« 函館市 大間原発訴訟 概要 | トップページ | 浜岡原発避難に最長29時間 »

2014年4月29日 (火)

菅元首相・河合弁護士 原発シンポジウム

 4/26、静岡駅で下車し徒歩で西に向かうと、道路両際に物々しい数の警察官が立っていました。周辺には街宣車が大きな音量を立てて何やら叫んでいます。

 数分で、今回のシンポジウムの会場である労政会館に到着しました。今日は、菅元首相と河合弁護士の講演及び両者の対談が行なわれるのです。

 午後1時30分から4時過ぎまでトイレ休憩なしのシンポジウムでした。話の概略について、私の推測も含め記したいと思います。

<白鳥元原発訴訟原告代表>

・ 浜岡原発緊急避難に要する時間は中日新聞で28時間、朝日新聞で32時間と報道されているが、原発直下でドカンと来たら、逃げ切れない。牧之原市は4000人が津波で死ぬと言う。こんな状況でどうして車で逃げ切れるのか。

・ 牧之原市長以下4人の幹部は逃げ切れないと言っていた。

<浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団 鈴木弁護団長>

・ 3.11以前は原発の安全神話を信じていた。

・ 5号機は2000ガルを想定していると中電は言うが、3500ガルを想定しないといけない。

・ 制御棒が入らずに核暴走となれば、逃げる途中で急性被曝する。

・ 基準地震動など平均値で耐震対策をしている。最大値とすべきだ。経済性を考慮して「割り切り」で作られた原発は安全であるはずもない。静岡地裁での証人尋問で、斑目氏は 「割り切った考え。すべてを考慮すると設計ができなくなる」と述べていた。

・ 核燃料棒の安全管理(乾式貯蔵と思われる)も求めていく。

・ 立地審査指針に合致していない。欠陥のある指針だ。

<河合弁護士>

・ 3.11時点では訴訟は停滞していた。浜岡と大間の2件のみ。3.11以後は、脱原発弁護士は300人にも達し、訴訟は22件。被害の大きさを立証していく。

・ 新規制基準は、世界最高でもない。誰が認めているのか。首相が言っているだけで、根拠は何か。事故の実態を把握せず、わずか7ヶ月で基準を作成。基準が正しいのか議論していく。

・ 規制基準は「基準を満たせば安全である」と言っているわけではない。自己保身の基準だ。まともにやれば、金も時間もかかり過ぎる。1系列で2、3種の安全しか求めておらず、同時多発故障への対応が欠落している。

・ 「事故で放射能が達する場所に原発を作ってはいけない」とする立地審査指針について、新基準は触れていない。30km圏内に人は居ないとでも言うのか。裁判で追求していく。M8クラスが30年以内に87%の確率で起き、指針に不適合。大事故の誘引になる場所に作るな。

・ 大飯原発の判決は基準地震動が争点になった。福島第一原発、柏崎刈羽原発など、基準地震動を超えるものは5件もある。裁判所は基準地震動の決め方がおかしいのではないかと言いだした。

・ 函館市長はバリバリの保守だが、大間原発訴訟を提訴した(ものぐさ 函館市 大間原発訴訟 概要)。30km圏内は安全審査に対する権利がないのか。一旦事故が起きれば、自治体自体がなくなる。存続権を求めての裁判だ。

・ 3.11以前の浜岡原発運転差し止め訴訟(高裁)では、駿河湾地震の5号機の異常な揺れの原因を中電に求めていた。

 中電はM9.6を想定するのか、津波審査ガイドを認めるのか。3.11以後は裁判官も興味を示している。

 再稼動申請後、中電は「断層の長さより幅が問題。幅が飽和する」など、3.11以前の理屈を言い出している。

<菅元首相>

・ 全電源・冷却停止で、背中がゾクゾクした。水位計が壊れ、4時間でメルトダウンは始まっていた。2700℃に達すれば厚さ15cmであっても鉄は溶ける。オフサイトセンターに人は集まらず、機能しない。東大経済学部出身の寺坂保安院長の説明もわからない。格納容器の圧力も上昇。ヘリで現場に行き、現状を把握するしかないと判断。

・ 「現時点で、2号機内の線量は毎時70シーベルト、溶融燃料の水没深さは60cm、穴が開いて水がたまらない、溶融燃料が露出しているのかわからない」と広瀬社長は言う。数分で人が死ぬ線量だ。

・ 最悪を想定すると、半径250kmの範囲で5000万人が避難と近藤委員長は試算した。

・ 浜岡原発停止後、経産省幹部に「玄海原発再稼動」の動きがあった。再稼動の判断は原子力安全・保安院で可能と言い出した。(事故を防げなかった)同院の発言としてはおかしいじゃないか。

・ 小泉・細川発言「今(電力に)問題がないから大丈夫じゃないか」は再稼動論点としてはシンプルで判りやすい。

<河合弁護士・菅元首相の対談>

(河合) ヘリでの介入。首相はドーンとしていれば良いとの批判があるが。

(菅元首相) 東電はベントしたいと言って来た。ベントを許可したが、東電のベントできない理由がわからない。情報が来ないので現場を見る必要があった。吉田所長と40分話し、腹が座っており大丈夫と判断した。

(河合) 東電に乗り込み、イラ菅が怒鳴った。東電はやる気をなくした。

(菅元首相) 15日午後3時、清水社長は1Fから職員を撤退させたいと言ってきた。火事なら火が収まるまで撤退も可能だが、原発は燃え尽きることはない。自衛隊も原発事故への訓練はしていない。職員は安全かも知れないが、日本が危なくなる。放棄すれば東日本は全滅する。社長に撤退はありえないと伝えたたところ、驚くほど簡単に「はい判りました」と言う。撤退は清水社長個人の判断ではなく、幹部の総意と判断し、幹部に伝える必要性もあり、東電に乗り込んだ。東電本部に対策本部を作り、その後の情報については、共有化が図れた。

(河合) 東電職員に死ねと言うことと同じ。

(菅元首相) ギリギリの場面は3/15だと判断した。チェルノブイリでは鉛やコンクリートをぶち込み急性被曝で何人かが死んだ。覚悟を持った発言であると思っている。

(河合) スピーディーの情報を公表せず被害が拡大した。

(菅元首相) 責任者として申し訳ない。文科省から原子力安全・保安院には届いていたというが、放出量が判明しないのでという理由で、寺坂保安院長には知らされていなかった。

(河合) 脱原発を言い続けるのか。

(菅元首相) 事実を伝えるのが私の使命。米の原発離れは進んでいる。

(河合) 小泉・細川元首相や保守層の脱原発発言について。

(菅元首相) 脱原発を国政の中で発言し、意見集約していきたい。小泉・細川元首相らは「脱原発」を掲げる一般社団法人「自然エネルギー推進会議」の設立総会を5/7に開く。再稼動の是非は国民自身の姿勢による。新基準に適合したからといって、住民を無視して再稼動できるとは法律に書いてない。県民投票なども1つの手法だ。全国比例区で10人程度の脱原発政党を作りたい。

(河合) 原発輸出。

(菅元首相) 日本は原発ゼロなのに、外国で使えとは言えない。原子力村は大きな構造だが、国内の新設は難しいと見ている。外国の電力会社を買収するのは原発を売るのが目的だ。原子力村の力は大きく、着々と推進に向かっている。阻止するのは住民自身だ。

 溶融した燃料を受けるコアキャッチャー(ものぐさ 「バックチェック」と「バックフィット」で原発は安全か)と格納容器をコンクリートで覆う構造を有する原発が世界最高水準だ。日本にはない。

(河合) 米は日本の脱原発に反対なのか。

(菅元首相) 明示的に反対とは言っていない。米は30年間原発を作らなかったことにより原発メーカはなくなり、独自の技術もない。日米の連合体で海外に売りたいと考えている。一方、米は日本がプルトニウムを多く保持することに懸念を抱いている。脱原発は外交問題にはならないだろう。

(河合) 対中国のために、核をなくすことは反対と米は言っているのか。

(菅元首相) 核による抑止力が可能とする論者は日本にいるが、米は日本の核武装を期待していない。3.11以後、中国は内陸部の原発建設は止めているが、沿岸部は建設を開始している。150~200基か。

 小泉・細川元首相の原発発言以外の政治家の発言が小さく、物足りなく思っていました。マスコミ報道はめっきり少なくなり、脱原発を掲げた当県選出の国会議員や東京都選出の国会議員の発言力が小さいのではないか。「原発について、何故政治信条を越えて共同行動を何故起こさないか」と、つい質問状を書いてしまいました。最後の部分が私の質問に対する回答ではないかと思っています。

 今日、改めて、菅元首相のブログを見てみました。少し認識を変えたところです。小泉元首相らに比べて、マスコミの注目度が低いためでしょう。事実、菅首相らのシンポジウムについての報道は、静岡版にしか掲載されていません。

« 函館市 大間原発訴訟 概要 | トップページ | 浜岡原発避難に最長29時間 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 函館市 大間原発訴訟 概要 | トップページ | 浜岡原発避難に最長29時間 »