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2014年3月 4日 (火)

原発損害賠償訴訟を応援できないか

 3/3、「文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(原発ADR)は原賠審指針に対する柔軟性に乏しく、賠償を打ち切られた地域では、追加賠償を求めて訴訟に踏み切る動きが相次いでいる」と報道は伝えています。

 「町民のほとんどは町への帰還をあきらめている。区域の違いにより賠償に差があるのは納得できない」と、住民は不満を訴えています。

 避難区域の違いによる損害賠償の基準を整理してみましょう。

① 帰還困難区域        避難と故郷喪失に伴う精神的苦痛への慰謝料として1人1450万円。

② 居住制限区域        精神的損害への慰謝料1人月10万円を避難指示解除1年後まで至急。

③ 避難指示解除準備区域  同上

④ 緊急時避難準備区域    精神的損害への慰謝料1人月10万円を2012年8月まで支給。

 住民の不満の声を列挙します。

・ 自宅は雨漏りで屋根裏が腐り、畳はカビだらけで住めない状態(富岡町 居住制限区域)。

・ 故郷を失う苦痛はみんな同じで、賠償も同じであるべきだ(富岡町 居住制限区域)。

・ 「戻りたい」と答えた町民は12%。避難指示解除後1年以内には賠償が打ち切られる。町に帰らなければ、賠償のない状態で避難を続けることになる(富岡町)。

・ 2月末現在、約3900が慰謝料を打ち切られたまま避難生活を続けている。町民約5200人のうち自宅に戻ったのは約1300人(広野町 緊急時避難準備区域)。

・ インフラや生活関連サービスが復旧せず帰還が進まない状況で賠償が打ち切られた(広野町)。

 住民の苦痛を理解しようとせず、最低限の賠償で問題を解決しようとする官僚や東電の対応に憤りを感じます。このような冷たい論理に何故なるのでしょうか。柳田邦夫氏は著書「終わらない原発事故と日本病」の中で興味ある視点を示しています。

・ 被害者の現場に身を置いて問題を直視しようとする発想がない。

・ 自分の生死に関しては「1人称の視点」、家族の生死への対応は「2人称の視点」、一般の人々の命を見る官僚、企業人等の眼は「3人称の視点」。乾いた「3人称」の視点でしか事故を見ていない。

 結局、他人事として福島原発事故を見ているから、冷たい論理になるのです。「制度的な問題点を指摘して賠償の枠組みを変えるには訴訟しかない」と、都路地区の代理人である小海弁護士は訴訟の理由を説明しています。

 福島県民以外の国民はどの視点で被災者を見ているのでしょう。「3人称」の視点ですか。本当に我々は「3人称」の立場にあるのでしょうか。

 原発が再稼動し、地震に見舞われたならば、我々も故郷を失い、放射線の影響を恐れ、家族はバラバラになるのです。賠償も福島原発事故並みとなってしまいます。「この程度の損害賠償で収まるなら、再稼動し、事故が起きてもかまわないのではないか」と、関係者に思わせてしまいます。我々は現在「3人称」の立場にあるのではなく、「1人称」、「2人称」の立場にあるのです。決して他人事として見逃すわけにはいきません。

 訴訟には時間や費用が余計にかかるため、原発事故に苦しむ被災者の負担増加が懸念されています。小海弁護士の想いをかなえるためにも、以下の提案をします。

・ 住民の不満をまとめ、市町村が訴訟費用を補填する。または、市町村が訴訟を起こす。

・ 全国からのカンパを募るため、損害賠償サポータ組織を立ち上げる。

 (追記)

 帰還困難区域  年50ミリシーベルト以上

 居住制限区域  年20ミリシーベルト超~50ミリシーベルト以下

 避難指示解除準備区域  年20ミリシーベルト以下

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