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2013年8月

2013年8月 3日 (土)

国は除染を放棄したのか

 7/26、国は避難区域に指定された福島県田村市の都路地区で、避難区域として初めて8~10月の3カ月間に限り、住民の長期宿泊を認めました。これを受けて、田村市長は、「避難区域の実質的な解除で喜ばしい」と話しています。

 昨年の7月27日に始まった除染作業で、どの程度の除染ができたのでしょう。環境省のHPから引用します。

 業者は鹿島建設。工期は平成24年7月5日~平成25年6月28日、除染場所は都路町字古道の生活圏及び林縁部から森林側に20m入った部分、除染対象は建物 228,249m2(121世帯) 道路 95.6km 農地 1,274,021m2 森林 1,921,546m2です。

 除染前後の宅地、農地、森林、道路を写真で見る限り、作業の大半は除草、堆積物除去だけのようです。家屋の屋根や壁面の洗浄も実施されたのでしょうが、洗浄前後のデータは見当たりません。

 地上1mにおける除染効果(平均値)は以下のようになりました。

              除染前             除染後

 宅地     11ミリシーベルト/年   4.7ミリシーベルト/年

 農地     10ミリシーベルト/年   6.7ミリシーベルト/年

 森林(※)  11ミリシーベルト/年   7.4ミリシーベルト/年

 道路     11ミリシーベルト/年   7.8ミリシーベルト/年

 ※ 林縁部から森林側に20m入った部分。

 地上1cmにおける除染効果(平均値)は以下のようになりました。

              除染前             除染後

 宅地     23ミリシーベルト/年   4.6ミリシーベルト/年

 農地     11ミリシーベルト/年   6.1ミリシーベルト/年

 森林     12ミリシーベルト/年   7.8ミリシーベルト/年

 道路     12ミリシーベルト/年   5.4ミリシーベルト/年

 平成23年12月22日の報告書において、低線量被曝の影響を有識者で検討する政府ワーキンググループは、「年20ミリシーベルト程度の被曝による健康影響は低く、政府の除染方針である年20ミリシーベルトの地域では2年後に年10ミリシーベルト、その後は5ミリシーベルトを中間的な目標とすべきだ」、更に、「通学路や公園など子どもの生活圏についても徹底した除染を行い、長期的に追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下とすることを目指す」と提言しています(低線量被ばくのリスクに関するワーキンググループ)。

 このように提言していますが、子供の生活圏は通学路や公園だけではありません。森の中で茸を取り冒険ゴッコをしたり、川で魚を捕まえたり泳いだり、家の庭で泥まみれになって遊んだり、家の中での生活も8時間以上はあるでしょう。これが子供の生活圏です。

 しかし、除染完了説明会において、国は現時点での再除染に応じず、目標値について「1日外に8時間いた場合に1ミリシーベルト/年を超えないという前提で算出されており、心配なら新型の優れた線量計を希望者に渡すので自分で確認してほしい」と述べたそうです。 一般の人が立ち入ることのできない放射線管理区域内(年5.2ミリシーベルト以上)で生活していいよと、言っているのです。この時点で国は除染を放棄したようです。1ミリシーベルト以下まで除染する気が本当にあるのでしょうか。

 福島県森林・林業統計書(平成22年)によれば、福島県内の森林面積は972千haで県土の71%を占めています。都路地区の森林比率もこの程度でしょう。71%を占める森林の除染は手付かずのままで方向性すら提示されていません。再び草が伸び、風により落ち葉が飛散し、雨は森林の放射能を洗い流し、山から流れ出る水は農地に、宅地に、道路に放射能を拡散させ、再び放射線量は上昇するでしょう。除染前の放射線量に戻るのではないかと感じています。71%を占める森林を除染しなければ、問題は解決しません。これは不可能です。

 このような状況では、除染を放棄するしかないと思います。むしろ除染の限界を住民に知らせず、放射線量は減少していくと言う幻想を住民に抱かせるほうがタチが悪いでしょう。国は1ミリシーベルトまで除染するといっているようですが、何時までなのかも明示していません。国のずる賢さを感じます。除染は不可能であり、これを前提にして住民対応(移住を含む)をすべきです。

 何故、期待を持たせるような対応をするのでしょうか。「除染不可能」と宣言すれば、国策で移住政策を進めることになり、それは非常な困難を伴います。移住費用も莫大なものになります。できれば、このように曖昧な状態にしておき、住民の諦めを待ち、世間がこの事態を忘れ去るのを待っているとしか思えません。その結果、一部の住民は放射線管理区域内での生活を望まなくとも余儀なくされ、一部の住民は、自己責任のもと自らの資産を捨て移住することになります。

 こうすれば、故郷が消失する事実を国民にまざまざと見せつけることもなく、脱原発運動に更なる油を注ぐこともなく、大きなニュースにもならないと考えているのでしょう。これが国の狙いです。卑怯極まりない振る舞いです。

 最後に、私のアイデアを提案します。放射線量の低い森林を伐採し、平地に造成し、住民はそこに移住する。ゴルフ場をいくつか作る程度のことです。どうでしょうか。

(参考) 他地区の状況

                           業者         本格作業状況

 楢葉町             前田建設JV    平成24年9月 6日開始

 川内村               大林組JV    平成24年9月 4日開始 

 飯館村             大成建設JV     平成24年9月25日開始

南相馬市  大成・五洋・日本国土開発JV     平成25年6月28日開始

 葛尾村                奥村JV    平成25年4月25日開始

 川俣町               大成建設JV    平成25年4月25日開始

 浪江町                              調整中

 大熊町         清水・大林・熊谷JV    平成25年6月24日開始

 富岡町                              未着手

 双葉町                              未着手 

 

2013年8月 8日 (木)

「第二種廃棄物埋設施設」・・・トレンチ処分とピット処分

 1986年、原子炉等規制法の改定により、固体の放射性廃棄物を埋設することが認められました。埋設の事業者である日本原燃は六ヶ所村に「埋設センター」を建設し、92年のからドラム缶を運び込んでいます。

 その「埋設センター」に貯蔵された放射性廃棄物は、徐々に下がる放射能レベル応じて管理を緩め、最終的には、放射能漏れの監視もやめることができ、当然、土地は誰に売っても良く、児童公園やリンゴ園にすることもできると、言われています。

 本当でしょうか。 詳細を説明します。

 さて、原子炉等規制法の第51条の2、第1項第2項は、「放射能濃度が人の健康に重大な影響を及ぼす恐れがあるものについての最終的な処分として、その濃度に応じて「第一種廃棄物埋設施設」、「第二種廃棄物埋設施設」を定めています。

 そして、原子力規制委員会は7/24、「第二種廃棄物埋設施設」の骨子案を作成し、7/25~8/15まで同骨子案に対するパブリックコメントを受け付けています。尚、同施設は「低レベル放射性廃棄物」の処分・貯蔵を目的としたものです。

 津波や地震力に対して、その骨子案は、「同施設は原子炉施設の新規制基準(地震・津波)を参考にせよ」と要求しています。更にその他の自然現象(火山、地すべり、液状化等)や火災・爆発、電源喪失、航空機等の落下などについても考慮せよと要求しています。この点ついては割愛し、今回は、同施設の埋設方法(トレンチ処分、ピット処分)について、骨子案及び資源エネルギー庁の資料、原子力安全委員会の「低レベル放射性固体廃棄物の埋設に係る放射能濃度上限値について・・・平成19年5月21日」及び「廃棄物埋設施設の新規制基準策定の基本方針・・・平成25年5月14日」を参考に詳述します。

1 トレンチ処分とは何か

・ コンクリートピットなどの人工構造物を設置せず、浅地中(地下6m程度)にフレキシブルコンテナに梱包した廃棄物を3.5mの高さに積み上げ、その上を透水性の小さい土砂で覆い、さらにその上を2.5mの土で覆う。そして、50年程度で一般の土地として利用できる。

・ 廃棄物は、コンクリートや金属等。

・ 放射性核種と濃度上限推奨値。

    核種            濃度上限推奨値      半減期

コバルト60         10 MBq/kg      5.27年

ストロンチウム90      10kBq/kg       28.8年

セシウム137        100kBq/kg         30.1年

・ 管理期間   埋設段階及びその後の50年。それ以降は一般の土地として利用できる。

・ 安全評価   管理期間中における公衆の受ける放射線量は50マイクロシーベルト/年以下。管理期間終了後は10マイクロシーベルト/年以下。

2 ピット処分とは何か

・ 地下12m程度の岩盤上に鉄筋コンクリートピットなどの人工構造物を設置して、そのピット内に廃棄物を埋設する処分方法。更に、ピット内にはポーラスコンクリート層、セメント系充填材が敷かれ、その上に、廃棄物の入ったドラム缶が横積みされる。コンクリートピットは8m程度のベントナイト混合土で覆われ、更に4m程度の土で覆われる。管理が必要な期間として、300~400年が一つの目安とされている。管理期間終了後は、一般的な土地利用が可能になる。

・ 廃棄物は、廃液・廃器材・消耗品等を固形化したもの及び配管やフィルター等。

・ 放射性核種、濃度上限推奨値と半減値。

    核種            濃度上限推奨値      半減期

コバルト60              1TBq/kg      5.27年        

ストロンチウム90      10GBq/kg       28.8年

セシウム137        100GBq/kg       30.1年

炭素14             100MBq/kg      5710年

ニッケル63             10GBq/kg        100年

テクネチウム99           1MBq/kg        21万年

アメシウム241         10MBq/kg        432年

・ 管理期間   300~400年。

・ 安全評価   埋設段階及び保全段階における公衆の受ける放射線量は50マイクロシーベルト/年以下。保全段階終了以後は10マイクロシーベルト/年以下。

3 素人が心配する点。

・ トレンチ処分におけるセシウム137の濃度上限推奨値は10万Bq/kg。半減期は30年であるので、60年後の濃度は2.5万Bq/kgです。

 ピット処分におけるセシウム137の濃度上限推奨値は1000億Bq/kg。半減期は30年であるので、300年後の濃度は1024分の1の1億Bq/kgです(注1)。

 いくら、コンクリートや土で覆われているといっても、途方もない数値です。日本弁護士連合会は「100ベクレル/kg 以上のものについては、放射性廃棄物として厳重な取扱いが必要であるものと意見書を提出しています(ものぐさ 埋め立て基準 8000ベクレルは大丈夫か)。また、平成24年4月以降の食品中の放射性物質の基準は、一般食品100Bq/kg、牛乳・乳幼児食品50Bq/kg、飲料水10Bq/kgです(政府広報オンライン)。あまりにも大きな違いがあります。300~400年程度でその上を宅地にしたり、農地にしても良いのでしょうか。地下10m程度の場所に、数万から数億ベクレルの放射性物質が埋設されているのです。

・ 原子力安全委員会の資料は「濃度上限値の位置づけとは、それが埋設事業申請にあたっての最大放射能濃度に関する一種の「めやす」であり、具体的な安全評価は申請ごとの個別の安全審査で詳細に行われ、安全性が確認されることを前提としている」と述べています。「めやす」という点に不安を感じます。

・ コバルト60を除いた放射性各種の半減期は20年から21万年にも及びます。鉄筋コンクリートの寿命はどの程度でしょう。

 税法上の耐用年数は、地下トンネンルで60年、水道用ダムで80年です。一般建造物では、高度成長時代に建設した橋梁やトンネルの老朽化が進み、コンクリートの劣化が社会的問題となっています。わずか40年程度です。地下水等によりコンクリートの劣化が進み、ひび割れし、鉄筋が腐食し、コンテナ内に横済みしたドラム缶が錆び、放射性廃棄物が地下水に流れ出ることはないのでしょうか。

・ トレンチ処分で使用するフレキシブルコンテナの寿命はどの程度でしょうか。フレキシブルコンテナはポリエチレン・ポリエステルの袋状容器か?。

・ 埋設段階及び保全段階において、第二種廃棄物埋設施設は、「廃棄物埋立地の外に漏出し生活環境に移行する放射性物質の濃度等を適切に測定及び監視できるような設計」を要求しています。しかしそれ以外の記述はありません。漏出が見つかれば掘り起こし、対処するのでしょうか。

 米ハンフォード核施設では、戦争後わずか68年で地下タンクから放射性物質が漏れ出ました(ものぐさ 米 放射性物質 新たに漏出 最終処分場は大丈夫か)。

 足尾銅山の開発により、1885年頃から渡良瀬川の魚類の大量死が発生し、鉱毒ガスやそれによる酸性雨により近辺の山は禿山となり、木を失い土壌を喪失した土地は次々と崩れ、渡良瀬川から取水する田園や、洪水後、足尾から流れた土砂が堆積した田園で、稲が立ち枯れ、2011年に発生した東北大震災により、源五郎沢堆積場が決壊し、鉱毒汚染物質が再度渡良瀬川に流下し、下流の農業用水取水地点において、基準値を超える鉛が検出されるなど、21世紀となった現在でも影響が残っています(ものぐさ 放射性焼却灰埋め立てと足尾鉱毒事件)。

・ 放射線等の監視は保全段階終了までとなっています。300~400年程度で、放射線等の監視を止め、一般的な土地利用が可能となります。この時点で、コンクリートピット内の放射性セシウムは1億ベクレル/kgもあります。

・ 保存期間終了後には管理不要とするようなものに、「第二種廃棄物埋設施設」と名づけるべきではありません。いかにも、保存管理し続けるように聞こえます。

(注1) 時間の経過による放射性廃棄物の濃度

 セシウム137の半減期は30年です。埋設時の放射能濃度1000億Bq/kgを経過年数に応じて、次の数値で徐して求めます。  

 2(30年経過) 4 8 16 32 64 128 256 512 1024(300年経過) 2048 4096 8192 16384 32768 65536 131072 262144 524288 1048576 2097152 4194304 8358608(690年経過) 16772216(720年経過) 

 よって、

 300年後の濃度は、(1000億Bq/kg)÷1024=1億Bq/kg。

 同様に、720年後の濃度は、(1000億Bq/kg)÷16772216=5880Bq/kg。

2013年8月 9日 (金)

会計制度変更で福島原発廃炉にも電気料金の負担 ?

 原発の廃炉を容易にするために会計制度を変え、その負担を、電気料金で回収する案を経産省は了承し、年内にも新制度が適用される模様です。

 この制度がなく原発を廃炉にした場合、電力会社は債務超過(注1)となる可能性が出てきます。ちなみに、北海道電力の平成25年3月期決算短信(IRサイトマップ)と報道された原発設備の資産によれば、 

 平成25年3月期                     廃炉決定時

 資産の部は1,660,740百万円(286,600百万円)   資産の部は1,374,140百万円。

 負債の部は1,470,337百万円              負債の部は1,470,337百万円。

 資本の部は190,403百万円               資本の部は△96,197百万円

廃炉が決定すれば、資産の部から原発設備が減額されるので、△96,197百万円の債務超過となります。

 参考までに、その他の電力会社についても貸借対照表から試算しました(注2)。

 廃炉にすることで債務超過になり、場合によっては倒産する可能性があるので、何とか理由をつけて安全でもない原発を再稼動しようと電力会社は必死ですが、会計制度を変え、国民に電気料金を負担してもらって廃炉をしやすくする方が、電力会社にとっても国民にとって有難いことです。電気料金の負担が増えるではないかとの批判もあると思いますが、これは、原発を黙認してきた国民への責任対価であると思います。基本的には、この制度を容認するとしても、電気料金の上昇を押さえるためにも、以下の点での精査が必要です。

・ 今回の試算は全原発を廃炉とした場合のものです。その場合、企業の経営に廃炉は大きな負担となります。ところが、国は規制基準に適合した原発の再稼動を認める方針であり、廃炉となる原発は老朽化した原発等一部に限定されます。この場合、廃炉が経営に支障をきたすとは考えられません。全原発を廃炉とした場合の試算を突きつけ、経営に支障をきたす恐れがあるから、新たな会計制度を導入して、国民の負担を仰ぐなど、どさくさに紛れた電気料金の値上げであり、到底納得できません。

・ 自らの責任で原発事故を引き起こした東電の廃炉費用まで国民負担とすることには反対です。事故を起こしても、国民の負担で廃炉できるんだ、と言うような安易な考えは断じて認めません(注3)。電力会社や国のモラルハザードにつながります。

・ 廃炉費用に必要な積立額は、原発稼働率76%で40年間運転したとしてはじきだします。ただし、トラブルなどで稼働率が76%に到達しない年があると、単年度の電力会社の積立金は少なくなり、40年間で必要な額には達しない仕組みになっていると言います。日本原電敦賀1号機や関西電力美浜1号機は既に運転期間が40年を超えているのに、積立額はそれぞれ39億、93億円が不足している。7月に40年を迎える美浜2号機も66億円が不足している。電力会社も国も、40年での廃炉など念頭になかったのです。このような、積み立て不足額も国民負担ですか。

・ 電力会社自身のコストカット策が甘いようでは、電気料金の値上げに国民は納得しません。この結論に至った会議資料等を公開して、第3者の公正な立場でチェックする必要があります。

・ (注2)に見るように、全原発を廃炉にしても債務超過になる電力会社ばかりではありません。中電は資産額6兆円弱ですが、全原発を廃炉にしても、資本額は1兆2000億にもなります。一方、東電は、資産額は14兆円もあるにもかかわらず、資本額は、わずか1000億円程度です。ちなみに東電の(資本/資産)比率は8%、中電のそれは20%です。圧倒的に中電のほうが財務内容は優れています。中電は電気料金の値上げなどせず、安い電気料金で東京のユーザに販売したらどうでしょうか。電気料金の高い東電から顧客を奪うことができます。これこそ市場原理です。

(注1) 負債の部が資産の部を超過する場合を言う。すなわち資本の部はマイナスとなる。

(注2)

・ 東北電力

 平成25年3月期  (カッコ内は原発設備)          廃炉決定時                             

 資産の部は4,284,371百万円(406,200百万円)    資産の部は3,878,171百万円。

 負債の部は3,761,656百万円              負債の部は3,761,656百万円。

 資本の部は522,714百万円               資本の部は△116,515百万円

・ 東京電力

 平成25年3月期                      廃炉決定時

 資産の部は14,989,130百万円(1,024,300百万円)    資産の部は13,964,830百万円。

 負債の部は13,851,317百万円              負債の部は13,851,317百万円。

 資本の部は1,137,812百万円              資本の部は113,513百万円

・ 中部電力

 平成25年3月期                      廃炉決定時

 資産の部は5,882,775百万円(325,600百万円)    資産の部は5,557,175百万円。

 負債の部は4,391,669百万円               負債の部は4,391,669百万円。

 資本の部は1,491,105百万円               資本の部は1,165,506百万円

・ 関西電力

 平成25年3月期                      廃炉決定時

 資産の部は7,635,150百万円(559,900百万円)    資産の部は7,075,250百万円。

 負債の部は6,357,043百万円               負債の部は6,357,043百万円。

 資本の部は1,278,106百万円               資本の部は718,207百万円

 全原発を廃炉にした場合の東北電力の資本の部は約マイナス1000億円。同様に中部電力の資本の部は1兆1000億円。この差は、東北電力の原発数が1基多いことと、比較的新しい原発が多いことがその理由として上げられるのではないか。

(注3) 政府による東電支援は、①資本注入 1兆円(出資)、②賠償費用 3.8兆円(融資)、③除染費用 1兆円(立て替え)、④廃炉研究 1000億円(補助)。  

2013年8月19日 (月)

浜岡原発の基準津波 63m ?

 高浜原発3、4号機の再稼動を目指す関西電力は最大津波の高さを想定する「基準津波」について、従来より約1.4m高い3.99mに引き上げました。 

 また、「第5721号浜岡原子力発電所運転差止請求控訴事件」を審理中の東京高等裁判所に提出された「準備書面18(津波による損傷防止並びに基準津波及び耐津波設計方針に係る審査ガイドについて・・・2013年6月27日)」には、浜岡原発を襲う基準津波は63mであると書かれています。 

 新たに出てきた基準津波(注1)は何を根拠に計算されるのでしょうか。

 まず、原子力規制委員会の資料「基準津波及び耐津波設計方針に係る審査ガイド・・・平成25年4月5日」は、基準津波の策定にあたって、以下の事項を要求しています。

1 基準津波は、地震のほか、地すべり、斜面崩壊等地震以外の要因、及びこれらの組合せによるものを複数選定し、不確かさを考慮して数値解析を実施し、策定すること(基本方針)。

2 津波を発生させる要因として、①プレート間地震、②海洋プレート内地震、③海域の活断層による地殻内地震、④陸上及び海底での地すべり(以後、地すべりと記す)、斜面崩壊、⑤火山現象(噴火、山体崩壊、カルデラ陥没等)を考慮すること(基準津波の策定)。以下、②~④については割愛します。

3 津波を発生させる要因として、以下の地震を考慮すること(プレート間地震)。

 ①プレート境界での大きなすべりにより強い揺れと大きな津波を生成する地震及び海溝直近の分岐断層まで同時に活動する地震及び、②プレート境界(海溝近傍)でのゆっくりとした大きなすべりにより強い揺れは伴わないが大きな津波を生成する津波地震。

4 国内外の津波事例を考慮し、調査結果を踏まえ、「プレート形状、すべり欠損分布、断層形状、地形・地質並びに火山の位置等から考えられる発生要因に応じた適切な規模の津波波源を考慮すること(基準津波の波源及び波源モデルの設定)。

5 地震発生域の深さの下限から海溝軸までが震源域となる地震(断層幅が飽和するような地震)を考慮していること(プレート間地震)。

6 日本周辺のプレート構造及び国内外で発生したMw9クラスの巨大地震による津波を考慮すること。

 プレート間地震に起因する津波波源の対象領域として、①千島海溝から日本海溝沿いの領域(最大Mw9.6 程度)、②伊豆・小笠原海溝沿いの領域(最大Mw9.2程度)、③南海トラフから南西諸島海溝沿いの領域(最大Mw9.6程度)を例示。

7 対象海域における既往地震の発生位置や規模を参考に、プレート境界面の領域区分(セグメントと呼ぶ)を設定し、セグメントの組合せにより、津波波源の位置、面積、規模を設定すること。

8 セグメントの組合せに応じた津波波源の総面積に対し、地震の規模に関するスケーリング則に基づいてモーメントマグニチュード及び平均すべり量を設定すること。

9 津波波源のすべり分布の不均一性(注2)を考慮して段階的にすべり量を設定すること。

10 基準津波を選定する際には、その規模が、敷地周辺における津波堆積物等の地質学的証拠や歴史記録等から推定される津波の規模を超えていること。

 理解し難い内容です。

 東京高裁に提出した「準備書面18」は浜岡原発という具体的事例により、「基準津波が63m」になることを説明しており、同書面により基準津波についての理解が深まるものと思います。以下、概略を記します。

・ 上記6項に例示しているように、津波波源の対象領域は南海トラフから南西諸島海溝沿いの領域とし、参考値ながら、その最大Mwは9.6としています。南海トラフの巨大地震モデル(駿河湾~日向灘沖)のMw9.1を大きく上回る地震を考慮せよと、要求しているのです。

・ 上記7~9項は、平均すべり量の設定やすべり分布の不均一性を考慮することを要求しています。すべり量が大きくなれば、プレートの沈み込み角度に応じて、上盤のプレートがどれだけ盛り上がるかが決まります。すべり量が2.2倍となれば、海底面の隆起量も2.2倍となり、それに応じて海面の上昇が全体に2.2倍になることを意味しています。

・ 構造計画研究所は、すべり量とMwとの関係を明らかにしています。横軸にMw、縦軸に平均すべり量をとったグラフは両対数目盛りとなっており、両者の関係はほぼ直線です。それによればMw9.6のときの平均すべり量は約20m、東北地方太平洋沖地震・津波のデータを基点として同じ傾きでMw9.6での平均すべり量を見れば、ほぼ30mです。ちなみに、東北地方太平洋沖地震では宮城県沖の日本海溝近傍においておよそ50m を越える大すべりが生じました。

・ 南海トラフの巨大地震モデルにおける津波高さは19m(ものぐさ 浜岡原発 津波高さ19mは22mの防潮堤で安全か その3)、この場合の平均すべり量は9mとされています。平均すべり量30mは9mの3.3倍であるので、津波高さも19mの3.3倍となる63mとなります。

 基準津波の策定では、上記6項に見るように、かなり広範囲な領域が設定されています。更に、地震規模に応じた平均すべり量の算定が重要であることもわかります。

 また10項に見るように、基準津波は、歴史的記録等を越えるものでなくてはならないことも重要な点です。

(注1) 実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則第5条(津波による損傷防止)は、「設計基準対象施設は、その供用中に当該設計基準対象施設に大きな影響を及ぼすおそれがある津波(以下、基準津波という)に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない」と規定しています。

(注2) 東北地方太平洋沖地震による津波では、すべり分布の不均一性が観測されています。

 すべり量の大きい小断層から順に領域を拡げていき、その領域内の平均すべり量が全領域の平均すべり量の2倍、3 倍、4倍となる場合の各領域面積を求めると、全領域の平均すべり量の2倍となる面積比は約33%から40% 、同様に3倍では10%から20%、4倍では2% から11%である。当然、最大すべりは海溝付近となります。

2013年8月26日 (月)

東通原発 活断層認定 その後

 昨年12月に調査した「Fー3断層」「F-9断層」を、同委員会は「活断層の可能性が高い」と認定し、敷地内を南北に縦断する他のF系断層(8本)についても「敷地全体で系統的に続いている」と公表しました(ものぐさ 東通原発活断層認定)。以下がその認定に至った根拠です。

・ 「F-3」と呼ばれる断層については、周辺に活断層が動いたときに見られる小さな亀裂が多く確認されたことや、断層による地層のずれが活断層の定義の範囲に当たるおよそ11万年前の火山灰の層まで及んでいることが指摘されています。

・ 「F-9」と呼ばれる断層については、周辺に断層の動きによって広範囲に隆起したことを示す地形があることや、地層の火山灰の分析から繰り返し活動していることが認められます。

・ そのほか、冷却用海水の通る「取水路」の直下にも「f-1断層」があり、検討の必要性があると言及しています。

 これに対して、東北電力は、敷地内の断層2本について「断層周辺のずれや亀裂は地層が地下水によって膨らんで起きた」と説明していました。

 その後の5/18、報道は以下の内容を伝えています。

 東北電力・東通原発の敷地内断層を調べている原子力規制委員会の有識者調査団は17日、聴取していた東北電力からの説明を途中で打ち切った。説明しようとした7項目のうち3項目しか説明できなかった。調査団がこの日示した報告書案は、東北電力の主張を退け、断層について「耐震設計上考慮すべき活断層である」との結論が盛り込まれた。東北電力は2月に始めた追加調査の一部が7月にまとまるとし、再度現地調査するよう求めたが、調査団は取り合わなかった。東北電力はこの日も「活断層ではない」との従来の主張を展開。F−3、F−9断層の活動性や、地下深くの固結など7項目で調査団の主張に反論する資料を準備した。だが、午前9時半の会合冒頭で、座長の島崎邦彦委員長代理が「正午まで」と時間制限を設け、正午を過ぎると島崎氏は会合を打ち切った。

 しかし、いまだ追加調査についての報告が東北電力からありません。

 詳細を「東北電力 東通原子力発電所敷地内破砕帯の評価について・・・平成25年5月17日」から拾ってみます。

1 経緯

・ 基盤である新第三系中新統(約1500万年~1000万年前)には、東北電力の地質調査によれば、主要断層としてF系断層が分布している。また、その他の断層として、連続性に乏しく変位量の小さいf系断層、s系断層が分布している。これらの断層を被覆する第四系において小断裂、撓み及び破砕部からの粘土の注入並びに第四系基盤底面における小規模の段差等による「変状」が生じている。この「変状」はF系断層との関連性が認められないことから、活断層により生じたものではなく「膨潤」であると東北電力は主張している。

・ 旧原子力安全・保安院は、「F-3断層」と「F-9断層」周辺で斜面地形・凹み・高まりが確認されたこと等から、断層運動に関連した可能性を指摘。

2 原子力規制委員会の結論

・ 東北電力敷地内において、断層を覆う後期更新世(注1)地層の変位・変形の連続性を確認。同地層内に断裂群が分布し、敷地を南北に縦断し、東電の敷地まで達している。断裂は一部で途切れることはあるが、全体として長さ5km以上の断裂帯を形成。

・ 断裂群は、後期更新世の洞爺火山灰堆積後~十和田レッド軽石堆積前に活動しており、その鉛直変位量は個々の断裂で数10cmから1.5m程度。

・ 「F-3断層」では、断層を被覆する後期更新世の地層に横ずれ断層運動に特徴的な花弁構造(フラワーストラクチャー)に類似した多数の小亀裂がある。

・ 「F-9断層」では、断層を介して海側のほうが山側より高まっているという特徴的な地形を確認。断層運動により断層の海側が隆起した可能性がある。

・ 「F-3断層」、「F-9断層」及びその他複数の敷地内断層は、後期更新世に活動した断層である可能性を否定できない。

・ 東北電力の主張する膨潤説は、検討も不十分であり、十分な調査結果も得られていなく、合理性を欠く。

・ 以上により、東通原発敷地内断層は、耐震設計上考慮すべき活断層である。

・ 「f-1断層」は耐震安全上重要な施設の直下を通過しており、「f-2断層」は建屋直下を通過しているが、今後実施される東北電力の調査結果に基づき安全性を評価する。

(注1) 1万年前から12.5万年前。

2013年8月27日 (火)

8月の庭

00019 8月の庭の全景写真です。朝もやがかかっています。

00029 いらっしゃい。ベンチまで進みます。緑の葉が生い茂り、秋に向け実が色づいてきます。手前がリューノヒゲ、真上は次郎柿、左からドウダンツツジ、シラカシ、チョウセンマキ、タカオモミジ、キンメツゲです。               

                                    

                              

                                   

                                   

                                                   

                                               

00023 大きな花はゼフィランサスです。その周辺には源平菊が見えます。花は白とピンクが混在しています。源平合戦をしているようです。源平菊も繁殖力旺盛で、雑草よけには最適です。

00039 ヤマボウシの実が色付き始めました。秋が近くなっているのが感じられます。果実酒にもなります。やや赤みを帯びたあめ色のほのかな香りとソフトな味のお酒ができるといわれています。疲労回復効果があります。実をかじってみましたがあまり美味しくありません。

00032 ベンチを通り過ぎ進みます。正面のハナミズキは紅葉し始めました。

                                   

00045 階段の手前を、左に曲がってください。

                            

                            

                                  

                                 

                                    

                                        

                                

                                                   

                              

00048 左下のツツジの花芽が付き始めます。花芽を切らずに、これから伸びてくる徒長枝を剪定する冬の作業が待っています。

00049 階段の中央の右手には夜露に濡れたヤマボウシの実が見えます。これは色づいていません。

                            

                           

                         

                              

                                                   

                                                 

                                                  

00054 階段を上りきると、正面にハツユキカズラがみえます。新葉が白や桃色になる五色葉です。庭園用のツル性植物として古くから使われています。グランドカバーに最適です。                               

00028_2 左はシャラの木です。ナツツバキともいって5センチ大の白いきれいな花です。6月の撮影を逃してしまいました。来年までお待ちください。                                          

                                               

                                              

                                   

                                        

                                           

                                                    

                                                                                                          

00031 左手にシャラの木の実が見えます。平家物語の名文「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす・・・・」の沙羅双樹はナツツバキのことです。本来の沙羅双樹はナツツバキとは異なるそうです。わかったら詳しく説明します。  

                                                                                            

00060 更に上ってください。正面に青々と見えるのはウィルトニーです。これもグランドカバーには適しています。

                                   

                                                  

                                                  

                                                   

                                                 

                                                  

                                                 

                                                  

00078 ウィルトニーです。分枝が旺盛で、枝葉が密生し、緻密にカーペット状に隙間なく覆います。 冬は青銅色か紫色を帯び、他の季節とは違う表情を見せます。

00063展望台に向かってください。左右にサルスベリが見えます。冬の剪定を深くすると切断面がコブ状になり好きな樹形ではありません。放任し、枝を大きく伸ばします。                                                                                          

00024白のサルスベリです。                     

                     

                            

                      

                         

                     

                                                     

   

                                                     

                                                                                                                                        

00006 赤のサルスベリです。                          

00064 展望台です。

                                   

                                  

                   

                                                   

                                                    

                                            

                                                   

                                                 

                                                                          

00081 展望台を左に折れます。                                                                       

00068 日陰の庭に向かいます。         

              

             

             

                

                

               

                                                     

                                             

                                                                                                       

00076 オスティオスペルマムフィリップでしょうか。葉の色、形が同じです。4月に紹介したものと違います。突然変異でしょうか。歩道の中央に咲きました。

00084 更に進みます。正面にブルーベリーがあります。                               

                                   

                                  

                              

                                   

                                  

                                              

                                               

                                                     

                              

00040 野生動物に取られず無事でした。黒く熟したものを採ります。                                                                  

00053収穫した全てはジャムに変身。味は良いのですが、皮が残り食感がよくありません。次回は細かく刻んでみます。                                         

                                                 

                                                    

                                                    

                                               

                                              

                                                

                                                  

00071 終点です。                            

                                    

                                   

                                   

                                  

                                  

                                   

                                                 

                                                 

                                              

                                                  

別の場所にご案内します。                                                              

00004 ハナトラノオです。大きな花で見ごたえがあります。                                       

00011 ヒマワリです。虫がワンポイントです。                

                                 

                                 

                                

                                  

                                   

                                   

                                  

00013 白とピンクの花はペチュニア、赤はセンニチコウ、黄色はメランポジュームです。

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