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2013年9月18日 (水)

台風18号による土砂崩れ もんじゅ孤立

 9/16、福井県敦賀市の高速増殖原型炉もんじゅに通じる道路で台風18号の影響により、同日午前2時56分、原子炉などの情報をもんじゅから原子力安全基盤機構に送るシステムにトラブルが生じ、データ伝送ができなくなった。土砂崩れ(注1)が発生し、補修担当者が現地に行けない状態が続き、もんじゅは孤立していると言う。

 また、もんじゅ敷地内の正門付近の道路でも午前3時ごろ、土砂崩れがあり、通行できなくなっていると言う。

 以前、福井県の緊急避難計画について「住民の避難は本当に可能なのか、絵に描いた餅ではないのか」と指摘しました(ものぐさ 福井県の緊急避難計画)。

 新規制基準は現地作業員による原発震災への対応を要求しています。しかし、想定外の事故に進展すれば、炉心溶融させないためにも、自衛隊や機材の投入等の支援が必須となります。福島原発事故では、外部から持ち込んだ放水車やバッテリー等により、原発の爆発が回避されました。道路が損壊すれば、何の支援も受けられず、最悪の事態になる可能性があります。この程度の台風(注2)で土砂崩れし道路寸断とは、開いた口が塞がりません。

 原子力規制委員会の新規制基準に、迂回道路の規定はあるのでしょうか。以下見てみましょう。

・ 新規制基準(シビアアクシデント対応)

① サイト内で予め用意された手段(代替設備、予備品、燃料等)により、事象発生後7日間は事故収束対応を維持できること。関係機関と協議・合意の上、外部からの支援計画を定めること。サイト外で予め用意された手段(代替設備、予備品、燃料等)により、事象発生後6日間までに支援を受けられること。

② 発電所外部からの支援体制を構築すること。

・ 新規制基準(地震・津波)

① 重要な安全機能を有する設備が内包された建屋及び重要な安全機能を有する屋外設備等に影響を与えるおそれのある斜面、シビアアクシデント対策設備、緊急時アクセス道路等についても評価対象とすること。

 上記に見るように、事故後6日間は原発敷地内に準備された機器で対応することを前提に、基準は作られています。6日以内に想定外の事象に進展することも考えられます。3/11の福島原発事故では、同日19時30分に燃料棒が「全露出」しています。わずか、5時間程度で炉心溶融が始まりました(ものぐさ 津波到着前に原発は壊れていた)。

 「緊急時アクセス道路等」についても評価対象とする、と記述されているだけです。

 全くお粗末で、不安を感じます。原発関係者の好きな言葉「5重の安全バリア」を担保するためには、5本程度の迂回道路を作っておく必要があります。実現不可能という理由で、この程度の記述にとどまっているのでしょう。新規制基準が如何に不十分であるか、台風による土砂崩れで露呈しました。この教訓から、原子力規制委員会は何を学ぶのでしょう。

 更に、この程度の台風でデータ伝送システムが不具合になるとは、なんと脆弱なシステムなのでしょう。

 関連記事 (ものぐさ 原発 新安全基準骨子にパブリックコメントを(シビアアクシデント)) 

        (ものぐさ 原発 新安全基準にパブリックコメントを(地震・津波)

(注1) 16日午前7時ごろ、もんじゅから約2.5km離れた県道(同県美浜町)で土砂崩れが発生。県道はもんじゅに通じる唯一の道路。

(注2) 9/16、午前4時33分気象庁発表。

 潮岬の南約80kmの海上にあリ、1時間におよそ30kmの速さで北北東へ進んでいる。中心の気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30m、最大瞬間風速は45mで中心から半径90km以内では風速25m以上の暴風域。9/15~9/16の敦賀における降水量は196mm。

 

 

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