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2013年9月 4日 (水)

浜岡原発訴訟 傍聴記 アスペリティー・防水扉等の問題点 その6

 8/29、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第十回口頭弁論を傍聴しました。第九回(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記 津波シミュレーションとH断層系 その5)に続き6回目です。

 朝、9時35分までに裁判所に集合し、行列に並びました。定員オーバーした場合には抽選です。一般傍聴席40人程度に対し、希望者は20人程度。全員が入廷できました。

 向かって左に原告、右が被告(中電)です。原告側23人程度、被告側16人程度でした。一般傍聴20人程度(内、中電関係者と思われる背広姿の人が10人程度)。裁判用と思われるダンボール箱を持っていたので、たぶんそうでしょう。

 裁判官3人、報道関係者は6人でした。10時開廷です。原告は準備書面10、11を提出し、その概略を説明し、裁判は、わずか10分程度で閉廷しました。以前に原告が提出した津波の遡上効果や防潮堤で立ち上がる津波高さに対する中電側の見解を求める求釈明に対する回答は、いまだ提出されていません。原告は「中電は回答できないのだろう」と思っています。

 その後の記者会見で配付された準備書面10、11から原告側の主張を見ていきます。

 準備書面10は、2011年3月12日に福島原発に向かったヘリコプターからみた斑目氏の心境、菅元首相の想定した最悪事態並びに住民敗訴の判決を下した3名の元裁判長の悔恨の念(原本 朝日新聞出版 「原発と裁判官 なぜ司法はメルトダウンを許したのか」より)を引用しています。

 準備書面11は、アスペリティー(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記(構造の欠陥と海水流入 取水塔 アスペリティー) その3)や防水扉の問題点を指摘しています。以下、私見を含め詳しく記します。

1 アスペリティー

・ 中電は平成13年ないしは平成14年当時の中央防災会議想定による「興津側上流アスペリティー」直上付近での地震動の加速度応答スペクトルで、0.1秒から0.5秒の周期において、3000~3500ガルとなる部分があり、基準地震動S1、S2を上回ることを認めている(東海地震Mw8を想定)。

・ アスペリティーの位置が事前に特定できないことについて、中電は特段の主張もない。浜岡原発直上にアスペリティーを置くべきであると原告は主張。

・ アスペリティーはその「位置」と「深さ」が重要だ。直下で10kmと主張するが、中電は、そんなことはないと主張。

 2013年5月28日の折込チラシ「浜岡原子力発電所からのお知らせ」では、アスペリティーの位置を直下に設定しているものの「深さ」については何も記述されていません。その折込チラシには「強い揺れが発生する領域(強震動生成域=アスペリティー)を発電所の下に設定し、地震動を評価した結果、最大1000ガル程度となりました」と記述されています。「直下にアスペリティーがあっても1000ガルの揺れで済み、原発は安全だ」と、素人は思ってしまいます。危うく誤魔化されるところでした。

・ Mw8の地震でも、中電の言う「精度向上目標地震動(1000ガル)」を上回る。Mw9.1の「南海トラフ巨大地震」、原子力規制委員会が例示した「南海トラフから南西諸島海溝沿いの領域」までを想定したMw9.6程度の地震動(ものぐさ 浜岡原発の基準津波 63m ?)に耐えうるような耐震設計ではない。

2 防水扉は「絵に描いた餅」

・ 地震発生から数分後には5mを越える津波が襲来する。

・ 中電は扉が閉まらなくなった場合を考慮した対策を講じていない。対策をなしえないために「対策を講じていない」と言わざるを得ないのだろう。マンション等では地震発生時に扉を明けるように言われる。なぜなら、扉が開かなくなり閉じ込められる可能性があるからだ。

・ 中電は、防波壁を越えるTP20mの津波では、原発敷地内の浸水深さを最大2mないし3m程度(TP8mないし9m程度)としている。

・ 何故、対策を講じていないのだろうか。都合の悪いことには触れたくないのか。容易に閉まらないことを自認しているのか。原告はこれに関して鑑定も考慮している。 

・ 防波壁が閉まらなかった場合、何が起きるか。原子炉圧力容器内の約半分は水没し、当然、水没面より下に配置されているサプレッションチェンバー(圧力抑制室)及び配管は壊滅的な損傷を受ける。

・ 3号機の場合、敷地面の高さをグランドレベル0m(GL0m)とすれば、、サプレッションチェンバーの位置はグランドレベル-15m、原子炉建屋底面はグランドレベル-23mとなる。グランドレベル0mは海抜6m(TP6m)に相当。

 次回開催 11/14 

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