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2013年11月13日 (水)

除染の長期目標1ミリシーベルトは「成り行き任せの希望的な観測だ」

 自民党は11/11、年間放射線量が50ミリシーベルトを超える「帰還困難区域」以外の地域でも、移住を決断した住民に新たな生活再建策を検討すべきだ、との考えを示しました。対象区域は年間放射線量が20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下の「居住制限区域」で、住民が移住を希望した場合も「一人ひとりをみて対応しなければならない。思いは帰還困難区域の住民と同じだ。」と述べています。自民党が「除染は不可能」であると認めた証左です。

 ようやく、「まともな考え方になってきたか」との思いです。

 いまだ、年間被曝量が20ミリシーベルト以下の「避難指示解除準備区域」の住民に対する移住支援には言及していません。対象外と言うことなのでしょう。この区域の住民には線量計を持たせて、「健康不安対策」をすることで良しとするつもりのようです。「20ミリシーベルト以下だから安心ですよ」と言うに決まっています。

 国の管轄で除染した都路地区の平均放射線量は5ミリシーベルトにしか減少しません(ものぐさ 福島・田村市都路地区 5ミリシーベルト超でも帰還 ?)。当然5ミリシーベルトを超えている場所もあるはずです。除染されていない場所(例えば森林)からは土や葉が雨で移動してくるので、再び放射線量が上昇する可能性もあります。

 「帰還困難区域」は事故後6年たっても20ミリシーベルトを下回らず、10ミリシーベルトになるには15年以上かかると見られています。1/5に減少するのに15年要します。

 年間被曝量が20ミリシーベルト以下の「避難指示解除準備区域」にこの比率を適用すると、5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに減少するまでに15年要します。1ミリシーベルト以下にするには、十数年から数十年の月日が必要です。

 国の言う除染の長期目標1ミリシーベルトには疑問を持ちます。

① 1ミリシーベルト以下にする具体的な方策があるのですか。1ミリシーベルトは、何年後に達成できるのですか。方策も時期も明示せず、希望的観測を述べているに過ぎません。国民の目をそらしているに過ぎません。無責任です。

② 1ミリシーベルト以下になるまでの期間、余分な放射線を浴びつ続けることになります。その間に起きた癌発症や体調不良に対して国は因果関係を認めて、賠償金の支払いや医療費免除をしてくれるつもりですか。原爆投下や水俣病で死亡したり体調不良を訴えた人に対する保障は十分でないと聞いています。期待はもてません。

③ 技術的手段により1ミリシーベルト以下にすることはほとんど不可能でしょう。ならば、1ミリシーベルトの除染目標は「成り行き任せの希望的な観測だ」と国民に白状すべきです。そこで初めて、「住民への対応はどうすべきか」との答えが出てきます。

④ 除染費用や賠償金の上限を抑えるために移住基準を決めるのではなく、「健康で安心な生活をしたい」という住民の願いを汲み取り、原発事故への責任を国として果たしていくべきです。「人の命は地球より重い」と言った政府関係者がいます。金額なんか二の次です(ものぐさ 福島原発損害額 366兆円)。それほど、国の責任は重いのです。

 「1ミリシーベルト超の地域の住民に対しても、国は移住支援をすべき」が結論です。もちろん、移住しない自由もあります。

 (余談) 自民党は「復興加速化案の生活再建支援策」において、「先陣を切って帰還する住民の生活環境整備に向けた追加賠償」を提案しています。追加賠償は、「先陣を切った人」だけの模様です。何故でしょうか。笑ってしまいました。「先着○○名様限定」と称するテレビショッピングと同じではないですか。

 先陣を切っても切らなくても生活再建支援は必要です。それとも「生活環境整備」をすることに対する対価と言うことでしょうか。間違えないでください。「生活環境整備」は国がすべきことです。リスク(命)と引き換えにお金を配ると言うことでしょうか。(迷惑施設である)原発の受け入れに対する「電源三法交付金」と同じですね。

 

  

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