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2014年3月18日 (火)

川内原発 緊急避難計画が不安なら再稼働に反対せよ

 原子力規制委員会は、川内原発1・2号機の審査を優先的に実施するとしています。基準地震動を540ガルから620ガルに引き上げる方針を九電が示したことが評価されたのでしょうか。そして、原子力規制委員長は「合格の見通しが立った原発ととらえていい」との見解を示しました。

 さて、原発立地自治体である川内市の緊急避難計画(HPより)はどの程度の出来具合でしょうか。同市HPを見てみましょう。

 同原発から半径10km以内の住民に対す緊急避難計画として、①バスで避難する人に対する集合場所(集会所、公民館、学校等)、②避難経路(国3→県42→国10等)、③避難施設と住所の3点が記載されていました。たった5枚の一覧表としてまとめられているだけであり、半径30km圏内の広域避難計画は現在作成中の模様です(3/15現在)。

 一方、昨年末までに阿久根市、出水市、さつま町、日置市を含む9市町が広域避難計画の策定を終えると、報道は伝えていました。一例として見た阿久根市の緊急避難計画は川内市のものとほとんど同じです。

 再稼動を目前にして多くの住民は、緊急避難計画に不安を感じているようです。以下、報道から不安の声を拾ってみます。避難対象は9市町、約21万7000人です。

・ 事故発生は好天の昼間とは限らず、避難は一筋縄ではいかない。机上プランの印象が色濃く、これで本当に住民の安全を守れるのか、不安を拭えない。

・ 避難は原則自家用車を利用。約80km離れた指宿市や県境を熊本県に避難する地域もあり、渋滞の心配や、指定された避難経路に従って無事に避難所にたどりつけるかと不安の声がある。

・ 寝たきりや介護が必要な災害弱者は30km圏内の240ヶ所の福祉施設に約1万人いるが、避難対策が全くとられていない。

・ 5km圏内にある7ヶ所の病院やグループホームなどには約360人いるが要援護者対策は全くできていない。

・ 川内市の担当者は「要援護者を移送するための担架や車椅子など足りない。近隣の市町に支援をお願いする」と話している。

・ 県の担当者は「どの施設も満床が多く、空いていないのが現状だ」と話している。

 上記に見るように、避難時の渋滞や、災害弱者への対応等に不安を感じているようです。

 私の懸念事項を以下に記します。

 ①地震や津波で避難経路が寸断したらどうするのか。②西風が吹いていた場合、風下である指宿方面に避難するのか。③指宿方面への避難予定者が風上である熊本方面に向かった場合、更なる渋滞とならないか。④巨大噴火の被害を受けるリスクはないのか(注1)。⑤台風が来ていたらどうするのか。⑥避難先の食料や寝具はどうするのか。⑦(高線量の地域に)避難バスは迎えに来るのか。

 最悪の事態を想定した避難計画に全くなっていません。最悪を想定すれば、避難計画などできません。全くの机上プランです。自治体はこの程度の計画で避難計画の策定を終えたと、よく言えたものです。

 中立的な第三者の判断を仰いで緊急避難計画を策定してください。

 住民参加のもと避難計画を策定してください。

 不可能なものは不可能だと、国、県や市町村の説明に敢然と異議を唱えないのですか。

 事故が起きたとき、貴方が被害に会うのですよ。余りにも従順です。国が何とかしてくれると思っているのですか。福島の現実を見てください。わが身を安心させるために、強いて不完全な避難計画を受け入れるのですか。

 米ニューヨーク州のショーラム原発は、避難計画を州知事が承認しなかったため、運転開始できずに89年、廃炉となりました。

 原子力規制委員長は2013.2.13の記者会見で、「再稼動の条件としては、必ず防災計画というのがきちっとして、地域の方が安心できるかどうかが大きな条件になるでしょうということで、私は車の両輪になる」と述べています(ものぐさ 安心できない緊急避難計画なら再稼動するな)。避難計画に不安があるなら「再稼働反対」を要求する権利はあります。これは法律的な問題ではなく、倫理的な問題です。

 (注1) 巨大噴火の被害を受けるリスクがある原発として川内原発を挙げた火山学者は29人と最多。うち再稼動すべきではないとした学者は19人。

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