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2013年5月 9日 (木)

敦賀原発破砕帯その後 K断層とG断層

 12/10、現地調査の結果を受けた評価会合で、敦賀原発2号機直下を通る「D-1破砕帯」について、原子力規制委員会は、活断層として活動し浦底断層と同時にずれたと結論付けました(ものぐさ 敦賀原発活断層調査)。しかし、日本原電は活断層と認めていません。

 その後、どうなっているのでしょうか。同委員会のHP「敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合  第4 回評価会合 議事録」から同委員会の指摘事項を抜粋します。

 「浦底断層・・・活断層」から原発敷地内に伸びる「D-1破砕帯・・・正断層」のほか、新たな争点は、前記断層の中間に存在する二本の平行して走る「G断層」と「K断層」です。

 これについて日本原電は、

①「K断層」の上部で12~13万年前頃の火山灰(三原テフラ・・・注1)が検出されており、「K断層」が本地層で活動した形跡は見られない。よって「K断層」は活断層ではない。

②「K断層」は逆断層、「D-1破砕帯」は正断層であり、全く逆の動きをしているので、「K断層」は「D-1断層」と繋がっていない。更に、浦底断層は12~13万年前以降数十回から40回活動しているが、これに対して「D-1破砕帯」の活動はゼロ。よって、二つの断層は連動しない。

③断層を鉛直な断面や水平の断面でモデル化し、浦底断層を強制的にずらしても「D-1破砕帯」はずれない。原子炉建屋なんかではもう全然破壊しないという結論を数値解析は出している。

④広島大学の地質の某専門家は、「G断層」と「D-1破砕帯」は共通する特徴をもち、同じ環境で同じ断層運動によって形成された可能性が高く、「K断層」は断層面の形態・特徴からみて、浅い地下で少数回変位を繰り返した断層で「D-1破砕帯」や「G断層」とは全く性状が異なっており同時に活動した連続する断層とは考えられない、と評価している。

⑤「D-1破砕帯」は活断層ではない。

 これに対し、同委員会の反論を記します。

・ 「K断層」「G断層」「D-1破砕帯」は一連の断層。活動性が非常に高い浦底断層と水平距離で極めて近い位置に「D-1破砕帯」があると、浦底断層の活動に誘発されて活動する可能性が高い。実際の破壊は、あるところが壊れて、それが壊れることによって周辺に力が再分配されて、それが伝播していくという非常に複雑な過程で、日本原電の数値解析は不十分。または、立ち遅れている。

・ 「K断層」の上部が本当に美浜テラフ(⑤層下部に存在)と言えるのか。データが少なく、信頼性が低い。同地層の角閃石(注2)は「含有率が3000カウント」中「1個未満」で非常に少ない。日本原電が主張するK断層にも同じような角閃石が入っており、上下の地層で顕著な差がない。これも断定できない根拠だ。

・ 「K断層」が「D-1破砕帯」の方に向かっていない(南下したK断層は、途中から南東に向きを変える)から一連の断層ではないと主張しても、軟らかい地層の中の話なので、その程度では言い切れない。

・ 「G断層」から「K断層」まで1m基盤がダラダラと高くなり、「K断層」で数十cm基盤に段差がある。「K断層」の段差1.8mは、断層による可能性が非常に高いと普通は考えられる。「G断層」から1~2m高くなる。

・ 肝心なデータが一切出てこなくて、逆断層のことばっかり言うのは、非常に誤解を生じる。「K断層」は横ずれ変位成分を持っていて、そこから上方へ延びていくときに逆断層的なものが延び、それが雁行(斜めに並んでいくこと)するというのはよくあること。10万年前以降動いてないとは言えない。調査未了と言われると、もうこれ以上、議論ができない。

・ 浦底断層の活動によってできた崖のところにたまった堆積物を「K断層」が切っているということは、同じ地下の力の仕組みの中で、「K断層」も浦底断層も動いているという、この重たい事実があるわけです。

・ 一つの露頭あるいは壁面においてのみ、断層と地層の切った、覆われたの関係が確認できているのみでは、「K断層」が12万年前以前のもとは言い切れない。

・ 「K断層」の先端が、地震が発生した当時の地表にまで達するとは言い切れず、地中でせん滅することは、特にがらがらの非常に不均質な地層では考えられる。

・ 「K断層」が浦底断層に非常に近接して分布しているということから、その浦底断層の分岐断層なのか、あるいは断層の活動に伴って誘発されて動くものなのか、それは不明ですけども、ともかく独自に活動するというよりは、恐らく浦底断層の活動に伴って活動する断層であろう。

・ 「K断層」は、近傍の非常に活動的な断層の活動に誘発されて動く断層ですから、例えば過去10万年、10数万年間に動いていないからといって、活動しない断層であるというふうには結論づけられない。

・ 美浜テフラの年代を確定をしようとしているサンプルも、ごく微量でしかないという状況で、何とか年代を入れることが、安全側の判断に結びつくのか。「K断層」は安全だと決めてしまうようなことでいいのか。

・ 活動性の議論については、40万年というところまで遡れば、もうこれはどうしても活断層に入ってしまうというのが私どもの意見。

・ 最も重要なことは活動性の有無という点であり、仮に、正と逆でやや動き方が違うとしても、断層面の傾きについては全く異なるというものでもなく、走向についても概ね一致している。しかも、そのすぐ東隣には浦底断層という非常に活動的な断層もあり、そういった活断層の近傍において、地層も変形をしていたりする局所的な状況も考えたら、そこが逆断層的に動いているということはあり得ない。

 最後に、同委員会側からの象徴的な発言を記載します。

 「K断層」で1.8m、これはまだ確定したわけではないんですけれども、段差のある可能性が私は非常に強いというふうに感じましたけれども、皆さん1.8mって普通の人の身長以上あるんですよ。僕だってないですよ。1.8mってこんなにあるんです。断層の西側、こんな高さでここに「K断層」があって、こっちが断層の東側なんですよ。こんなものがあるんですよ。しかも、1回で30~ 40cmずれるというのですよ、これが。この上に何か物が建っていて、30~ 40cmずれる可能性というのは、私は非常に恐ろしいと思うんですね。

 日本原電は、同委員会側から突っ込まれると、「まだ調査中、これから調査する」と逃げています。都合の悪いデータを隠してしているようにも感じるし、データを小出しにしているようにも感じる。全てのデータが明らかにされていない状態で、同委員会はデータの矛盾点や解析方法の不十分さを指摘しています。

 議事録と4時間以上にもわたる動画を見ることを進めます。報道で明らかにされない事実が出てきます。「大飯原発継続運転容認か」との報道の時には、同委員会の「化けの皮」が剥がれたと批判しましたが、少なくとも敦賀原発の再稼動の評価会合は「ガチンコ」勝負をしているように感じました。

(注1) テフラとは、火山噴火によって放出される砕屑物を意味し、軽石、火山灰、火砕流堆積物などを指す。大規模に噴出したテフラは広い地域に追跡することが可能であり、また噴出の期間も極めて短期間であるので、同時間面として重要な鍵層になる。

(注2) 角閃石・・・ケイ酸塩鉱物

 

 

 

 

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