ 津波が防潮堤へ衝突した場合、津波は1.5倍程度跳ね上がり、津波の高さを保ったまま、海水は遡上する。これについて中電は答えていない。平成26年までに調査するというが、放っておくのか。

・ 最も少ない時の運転員は何人か。その時に非常事態が生じた場合、防水構造扉を全て閉鎖するために、どのような防災計画を立てているのか。

・ 防水構造扉や同扉の周囲の壁や床、ドア枠が、地震動や地盤沈下、断層のずれなどにより、崩壊又は変形したために、同扉が閉まらなくなる事態を想定した防護策は講じているのか。

 中電は、津波に対する安全対策を「折込ちらし」で盛んにPRしています(ものぐさ 疑問 浜岡原発津波対策)。4/1にはテレビCMを出していました。しかし、裁判において、中電は安全対策に対する釈明もしません(被告の書面を見ていないので間違っているかも知れません)。先延ばし戦術ですか。安全対策に自信があるなら、正々堂々と議論すればよいものを。更に、証人尋問も下記に示すように平成26年9月まで先延ばし状態です。

 このように、公共媒体を通して安全対策をPRしておきながら、裁判では何も釈明していないとするならば、これはいかがなものでしょう。かつては、安全神話が、新聞、テレビ、博覧会を通して盛んにPRされました。その結果が福島原発事故です。世論誘導、洗脳行為とも感じるのは私だけでしょうか。

 今後の日程

・ 第九回 5/23  準備書面のやりとり           10:30

・ 第十回 8/29  新安全基準を踏まえた準備書面   10:00

・ 証人尋問  7~10人を予定。中電の先延ばしにより、書面の出揃った26年9月以降か。今年いっぱいの高裁尋問も参考にする。

 

 

 

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