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2013年9月

2013年9月 2日 (月)

再稼動への奇妙な論理

 政府は原発の再稼動を躍起になって進めようとしています。これは安倍首相の言う成長戦略の4本目の矢なのでしょうか。

 また、電力会社は、赤字解消のために、住民の生命の安全など考えもせず、出来るだけ安上がりな対策で原子力規制委員会の審査をパスしようとしているようです。彼らは、本心からこれで安全だと思っているのでしょうか。

 電力会社、自民党、政府、同委員会の発言について違和感を感じています。絶対安全でない原発を再稼動しようとするところに、違和感の原因があるように感じています。「無理が通れば道理引っ込む(注1)」と言うことでしょう。その結果、第二の福島原発事故が起きれば、苦しむのは正に住民です。原発立地自治体は「植民地(注2)」だと言う識者もいます。

 再稼働に関する各関係者の発言を拾い上げてみます。発言は噛み合わず、責任の所在が不明瞭になっているように感じます。

1 自民党の論理。

・ 原子力は「安全第一」の原則の下、原子力規制委員会の専門的判断をいかなる事情より優先。原発の再稼動の可否は順次判断し、全原発について3年以内の結論を目指す。中長期的エネルギー戦略の確立に向け、遅くとも10年以内には持続可能な電源構成のベストミックスを確立。・・・11/22の自民党公約

・ 原子力規制委員会が安全だと判断しない限り再稼動はない。安全だと判断されたものは再稼動を進める。・・・衆議院選挙後

 以上、(ものぐさ 自民党原発政策)。

・ アベノミクスを下支えするため、原発再稼動を加速する。・・・参議院選挙前(ものぐさ 不気味な足音 自民原発推進)。

・ 安全性については、同委員会の専門的判断に委ね、その上で、国が責任を持って、安全と判断された原発の再稼働については、地元自治体の理解が得られるよう最大限の努力をする。・・・参議院選挙後(ものぐさ 参院選後 自民原発推進か)。

 上記から判断すると、「同委員会が安全と判断した原発については、国が責任をもって地元自治体を説得する」と言うのが自民党の再稼働に対する論理のようです。

2 原子力規制委員会の論理

・ 電力事業者と一線を画した規制行政を必ず実現する。活断層の影響があると判断された原発は再稼動を認めない。・・・衆院議院運営委員会の理事会における田中氏の発言(ものぐさ 原子力規制委員会は中立か)。

・ 同委員会は、原発の安全性を専門的に判断する権限しかなく、再稼動の是非を判断しない(ものぐさ 米原子力規制委員会(NRC)にみる原発再稼動の責任)。

・ 同委員会は2/7、「発電用軽水型原子炉施設に係る新安全基準骨子について」に関する意見募集を開始したが、4/4の資料において、表題が「第21回発電用軽水型原子炉の新規制基準・・・云々」となり、「新安全基準」が抜け落ちている

 不確かであるが、「同委員会は規制基準に対する適合性を評価する立場である」との文面を見た記憶があります。原発の安全を審査するするのではなく、自らが作った規制基準に適合しているか否かを判断するに過ぎないのであると感じました。

 決して原発が安全であるといっているわけではありません。シビアアクシデント対応において、同委員会は放射能の外部への拡散を想定し、緊急避難計画を策定することを自治体に要請しています。

 結論として、同委員会は原発の新基準への適合性を審査するに過ぎないのです。安全性は審査していないのです。決して安全であるわけではありません。

3 電力会社の論理

 再稼動の申請書を同委員会に提出し、規制基準に適合しているかの審査をしてもらう。できるだけ安上がりな対策で規制基準に適合することが至上命令となる(東通原発 活断層認定 その後)。

4 再稼動への政府の論理の飛躍

 「同委員会が安全と判断した原発については、国が責任をもって地元自治体に再稼動を説得する」と言っているが、同委員会は「規制基準」に適合しているか審査するだけで、安全であると言っているわけではありません。安全でもない原発を再稼動しようとしているのです。

5 地元自治体の論理。

 電源三法交付金等の収入が減少し、財政危機に陥った地元自治体は、政府の安全であると言う「お墨付き」による再稼動を切望しています。

 規制基準に適合していると評価されただけです。また、車の両輪である緊急避難計画の策定は不十分で、住民の安全など守れるような代物とは思われません。自治体が同計画の作文を書いたとしても、それは「絵に描いた餅」です。

 貴方の町が福島原発事故の二の舞になることを想像してみてください。答えは、明らかです。本当に「絵に描いた餅」で良いのですか。

 これまでの論理は以下のように集約されます。

 原発の適合性を電力会社が申請 → 同委員会は適合性を審査 → (前後で論理破綻) → 「原発は安全である」と政府は解釈 → 政府は再稼動を地元自治体に要請。

(注1) 無理やりに、物事をおし進めようとすれば、物事の理屈に合った正しいやり方や考え方は、通用しなくなってしまうということ。正しいと思われることが、行われなくなってしまうような世の中では、正しいと思われることは、やがて行われなくなり、道理に反することが正しいことのようになってしまうということ。正しいことを正しいと主張することもできなくなってしまう。

(注2) かつて、東京で使う電気を福島の原発が供給していた。事故の収束、廃炉へのシナリオがすでに破綻し、除染はほとんど進んでいないにもかかわらず、避難している人々の首に線量計をぶら下げて、自己責任の名のもとに、汚染されている村や町に帰還させられる。これは強烈な表現です。

 

2013年9月 4日 (水)

浜岡原発訴訟 傍聴記 アスペリティー・防水扉等の問題点 その6

 8/29、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第十回口頭弁論を傍聴しました。第九回(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記 津波シミュレーションとH断層系 その5)に続き6回目です。

 朝、9時35分までに裁判所に集合し、行列に並びました。定員オーバーした場合には抽選です。一般傍聴席40人程度に対し、希望者は20人程度。全員が入廷できました。

 向かって左に原告、右が被告(中電)です。原告側23人程度、被告側16人程度でした。一般傍聴20人程度(内、中電関係者と思われる背広姿の人が10人程度)。裁判用と思われるダンボール箱を持っていたので、たぶんそうでしょう。

 裁判官3人、報道関係者は6人でした。10時開廷です。原告は準備書面10、11を提出し、その概略を説明し、裁判は、わずか10分程度で閉廷しました。以前に原告が提出した津波の遡上効果や防潮堤で立ち上がる津波高さに対する中電側の見解を求める求釈明に対する回答は、いまだ提出されていません。原告は「中電は回答できないのだろう」と思っています。

 その後の記者会見で配付された準備書面10、11から原告側の主張を見ていきます。

 準備書面10は、2011年3月12日に福島原発に向かったヘリコプターからみた斑目氏の心境、菅元首相の想定した最悪事態並びに住民敗訴の判決を下した3名の元裁判長の悔恨の念(原本 朝日新聞出版 「原発と裁判官 なぜ司法はメルトダウンを許したのか」より)を引用しています。

 準備書面11は、アスペリティー(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記(構造の欠陥と海水流入 取水塔 アスペリティー) その3)や防水扉の問題点を指摘しています。以下、私見を含め詳しく記します。

1 アスペリティー

・ 中電は平成13年ないしは平成14年当時の中央防災会議想定による「興津側上流アスペリティー」直上付近での地震動の加速度応答スペクトルで、0.1秒から0.5秒の周期において、3000~3500ガルとなる部分があり、基準地震動S1、S2を上回ることを認めている(東海地震Mw8を想定)。

・ アスペリティーの位置が事前に特定できないことについて、中電は特段の主張もない。浜岡原発直上にアスペリティーを置くべきであると原告は主張。

・ アスペリティーはその「位置」と「深さ」が重要だ。直下で10kmと主張するが、中電は、そんなことはないと主張。

 2013年5月28日の折込チラシ「浜岡原子力発電所からのお知らせ」では、アスペリティーの位置を直下に設定しているものの「深さ」については何も記述されていません。その折込チラシには「強い揺れが発生する領域(強震動生成域=アスペリティー)を発電所の下に設定し、地震動を評価した結果、最大1000ガル程度となりました」と記述されています。「直下にアスペリティーがあっても1000ガルの揺れで済み、原発は安全だ」と、素人は思ってしまいます。危うく誤魔化されるところでした。

・ Mw8の地震でも、中電の言う「精度向上目標地震動(1000ガル)」を上回る。Mw9.1の「南海トラフ巨大地震」、原子力規制委員会が例示した「南海トラフから南西諸島海溝沿いの領域」までを想定したMw9.6程度の地震動(ものぐさ 浜岡原発の基準津波 63m ?)に耐えうるような耐震設計ではない。

2 防水扉は「絵に描いた餅」

・ 地震発生から数分後には5mを越える津波が襲来する。

・ 中電は扉が閉まらなくなった場合を考慮した対策を講じていない。対策をなしえないために「対策を講じていない」と言わざるを得ないのだろう。マンション等では地震発生時に扉を明けるように言われる。なぜなら、扉が開かなくなり閉じ込められる可能性があるからだ。

・ 中電は、防波壁を越えるTP20mの津波では、原発敷地内の浸水深さを最大2mないし3m程度(TP8mないし9m程度)としている。

・ 何故、対策を講じていないのだろうか。都合の悪いことには触れたくないのか。容易に閉まらないことを自認しているのか。原告はこれに関して鑑定も考慮している。 

・ 防波壁が閉まらなかった場合、何が起きるか。原子炉圧力容器内の約半分は水没し、当然、水没面より下に配置されているサプレッションチェンバー(圧力抑制室)及び配管は壊滅的な損傷を受ける。

・ 3号機の場合、敷地面の高さをグランドレベル0m(GL0m)とすれば、、サプレッションチェンバーの位置はグランドレベル-15m、原子炉建屋底面はグランドレベル-23mとなる。グランドレベル0mは海抜6m(TP6m)に相当。

 次回開催 11/14 

2013年9月13日 (金)

トリチウム 飲んでみろよ

 日本原子力学会は、同原発内に大量にたまり、海への流出が問題となっている放射能汚染水の成分のうち、高性能な浄化装置でも除去が難しいトリチウム(H3 三重水素)を、自然の海に含まれる濃度まで薄めてから海に放出することを提案しました。トリチウムは通常の水を構成する水素の放射性同位元素で、性質が似ているため、除去するのが困難なのです。

 トリチウムの海洋放出に際しては、濃度を連続的に監視するほか、住民や諸外国への事前説明が不可欠とも指摘しています。

 原子力規制委員長も8月、海洋放出を検討課題とする考えを示しています。同委員長は講演で 汚染水の海洋への影響について、「おおむね港の中で、(港湾の)外に出ると(放射性物質は)検出限界以下だ」と指摘し、その上で同委員長は、「必要があれば、(放射性濃度が)基準値以下のものは海に出すことも検討しなければならないかもしれない」と述べています。

 しかし、港湾内の海水は1日で50%が入れ替わっており、専門家は「海水で希釈され検出限界以内になっているだけで、トリチウムは海洋に拡散していると考えなくてはならない」と見ています。

 東電は2011年5月から今年7月までに20兆から40兆ベクレル(注1)のトリチウムが海に出たと試算しています。この数値について、同委員長は「とてつもなく大きな値に見えるが、トリチウム水としてどれくらいか計算すると最大で35グラムくらいだ」と述べ、十分に低い水準であるとの認識を示しています。

 放出濃度も大事だが、放出量はどこまで増えるのでしょうか。また、分子レベルでDNAを傷つけるトリチウムに関して、35gという数値を引き合いに出すことに違和感を覚えます。35gのトリチウム水を飲んだらどうなるのでしょう。100ベクレル/kgの水に換算したら、20兆ベクレルの水は、2000億kgにもなります。

 某新聞は、「トリチウムが出すベータ線のエネルギーは非常に弱く、皮膚を通過できないので、体の内部まで入っていかない。体内に取り込んでも、組織に蓄積せず、尿と一緒に排出される。10日もすれば、最初に取り込んだ量の半分になる。放出基準濃度1立法センチ当たり60ベクレルより高い場合は、希釈して濃度を下げれば良い」と述べています。

 東電は、トリチウムの特性を以下のように説明しています。「福島原子力発電所でのトリチウムについて・・・平成25年2月28日」より。

① 化学上の形態は、主に水として存在し、私たちの飲む水道水にも含まれている。

② 半減期は12.3年、食品用ラップでも防げる極めて弱いエネルギーのベータ線しか出さない。

③ 水として存在するので人体にも魚介類にも殆ど留まらず排出される。

④ 濃度限度のトリチウムを毎日2リットル摂取した場合の被ばく線量は年間0.76ミリシーベルトで 1ミリシーベルト以下。

 トリチウムを含む水道水と20兆ベクレルものトリチウムを比較し、さも安全であると錯覚させることに違和感を感じます。

 水としての存在のみ強調しているが、他の有機物と結合する可能性もあります。細胞等への結合に言及していないのはなぜでしょうか。

 食品用ラップも通さないと強調しているが、消化管の内側に食品用ラップが張ってあるわけではありません。

 毎日2リットル摂取した場合でも、年間被曝量は0.76ミリシーベルトで1ミリシーベルト以下であると主張しているが、この1ミリシーベルトと言う数値は色々なところで引き合いに出されています。まず、日本人の年間被曝量は5ミリシーベルト(ものぐさ 日本人の年間被曝 5ミリシーベルト)と言われています。138ベクレル/kgの食品を毎日摂取した場合、年間被曝量は1ミリシーベルト(ものぐさ 報道されない内部被曝)であるとも言われました。呼吸することによる内部被曝もあります。汚染土壌からの外部被曝もあります。胃のX線集団検診は0.6ミリシーベルトです。天然の放射性物質であるポロニウム210(注2)などが含まれる魚貝類を摂取することで、年間1ミリシーベルトの内部被曝を受けるとも言われています。トリチウムからの被曝量にだけ焦点を当てて、0.76ミリシーベルトだから安全だというのも可笑しな話です。被曝量の合計値で、安全か否かを判断すべきです。

 「高度情報科学技術研究機構」はトリチウムについて以下のように記述しています。ピンク部が上記と随分違います。

 飲料水や食物から摂取されたトリチウム水は胃腸管からほぼ完全に吸収される。トリチウム水蒸気を含む空気を呼吸することによって肺に取り込まれ、そのほとんどは血液中に入る。血中のトリチウムは細胞に移行し、24時間以内に体液中にほぼ均等に分布する。また、トリチウムは皮膚からも吸収される。最近問題になっているのは有機成分として取り込まれた場合の有機結合型のトリチウムで、一般に排泄が遅く、体内に長く留まる傾向がある。トリチウムは水素と同じ化学的性質を持つため生物体内での主要な化合物である蛋白質、糖、脂肪などの有機物にも結合する。経口摂取したトリチウム水の生物学的半減期が約10日であるのに対し、有機結合型トリチウムのそれは約30日~45日滞留するとされている。トリチウム水を一時に多量摂取することは現実的にはあり得ないが、低濃度のトリチウム水による長期間被ばくの場合を考えねばならない。

 安倍首相は「放射能汚染水は完全にブロックされている」と述べています。素人が考えても「噓」だと感じます。同委員会は「非科学だとは思わないし、政治家の発言としては問題ない」と微妙な発言をしています。一方、東電は、「1日も早く安定させたい」と述べ、首相発言を事実上否定しています。たぶん東電のほうが正しいのでしょう。

 このように、現状を甘く捉え、後から「噓」だとばれる発言を、今まで何度も聞かされてきました。「冷温停止状態」しかり、「直ちに影響はない」しかり。数え上げたらキリがありません。

 現時点で海洋放出しか考えられないので、危険であると判っていても、理屈をつけて海洋放出するのでしょう。

 トリチウムが安全であると主張している人は、テレビの前で自分の妻子に飲ませてみることを提言します。自分たちは、いつも安全な場所にいて、安全、安全と主張しているのです。

(注1) 20兆ベクレルとは「1秒間にトリチウムが20兆個崩壊すること。

(注2) 半減期は138.376日。半減期が短い分、極めて強い放射線を持ち、崩壊時にアルファ線を放出する。

2013年9月18日 (水)

台風18号による土砂崩れ もんじゅ孤立

 9/16、福井県敦賀市の高速増殖原型炉もんじゅに通じる道路で台風18号の影響により、同日午前2時56分、原子炉などの情報をもんじゅから原子力安全基盤機構に送るシステムにトラブルが生じ、データ伝送ができなくなった。土砂崩れ(注1)が発生し、補修担当者が現地に行けない状態が続き、もんじゅは孤立していると言う。

 また、もんじゅ敷地内の正門付近の道路でも午前3時ごろ、土砂崩れがあり、通行できなくなっていると言う。

 以前、福井県の緊急避難計画について「住民の避難は本当に可能なのか、絵に描いた餅ではないのか」と指摘しました(ものぐさ 福井県の緊急避難計画)。

 新規制基準は現地作業員による原発震災への対応を要求しています。しかし、想定外の事故に進展すれば、炉心溶融させないためにも、自衛隊や機材の投入等の支援が必須となります。福島原発事故では、外部から持ち込んだ放水車やバッテリー等により、原発の爆発が回避されました。道路が損壊すれば、何の支援も受けられず、最悪の事態になる可能性があります。この程度の台風(注2)で土砂崩れし道路寸断とは、開いた口が塞がりません。

 原子力規制委員会の新規制基準に、迂回道路の規定はあるのでしょうか。以下見てみましょう。

・ 新規制基準(シビアアクシデント対応)

① サイト内で予め用意された手段(代替設備、予備品、燃料等)により、事象発生後7日間は事故収束対応を維持できること。関係機関と協議・合意の上、外部からの支援計画を定めること。サイト外で予め用意された手段(代替設備、予備品、燃料等)により、事象発生後6日間までに支援を受けられること。

② 発電所外部からの支援体制を構築すること。

・ 新規制基準(地震・津波)

① 重要な安全機能を有する設備が内包された建屋及び重要な安全機能を有する屋外設備等に影響を与えるおそれのある斜面、シビアアクシデント対策設備、緊急時アクセス道路等についても評価対象とすること。

 上記に見るように、事故後6日間は原発敷地内に準備された機器で対応することを前提に、基準は作られています。6日以内に想定外の事象に進展することも考えられます。3/11の福島原発事故では、同日19時30分に燃料棒が「全露出」しています。わずか、5時間程度で炉心溶融が始まりました(ものぐさ 津波到着前に原発は壊れていた)。

 「緊急時アクセス道路等」についても評価対象とする、と記述されているだけです。

 全くお粗末で、不安を感じます。原発関係者の好きな言葉「5重の安全バリア」を担保するためには、5本程度の迂回道路を作っておく必要があります。実現不可能という理由で、この程度の記述にとどまっているのでしょう。新規制基準が如何に不十分であるか、台風による土砂崩れで露呈しました。この教訓から、原子力規制委員会は何を学ぶのでしょう。

 更に、この程度の台風でデータ伝送システムが不具合になるとは、なんと脆弱なシステムなのでしょう。

 関連記事 (ものぐさ 原発 新安全基準骨子にパブリックコメントを(シビアアクシデント)) 

        (ものぐさ 原発 新安全基準にパブリックコメントを(地震・津波)

(注1) 16日午前7時ごろ、もんじゅから約2.5km離れた県道(同県美浜町)で土砂崩れが発生。県道はもんじゅに通じる唯一の道路。

(注2) 9/16、午前4時33分気象庁発表。

 潮岬の南約80kmの海上にあリ、1時間におよそ30kmの速さで北北東へ進んでいる。中心の気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30m、最大瞬間風速は45mで中心から半径90km以内では風速25m以上の暴風域。9/15~9/16の敦賀における降水量は196mm。

 

 

2013年9月26日 (木)

静岡県の緊急避難計画 その1

 原発の再稼動の条件の1つである「緊急避難計画」の策定が進んでいます。原子力規制委員長は2/13の記者会見において、同計画が「再稼動の条件の1つ」となるとの見解を述べていました(ものぐさ 安心できない緊急避難計画なら再稼動するな)。

 しかし、その計画の実効性に疑問を呈する自治体は少なくありません。

 浜岡原発が立地する静岡県の緊急避難計画の進捗状況はどの程度でしょう。

1 静岡県の緊急避難計画

 静岡県の防災計画は、

静岡県HP→キーワードの入力「地域防災計画」→「静岡県/静岡県地域防災計画」→「県地域防災計画(平成25年6月修正)

で見ることができます。

 その項目は、「地震対策の巻」、「津波対策の巻」、「原子力災害対策の巻」等で構成されています。

 「原子力災害対策の巻」を具体的にしたものとして、県はUPZ圏内の住民の「広域避難計画」なるものを策定中で、その骨子等については公開されていません。「原子力災害対策の巻 第三章 緊急事態応急対策」から避難計画の概略を拾い上げてみます。

① 通報、連絡、連携、調整、緊急時モニタリング、自衛隊の派遣要請等の手続き規定の記述あり。

② 放射性物質の大量放出が防止され、避難区域の拡大が防止され、避難区域の住民避難が概ね終了したことを一つの目途として、災者生活支援チームを設置する。

③ 防災業務関係者へ防護服、線量計等を配付(県、市町関係者を含む)する。

④ 警戒事象(注1)発生時には、PAZ内の傷病者、入院患者、高齢者、障害のある人、外国人、乳幼児、妊産婦等の災害時要援護者等に係る避難の準備を行なう。

⑤ 特定事象(注2)発生時には、PAZ内における避難の準備を行うとともに、PAZ内の傷病者、入院患者、高齢者、障害のある人、外国人、乳幼児、妊産婦等の災害時要援護者等に係る避難を行う。また、UPZ内における屋内退避の準備を行う。

⑥ 緊急事態(注3)宣言が発令された場合、PAZを含む市に対し、住民等に対する避難のための立ち退き指示の連絡、確認等必要な緊急事態応急対策を実施する。UPZ内における屋内退避を行う。

⑦ 空間線量がOIL1(500マイクロシーベルト/h)の値を超えるおそれがある場合は、UPZを含む市町に対し、住民等に対する屋内退避又は避難のための立ち退きの勧告又は指示の連絡、確認等必要な緊急事態応急対策を実施する。

⑧ 負傷者、避難者の緊急輸送に関して、バス、自衛隊の要請を行なう。

 以上、第三章25ページ中、住民避難の項目については、3ページ強(④~⑧)記述されているのみです。しかも、その内容は、上記に見るように、貧弱なものです。バス、自衛隊の手配車両数、緊急避難のための経路、一次避難場所等の記述は全くありません。もちろん、原発周辺の主要道路150号線が通行止めとなった場合などその実効性は極めて貧弱です。

 詳細は、市町に丸投げなのでしょうか。官僚的作文で、絵に描いた餅にもなっていません。福井県の緊急避難計画のほうが、まだ具体的です(ものぐさ 福井県の緊急避難計画)。

 実効性については、現在策定中の「広域避難計画」を待って評価することになります。

2 「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」の見解。ピンクは県の回答。

① 原発事故と地震・津波災害が切り離された原発防災計画である。

・ 地震・津波で家屋が流出、倒壊した場合、屋内退避はできない。

 御前崎、牧之原市民は被曝前に圏外に全員避難させるので避難施設は不要。

・ 5万人もの避難は可能なのか。

 自家用車で避難してもらう。

・ 地震と津波で道路が消失・崩壊していたり、自家用車のない災害弱者はどうするのか。

 市町とこれから検討する。

・ UPZ圏内(人口86万人)の避難については全く考えていない。

・ 防災計画には住民参加が必要。

 自主防災組織、老人クラブ、女性団体用の代表が委員に参加している。

・ 住民参加の代表は、県や市の各種会議のどこにでも顔を出している行政参加名士と言われる人種で、住民とは縁もゆかりもない。

3 県の防災担当者への要望 

① 複合災害に焦点をあてた避難計画を今年度末までに策定すること。

② パブリックコメントを募集すること。

③ 最悪の事態に対応する広域避難計画を作ること。

④ 広域避難計画について、住民が実現不可能だと判断すれば、再稼動問題に大きく影響することを考慮し、明文化すること。

⑤ 規制基準と緊急避難計画は車の両輪であることを明記すること。

⑥ 計画の不備な点についても明記すること。

⑦ UPZ圏の「広域避難計画」は、PAZ圏の避難計画も含むこと。両者で避難計画の整合性を取る必要がある。

 以上、見てきました。住民個人個人が「果たしてわが身を守れるのか」と考え、身近な市町の防災担当者に「どうなっているのか」と聞いたり、パブリッククコメントに応募することが重要です。防災担当者の発言を、懐疑的な目で見ていくことも肝要です。

 (追記) 柏崎刈羽原発のある新潟県の泉田知事は、東電の再稼動問題に関して、住民避難の実効性に疑問を呈しています。主な主張は以下の通りです(9/25)。

・ フィルター付きベント装置を使用した場合、原発の敷地境界で住民に数百ミリシーベルトの被爆が生じる(東電試算)。

・ 原発事故から炉心溶融するまでの時間は2時間程度だが、敷地境界にじっとしていた場合で例外的だ(東電)。

・ 中越沖地震の際は渋滞で車が前に進まなかった。じっとしているのは例外的ではない(知事)。

・ 住民が身動きできなくなった場合、誰がどうベントの判断を下すのか。高濃度の放射線で被曝のリスクがある場合でも作業員に現場に行けということになるのか(知事)。

・ 規制基準をクリアしても住民の安全は確保できない(知事)。

(注1) 震度6以上の地震の発生や大津波警報の発令。

(注2) 冷却材の漏洩、全交流電源・冷却機能の喪失、制御室の使用不能。

(注3) 全冷却機能の喪失、燃料集合体の露出。敷地境界の空間放射線量率5マイクロシーベルト/hが10分以上継続(射能漏れ)。

 

2013年9月29日 (日)

9月の庭

00010 9月の庭の全景写真です。全体的に夏バテぎみです。

00143 手前の石垣にあるのは千日紅です。             

                            

                               

                            

                                

                         

                                                     

                                                           

00021 いらっしゃい。前に進んでください。                                                         

00006柿が色付き始めました。紅葉した柿の葉です。                       

                                

                             

                            

                            

                               

                                                                                                                         

00139 ポーチュラカです。別名ハナスベリユ。マツバボタンの仲間ですが葉の形状が異なります。

00064ゼフィランサスです。可憐な花で、しかも繁殖力が旺盛ですが、あたり一面に広がりません。日照不足です。

                                   

                                  

                                 

                               

00046

これもゼフィランサスです。前進して左に曲がってください。

00029 ベンチを通り過ぎ、右に曲がります。正面に見えるのはハナミズキです。             

                               

                                    

   

                                 

                                                    

                                                   

                                                

                                                                   

00073紅葉したハナミズキの枯葉です。よく見ると黄緑、赤、黄色と色が混合し、綺麗ですよ。

00042 手前から、ナツスミレ、マリーゴールド、センニチコウ、ナツスミレの順です。                             

                                   

                                                                                                                                                                                              

                                  

                                

                                 

                                               

                                                       

                                                    

                                             

00025階段が見えます。

00059 正面の階段にはヤマボウシの実が落ちています。             

               

                

               

                                                 

                                                

                                                  

                                               

                                                     

                                                                                           

00052左を見てください。                                                       

00047アオギリの実をつけています。

00055_2足元はナツスミレです。一年草ですが、種が落ち一面に 広がります。種が飛び散り、歩道にまで生い茂ります。時々抜いて道を確保します。 

                                                                                                                                                   

                                                      

                                                      

                                                                   

00056 階段を上りきったら、右を見てください。

00037ゼフィランサスです。

00062更に上ってください。                          

                                 

                                     

                                  

                                   

                                  

                                       

                               

                                                             

                                                                            

00082 更に上がってください。

00071左下は ボケの実です。                  

                             

                            

                            

                           

                                 

                                                

                                                  

                                                                   

                                                   

00131 右に曲がると、ハツユキカズラです。

00092 前方はサルスベリです。まだ咲いています。

00128 大王松です。                            

                                       

                                     

                              

                               

                                

                              

                                                 

                                               

                                                     

                                     

00089 展望台です。                      

00034クチナシの花です。花びらは八重です。実を見たことはありません。大きな実をつけるクチナシは染料や着色料に使われます。                 

                       

                          

                                      

00090 左に折れてください。

00007 萩の葉です。10月には花をつけます。                           

                             

                           

                           

                              

                                                  

                         

                                                         

00102 日陰の庭に向かいます。

00012オオベンケイソウです。宿根多肉植物です。放っておいてもこの時期に開花します。花ことばは「穏やか」です。                      

                          

                           

                          

                                                

00106 更に進みます。

00003ムラサキシキブの実です。花は6月ころですが、紫式部のように綺麗ではなく、地味です。緑と紫のコントラストが綺麗です。                           

                                

                                    

 

                                 

                                

                                             

                                             

                                      

00117 シューカイドーです。楚々として咲く風情が好まれます。日陰の植物です。                                             

00057ジュランタです。花言葉は「空の花」、「金色の露」、金色は実の色です。日陰にひっそり咲く可憐な花です。                                    

                                                   

                                                    

                                                 

                                            

                                                  

                                                      

                                                  

別の場所にご案内します。                                        

00020 フヨウです。雨に濡れ風情があります。

00142 コスモスです。                      

                            

                            

                           

                       

                                

                                                   

                                             

                                               

00147 メランポジウムです。暑さに強い花です。                   

                                  

                                  

                               

                                 

     

                                      

                                                                         

                                                              

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