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2013年11月

2013年11月 6日 (水)

特定秘密保護法案 原発報道で逮捕か

 10/28、憲法学者らが特定秘密保護法案に反対する声明を発表しました。山内一橋大学名誉教授(憲法・メディア法呼びかけ人)は「法案は憲法の三つの基本原理である基本的人権、国民主権、平和主義と真っ向から衝突し侵害する」と指摘し、村井橋大学名誉教授(刑事法呼びかけ人)は「軍事機密を守る目的で制定された戦前の軍機保護法と同じ性格。戦前の影響を考えれば、刑事法学者は絶対反対しなければならない」と世論に訴えています。

 原発と関連した報道記事を以下に記します。

・ 首相補佐官(自民党参院議員)は「原発(情報)が秘密になることは絶対にない」とBSフジで発言。・・・9/18

・ 同補佐官は「法律を読む素養が少しでもある人ならば、原発の情報がこれに該当しないのは、瞬時にご理解いただけるはず」と弁明。・・・10/1

・ 原発は、事故が起これば「国の安全保障」を揺るがす事態をもたらし、テロ組織に狙われる可能性も否定できない。それを口実に、原発に関する情報が「特定秘密」に指定されないとも限らない。・・・10/6

・ 某教授(憲法)は「原発や放射能などの情報は、国にとって重要度が高い。幅広く指定できる構造の法案が変わらない限り『対象にならない』といくら説明しても信用されない」と指摘。運用指針も守られているかチェックする仕組みがなく「実質的な意味はない」と批判する。・・・10/6

・ 福島県議会は特定秘密保護法案による「原発情報隠し」を懸念し、「慎重な対応を求める意見書」が全会一致で可決。・・・10/9

・ 内閣情報調査室の参事官は「原発関連施設の警備等に関する情報はテロ活動防止に関する事項として特定秘密に指定されるものもありうる」と認めた。更に、核物質貯蔵施設などの警備実施状況についても同様の考えを示した。「警備等」に関係するとして、原発の内部構造や事故の実態も秘密になる危険が明らかになった。・・・10/24

・ 福島県の「廃炉安全監視協議会」の専門官が福島原発内に調査で入ろうとしたら、カメラが制限され、監視カメラのある場所での撮影は「テロ対策のため撮影禁止との規制を受けた。・・・10/24

 こんなことまでテロ対策として規制されるのか。唖然。・・・(ものぐさ)

・ 同法案を担当する少子化担当相は「原発を狙ったテロを防ぐための警備状況・計画は漏洩を禁じる特定秘密の対象」との認識を示し、「原発に関する警察の警備実施状況は特定秘密に指定されうる」と述べた。・・・11/1

・ 法学者は原発事故に対して「安全性に関わる情報がテロ活動と結び付けられ、特定秘密に指定される可能性が大きい」と見ている。・・・11/5

 原発や核燃料サイクルは国策であり、これらは「外国の脅威から国家を守るための核抑止力として機能する」と主張する政治家がいます。核抑止力とは「日本は、核兵器は持たないが、いざとなれば、いつでも核兵器を作れる施設と技術を持っている」と言われる力です(ものぐさ 核燃料サイクルは軍事目的だったのか)。その意味では、核抑止力はまさに軍事そのものです。(原発の平和利用といいながら)原発自体、その本質は核抑止を目的としたものなのです。

 特定秘密の対象となる情報は①防衛に関する事項(自衛隊法別表第4に相当)、②外交に関する事項、③特定有害活動の防止に関する事項(スパイ行為)、④テロ活動防止に関する事項の4つです。

 今回提示した原発問題は④の「テロ活動防止に関する事項」に該当するわけですが、核抑止と言う点で見れば、原発問題はまさに軍事問題であり、①の防衛に関する事項にも該当します。拡大解釈すれば、外交やスパイ行為にも原発情報は該当しかねません。

 「福島原発の汚染水の状況、事故収束の見通し、放射能汚染の実態、放射線被曝による人体恵の影響、東京五輪の対テロ警備を理由とした福島原発の話題自体」が秘密保護の対象となるばかりか、原発の欠陥についてもテロの危険があるとして国民に知らされないまま再稼動するのではないでしょうか。

 原発関係者からの取材活動は言うに及ばず、原発作業員として潜入して、その実態を記事にする活動、原発上空からの写真撮影、脱原発デモや集会、任意団体による放射能測定、ブログで自己の思いを主張する行為も特定秘密保護法案に抵触するのでしょうか。

 安倍首相は「日本を取り戻す」を掲げ、選挙で大勝しました。特定秘密保護法案が成立し、これに違反したものに対しては最長10年もの刑事罰が科されます。まさに戦前の言論統制や治安維持法(ものぐさ 特定秘密保護法案は戦前の治安維持法か 原発問題で一般人も逮捕)を連想します。そして、集団的自衛権の憲法解釈の変更では、地球のどこにおいても戦争が可能となります。最後の詰めは、憲法9条の改正と国防軍の創設、徴兵制復活となるのでしょう。直立の姿勢で右手をピンと張り、一旦胸の位置で水平に構えてから、腕を斜め上に、掌を下側に、突き出している軍服姿の安倍首相の写真が今でも思い起こされます。ほんとに何をしでかすかわからない首相です。我々は、原発問題も含め、このようなことまで自民党に期待して投票したのでしょうか。景気を良くしてくれることを期待して投票した人が大部分なのではないですか。

 ハイルヒットラー(ヒットラー万歳)、ハイル安倍首相(安倍首相万歳)と言うことでしょうか。自民党、安倍首相よ。思い上がるな。国民をなめるな。怒りをもって抗議します。

2013年11月11日 (月)

特定秘密保護法案は戦前の治安維持法か 原発問題で一般人も逮捕

 「特定秘密保護法案は、戦前の言論統制や治安維持法を連想させる」と漠然と述べたが(ものぐさ 特定秘密保護法案 原発報道で逮捕か)、理解を深めるため、治安維持法の歴史と内容について勉強してみました。

 世紀の悪法と言われた治安維持法は、以下のような改正と解釈の変更を繰り返し、牙を剥き、国民を恐怖のどん底に落としていったのです。特定秘密保護法案もこれと同じような道ををたどるのでしょうか。原発も言論統制され、国民に真相が明らかにされずに、再稼動への道をまっしぐらに進むのでしょうか。

 1 「治安維持法」は大正14年4月22日に公布されました。その第一条は「国体(注1)を変革し、又は私有財産制度を否認することを目的として結社(日本共産党)を組織し、又は情を知りて之に加入したる者は10年以下の懲役、又は禁固に処す。前項の未遂罪は之を罰す。」と定めています。

 この法律は、対象とする結社を特定化し、「国体の変革」や「私有財産制度の否認」のみを禁止したものであり、濫用の恐れのない制限的な法律です。

 しかし、結社を組織していないにも関わらず、以下の事件が起き、逮捕者が出ているのです。この時点で、拡大解釈をして、弾圧を強めていこうとする意思が当局にあったようです。

① 正式令状を取り付けることもなく、出版法容疑で下宿、自宅などを捜索し、京大生や同志社大生を検束し、文書多数を押収した。同法の付随的なものである第二条(協議罪)、第三条(煽動罪)を適用したのです。政治結社が確認できなくても左翼学生分子を弾圧するには同条文は格好の武器でした。・・・京都学連事件(昭和元年1月逮捕)

② 国鉄名寄駅の鉄道労働者らが芸術研究や社会科学研究を目的とした結社(日本共産党とは無関係)を設立。治安維持法容疑(言いがかりとしか思えない私有財産制度否認容疑)で検挙され有罪の判決を受ける。・・・北海道集産党事件(昭和3年5月結審)

 2 「治安維持法」は3年後の昭和3年6月29日に「治安維持法中改正緊急勅令」として非立憲的な手段で改悪されました。その第一条は「国体を変革することを目的として結社を組織したる者、又は結社の役員其の他指導者たる任務に従事したる者は死刑、又は無期若しくは5年以上の懲役若しくは禁固に処し、情を知りて結社に加入したる者、若しくは社の目的遂行のためにする行為を為したる者は2年以上の有期の懲役、又は禁固に処す。私有財産・・・・」と定めています。

 「治安維持法」との違いを見てみましょう。第一は、「死刑、又は無期」の導入であり、第二は「目的遂行の為にする行為」の追加規定です。第二の意味するところは、「目的遂行の為にとる手段のいかんを問わない、恐ろしく範囲の広いものであり、その行為が客観的に見て結社の目的遂行のためになっている」、と当局が認定すれば罪にあたると言うことです。シンパ(ある人物や団体の政治的思想に賛同し信奉者となった人、又は団体)のみならず党員の活動も罪になるのです。

 一例を紹介します。昭和4年、約700名の共産党指導者が逮捕されました(4.16事件)。同事件の弁護に当たっていた日本労農弁護士団のメンバーが、日本共産党の「目的遂行の為にする行為をなす者」として検挙されました。「弁護活動の自由」も侵害されると言うことです。又、昭和4年から5年にかけて、党員はもちろん、一切のフラクション(政党が労働組合や大衆団体などの組織の内部に設ける党員組織)、資金提供者及び文化運動などの外郭組織の関係者まで検挙されたのです。

 昭和3年から「思想犯保護観察法」が公布される昭和11年までの検挙者は5万9253名に昇りました。

3 「転向(注2)」者に対する「予防拘禁(下記、第三十九条)」的な役割を持つ「思想犯保護観察法」が昭和11年5月29日に公布されました。その第四条は「保護観察に付せられたる者に対しては居住、交友、又は通信の制限、其の他適当なる条件の遵守を命ずることを得」と定めています。保護司はまさにプライバシーや行動の自由を侵害することを職務としているのです。

4 「泣く子も黙る治安維持法」は、昭和16年3月10日に「治安維持法 改正法律」として公布されました。太平洋戦争開戦(昭和16年12月8日)のまさに直前の公布です。同法のポイントを見てみましょう。

 第一に、国体変革に対する厳罰化を更に進めました。旧法は「5年以上の懲役若しくは禁固」としていたものを、新法では「7年以上の懲役」となっています(第一条)。もちろん最高刑は死刑です。

 第二に、「国体変革」結社を支援する外郭団体を組織する行為に処罰規定が導入されました(第二条)。旧法で曖昧になっていた「目的遂行の為にする行為」の処罰規定を明文化したのです。これにより、当局は何の負い目もなく逮捕できたのです。これも最高刑は死刑です。

 第三に、「国体変革のための組織を準備することを目的」とする準備結社にも処罰規定が導入されました(第三条)。当局は、予防的に鎮圧する措置を講じたのです。同じく最高刑は死刑です。

 第四に、結社とはいえない集団による分散的・個別的な活動を規制する規定が挿入されました(第四条)。研究会や読書会までもが規制の対象になりました。最高刑は無期懲役です。

 第五に、結社にも集団にも関係のない個人が「国体変革の目的たる事項」を宣伝したり、行為をしたりするのを禁止する規定が新設されました(第五条)。今の中国や北朝鮮と同じです。最高刑は10年の懲役です。

 第六に、「国体を否定することを目的として結社を組織したるもの・・・」についても、最高刑は無期懲役です(第七条)。国体変革と異なった文言です。この法律の下では、「国体を承認しないこと」が罪だというのだから、恐ろしいことではありませんか。天皇制を認めないということが罪になるのです。

 第七に、受刑者が刑期満了となっても、獄中で「改悛」せず「転向」しなかった場合、再犯を予防する目的で獄中に拘禁し続けることが可能となりました(第三十九条)。

 以上見るように、法令の拡大解釈が遠慮会釈なく行なわれ、見せしめのために検挙し、これに負い目を感じた当局は、拡大解釈を正当化するために、次々と法律を改正していきました。この時代、一部の指導者の強権により、国民は言論の自由を奪われ、日本は負けると判っていた戦争に突入していきました。ミッドウェー海戦、第二次ソロモン海戦、第三次ソロモン海戦、レイテ沖海戦で負け続けているにも関わらず、国の情報操作(大本営発表)により、国民は戦況を知ることができませんでした。

 特定秘密保護法案は何が秘密であるかも明確ではなく、法案は抽象的で、拡大解釈される余地が(「その他」の部分が11ヶ所もある)数多くあります。何も知らないまま、一般人がある日突然逮捕される可能性もあります。半世紀前、日本は世紀の悪法といわれる治安維持法を制定し、数々の弾圧を行なってきました。このような素地が日本の指導者の中にあると考えるのは私だけでしょうか。秘密保護法案と治安維持法には同じ匂いを感じます。

 「治安維持法」下での裁判は、全く機能を果たしていません。徒労に終わっています。原発の違法性を訴えた原告が、国策であることを理由に、全て敗訴の判決を受けている状況と同じだと思いませんか(ものぐさ 原発訴訟 裁判所は機能したか)。

 一般人がある日突然される場合について、報道はその一例を紹介していました。

① 原発の非常用発電機が津波により影響を受けないかと心配になったA氏は、電力会社に問い合わせるも「セキュリティー上の理由」で教えてもらえない。

② 友人の警察官に聞くも「警備の関係は特定秘密の関係で微妙な位置づけだ」と断られてしまう。

③ A氏は、再度警察官に非常用発電機の位置を執拗に聞くも、断られる。

④ 行動を監視していた公安は、A氏を特定秘密の漏洩を「そそのかした」として逮捕した。

(注1) 「主権=統治権の所在」を指す。つまり「誰が主権者であるか」と言う点に着目した国家権力のありかたに関する概念であり、日本の国体は「天皇が主権者であり、統治権を総攬(権力などを一手に握り収めること)すると言う建前を指す。

(注2) 思想や政治的な主張・立場を変えること。日本共産党の理論を放棄すること。

2013年11月13日 (水)

除染の長期目標1ミリシーベルトは「成り行き任せの希望的な観測だ」

 自民党は11/11、年間放射線量が50ミリシーベルトを超える「帰還困難区域」以外の地域でも、移住を決断した住民に新たな生活再建策を検討すべきだ、との考えを示しました。対象区域は年間放射線量が20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下の「居住制限区域」で、住民が移住を希望した場合も「一人ひとりをみて対応しなければならない。思いは帰還困難区域の住民と同じだ。」と述べています。自民党が「除染は不可能」であると認めた証左です。

 ようやく、「まともな考え方になってきたか」との思いです。

 いまだ、年間被曝量が20ミリシーベルト以下の「避難指示解除準備区域」の住民に対する移住支援には言及していません。対象外と言うことなのでしょう。この区域の住民には線量計を持たせて、「健康不安対策」をすることで良しとするつもりのようです。「20ミリシーベルト以下だから安心ですよ」と言うに決まっています。

 国の管轄で除染した都路地区の平均放射線量は5ミリシーベルトにしか減少しません(ものぐさ 福島・田村市都路地区 5ミリシーベルト超でも帰還 ?)。当然5ミリシーベルトを超えている場所もあるはずです。除染されていない場所(例えば森林)からは土や葉が雨で移動してくるので、再び放射線量が上昇する可能性もあります。

 「帰還困難区域」は事故後6年たっても20ミリシーベルトを下回らず、10ミリシーベルトになるには15年以上かかると見られています。1/5に減少するのに15年要します。

 年間被曝量が20ミリシーベルト以下の「避難指示解除準備区域」にこの比率を適用すると、5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに減少するまでに15年要します。1ミリシーベルト以下にするには、十数年から数十年の月日が必要です。

 国の言う除染の長期目標1ミリシーベルトには疑問を持ちます。

① 1ミリシーベルト以下にする具体的な方策があるのですか。1ミリシーベルトは、何年後に達成できるのですか。方策も時期も明示せず、希望的観測を述べているに過ぎません。国民の目をそらしているに過ぎません。無責任です。

② 1ミリシーベルト以下になるまでの期間、余分な放射線を浴びつ続けることになります。その間に起きた癌発症や体調不良に対して国は因果関係を認めて、賠償金の支払いや医療費免除をしてくれるつもりですか。原爆投下や水俣病で死亡したり体調不良を訴えた人に対する保障は十分でないと聞いています。期待はもてません。

③ 技術的手段により1ミリシーベルト以下にすることはほとんど不可能でしょう。ならば、1ミリシーベルトの除染目標は「成り行き任せの希望的な観測だ」と国民に白状すべきです。そこで初めて、「住民への対応はどうすべきか」との答えが出てきます。

④ 除染費用や賠償金の上限を抑えるために移住基準を決めるのではなく、「健康で安心な生活をしたい」という住民の願いを汲み取り、原発事故への責任を国として果たしていくべきです。「人の命は地球より重い」と言った政府関係者がいます。金額なんか二の次です(ものぐさ 福島原発損害額 366兆円)。それほど、国の責任は重いのです。

 「1ミリシーベルト超の地域の住民に対しても、国は移住支援をすべき」が結論です。もちろん、移住しない自由もあります。

 (余談) 自民党は「復興加速化案の生活再建支援策」において、「先陣を切って帰還する住民の生活環境整備に向けた追加賠償」を提案しています。追加賠償は、「先陣を切った人」だけの模様です。何故でしょうか。笑ってしまいました。「先着○○名様限定」と称するテレビショッピングと同じではないですか。

 先陣を切っても切らなくても生活再建支援は必要です。それとも「生活環境整備」をすることに対する対価と言うことでしょうか。間違えないでください。「生活環境整備」は国がすべきことです。リスク(命)と引き換えにお金を配ると言うことでしょうか。(迷惑施設である)原発の受け入れに対する「電源三法交付金」と同じですね。

 

  

2013年11月19日 (火)

浜岡原発訴訟 傍聴記 アスペリティー及び越流量(本間の公式) その7

 11/14、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第十一回口頭弁論を傍聴しました。第10回(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記 アスペリティー・防水扉等の問題点 その6)に続き7回目です。

 朝、10時5分までに裁判所に集合し、行列に並びました。定員オーバーした場合には抽選です。一般傍聴席40人程度に対し、希望者は26人程度(内、女性4名)。全員が入廷できました。

 向かって左に原告、右が被告(中電)です。原告側26人程度、被告側14人程度でした。

 裁判官3人、報道関係者は6人でした。10時30分開廷です。準備書面12を事前に提出した原告が、その概略を説明し、裁判は、わずか10分程度で閉廷しました。

 裁判長は、原告の求釈明に対する被告の対応に苛立っているようにも感じました。悪印象を持ったのでしょうか。

 原告は「準備書面12」において、「津波が防潮堤に衝突した場合の越流量の見込み量及びその具体的な計算式」と「津波の高さの具体的な数値」を求めているが、中電からは明確な回答が得られていません。

 口頭弁論、その後の記者会見から現時点での争点を拾って見ます。不正確な点があるかも知れません。(中電)の部分は、原告の記者会見で聞いた中電の主張です。

① アスペリティーを浜岡原発直下において、最大加速度を評価しているか。

(中電) 南 海トラフの巨大地震モデル検討会の想定 に基づいて 検討した結果、直下にアスペリティを置いても、3、4号機で水平方向の最大加速度は800 ~1000ガル程度、5号機では1400~1900ガル(中電 準備書面6)。興津川上流とは地盤が異なるので、3500ガルにはならない(中電 準備書面7)。

(ものぐさ) 平成25年4月26日付け「内閣府の公表結果を踏まえた浜岡原子力発電所への地震動の影響評価および地震対策の検討状況」で、中電は下記のアスペリティを想定しています。

・ 浜岡原発の西側にアスペリティーを配置しているが、浜岡原発の直下はアスペリティーの境界をかすめているだけである(内閣府東側ケース)。

・ 浜岡原発の東側にアスペリティーを配置しているが、浜岡原発の直下がアスペリティーの中央に位置しているわけではない。これも境界からわずか内側に入った程度だ(浜岡原発の直下にアスペリティーを置いたと言う中電のケース)。しかも、アスペリティーの深さや大きさの具体的な数値を示しているわけではない。

・ 先の駿河湾地震(平成21年8月11日 Mw6.5)で5号機は他の号機よりも大きな揺れを観測した。これに対し、中電は「5号機の増幅要因の調査・分析」において「周囲の岩盤に比べて地震波の速度が低下する地下構造があり、これにより地震の揺れが増幅した」と報告してる。

 地震が起きる前に、こんなことが判らなかったのかと不思議な気持ちです。逆に、地震や地盤については、地震が起きるまで良く判らないのだと理解したほうが正しいようです。シミュレーションも前提条件を適当に決めた結果であり、本当にその程度で収まるのか、地震が起きるまで判らないと見たほうが良さそうです。

(原告) 2003年の中央防災会議は、東海地震(Mw8)を想定し、興津川上流域にアスペリティーを置いた場合、直上付近の最大加速度は3500ガルと試算。地震に対するシミュレーションにおいて、アスペリティーを配置しないと、地震動の説明がつかないことから生まれた概念(米国)であり、科学的にその場所が特定できるものではない。中電は、アスペリティーを浜岡原発のやや西とか、やや東と言っているが原発直下に置いていない。どの程度の大きさのアスペリティーを置いて試算しているのかも不明である。アスペリティーの位置を科学的に定めることは不可能であるので、最悪を考慮して試算すべきだ。2000ガル程度の加速度で収まるはずはない。中電は、どの規模の地震を想定しているのか、明らかにせよ。

② 津波の遡上高や、防潮堤に衝突した津波の高さや越流量に関する具体的なシミュレーションはしているのか。

(原告) (遡上や防潮堤への衝突を考慮した)具体的な数値はなく、計算式のみの提出。公式や前提の正しさについて述べよ。地震学では、本間の公式(注1)の正しさについて確認されていない。証明されていないものを公式と中電は主張するが、これについて裁判長は(原告の指摘に?)理解を示す。公式をブラックボックス化させない。本間の公式に科学的合理性を示せ。

(中電) 後日回答する。 

③ 強化扉の開閉は。

(原告) 開放したままにしておくのか。

(中電) 「今後は開閉する」と言っているが、(ものぐさ)としては意味不明。

④ Mw9.6の地震動と基準津波40mについて。

(原告) 対応するのか否か。

(中電) 書面は今後用意する。

⑤ その他

・ 「計算式の理論的根拠」や「東日本大震災前後でアスペリティーの認識は変わったのか」と言う原告の求めに対し、中電の説明は不十分。

 裁判長は、「双方書面で問いと回答をしてほしい」、「法廷でのやりとりを書面で記録化したい」、「法廷において口頭で、証拠等の説明をしてほしい」と要望した。「傍聴人に聞かせるのは活性化につながる」とも言っていたようだ。双方の議論がかみ合わないことに対する裁判長の苛立ちとも感じる(ものぐさ)。

・ Mw9.6を想定して対策をしているのかが今後の争点となる。

・ 小泉元首相の発言は額面どおり聞いてよい。評価している。影響大で、世論の8割は後押ししている。日々の闘いが必要(原告)。

・ 中電は1500ガルに対する耐震工事しかしていない。3500ガルには対応できない。

・ 米サンオノフレ原発では三菱重工製の蒸気発生器が破損した(ものぐさ 三菱重工 米サンオノフレ原発に数千億円の賠償 ?)。シミュレーションでは良かったが潰れてしまった。シミュレーションの不確かさを示すもので、不確かさについては津波シミュレーションも同じ。

(注1) 津波の河川遡上による堤内地への浸水を想定した場合の越流量を公式化したもの(マニュアル案の概要 国土技術政策総合研究所より抜粋)。河道内の水位が堤防天端を越えた場合の越流量を示したもの。

・ 「天端を越える前の津波高さ」から「天端高さ」を差し引いた値 h1、

・ 「天端を越えた後の津波高さ」から「天端高さ」を差し引いた値 h2

・ (h2/h1)<(2/3)の場合の越流量   q=0.35×h1×√2gh1

   (h2/h1)(2/3)の場合の越流量 q=0.91×h2×√2g(h1-h2)

 但し、gは重力の加速度

 本間の公式(1940)は、「低溢流堰堤の流量係数」として土木学会誌に掲載されたもので、津波を念頭において研究したのか疑問です。文言からは「堰堤(ダム等)を低いレベルで溢れる水の流量係数」とも読み取れます。原告も「地震学では、本間の公式の正しさについて確認されていない」と述べています(ものぐさ 津波越流 本間の公式)。

2013年11月24日 (日)

津波越流 本間の公式

 浜岡原発訴訟において原告は、「地震学では、本間の公式の正しさについて確認されていない」と主張しています(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記 アスペリティー及び越流量(本間の公式) その7)。本間の公式とは何か、その他学説はあるのか、調査してみました。不確かですが(ものぐさ解説)として、コメントも追加しました。

1 本間の公式は、昭和15年9月、土木学会誌(第26巻)に「低溢流堰堤の流量係数」として掲載されている。

① 実験設備

 コンクリート水路の中央に堰提模型を、その上流には水位h1を維持する一定の高さを有する堰を配置する。堰提模型の下流には、水位h2を調整するための水面調整格子を配置する。ここで、h2 < h1。

② 公式

q=m×h1×√2gh1       完全溢流  h2 < 0.6h1          (1式)

 ・ 堰の下流勾配が3/5以下の緩勾配の時、m=0.31+0.23×(h1/hd)で、mは0.35~0.4の間の値を取る。

 ・ 堰頂が幅広く、矩形断面の時、m=0.35。

q=2.6m×h2×√2g(h1-h2)   潜流   h2 ≧ 0.7h1又は0.8h1  (2式)

 但し、gは重力の加速度、mは流量係数、h1は堰頂を基準とした上流側水深、h2は堰頂を基準とした下流側水深、hdは堰提模型の高さである。潜流の流量係数は完全溢流の2.6倍。越流量(q)の単位は(/sec/m)で、堰堤単位長当り1秒間の越流量です。

(ものぐさ解説)

 本間の公式は、「低溢流堰堤」の流量係数を公式化したものです。文言からは「堰堤(ダム等)を低いレベルで溢れる水の流量係数」とも読み取れます。実験装置を見る限り、津波を念頭において研究したのか疑問です。

 本間の公式は、h1>0以上、言い換えれば堰提模型の高さhd以上の溢流を前提に導かれています。すなわち、防潮堤より高い津波が襲来したときの公式です。防潮堤に津波が衝突して、波がせり上がり、敷地内に流れ込むことを想定した公式ではないようです。

 (2式)から、h1=h2の場合、越流量(q)は0です。

2 国土技術政策総合研究所は、津波の河川遡上による堤内地への浸水を想定して公式を提示している。

 河道内の水位が堤防天端を越えた場合の越流量を示したもので、本間の公式そのものです(マニュアル案の概要 国土技術政策総合研究所より抜粋)。

・ 「天端を越える前の津波高さ」から「天端高さ」を差し引いた値 h1、

・ 「天端を越えた後の津波高さ」から「天端高さ」を差し引いた値 h2

・   q=0.35×h1×√2gh1         h2 < 0.67h1       (3式)

      q=0.91×h2×√2g(h1-h2)          h2 ≧ 0.67h1       (4式)

   但し、gは重力の加速度

3 土木学会原子力土木委員会は、平成14年2月の「原子力発電所の津波評価技術」で越流に関して本間の公式を提示している。

 上記2項と同じ。

4 東北大学大学院の論文「構造物に作用する段波波力の実験 構造物を越流する場合」   

 防潮堤を越流する津波を想定したものである。以下、抜粋する。

① 実験設備

 高さ0.44m、幅0.3m、全長12mのアクリル製矩形水路で、水路中に台形上の堤体を配置。段波は鉛直造波板を水路傾斜板方向に平行に約1m、一定の速度で移動させることにより発生させた。

② 東北大学の公式

 Qは単位時間あたりの越流量、Bはモデルの幅、Hwは越流水深、Cは越流係数。

 Q=CBHw√Hw    C=4                     (5式)

③ 本間の公式の検討    

 本間(1940)は、台形堰を越流する流量算定式を提案している。台形堰の前面勾配m1=0~4/3、後面勾配m2 ≧5/3の場合、越流量は次式で表される。ここに、Qは単位時間あたりの越流量、Bはモデルの幅、Hwは越流水深、Hd モデル高、そしてCは越流係数である.

 Q=CBHw√Hw    C=1.37+1.01×(Hw/Hd)      (6式)

 グラフから見ると、C=1.8程度

④ 考察

 本間の公式による算定値よりも明らかに大きい値をとり、C=4程度である。

 また、堤体背後部において、段波の越流により極めて大きな波圧が発生することがわかった。

(ものぐさ解説)

 上記において、q=Q/Bとすれば、(6式)は(1式)と同じです。東北大学の式による越流量は、本間の公式に比べ2.2倍大きいことになります。東北大学が津波を想定し、本間の公式は低溢流を想定しています。これにより、このような差異が生じたのでしょうか。前提条件により、越流量は変わるようです。

2013年11月27日 (水)

11月の庭

00006 11月の庭の全景写真です。10月より少し色付きました。

00035 いらっしゃい。正面に色付いて見えるのがカエデです。                                                             

                                     

                                     

                                    

                                   

                                    

                           

                                                    

                            

00027足元に見えるのはセンリョウです。マンリョウとともに縁起の良い植物として庭に植えられます。センリョウは上向き、マンリョウは下向きに実をつけます。センリョウはセンリョウ科、マンリョウはヤブコウジ科です。マンリョウの方が繁殖力旺盛です。

00005フユサンゴです。真っ赤できれいな実ですが、有毒で食用にはしません。                

                                  

                                      

                                 

                                                                                                                                               

00123                                      ベンチを通り越して右に曲がります。                                                   

00042 赤がタカオモミジ、黄色がシダレモミジです。この程度の色付きです。               

               

             

                                                    

                                                

                                                

                         

                                    

                                                                                                                                                                                                                                                                        

00037 飛び石を進むと正面にヒメツルソバが見えます。ヒマラヤ原産の多年草です。グランドカバーに最適です。

00052 まっすぐ進むと、正面に階段が見えます。                   

                                      

                                           

                                         

                                             

                                             

                                          

                                         

                                      

 

00045 正面はツワブキです。暑さ寒さに強く丈夫です。                                                              

00056 左はアオギリの紅葉です。                                                                  

              

       

             

                         

                

                                                     

                                                  

                                                   

                                                                     

 00017階段を上りきると、右手にサザンカがあります。背景は青い空と白い雲です。                                                                                                                         

00060 左に曲がってください。正面はシダレモミジですが、温暖で色付きがよくありません。                  

                 

                    

                             

                            

                              

                                                        

                                                         

                                                      

                                                                                                   

00016 シダレモミジです。           

00050手にナンキンハゼの実が見えます。                                                      

               

                       

                              

                             

                             

                                

                                    

00062階段を上がってください。                         

                              

00013 前に進むと足元にあるのがサネカズラです。別名ビナンカズラ(美男葛)といいます。樹皮の下にヌルヌルした部分があり、この部分を水に溶いて頭の毛を整えるのに使ったことから、この名がつけられたと言われています。               

                           

                             

                                       

                                 

00067 更に上がります。

00072 前方にあるのがモクセイ科のヒイラギです。モクセイより香りは薄いが芳香のある白い花をつけます。               

00034_2

上から見るとナンキンハゼが見えます。            

                           

               

                 

                

               

                

                                                                                                                                              

                                           

00080 更に上がると展望台です。

00119 展望台を左に折れ日陰の庭に向かいます。               

                  

                

                        

                                                   

           

               

              

               

00082 更に進みます。

00093 名前はわかりません。               

                  

                 

               

                 

                                              

                   

                     

                        

                                                         

00102 更に進みます。

00104 終点です。                     

                      

                       

                       

                      

                     

                       

                                                     

                                                

                                                  

別の場所に、ご案内します。サザンカが咲き始めました。                                                                                    

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