« 東電社長 福島原発事故費用は国民負担で  | トップページ | 福島原発 風評被害の賠償打ち切り ? »

2013年10月 9日 (水)

汚染水漏れ これでも「完全ブロック」か

 安倍首相は、「汚染水は完全にブロックされれている」と発言しました。

 ところが、貯蔵タンク(容量450t)から汚染水0.43tが漏れた問題で、10/3、東電はタンクの設置場所に傾斜があることを把握しながらタンクを設置したことを明らかにしました。タンクは「B南」エリアにあり、直径9m、高さ8mのタンク5個を配管で連結したもので、山側から海側に向かって、その距離は55m、最上位のタンクと最下位のタンクの高低差は30cm程度あります。このような構造では、最上位のタンクにある水位計はいつまでたっても満杯にはならず、最下位のタンクから汚染水が「だだ漏れ」と言う全くお粗末な話です。

 これを受けて、同日官房長官は「全体としてコントロールされている」と改めて述べています。黒を白という詭弁にはウンザリします。現実を直視しないで、危機感を持った適切な対処が可能でしょうか。

 これでも、完全にブロックされているといえるのでしょうか。「港湾内で完全にブロックされている」と言った安倍首相のオリンピック総会前後における汚染水漏れ事故をリストアップしてみます。

・ 地上タンク(海から西へ約500m離れたH4エリア)から汚染水300tが漏れていたと東電が発表。排水溝脇の空間線量は96ミリシーベルト/h。・・・8/19   

・ 保管の汚染水総量は43万t。・・・8/20   

・ 東電協力会社は、「タンクは工期が短く、金もなるべくかけずに作った。そもそも長期間耐えられる構造ではない」と証言。猛暑によりパッキンの劣化が早まる可能性を指摘。・・・8/24  

・ 汚染水は1日400t増え、地上タンクに保管された汚染水は33万8000t。・・・8/27   

・ 汚染水問題で、原子力規制委員会は国際評価尺度(INES)での評価をレベル3(重大な異常事象)と決定。・・・8/28 

・ 汚染水タンク(H3エリア)で1800ミリシーベルト/h、H4エリアで70ミリシーベルト/h、H5エリアで230ミリシーベルト/hを検出。タンクの海側にある地下水のバイパス用井戸から900ベクレル/kgのトリチウムを検出。・・・8/31   

・ 地上タンク「H3」エリアで2200ミリシーベルト/hを検出。・・・9/3 

・ 漏れた300tの汚染水が土壌に浸透し、地下水に到達と東電が発表。・・・9/5

・ 300tの汚染水漏れしたタンクの南側から15m以上離れた観測用井戸でストロンチウムなど650ベクレル/kgを検出。地表から6~7m下に地下水が流れている。・・・9/5   

・ 安倍首相がオリンピック総会で「港湾内で完全にブロックされている」と発言。・・・9/8

・ 300tの汚染水漏れしたタンクの北側20m離れた観測用井戸から3200ベクレル/kgを検出。・・・9/9    

・ 汚染水問題で、東電は「一日も早く安定させたい」と述べ、首相発言を事実上否定した。経産省幹部は、「技術的に完全ブロックとは言えないのは確かだ」と述べている。・・・9/9     

・ 世論調査では、国民の66%が「汚染水は完全ブロックされているとは思わない」と回答。・・・9/15   

・ 高濃度汚染水が漏れたタンクの北側20mの観測用井戸で17万ベクレル/kgのトリチウムを検出。8日のトリチウムは4200ベクレル、11日は9万7000ベクレル、13日は15万ベクレル。濃度の上昇傾向が続き、東電はタンクから漏れた汚染水が拡散していると見ている。汚染水漏れがあったタンクは「H4」タンク群内にある。・・・9/15  

・ 放射性物質が海へ拡散しないよう設置している「シルトフェンス」の破損を作業員が発見した。・・9/26

・ 新品のシルトフェンスに交換。台風20号による高波が原因。・・・9/27

・ 閉会中審査の衆議院経済産業委員会で、東電社長は、「手が回っていないところがある。モグラたたきの状況が続いている」述べた。・・・9/27

・ 政府の「汚染水対策委員会」は、汚染水漏れの潜在リスクをまとめた。①原子炉建屋からの漏れ、②汚染水の移送配管からの漏れ、③放射性セシウム除去装置からの漏れ、④セシウム除去後に生じる放射性廃棄物の存在、⑤地震や竜巻などによる汚染水保管設備の破損。・・・9/27  

・ 堰にたまった汚染水を移送し、移送先のタンクから汚染水が漏れた。汚染水量は5t。・・・10/1   

・ H8エリアの貯蔵タンク周囲の堰(高さ30cm)から汚染水23tが溢れた。ストロンチウム濃度は15ベクレル/kg。・・・10/2   

・ 「B南エリア」のタンクから0.43tの汚染水漏れ。タンク内の汚染水濃度は58万ベクレル/kg。海につながる近くの排水溝内の水から1万5000ベクレル/kgが検出。・・・10/3    

・ 東電は、1号機タービン建屋に流入する地下水をはじめて映像で確認した。・・・10/4  

・ 汚染水が港湾外の海底から噴出している可能性あり。・・・自民党「福島原発事故究明に関する小委員会」・・・10/5

・ 高濃度汚染水が漏れたタンクの北側20mの観測用井戸で23万ベクレル/kgのトリチウムを検出。9/8以降最高値。・・・10/6

・ 港湾外(港湾口東側・・・原発の沖合い約1km))の海水で、放射性セシウムを1.4ベクレル/kg検出。・・・10/8

・ 高濃度汚染水約300トンが漏れた地上タンク付近にある地下水観測用井戸(地下約7メートル)から、放射性ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり40万ベクレル検出。・・・10/18

・ 高濃度汚染水約300トンが漏れた地上タンク付近にある地下水観測用井戸(地下約7メートル)から、トリチウムが1リットル当たり79万ベクレル検出。・・・10/18

 上記の事実をどう感じますか。「完全にブロック」されていますか。某有識者は「今も一定量の放射性物質が外海に流出し続けていることは科学的に疑いがない事実で、研究者の間でも認識は一致していると言う。最も警戒しなければいけないのは、高濃度の汚染水をため込んだタンクです。地下水が漏れ出すことによる汚染は一日数十億ベクレルですが、タンク一つ分の汚染水が漏れれば、一気に数十兆ベクレルが放出される。」、と言われています。

 汚染水貯蔵タンクの海側に原発があり、同タンクとの中間にバイパス用井戸を堀り、地下水を海に流すと言う。現在、タンクからは汚染水が漏れ、9/27の記事に見るように、汚染水漏れの潜在リスクもあります。タンクと原発の中間にある井戸から地下水をバイパスして海に流すなど、漁業者は反対するはずです。

« 東電社長 福島原発事故費用は国民負担で  | トップページ | 福島原発 風評被害の賠償打ち切り ? »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 東電社長 福島原発事故費用は国民負担で  | トップページ | 福島原発 風評被害の賠償打ち切り ? »