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2014年1月19日 (日)

原発30km圏内避難 最長6日

 1/13、「環境経済研究所」は、「原発事故が発生した場合、30km圏内の住民全員が避難するには少なくとも半日以上、最長の浜岡原発では6日近くかかる(注1)」との試算をまとめました。

 車両登録されているバスの3割、マイカーの5割が避難時に使われるとして、試算したものです。

 福島原発事故では、「燃料の一部露出」から燃料棒が「全露出」するまでに1時間半、炉心が完全に溶融するまでに8時間、と極めて短時間に原発の状況が悪化しました(ものぐさ 津波到着前に原発は壊れていた)。半日から1日で避難を終了しなければ、住民の一部は被曝することになります。

 そして、報道は「30km圏内には、6~7人に1人が子どもや障害者、高齢者、妊婦などの交通弱者だ。仮にその全員をバスで運ぶとすると、3~16往復ものピストン輸送が必要とされ、バスや運転手の確保に手間取れば避難はさらに長引く。学校や職場、田畑などに家族が分散している昼間の移動、雪の影響、行楽シーズン、ガス欠で立ち往生した車による渋滞など、試算で考慮していない悪条件が加われば、より長期化する」と懸念を示しています。今回の福島原発事故では、富岡町が事故で避難を始めたとき、町内で登録されたバス100台の大半が他町に出払い、数台しか確保できませんでした。

 当然、原発事故に地震や津波が重なった場合、避難はさらに長期化します。

 浜岡原発の北側を走る国道150号線では、駿河湾を左手に眺めながら静岡から浜松まで快適なドライブを楽しむことができます。この道路に大きな津波が押し寄せれば、道路は水没し、多くの瓦礫が国道150号線を遮断してしまいます。田畑や山道の間をくねり牧の原台地を越えて国道1号線に通じる道路は陥没し、橋は崩落し、土砂崩れで山道は通過できなくなる恐れもあります。救援バスは来てくれるのでしょうか。瓦礫の散乱する漁港に救助船は接岸できるのでしょうか。浜岡原発30km圏内は陸の孤島となり、逃げることもバスによる救援も絶望的です。降り続く放射能の恐怖に屋内で怯えている状況を想像してみてください(ものぐさ 静岡県の緊急避難計画 その1)。

 上記試算は、「30km圏内からの全員避難が難しい現実を突きつけた」と報道は伝えていますが、最悪の事態を想定した試算も加える必要があります。特に、原発立地自治体は原発・地震・津波による複合災害を想定して試算して欲しい。この避難に要する時間は再稼動の大きな要件の1つとなるでしょう。

 今回の報道で、「全員避難が半日から6日程度で可能であるから良いではないか」との誤った印象が国民に伝わるのではないかと心配しています。

(注1)各原発の30km圏内の住民が国道のみを使用して避難に要する時間

 泊(15時間)、東通(35時間)、女川(44.5時間)、福島第一(21時間)、福島第二(28.5時間)、東海第二(132時間)、柏崎刈羽(66.5時間)、浜岡(142.5時間)、志賀(36.5時間)、敦賀・もんじゅ(34.5時間)、美浜(24.5時間)、大飯(15.5時間)、高浜(24.5時間)、島根(99.5時間)、伊方(17.5時間)、玄海(39.5時間)、川内(43時間)。

(追記)

 昨年の11/30、玄海原発の事故を想定した佐賀、長崎、福岡3県合同の原子力防災訓練が行なわれました。そこで報道は「実際に事故が起きた場合、国は空間放射線量に応じて住民を避難させる方針だが、自主避難も含めて福岡市に陸路でなだれ込む可能性のある避難者は、唐津市(人口約13万人)の東部の住民だけでなく、30キロ圏に一部が入る福岡県糸島市の約10万人、さらには40キロ圏の約3万人を避難させる計画の福岡市の住民も混在する。マイカーで殺到すれば大渋滞は必至で、放射性雲(プルーム)に巻き込まれる恐れもある。」と実効性に疑問を呈しています。   

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