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2013年6月

2013年6月 1日 (土)

「原発は高い 201円/kw・h」 三上元湖西市長

 「どう計算しても 原発は高い」と主張する三上湖西市長のB4両面カラーコピーを入手したので、以下概略を紹介します。

・ 経産省エネルギー白書(平成21年)は原子力発電コストは6円/kw・hとしていましたが、その後、これはウソだとばれました。

・ 1970~2010年の有価証券報告書から大島教授が算出した火力発電のコストは9.91円/kw・hです。

・ 一方、原子力発電のコストは、核のゴミの10万年の保管料、廃炉コスト、賠償保険料を加えると、東海第二原発で116円/kw・h。浜岡原発で201円/kw・hです。これは、三上元氏の概算によるものです。思わず「エエ~」です。本当でしょうか。

 賠償や除染費用を加味し、「コスト等検証委員会」は原発による発電コストを8.9円/kw・hと算定しました(ものぐさ 原発コスト 8.9円/kw・hは目くらまし)。しかし、この算定の前提条件は、10万年にも及ぶ核のゴミの保管料は考慮されておらず、廃炉費用と賠償費用の合計額は5.8兆円と少なく、除染費用は1.1兆円です。これらの費用を過少に見積もったことにより、この程度の電気料金で収まったのです。そこに飛び込んできたのが、このコピーでした。

 同氏は次のように計算しています。判りにくい所等には私のコメントも追加しました。

 前提として、1基の発電量を100万kw、稼働率を70%、1年間フル稼動。その場合、年間発電量=100万kw・h(1時間の出力)×0.7×24×365=61.32億kw・hとなります。

 発電コストは(燃料費+人件費+修理費+その他の各費用)/年間発電量です。また別の見方をすれば、各費用を年間発電量で除したものの合計額が発電コストでもあります。更にしつこく言えば、燃料費に対する発電コストは、(燃料費/年間発電量)であり、人件費に対する発電コストは、(人件費/年間発電量)であり、ここで問題とするその他の各費用に対する発電コストは、(その他の各費用/年間発電量)です。そして、それぞれの発電コストを合計したものが電気料金となります。

 さて、その他の各費用を含む項目毎に発電コストを算出してみます。そして、下記ピンクの数字の合計額が最終的な電気料金です。以下、浜岡原発で試算します。

A 発電コストは8.53円研究費・安全点検費は1.46円迷惑料(交付金や核燃料税)は0.26円。・・・40年間の有価証券報告書から大島教授が算出。

B バックエンドコスト(再処理や核のゴミ処理)を大島教授は19兆円と推論しており、全50基の原発が40年間でバックエンドコストを回収(子孫にツケは残せない)しようとすれば、1基当りの年間費用は19兆円÷50基÷40年=95億円/年・基となり、バックエンドコストは95億円/61.32億kw・h=1.55円/kw・h

C 核のゴミ10万年の保管コストを1ケ所10億円/年。10ケ所の最終処分場を建設したと仮定すると年間費用は100億円。10万年の保管コストは1000兆円。全50基の原発が40年間でバックエンドコストを回収(子孫にツケは残せない)しようとすれば、1基当りの年間費用は1000兆円÷50基÷40年=5000億円/年・基となり、保管コストは5000億円/61.32kw・h=82円/kw・h

D 事故炉の廃炉コストを25年間で19兆円(チェルノブイリと同額)。30年以内に87%の確率で事故が発生(浜岡原発)すると仮定。浜岡原発3基の廃炉コストを40年で回収(子孫にツケは残せない)しようとすれば、年間費用は19兆円÷3基÷(30年÷0.87)=1837億円/年・基となり、廃炉コストは1837億円/61.32kw・h=30円/kw・h

E 除染は困難と考え、転居してもらうと仮定した場合、東海村における事故損害賠償保険料(東海村から半径30kmの土地の西側半分で計算)は、土地の買い上げ金額を21兆円(土地単価1.5万円/平方m、面積を1413平方km)、家の買取り金額を10兆円(1人あたり1000万円で100万人が対象)、オフィスや工場の買取金額も10兆円、所得・健康保障を5兆円(1人あたり500万円で100万人が対象)、故郷を捨てる見舞い金額を3兆円(1りあたり300万円で100万人が対象)と試算。合計額は49兆円となる。浜岡の場合も同額と仮定し、30年以内に87%の確率で事故が発生すると仮定すると、浜岡原発3基で事故損害賠償保険料を確保(子孫にツケは残せない)しようとすれば、年間費用は49兆円÷3基÷(30年÷0.87)=4737億円/年・基となり、事故損害賠償保険料4737億円/61.32kw・h=77円/kw・h

 A~Eのピンクの数字を加算すると、原発のコストは201円/kw・hとなります。

 コスト計算において、以下の前提条件があります。

・ 10万年の保管コストやバックエンドコストを40年間で確保。

・ 30年以内に87%の確率で地震が発生し、廃炉となる。

・ 除染は困難で転居する。

・ 家やオフィスの買取金額は、同程度の物件を建築する費用とする(注1)。

 バックエンドコスト、核のゴミ10万年の保管コスト、廃炉費用コストは、子孫にツケを残すことはできず、原子力を利用した現世代がその責任を負うべきです。巨大地震が起きた場合の過酷事故の発生確率が考慮されていませんが、最悪の場合に備えて引き当てておくべきでしょう。当然の費用見積もり額だと思います。ムチャクチャな試算であるとは思いません。

 ちなみに、ジュネーブ大学のヴァルター・ヴィルディ教授は、スイスで同じような福島原発事故起きたという想定で、損害賠償額を366兆円と見積もっています(ものぐさ 福島原発損害額366兆円)。

 原発事故で将来を悲観して自殺した酪農家の遺族は、東電に1億2600万円の損害賠償訴訟を東京地裁に起こしました。浪江町は精神賠償額を10万円/月から35万円/月に増額することを求め、1万1602人が和解仲介手続きを申したてました。当然です。

(注1) 再調達価格をさしていると思います。再調達価格とは「保険の対象と同等の物を新たに建築あるいは購入するために必要な金額のこと」をさします。この再調達価額から経過年数や使用損耗による減価を差し引いた額が時価(額)です。 

2013年6月 5日 (水)

大飯原発 三連動 その後

 大飯原発周辺にある「熊川断層」「FO-A断層」「FO-B断層」の三連動評価(ものぐさ 大飯原発3・4号機 「熊川断層」「FO-A断層」「FO-B断層」の三連動)のその後はどうなっているのでしょうか。

 第六回大飯原発3・4号機に関する評価会合議事録(2013.5.20掲載)から原子力規制委員会の主張を記します。特に外部専門家「独立行政法人・産業技術総合研究所」と「高知大学」二名の指摘事項を主に取り上げます。

(産総研)

・ 関電の地質調査は連動を否定するための調査なのか。連動性を考えるときに、地質調査には限界がある。更に再調査が必要と言うことになる。

(委員会)

・ 地質構造の不確かさを入れた地震動評価をやって欲しい。例えば、北側のアスペリティ(注1 強振動発生域とも言う)の位置は発電所に近いが、南のほうは遠いままになっていて、それがどういう影響を与えるかは今のとこはよくわからない状況。

・ 三連動を考慮した基準地震動を作って欲しい。

(高知大学)

・ 最悪を想定してアスペリティを置くべき。原子炉の本体の真下にアスペリティを置き、それに耐えられるかという議論をして欲しい。

・ ガスの散乱層があったり、浅い海で堆積物が不均質。堆積物の反射面さえも非常に見にくい。したがって、ここに断層があるかないかという議論は意味がない。基本的には、同じセンス(注2)のものが同じ方向であるならば、それは連動するというのは活断層のほうでは常識だ。

・ 6本ぐらいの測線(注3)で連続性云々とか、断層の方向性云々とか、熊川断層と延びの方向が違うとか、直交するとか言ってもあまり意味がない。

 関電は、地質調査のデータから何とか三連動を否定しようとしているが、同委員会は、「いくら調査を続けても、不確かさは残ってしまうと主張」し、「三連動を考慮し、原発直下にアスペリティを置いて基準地震動の策定を行なうべきだ」とも指摘しています。

(注1) アスペリティーは、震源域の中で大きくずれ、大きな揺れを起こす地震波が出ると考えられる部分を指します。断層面で通常は強く固着しているが、地震時に大きくずれ動く領域です。もともと、シュミレーションのための便宜上の概念であり、誰も見たことはありません。東海地震が起きてみなければ、アスペリティーの位置はわかりません(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記 (構造の欠陥と海水流入 取水塔 アスペリティ))。

(注2) 正断層,逆断層,横ずれ断層等,断層のずれの向きを表したものをいう(原子力発電環境整備機構より)。

(注3) 地下構造は、大型の震源車で人工的に地面を揺らし、地下の地層境界などで反射して戻ってくる波を地表に並べた受信器で記録、解析し明らかになります。この大型の震源車による測定経路を測線と言います。活断層に直角な測線であれば、断層のずれが可視化されます。より詳細な地下構造を知るためには、多くの測線のデータが必要になります。

2013年6月 8日 (土)

不気味な足音 自民原発推進

 6/5の報道に、再稼動を急ぐ自民党の不気味な足音を感じました。いよいよ、牙をむいてきた感じがします。参院選に大勝すれば、いよいよ本性を表すでしょう。報道内容から感じたことを以下記します。

① アベノミクスを下支えするため、原発再稼動を加速する。

 安倍首相の第三の矢が放たれた6/5、株価は前日比518円の大幅安となる失望売りで終わり、日経平均株価の終値は13,014円となりました。規制改革への踏み込み不足により、アベノミククスへの期待が急速に萎んだことが原因です。

 米国経済にも大きく影響されます。原発が止まり電気料金が上昇したにも関わらす、つい最近まで株価はうなぎのぼりでした。

 以上見るように、原発再稼動と経済成長の因果関係はあまり相関がないように感じます。

② 原子力規制委員会から次々に出てくる要求に、科学的に必要か議連で議論する。

 議連で科学的に議論できるのでしょうか。議論できないことは明らかです。専門家集団である原子力規制委員会よりも議連のほうが安全性を科学的に判断出来るというのでしょうか。活断層の評価や地震の連動性について、科学的な必要性があるからこそ、科学者は活断層に関して厳しい審査しているのです。むしろ、安全を担保するためには絶対欠かせないポイントなのです。

③ 同委員会の慎重な審査により、再稼動までに時間がかかることを懸念。

 敦賀原発の活断層や大飯原発の三連動の評価には随分と時間を費やしています。半年以上かかっているでしょう。当然電力会社と同委員会の主張は真っ向から対立しています。電力会社の主張に対して、科学的な立場から1つ1つ反論している様子が同委員会の議事録から読み取れます。

 安全性の審査には、時間がかかるのは当たり前です。今までの審査は、原子力安全・保安院と電力会社とのナアナアのデキレースでした。安全を確保したように見せるための儀式に過ぎませんでした。長きに渡り、自民党は安全神話の名の下に原子力を推進し、安全性を疑うことをサボッテきました。そのツケけが回ってきただけです。

 時間をかけてでも、真の安全性を追求するのは何時でしょう。今でしょう。

④ 今国会中に政府に審査体制の拡充を求める。

 審査が複数のプロジェクトで併行して進むことを指すのでしょうか。専門家の質が劣化しないでしょうか。中立的な専門家で構成されるのでしょうか。専門家が細かなデータを解析し、それを同委員会に答申し、最終的には5人の委員が判断を下すことになるのでしょうが、マンパワーの少なさを感じます。不十分な安全審査で再稼動を決定することは許せません。安全であるということが証明できなければ、再稼動などできません。

⑤ 国が責任をもって再稼動を行なう。

 聞きなれた言葉です。誰が、何時、どこで、何を、どうすると言うのでしょうか。「国の責任」など、文章の頭につく枕言葉です。原発を再稼動し、させた「個人の責任」と言わず「国の責任」と言うところも憎いですね。

 今度の福島原発事故でのA級戦犯は誰でしょう。だれもいません。映画「東京原発」で担当者は「国のやることに責任者などいない」と言っています(ものぐさ 面白いぜ 映画「東京原発」)。

 何時までに責任を取ると言うのでしょうか。除染効果も不確かです。時間の経過や、雨や風による自然現象で放射能が減少しているに過ぎません。否、減少しているのではなく、拡散しているのです。人智の及ぶところではありません。ただ、傍観しているに過ぎません。

 廃炉には40年以上かかります。汚染水は溜まり続け、漏水もおきています。試行錯誤の連続です。地震が来て汚水タンクが倒壊したら、一面は放射能だらけです。40年以上かけての廃炉で責任を取ったことになることでしょうか。

 故郷を失った人に何時故郷を返してくれるのでしょうか。精神的賠償金は、自動車事故による賠償金より低いと聞いています。満足な損害賠償金を被曝者は得ていません。賠償金を小出しにしているようです。土地は事故前の取引価格で買い上げてくれるのでしょうか。家財は、再調達価格で買い上げてくれるのでしょうか。移転先での仕事や収入は保障してくれるのでしょうか。そして、「国の責任」はいつの間にか、国民が納めた税金で保障する「国民の責任」へと転嫁されてしまいます。

 今までの対応を見ていると「国が責任」をとったとはいえません。悲しいことですが、日本の国はこんなにも無責任で、薄情なのです。

 敦賀原発の活断層審査において、各方面からの圧力があったようです(ものぐさ 敦賀原発廃炉か 原子力規制委員会に圧力 ?)。様々なやりかたで同委員会をけん制することで、安全性審査が歪められる恐れがあります。「歪められた安全」を同委員会から引き出すために、議連は様々な工作をしているようにも感じます。自民党は国策と称して原発を推進し、安全神話で国民を洗脳し、フクシマで壊滅的な事故を起こしました。電力会社の責任というより、自民党の責任のほうが重い。原発推進への反省も、福島への反省も感じ取れません。反省しているのであれば、もう少し違った言動となるはずです。

 怒りをもって世論に訴えます。

2013年6月15日 (土)

福島原発1号機4階 内部映像を一般公開せよ

 6/4、原子力規制委員会は、復水器周辺の写真を4枚公開しました。これは、5/31に撮影した数百枚の写真と動画の一部です。

 この映像には、国会事故調査委員会が地震の揺れで配管が損傷した可能性を指摘している緊急冷却装置「非常用復水器」や作業員が「震災直後に水が噴出していた」と証言した場所が写っています(ものぐさ 黒川事故調査報告書 津波前、原発破損可能性あり)。この写真を元に同委員会は「地震損傷説」などの見解を示すようです。

 国会事故調査委員会が福島原発1号機の現地調査を決めていたことに対して、東電は「同号機の4階は真っ暗で放射線も高く危険である」との虚偽説明を同委員会にし(13年2月7日に判明)、この東電の説明により、同委員会は現地調査を断念した経緯があります(ものぐさ 原発 新安全基準にパブリックコメントを(地震・津波))。

 この東電の虚偽説明は田中三彦氏の丹念な調査によって暴きだすことができたのです。同氏は、疑問を持った経緯について、衆参議長と経産相宛ての「東京電力の虚偽説明による福島第一原子力発電所1号機の事故調査妨害について」と言う文書の中で、「2012年8月8日と10月24日に公開された報告書や画像をみると、1号機原子炉建屋のカバーは外からの光を通しており、私たちが予定していた現場調査に関して、明るさの点では支障がなかったとわかりました」と述べています。 

 同氏の執念の調査です。「百聞は一見に如かず」です。今回の映像についても同様なことが考えられます。

 今回撮影された復水器周辺の映像についても余すところなく一般公開し、外部専門家の目で検証されなければなりません。これまで、同委員会は会議の資料や議事録をHP上に逐一公開してきました。もし公開されなければ、同委員会と原子力村関係者との裏取引があったと疑われても仕方がありません。同委員会への信頼は一気に失われるでしょう。

2013年6月18日 (火)

大飯原発 活断層問題を棚上げし運転継続

 6/16、大飯原発に関して報道は、「活断層の問題を棚上げしたままで運転継続の公算大」と報じています。

 問題の活断層は「Fー6破砕帯」と言われるもので、専門家の間でも意見は真っ二つに分かれています(ものぐさ 大飯原発活断層調査)。専門家である東洋大教授は「のんきな学術調査は不要で、追加調査は原発を止めてやるべきだ」と主張しています。まさにその通りです。

 そんな状況であるにも関わらず、原子力規制委員会は、運転継続を容認しようとしています。

 活断層となれば、原発は廃炉となります。活断層ではないことが証明できず、グレーの状態で何故運転継続できるのか。素人には、この論理が全く理解できません。もしこの論理がまかり通るとなれば、現在活断層の疑いが指摘されている他の原発も、なし崩し的に再稼動してしまいます。

 この問題を主に担当してきた更田委員の経歴も気になるところです。同氏は、高速増殖炉もんじゅを設置し使用済み核燃料の再処理を行う原子力事業者の従業員でもあります(現在は不明)。いわゆる、原子力村の住人です(ものぐさ 原子力規制委員会は中立か)。

 報道もこの問題になぜ沈黙しているのでしょうか。何故、真正面から問題点を指摘しないのでしょうか。気になるところです。

 

2013年6月19日 (水)

原発県民投票が争点 静岡県知事選

 6/17、某新聞の1面、社会面、静岡版に「川勝氏再選」、「広瀬自民系破る」、「県民投票に弾み」の文字が踊る。全国版の紙面で、これほど大きく取り上げられたことにまず驚きました。争点が「再稼動を巡る対応」や「県民投票条例」であったこと、参院選の前哨戦であることが大きな要因と思われます。

 「再稼動の是非については県民の声を直接聞くべきだ」と主張する川勝氏に対して、広瀬氏は「「原発問題は国策であり、住民投票にはなじまない」と主張していました。

 昨年8月、原発再稼動問題に関して、「原発県民投票静岡」が県民投票条例制定を直接請求した際には、165,127名の有効署名が集まったにも関わらず、過半数を占める自民会派の反対で否決された経緯があったことも、今回の選挙に影響したと思います。(ものぐさ 浜岡原発県民投票条例 県議会否決)。

 川勝氏1,080,609票、広瀬氏345,617票のトリプルスコアで川勝氏が圧勝しました。全ての市町での勝利でした。

 ここで気になるのが、原発周辺であるUPZ圏内の得票状況です。以下、広瀬氏に対する川勝氏の獲得票の倍率を示します。

 御前崎市(1.85倍)、牧之原市(2.97倍)、菊川市(3.70倍)、袋井市(4.28倍)、藤枝市(2.62倍)、焼津市(2.39倍)、磐田市(4.27倍)、島田市(3.46倍)、吉田町(3.57倍)、森町(4.23倍)という結果でした。興味深いのは、原発のある御前崎市でさえ、2倍弱の人が川勝氏に投票していることです。約3人に2人が県民投票を望んでいるのでしょうか。原発立地自治体で良い思いをしているのは、旅館業、飲食店、工事関係者であり、一般の住民は声を大にして原発反対を主張できない状況にあると言われています。一般住民は、福島原発周辺の双葉町、大熊町、飯館村等の今尚続く惨状が目に焼き付いているのでしょう。それが同結果に反映しているのでしょう。

 御前崎市民の原発に対する思いには、以下のような状況の変化も影響していると思います。

・ 2年以上経過しても、福島原発の廃炉や汚染水問題が遅々として進まないこと。除染・帰還の目途も立たないこと。賠償も不十分なこと。

・ 御前崎火力発電所実現に向けて、石炭資源を持つモンゴルと中電との間を(県が?)仲立ちしていること。知事選後、河村名古屋市長は川勝氏に連携を働きかける意向を表明しています。

・ 御前崎市佐倉地区において、原子力安全技術研究所の開所式が行なわれた(2012.7.2)。1・2号機について、「最新の解体技術、無人ロボットの研究も進めたい」と意欲を見せています。事実上の廃炉研究機関と思われる。

・ 廃炉で資産価値を一挙にゼロにすると、電力会社はたちどころに債務超過となるため、廃炉した場合の会計基準を国が変えようとしていること。

・ 自然エネルギーの利用に当たっては、洋上風力発電や波力発電の可能性も高く、これを推進するプロジェクトに7件の応募があったこと。

 県知事選挙の出口調査で実施した再稼動に関するアンケートでは、すぐに再稼動すべき7.3%、再稼動すべきではない33.4%、直ちに廃炉15.6%、国の方針が出た後37.9%。県民投票に関するアンケートでは、賛成が50.9%、反対が16.4%。以上、静岡新聞。

 廃炉を含めた再稼動反対の意見が半分を占めています。原発報道は減少し、風化しているように見えても、2年以上経過した現在、住民の原発に関する恐怖は風化していないと思わせる出口調査でした。

 さて、次は参院選です。各政党の公約を良く見て投票しましょう。

(追) 県知事選にあたってJAは広瀬氏を推薦しました。それにも関わらず、農業の盛んな市町でも圧倒的に川勝氏が大勝しています。

 推薦の意向を固めた根拠は。広瀬氏がTPP反対を約束したということです。自民党はTPP推進、同氏は反対。なんともチグハグな見え透いた選挙戦術でした。

 

 

2013年6月22日 (土)

地震用語 加速度時刻歴波形と加速度応答スペクトル

 加速度応答スペクトルとは何か。よく言われる加速度時刻歴波形(地震波形)との違いは何か。これが、調べてみようとしたキッカケです。

 東電の報告書「福島第一・第二原子力発電所における平成23年東北地方太平洋沖地震時に取得された地震観測記録の分析に係わる報告(概要)」から福島第一原発のデータを抜粋します。

(1) 基礎版(注1)上の加速度時刻歴波形(東西方向)とは何か。

① 原子炉建屋3号機の基礎版上で観測した最大加速度(東西方向)・・・507ガル

② 原子炉建屋3号機の基礎版上における基準地震動Ssに対する最大応答加速度(東西方向)・・・441ガル

 この点について、東電は「観測された507ガルは基準地震動Ssに対する最大応答加速度441ガルを上回っている」と述べています。厳密には上回ってはいけないのです。

 経過時間を横軸に、時々刻々変化する加速度の大きさを縦軸にプロットした波形が加速度時刻歴波形であり、その最大値が507ガルや441ガルなのです。良く見慣れている地震波形です。この波形は、後で詳述するように多くの周期(周波数)からなっています。 

(2) 基礎版上における東西方向の加速度応答スペクトル(注2)とは何か。

① 原子炉建屋3号機の基礎版上で観測した加速度応答スペクトル(東西方向) 

周期0.1秒・・・700ガル   周期0.2秒・・・700ガル   周期0.3秒・・・1500ガル

② 原子炉建屋3号機の基礎版上で基準地震動Ssを入力して算出した加速度応答スペクトル(東西方向) 

周期0.1秒・・・700ガル   周期0.2秒・・・800ガル   周期0.3秒・・・700ガル

 加速度応答スペクトルとは、各周期に対する、構築物の受ける最大の加速度を意味します。基礎版上で1500ガルの加速度を観測しました。もし、構築物の固有周期が0.3秒であれば、構築物は共振し、1500ガルの大きな揺れに見舞われると言っているのです。基準地震動Ssから算出した700ガルを大きく越えることになります。

 基準地震動Ss(ものぐさ 地震用語 解放基盤 はぎとり波 基準地震動 基礎版)は、設計用限界地震として定められたものです。その意味するところは「設計用限界地震に襲われ、弾性限界を超えることがあっても、つまり機器が変形してしまっても、安全機能を保持すること。機器が変形するのは止むを得ないが最悪の事故だけは回避せよ。」と言うことです。

 よって、構築物が大きな揺れに見舞われ1500ガル共振した場合、機器変形の可能性があるのです(共振していなければこのような大きな揺れにはならない)。

 さて、(1)①の加速度時刻歴波形の最大加速度507ガル、特に(2)①の周期0.3秒における加速度応答スペクトル1500ガルを大きく上回っています。共に基礎版上の観測値です。何故でしょう。(2)①は特定の周期のものをピックアップした値です。周期2秒の場合は300ガル程度でした。全ての周期(周波数)で平均化すれば507ガルとなるのでしょう(ものぐさ ?)。 

 (2)①と(2)②の違いについて、東電は「観測記録の応答スペクトルが一部の周波数帯において、基準地震動Ssによる応答スペクトルを上回っているものの、概ね同程度となっている」と述べていますが、基準地震動Ssを越えているのですからおかしな弁解です。

 改めて、加速度時刻歴波形とは、時間の経過に伴い、時々刻々と変化する加速度をプロットしたものであり、複数の周期(周波数)からなる調和振動(注3)を合成した波形です。言い換えれば、加速度時刻歴波形は多くの周期(周波数)を持った調和振動に分解できるのです。

 原発敷地内の建屋や基礎版、更に地中にまで数多くの地震計が埋め込まれており、時間の経過とともに、地震による揺れの大きさを読み取ることができるのです。

 更にしつこく、加速度時刻歴波形とは何でしょう。もう少し詳しく述べます。

 同波形はフーリエ解析すると以下のように表現できます。

 y(t)=A0+A1cos(ω1・tーφ1)+A2cos(ω2・tーφ2)+A3cos(ω3・tーφ3)+・・・Ancos(ωn・tーφn)+・・・(1式)

 これが延々と続きます。y(t)はある時刻における加速度の大きさ、tは経過時間、ω1、ω2、ω3は角周波数(注4)。φ1、φ2、φ3は位相角。nは連続番号でωのn倍と言うことではありません。このように、多くの周期(周波数)成分からなる波形を加速度時刻歴波形y(t)といいます。

 φの項は何故あるのでしょう。これがあることによって、(1式)のある時刻においてA1cos(ω1・tーφ1)がゼロであっても、A2cos(ω2・tーφ2)はゼロでないことが表現されています。更にA1、A2、A3は徐々に小さくなるので、(1式)はせいぜい5項程度で同波形を表すことができます。

 さて、加速度応答スペクトルとは何でしょう。(注2)にも書きましたが、もう少し詳しく述べます。

 地震動が作用した場合の振動方程式は

 y2=-x2-(c/m)・x1-(k/m)・x0・・・(2式)

 として表されます。ここで、

 y2は静止座標に対する地盤の加速度、x2は地盤に対する質点の相対応答加速度、x1は地盤に対する質点の相対応答速度、x0は地盤に対する質点の相対変位。cは粘性減衰係数、mは質点の質量、kは剛性となります。

 減衰の項(c/m)が一定なら、地震動y2が作用した場合、構築物の振動は、mとkで定まります。すなわち、mとkで定まる固有周期Tで定まります。このことは、ある地震の際の構築物の振動は、その構築物の固有周期によって定まることを意味します。それぞれ固有周期をもつ構築物に対して、固有周期に着目して、その地震応答を求めたものが加速度応答スペクトルなのです。

 加速度応答スペクトルは、その地震動が各固有周期の構築物に与える影響を示したものです。すなわち、地震動の固有周期と同じ周期の構築物は、極めて大きな揺れに襲われるのです。これを共振現象といいます。設計上は、この共振を避けるように構築物は設計されています。

 加速度応答スペクトルの横軸は振動を受ける構築物の固有周期であり、縦軸はその固有周期を受ける構築物(正確には1質点系)の応答の最大値です。

 また、静止座標に対する地盤の加速度y2は、地盤に対する1質点系(注5)の変位・速度・加速度から求められると言うことです。また、地震動の動きは、時々刻々の地面の運動の変位、速度、加速度で表すことができ、この3つのどれか1つの時々刻々の履歴が得られれば、他の2つの動きは微分なり積分をすることで得られるのです。すなわち、変位を微分すれば速度となり、更に微分すれば加速度となります。逆に、加速度を積分すれば速度となり、更に積分すれば変位となるのです。

 時々見かけるトリパタイト応答スペクトルなる図があります。この図の縦軸は速度、横軸は周期、図のX-Y面で正の傾きを持った直線群は加速度、X-Y面で負の傾きを持った直線群は変位となります。この図では、各周期に対する加速度、速度、変位を一目で見ることができます。

 図において、加速度、速度の関係を見てみましょう。加速度が大きいからといっても、その揺れが短時間であれば、大きな被害にならないことは直感的に判ります。速度は加速度の積分であるので、瞬間的に大きな加速度がでても、速度は小さく、構築物の変位も小さい。加速度が大きいから一概に危険であるとは言い切れません。

 地震の揺れによる原子炉の揺れるエネルギーは(1/2)mV・Vと表されます、エネルギーは速度Vの2乗に正比例します。よって、特に大口径の配管類は、中程度の加速度であっても、速度が大きければ、被害は大きくなります。

 もし、ある地震動の周期に共振する機器があった場合、大きな揺れを誘発し、配管類が破断する可能性があります。電力会社は、補助器具等を使って、この共振を避けるようにしているのですが、例えば、この補助器具が、溶接不良等で断裂寸前であった場合はどうなるでしょうか。補助器具を付けることで共振を避けてきた大口径配管は共振し、大きな揺れに見舞われ破断してしまう可能性もあります。

 応答スペクトルのほかに、紛らわしい表現として、フーリエスペクトルとフーリエ振幅スペクトルとがあります。

 光スペクトルは、赤、橙等の7色に分解され、各色の構成を示すことができます。一般的には、「複雑な組成を持つものを、単純な成分に分解し、その成分を特徴づけるある量を大小の順に従って並べたもの」と定義されます。

 フーリエスペクトルとは、ある地震動を構成する振動成分を示したもの(上記1式)。フーリエ振幅スペクトルの横軸は、その成分の振動の周期(周波数)で、縦軸は振動の振幅(上記1式のA1、A2、・・・An)。

(注1) 海面下数10mの位置にあり、基礎版上に原発は設置されている。

(注2) 縦軸に加速度を、横軸には構築物(1個の質点、バネ、ダンパで単純にモデル化したもの)の固有周期をとり、ある特定の地震に対する加速度の最大値をプロットしたもの。構築物の固有周期と地震の固有周期が一致すると、共振現象が生じて構築物は大きく揺れる。

(注3) sinやcosで表される周波数が一定の波。y=cos(ωt-φ)です。

(注4) ω=2πf=2π/T。ここで、fは周波数、Tは周期。

(注5) 複雑な構築物を、質点とバネとダンパーからなる振り子のようなものにモデル化したもの。

2013年6月27日 (木)

6月の庭

00053 6月の庭の全景写真です。

00025_2 石垣の右から見ていきます。ツバメスイセンです。花の形がツバメに見えるところから名づけられたようです。                            

00046 ヒガンバナ科のゼフィランサスです。長雨の季節を彩る可憐な花です。                               

00001 手前の石垣を見てください。花の名前はわかりません。             

              

                

                 

         

00005いらっしゃい。ベンチに座り左手を見てください。

00032 ストケシアです。ルリギクとも呼ばれキク科です。種が飛び散り、大分群生してきました。                   

                                     

                                   

                                        

                                    

00049 近づいてみます。

00004 突然変異でしょうか。白のストケシアです。                            

                                

                             

00052 ベンチから立ち上がり、右に折れます。

00028 モミジの下にあるのはマリーゴールドです。鮮やかな花びらです。これも群生すると良いのですが。                   

00033 更に進むと、アジサイコーナーです。 手前から西洋アジサイ、ガクアジサイ、シモツケです。西洋アジサイは、日本に自生するガクアジサイを改良した園芸種です。

00041 ガクアジサイです。                         

                            

                             

                          

                  

                  

00047バラ科のシモツケです。和名は発見地の下野(栃木県)にちなみます。                

00011 山アジサイです。日本古来のものか、暑さに弱く、今はありません。きれいな花で、機会があったら植えたいと思います。

00015 更に奥にあるのが墨田の花火です。好きなアジサイです。

00057 中央ルートが見えます。                           

                                      

                                       

                                      

                                     

                                       

00066左手に折れます。

00069ドクダミです。独特の匂いのある雑草です。 化膿性のはれものに効用のある薬草としても知られています。

                                  

                              

00037 中央ルートを上りきったオオテマリの株もとに、ユリ科のヘメロカリスがあります。 暑さ、寒さに強く丈夫で育てやすい花です。

00078 階段を上り左に折れます。                 

                                

                               

                              

00045 前に進むとマツバギクが見えます。開花期間が長く丈夫です。上部はハカタハクです。

00085 中央ルートに引き返します。                 

                                

                              

                               

                               

00088 更に進みます。

00096 上りきると左にダイオウショウが見えます。新緑の若芽がまぶしくみえます。葉の長さは30cm、3針葉です。

                 

                              

00094 展望台に向かいます。                          

00113

シソ科のガラニティカ・セージです。別名サルビア・ガラニティカとも言います。ハーブの一種でしょうか。良い香りを放ち、尻半分が黒い蜂が蜜をとりにきます。スズメバチ大ですが優しい蜂です。近くにいても襲われることはありません。我が家ではミツバチマーヤと呼んでいます。                         

00100 八重のクチナシです。これも甘い香りで、「ホッ」と癒されます。黄紅色の果実には裂け目がないので「口無し」といわれ、縁起を担ぐ人には嫌われ「就職口がない」とか言われますが、最近では、結婚式の宴席の盛花にも加えられるようです。

00118 日陰の庭に向かいます。

                                       

                                      

                                       

                                      

                                     

00121 更に進みます。

00034 キキョウです。秋の七草の一つです。

秋の野に 咲きたる花を 指折りかきかぞふれば 七種の花 萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 おみなえし また 藤袴 あさがおの花(アサガオではなくキキョウだろう)

万葉集 山上憶良作

00124 ブルーベリーです。                            

00125 更に近づきます。陽のあたりを良くしたせいでしょうか。初めて、たわわに実りました。秋が楽しみです。たぬき、ハクビシン、鳥の被害にあわないことを祈るばかりです。            

                  

            

00131更に進みます。手前がギボウシ、正面がアジサイです。                       

00137 ギボウシの花です。日陰の花として最適です。         

            

         

      

               

00141 手前から、ガクアジサイ、西洋アジサイ、墨田の花火です。

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