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2013年10月 1日 (火)

東電 シルトフェンス破損でも問題はない

 放射性物質が海へ拡散しないよう設置している「シルトフェンス」の破損を、9/26、作業員が発見しました。

 これに対して、東電は、「モニタリングの数値に異常はなく、破損は影響ない」としています。

 破損した部分の大きさはどの程度なのでしょう。そもそも、水中カーテンとも言われるシルトフェンスで汚染水は浄化できていたのでしょうか。

1. シルトフェンスの構造について調べて見ます。

・ 材質は厚さ0.5~0.8mmのポリエステルなどの合成繊維。

・ 「シルト」は地質学で砂より細かく粘土より粗い粒子を意味する。砂の粒径は2000~62.5μm(2~0.0625mm)、粘土の粒径は3.9μm(0.0039mm)未満の粒子。

・ 汚染水の拡散防止を目的に作られておらず効果は未定(メーカ)。

・ フェンスの規模は、横180m、縦10mで、水深5~7mの海域に設置。但し、吊り下げタイプで海底には固定されていない。

2 次に、汚染水に含まれている放射性物質の原子半径(注1)を調べてみます。下記については全く自信がありません。少なくとも極めて小さいことは確かです。

 ここで、pmは長さの単位で、「1pm=10のマイナス12乗m」です。ちなみに、100pmは1オングストロームです。

・ セシウム

 原子半径265pm(0.000265μm=0.000000265mm) 

・ ストロンチウム 

 原子半径215pm(0.000215μm=0.000000215mm)               

・ 水素(三重水素であるトリチウムと同じか)

 原子半径53pm(0.000053μm=0.000000053mm) 

・ 水(トリチウム水と同じか)の直径

 2個の水素と1個の酸素からなる水の各元素間のファンデルワールス半径(注2)は以下の通りです。

 酸素ー水素間 0.967オングストローム

 酸素のファンデルワールス半径 1.4オングストローム

 水素のファンデルワールス半径 1.2オングストローム

 水分子の直径 3.567オングストローム(0.967+1.2+1.4)=356.7pm=0.0000003567mm

 以上、見てきましたが、100万分の1ミリより小さい放射性物質を2ミリ~1000分の1ミリ程度の穴の開いたシルトフェンスで遮断できるはずはありません。直径1cmのビー玉が直径10kmの穴を通過するようなものです。最初から破損しているのと同じです。破損前後で「モニタリングの数値に異常はなく、破損は影響ない」は当然のことです。

 目に見えなく、色も臭いもない放射能であるがゆえに、こんな馬鹿げたパフォーマンスで、世論の批判を回避できると考えているのでしょうか。全てこんな調子だから東電も政府も信じられないのです。

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(注1) 原子は、最外殻の電子軌道を半径とする球で表すことができます。しかしながら同じ原子でも、酸素と結合したり、結合の仕方の違いによって、その半径が異なってきます。原子半径とは、独立し、荷電していない状態の原子、すなわち電子の結合状態に影響されないときの原子の大きさを表します。一般的に元素の周期表を下にゆくほど、外側の電子殻に電子が存在するので、大きくなります。また、周期表を左から右にゆくに従って、小さくなります。電子の数が増しても、原子核からの距離はあまり変りませんが、原子核の正電荷が増すと電子を引き寄せるため、半径が小さくなります。

(注2) 隣接する分子や原子の間の、非結合の原子間距離を表します。

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