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2014年6月

2014年6月 1日 (日)

浜岡原発訴訟 傍聴記(5号機再循環ポンプの点検と水蒸気爆発) その9

 5/8、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第十三回口頭弁論を傍聴しました。第12回(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記(基準地震動・基準津波・地震学の誤り) その8)に続き9回目です。

 朝、10時5分までに裁判所に集合し、行列に並びました。定員オーバーした場合には抽選です。一般傍聴席40人程度に対し、希望者は26人程度(内、女性5名、中電関係者と思われる人12名)。全員が入廷できました。

 向かって左に原告、右が被告(中電)です。原告側30人程度、被告側15人程度でした。

 裁判官3人、報道関係者は5人でした。10時30分開廷です。

 まず、原告が準備した準備書面17(ABWR型5号機)の要点を説明しました。

 次に、原告の求釈明に対する中電の準備書面9の内容についての応答を記しておきます。

(原告) 越流量やアスペリティーの位置等について、「主語が明確でなく理解できない」として中電に向かって指を差し不備を指摘。

(中電) 読解力がないのでは。

(裁判官) 指を指すのは失礼である。

(原告) 失礼した。

(原告) ヘラヘラ笑いながらの返答は失礼ではないか。

(裁判官) 次回以降の準備書面では、原告は端的に質問して、中電は端的に応えるように。

 とにかく、今までにない感情むき出しの議論でした。裁判所から、わかりやすくなるからという趣旨で、水蒸気爆発と福島原子力発電所事故との関連(注1)について書面を出すように言われたので、原告はその書面を次回出すことになりました。11時5分で閉廷です。

 その後の記者会見で、詳しい説明がありました。ネット上に公開されている準備書面17(ABWR型5号機)を加えて争点を記します。

・ 原子力規制委員会が評価しているのは規制基準に適合しているか否かであって、安全基準ではない。これを政府は、政治的判断をせずにフリーパスするとしている。安全でもないものを政府はフリーパスする。誰も責任を負わない逃げの論理だ。

・ 5号機は、平成23年に海水流入した(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記(構造の欠陥と海水流入 取水塔 アスペリティー) その3))。目視検査ではなく、再循環ポンプ等の超音波検査をすべきだ。同ポンプのモータケーシグおいて検査の不可能な部位が存在する。点検作業ができなければ廃炉しかない。

・ 圧力抑制室はドライウェルの真下にある。福島原発はマーク1型であるため水素爆発程度で済んだが、5号機が炉心溶融すれば、水蒸気爆発が起きる。マーク1型に比べABWR型の方が水蒸気爆発の危険性は高い。水蒸気体積は、爆発により水の1244倍に膨張する。火山の爆発は水蒸気爆発だ。

・ 炉心溶融すれば、真下にある水とデブリが反応し、水蒸気爆発が起きる。これを想定せよ。溶融燃料を受けるコアキャッチャーが必要だ。

・ EUに対して、東芝はコアキャッチャーの設置と航空機墜落事故対応を想定したABWR型を設計している。規制基準を満たせば安全であるという訳ではない。シビアクシデント対応において、コアキャッチャーの設置や航空機衝突を想定せよ。静岡空港では787が平気で飛んでいる。航空機衝突に対応して原子炉を2重構造にせよ。コアキャッチャーはバックフィットすべきだ(ものぐさ 「バックチェック」と「バックフィット」で原発は安全か)。

・ 水密扉(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記 アスペリティー・防水扉等の問題点 その6)の安全性に対して、中電は、強固に踏み固めたから大丈夫と言っている。ローラで踏み固めただけだ。地震・液状化による段差の評価は行なっていない。水密扉の下は岩盤ではない。岩盤の上に立っているのは原子炉建屋のみ。

・ 釈明において、中電は意図的に主語を判りにくくしている。アスペリティーは従来どおり、基準地震動も小手先の見直し、これで何故良いのか。

・ 2時間で牧之原市は全滅。20km圏内は50%が急性死亡する。 

 浜岡原発3号炉(BWR-5  電気出力110万kw)がメ ルトダウンを起こし、事故発生から7日後に避難した場合の急性死者は、旧浜岡町や旧相良町等で住民の99%に当たる94,426人。旧榛原町や旧菊川町等で住民の90%に当たる61,155人。瀬尾健「原発事故・・・そのときあなたは」によれば、晩発性の癌死(注2)は東京都民1,318万人のうち、38万人に上る(訴状128ページ)。

(注1) 水蒸気爆発よりも破壊力が弱い水素爆発でも福島原発事故であれだけのことが起こったので、浜岡原発5号機で水蒸気爆発が起きたら、福島原発事故よりももっとひどいことが起こる。ABWR型5号機は、福島原発(マーク1)型よりも水蒸気爆発の可能性が高い。マーク1型は水蒸気爆発を避けるために、ドーナツ状の圧力抑制室構造となっている。

(注2) 関連記事 (ものぐさ 「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算」と「瀬尾試算」

 

2014年6月 2日 (月)

内部被曝評価はシーベルトではなくベクレルで

 5/31、福島原発事故の健康影響について報告書をまとめた国連科学委員会のカーマグナス・ラーソン議長は「今ある情報をもとに判断すると、癌の発生率に影響しない」と語っていました。一方、甲状腺癌と診断された子供が多数いることについて「何が原因かを判明させるのは非常に困難だ。事故からまだ3年であり、結論めいたことは言えない」とも述べています。

 一見すると「癌の発症は心配しなくて良い」とも読み取れますが、「今ある情報をもとに」との前提条件がついています。新たな情報が出れば結論は変わってくるのでしょう。政府は健康被害に関する情報を隠蔽し、被曝を過小評価し、福島県は県民の健康を守るのに後ろ向きです(ものぐさ 内閣府 被曝線量隠蔽・データ操作)。5/19現在、「甲状腺癌と確定した子供は50人、がんの疑いは39人」と、100万人当たり300人の発生率です(ものぐさ 福島原発 甲状腺障害)。子供の甲状腺癌の発生率は100万人に1人の割合であると言われていますが、県民健康調査委員会は「原発事故との因果関係は考えにくい」と語っています。

 県民健康調査委員会の山下俊一氏は、当時「シュピゲール」誌の記者に対し、「我々は今200万人及ぶ歴史上なかった規模の放射線影響の疫学調査をしているのだ」と語ったと言います(原発問題の争点・・・内部被曝・地震・東電・・・山田耕作執筆)。嬉々として語っているように感じました。20ミリシーベルト以下の地域に住民を帰還させ,何十年にもわたって、癌や白血病の発症と被曝の関係を調査するのでしょう。県民の健康を守るなら、帰還させるべきではありません。健康よりも自らの好奇心を満たすために低線量被曝を県民に強いているようです。

 前置きが長くなりました。上記に紹介した著書「原発問題の争点・・・内部被曝・地震・東電・・・大田幸嗣、橋本真佐男、山田耕作、渡辺悦司執筆)」に驚きの記述があったので紹介します。少々難しいが、お勧めの一冊です。

 政府関係者は、1日当り3.99ベクレルの食品を1年間食べても、0.0193ミリシーベルトにしかならないから、健康に影響ないと言っています。一方、チェルノブイリ原発事故から26年経過した今でも、癌、白血病の発症や体調不良を訴える住民は後をたちません。23年目の2009年で、甲状腺癌は実に1万人当たり1人の割合です(ものぐさ 福島原発 甲状腺障害)。ベラルーシで発症しているにも関わらず、政府は「福島では健康に影響ない」と何故言えるのか。同じ被曝量で比較しているのか。いくつかの疑問に対して明確に答えてくれたのがこの本でした。

1 バンダジェフスキー(注1)の報告。

・ ゴメリ州における子供の内部被曝によるセシウム137の体内蓄積量は、高い順に甲状腺、副腎、膵臓、胸腺、骨格筋、小腸、大腸、腎臓、脾臓、心臓、肺臓、脳、肝臓となっている。これは、子供から大人まで様々な病気で死亡した患者を病理解剖し測定したもの。

・ ゴメリ地区に住む子供(3~7才)の心電図異常は、セシウム137の体内蓄積量(注2)が18ベクレル/kgで約60%、50ベクレル/kgになると90%。このkgは体重を指す。以下同じ。

・ ゴメリ州の学童(7~17才)の高血圧罹患率は、セシウム137の体内蓄積量が38ベクレル/kg以下で35%、39~120ベクレル/kgで50%。

・ ベトカ地区における白内障の罹患率は、セシウム137の体内蓄積量が20ベクレル/kg以下で14%、21~50ベクレル/kgで13%、50ベクレル/kg以上で24%。

2 バンダジェフスキー博士の医師向けセミナー(2012.3.18)

・ 現在、福島では、4ベクレル/日のセシウム137を摂取している(参加者発言)。

・ 長期間に及ぶセシウム137の体内蓄積量が20ベクレル/kgであれば要注意、50ベクレル/kg以上では致命的病状を引き起こす可能性がある。

・ 内部被曝はベクレルで考えるべきで、シーベルトは意味がない。

3 筆者見解。

・ 日本の新基準は飲料水で10ベクレル/kg、一般食品で100ベクレル/kg、米で500ベクレル/kg。国際法による原発の排水基準90ベクレル/kgより高い。このkgは食物等の重量を指す。

・ 子供が毎日10ベクレルのセシウム137を摂取すると、600日目には、セシウム137が体内に20ベクレル/kg蓄積する(生物学的半減期は40日)。子供の体内蓄積量は70ベクレル/kgで危険レベル、20ベクレル/kgで注意レベル。ベラルーシでは実際に健康被害が出ている。

・ 福島県仲通地区の小中学生のセシウムの体内蓄積量と推定人数は、10ベクレル/kg未満は約32000人、10~20ベクレル/kgは約1万人、20~30ベクレル/kgは約500人、30~35ベクレル/kgは約150人(2011年秋のデータか)。

・ 体内蓄積量が20~40ベクレル/kgで心電図異常・高血圧・白内障等の症状が現れている。6才児の体重は20kgであるから、体内に400~600ベクレルのセシウム137が蓄積していることになる。この被曝量は国際放射線防護委員会(ICRP)流に言えば、年間0.01ミリシーベルト程度であり、「安全な量」なのである。それでも実際に健康被害が出ているのであるから、実効線量(単位 シーベルト)による判断は極めて一面的だ。

4 厚労省の内部被曝調査(2011年9月と11月 福島県)

・ セシウムの摂取量は3.99ベクレル/日。年間被曝量は0.0193ミリシーベルト。

 厚労省のデータによれば、体重30kgの子供の体内蓄積量は2ベクレル/kgとなる。南相馬のデータの1/10。実際の汚染は厚労省の10倍程度であろう(筆者)。南相馬のデータは割愛しているので、福島県仲通地区の小中学生の体内蓄積量と比べてください。

 厚労省は、「1日3.99ベクレルのセシウムを摂取した場合、年間の被曝量は0.00193ミリシーベルト程度で健康には問題ない」言うのでしょう。一方、筆者は、「子供が毎日10ベクレルのセシウム137を摂取すると、600日目には、体内に20ベクレル/kgが蓄積し注意レベルに達する。ベラルーシでは実際に健康被害が出ている。」と述べています。年間に摂取したセシウム量に実効線量係数(単位 シーベルト/ベクレル)を掛けて求める年間被曝量で、低線量内部被曝による健康被害を予測することは不可能である」とも筆者は述べています(ものぐさ 報道されない内部被曝)。

 県民健康調査委員会はどこを見て「原発事故との因果関係は考えにくい」と主張するのでしょうか。

 原発を推進するため、何が何でも放射線の影響を認めるわけにはいかないのでしょう。「健康ありき」で言い訳をするから、都合の悪いことを言う専門家の疫学調査を無視し、細胞に障害を及ぼすペトカウ効果(注3)やバイスタンダー効果(注4)を否定し、噓に噓を重ね、辻褄のあわない安全宣言をしているのです。

 バンダジェフスキーの報告書はベラルーシにおける疫学調査から割り出したものであり、説得力があります。

 特定の器官に集積したセシウムは、細胞の極近くで長期間にわたり放射線を出し続けます。放射線は距離の2乗に反比例して強くなるので、外部被曝と比べるとかなり大きくなります(ものぐさ 福島原発 甲状腺障害)。そして、曝露され続けた細胞が癌化したり、心電図異常を引き起こすのです。素人でも感覚的に納得できるでしょう。

(追記1) 福島県のセシウム基準値超過食品(17件 非流通品)・・・ 厚労省2014.5.19公表。

野生ワラビ(430, 110 Bq/kg) 、野生ゼンマイ(700 Bq/kg) 野生ウド(110~460 Bq/kg)、野生タラノメ(140 Bq/kg) 、野生タケノコ(110 Bq/kg) 、クロダイ(510 Bq/kg)、 コモンカスベ(210 Bq/kg) 、ババガレイ(190, 240Bq/kg) 、イワナ(210, 740 Bq/kg) 、ヤマメ(130, 350 Bq/kg)

(追記2) 福島県のセシウム測定結果(上記以外の食品 非流通品)・・・ 厚労省2014.5.19公表。

原木しいたけ(72 Bq/kg)、アカガレイ(23 Bq/kg)、アイナメ(23 Bq/kg)、キツネメバル(20 Bq/kg)、シロメバル(39 Bq/kg)、スズキ(79 Bq/kg)、マコガレイ(26Bq/kg)、マゴチ(21Bq/kg)、マダラ(39 Bq/kg)、ヒラメ(79 Bq/kg)

(注1) 低線量被曝の危険性を説いたため、ベラルーシ当局により逮捕投獄(1999~2006)。

(注2) ホールボディーカウンタで測定したセシウム137の量を体重で割ったもの。一定量のセシウム137を食物等を介して毎日摂取した場合、一部は大便や尿として排出されます。セシウム137の生物学的半減期を40日として体内蓄積量を算出しているのです。毎日4ベクレル摂取したから10日で40ベクレル蓄積するわけではありません。注意してください。

(注3) ペトカウ効果

 低線量の放射線で長時間照射するほうが、高線量で短時間照射するよりもたやすく細胞膜の透過性を変えて膜を破壊する。

(注4) バイスタンダー効果

 細胞にピンポイントで低線量の放射線を照射すると、照射されなかった周りの細胞にも障害が及ぶ。

2014年6月 8日 (日)

「原発の安全神話」から「放射線の安全神話」へ

 「原発の安全神話」が崩れた今、原発推進者は、「放射線の安全神話」を唱え始めました。

 <原発の安全神話とは何か>

 電気事業連合会のHPを見てみましょう。

・ 原発には、放射性物質を閉じ込め、外へ出さないために、「5重の壁」というしくみがあり、第1の壁はペレット、第2の壁は被覆管、第3の壁は原子炉圧力容器、第4の壁は原子炉格納容器、第5の壁は原子炉建屋で構成されています。

・ 放射性物質の外部への放出を防ぐため、被膜管で覆われた核燃料の外は、さらに原子炉圧力容器、原子炉格納容器、原子炉建屋で囲まれており、放射性物質を閉じ込め、万が一の場合にも、外に出さないようにしています。

 福島原発では「5重の壁」が役にたちませんでした。放射能を撒き散らしたにも関わらず、上記のような説明が性懲りもなく載っています。謝罪の言葉も訂正もありません。面子なのか、誤りを認めたくないのか、理解しがたい団体です。今回の福島原発事故で、明らかに「原発の安全神話」は崩壊しました。

<原子力規制委員会の見解>

・ 再稼動させるために規制基準を作り、その基準に適合しているかを判断します。

・ 放射能が外部に漏れることへの対応として、シビアアクシデントを規制基準に織り込みました。「原子炉、格納容器、使用済み燃料貯蔵プールが著しい破損に至るのを防止する対策を講じなさい」と規制基準は要求しています。しかし、大量の放射性物質が放散され、放射線被曝による災害が周辺公衆に対して及ぶことのリスクを同委員会は認めています(残余のリスク)。溶融燃料を冷やすための最後の手段は放水砲です(ものぐさ 原発 新安全基準骨子にパブリックコメントを(シビアアクシデント))。「残余のリスク」を書き入れることで、同委員会は事故が起きても無罪放免です。一方、放射能が漏れたときの、住民の緊急避難計画は、基本となる考え方のみ示し、後は自治体に丸投げです。自治体が作るずさんな計画で住民は右往左往し、被曝してしまいます。

<被曝限度の変更>

 福島原発事故前後で被曝限度量は変更されました。

・ 平常時の公衆の被曝限度量は1ミリシーベルト/年。5.2ミリシーベルト/年の場所を放射線管理区域と定め、定められた労働者以外の立ち入りは禁止されています。ところが原発事故後には、被曝量20ミリシーベルト/年の場所へ住民が帰還することを国は認めたのです。復旧期の被曝量を20ミリシーベルト/年と定めているICRPの規定に準拠したのです。復旧期とは「放射線のコントロールは取り戻したものの、その場に放射性物質が残ってしまった状況」を指します(ものぐさ 避難指示解除 都路地区)。損害賠償金を少なくするためにも、住民を帰還させて除染したという印象を国民に与えるためにも、福島原発事故をなかったものと思わせるためにも20ミリシーベルトは好都合な数値だったのでしょう。20ミリシーベルトは国民の健康を第一に考えての被曝基準ではありません。チェルノブイリ原発事故により放射線被害を受けた市民の保護に関する「チェルノブイリ法」は、①年間追加被曝線量5ミリシーベルト超を「移住義務地域」、同1ミリシーベルト超~5ミリシーベルト以下を「移住権利地域」と定め、被災者の健康管理や年金増額などの支援策を国は実施しています。

・ 原発労働者の通常の被曝量限度量は1年間で50ミリシーベルトかつ5年間で100ミリシーベルトであるが、福島原発で緊急作業に従事する原発労働者の被曝量を、原発事故後には50ミリシーベルト/年から100ミリシーベルト、更に250ミリシーベルトに引き上げました(電離放射線障害防止規則7条の改正)。福島原発事故を収束させるためにも、原発労働者の確保は必要であり、それを確保するために被曝量の限度を上げる状況は理解するが、そこには原発労働者の健康という観点が抜け落ちています。原発労働者の健康が守れるのか。癌等の発症を未然に防止するためにも、発症後の治療が適切に行なわれるためにも、原発労働者の治療費負担を少なくするためにも、国の誠意ある対応を望みます。

・ 飲料水のWHO基準は10ベクレル/kg。日本の輸入食品基準は370ベクレル/kg(注1)でした。福島原発事故後に定めた放射性セシウムの新基準は、飲料水で10ベクレル/kg、乳製品で50ベクレル/kg、米・大豆・肉で500ベクレル/kg、それ以外の食品で100ベクレル/kg(但し、乳児食品は50ベクレル/kg)です。370ベクレル/kgに比べて妥当な数値のように見えるが、大和田らは「子供が毎日10ベクレルのセシウム137を摂取すると、600日目には、セシウム137が体内に20ベクレル/kg蓄積する。体内蓄積量20~40ベクレル/kgで心電図異常・高血圧・白内障等の症状が現れている。」と警告しています(ものぐさ 内部被曝評価はシーベルトではなくベクレルで)。

 日本弁護士連合会は「国が定めた埋め立て基準8000ベクレル」の数値に関して、「100ベクレル/kg 以上のセシウム137は放射性廃棄物であり、低レベル放射性廃棄物処理施設で長期間、厳重に保管することが求められている」と国に意見書を提出しました(ものぐさ 埋め立て基準 8000ベクレルは大丈夫か)。放射性廃棄物程度の食品を摂取することが許されたのです。まさに、健康よりも「ご都合主義」が顔を出しています。

<「放射線の安全神話」への誘導>

・ 20ミリシーベルト/年が50年続いた場合の癌に対するリスクは5.5%で、これは一次産業リスクと同じ(注2)。・・・某東大教授

・ 内部被曝は筋肉にとどまる。摂取制限値の食品を取り続けたとしても不慮の事故のリスクと同じ。この10倍のものを飲食しても、癌のリスクは0.25%で大きな影響ではない(注3)。・・・同上

・ 内部被曝により放射線が細胞に照射されるが、細胞死により癌化のリスクは低下する(注4)。・・・某学者

・ ある程度の放射線を浴びたほうが健康に良い(注5)。

・ 野菜くずはカリウム40を含んでいるが単なる生ゴミ。放射性物質がほんの少し付着した廃材を特別に危険なものとみなす必要はない(注6)。・・・某学者

・ 100ミリシーベルトの放射線を過度に怖がることはない(注7)。それ以下で事実上問題になるとすると、妊婦、乳児だけ。・・・某医師等

・ 世界平均の年間被爆量2.4ミリシーベルトに比べ、日本は1.5ミリシーベルト。癌患者が多いというデータはない。成田からニューヨークを航空機で往復すると0.2ミリシーベルト。7往復すると日本国内の年間被爆量に達する。商社マンに癌が多いわけではない。ラジウム温泉で有名なイランの保養地では年間200ミリシーベルト。癌の増加は認められていない。「1ミリシーベルトを超える被曝は危険だ」には科学的根拠はない(注7)(ものぐさ 日本人の自然被曝 5ミリシーベルト)。・・・某医師

・ 塩も一日に7g程度なら一生摂りつづけても害はありませんし、むしろ適量は摂取しなければなりませんが、一度に200g食べると死んでしまうのです。実は放射線も同じで、人間が生きていく上で一定量の自然放射能が必要不可欠なのですが、大量に浴びると危険なものになります。人体にも「カリウム40」などの放射性物質が存在し、毎秒約7,000ベクレルの放射線を放出しています(注6)。・・・某社長

・ 悪性リンパの患者100人以上に100ミリシーベルトのX線の全身照射を週3回で5週照射した。合計で1500ミリシーベルトだが、照射しない患者の生存率50%に対して、生存率は84%に向上した。だから放射線は有益だ(注8)。・・・某電力幹部

・ 放射線など怖くない。1000ミリシーベルト/年まではホルミシス領域で、人体に有益な効果が期待できる線量範囲だ。宇宙飛行士は宇宙に行くと元気になって帰ってくる。「ホルミシス効果」といって、①免疫機能の向上、②身体の活性化、③病気の治癒、④強く若々しい身体を作るというものだ(注5)。・・・某電力幹部

・ 「名水百選」に含まれるラドンは13ベクレル/kg。それをみんなが飲んでいる(注9)。・・・某電力幹部

・ 癌抑制遺伝子であるp53が250ミリシーベルトの照射により数倍活性化し、LDAコレステロールの減少、DNA修復活動の活性化、免疫系の活性化がみられた(注10)。・・・某電力幹部

<被曝を危険と唱える有識者の発言>

・ 学童の被曝量が20ミリシーベルト/年に引き上がられたことに関連して、小佐古東大教授は「学者生命を絶たれる」として、官房参与を辞任しました。

・ ICRPは、被曝量を減らす便益(健康、心理的安心感)と放射線を避けることに伴う減益(避難、移住による経済的被害、地域の崩壊や生活の変化に伴う心理的な影響等)を考慮すべきとしているが、便益を最大限享受してきたのが電力会社である。被害者である国民は被曝量を減らす便益を受ける権利を有する。・・・某教授

・ 疫学的に証明されるのを待っていたら手後れになる。・・・某教授

・ (注2)~(注10)の反論。

 (20ミリシーベルト等)国の示す基準は安全を保障するものではなく、国にとっての「ご都合主義」から生まれたもので、健康に影響がないという理屈を都合の良い学説で説明し、国民を誤魔化しているのです。<「放射線の安全神話」への誘導>で主張している専門家など、その最たるものです。

 原発は安全ではなく放射能漏れの恐れがあります。しかし、安心してください。被曝しても放射能なんて怖くはありませんよ。だから、お金のために原発を再稼動しましょうよ。そのようなささやきが聞こえ始めました。

(注1) チェルノブイリ原発事故を契機に定められた暫定基準で、食品摂取量のうち「輸入食品の占める割合35%」から導き出された数値です。370ベクレル/kgの35%である130ベクレル/kgが国民の正味の被曝量です。

(注2) 癌発症に関しては、ICRPの2~8倍のリスクがある。毎年発生する産業リスクと一回の原発事故による癌死者を50年で割って比較するのはおかしい。福島県の200万人が20ミリシーベルト/年を10年間被曝したとすると、ICRPのリスクでも癌死者は2万人以上となる。

(注3) 筋肉だけではなく内臓の各器官に蓄積し、未知な点が多く、癌発症だけにとどまらない(ものぐさ 内部被曝評価はシーベルトではなくベクレルで)。

(注4) 長期的、継続的細胞死は、周辺に炎症を起こし、新たな癌細胞が出現する。ペトカウ効果やバイスタンダー効果を無視するのか(ものぐさ 内部被曝評価はシーベルトではなくベクレルで)。

(注5) ホルミシス効果と言われているが、こういう状態を長期的に続けると慢性炎症という状態になり、癌の前提条件になったり、さまざまな病気の原因となる。低線量の放射線でp38が活性化されると最初は細胞が活性化し細胞が増えたりする。細胞が増えると、細胞が元気になった、ホルミシス効果じゃないかと言う研究者がいるが、増殖が長期に続けば腫瘍です。増殖性病変が15年も続くと悪い変化がでてくる。

(注6) 人工の放射性物質セシウムと自然の放射性物質カリウム40は同じベクレル数でも生体内での挙動が異なる。少量の放射性セシウムのほうが放射性カリウム40より危険である。人の誕生以来、体内に均一に存在する放射性カリウム40の量は4000~6000ベクレルと言われている。放射性カリウム40(半減期は12.5億年)は、生物にとって重要な元素であるから否応なしに体内に入ってくる。しかし放射性カリウム40の代謝は早く体内に蓄積することはない。このような生物の機能は進化の過程で獲得してきた適応の結果なのである(ものぐさ 地層処分 楠戸伊緒里氏の資料より)。放射性カリウム40とセシウム137を同一視している。

(注7) ICRPでさえ、20ミリシーベルト/年での癌発症確率は500人に1人と言っている。

(注8) 癌患者へ照射すれば、癌細胞が縮小するのは当然。死ぬかも知れない患者の生存率が向上したことをもって、放射線が正常な人に有益であると言う見解はおかしな論理だ。1回の照射時間が記載されていない。1時間の照射なら、1500ミリシーベルト/年だが、1分間なら25ミリシーベルト/年、10秒間なら4ミリシーベルト/年だ。単位がないので何を言っているのか判らない(ものぐさ)。

(注9) 子供が毎日10ベクレルのセシウム137を摂取すると、1年の体内摂取量は3650ベクレルだ。600日目には、セシウム137が体内に20ベクレル/kg蓄積する(生物学的半減期は40日)。これは注意レベルだ(ものぐさ 内部被曝評価はシーベルトではなくベクレルで)。13ベクレル/kgの名水を1年間10kg飲んだとしても、体内摂取量は130ベクレル/年にしかならない。少量しか飲まない名水を引き合いに出して放射能は安全だと誘導している(ものぐさ)。

(注10) 低線量被曝による研究では、「チェルノブイリ膀胱炎」から「膀胱癌」への進行が明らかになった。この研究において、細胞死や修復を行なう遺伝子p53もまた、放射線で壊され、癌化が促進されることが明らかになった。

 

 

2014年6月18日 (水)

地震用語 「等価震源距離」とは、そして、「耐専スペクトル」のデタラメさ

 長沢教授は、地震動の評価の1つである「耐専スペクトル」について「手法が古すぎ、過小評価している。」と述べています(ものぐさ 長沢教授 大甘な大飯・高浜・川内原発の基準地震動)。

 「耐専スペクトル」とは何でしょう。そして何が過小評価なのでしょう。まず、地震の用語から説明します。

<震源と震源距離>

・ 断層面で岩石が破壊するときに最初に壊れ始める地中の点を震源と言い、震源と観測点との距離を震源距離と言う。

<震央と震央距離>

・ 震源の真上の地表の点を震央と言い、震央と観測点との距離を震央距離と言う。

<等価震源距離 Xeq>

 震源断層面を小さな微小領域に分解し、その各微小領域から放出される地震動のエネルギーの総和が、特定の一点から放出されたものと等価になるように計算された距離を言う。公式は(1式)です。

 Xeq/100Σ/100/Σ    (1式)

  

 ここで、eqは等価震源距離、は断層面上の各微小領域mからの地震波エネルギーの相対的放出分布、は観測点から断層面の各微小領域までの距離。Σは1~mまで加算するという意味です。(微小領域のエネルギーに微小領域までの震源距離を乗じ合計したもの)÷(微小領域のエネルギーを合計したもの)と言うことになります。平均化しているだけです。

<地震基盤>

・ 地震による揺れで地盤の性質や地盤の影響を大きく受けない地下のある深さのところを面的に想定し、その面を地震基盤と呼ぶ。その面のS波速度(主要動)は3km/s。震源からの距離がそれほど違わなければ、地震基盤に入射する波はどこもほぼ同じと考えられる。

<解放基盤>

・ 地震基盤より浅い地盤で、S波速度が300~700m/sの地層を解放基盤と言う(ものぐさ 地震用語 解放基盤 はぎとり波 基準地震動 基礎版)。

<耐専スペクトル>

・ 「原子力発電耐震設計専門部会」と言う部会が、20年間に収集された地震観測記録を基に、大崎スペクトルに代わる経験式を作ったもの。その名前をとって「耐専スペクトル」と命名した。

・ 地震観測データから算出された公式で、地震規模(M)、等価震源距離(Xeq)、地盤の弾性波速度を考慮して解放基盤表面における地震動を算定したもの。公式は(2式)です。

 S(T)(T)×α(T)×β(T)}    (2式)

 ここで、Tは地震動の周期(0.02~5秒)、S(T)は解放基盤表面における平均応答スペクトル(注1)、(T)は地震基盤における平均応答スペクトル、α(T)は地盤増幅率の補正項、β(T)は地盤の卓越周期(固有周期とも言う)の補正項です。α(T)×β(T)、は地盤増幅の補正項となります。また、(T)は地震マグニチュードと等価震源距離(eq)から、α(T)×β(T)は解放基盤表面でのS波速度()と水平動に対する地盤の卓越周期(s1)から求めます。

 (2式)は「解放基盤表面における平均応答スペクトル=地震基盤における平均応答スペクトル×地盤増幅率」と理解して良いでしょう。

 震源で生じた地震動は地震基盤に入力し、その上部にある解放基盤に地震波は達する。地震基盤上の応答スペクトルをいくら正確に定めても、地盤増幅率が正確でなければ、解放基板上の応答スペクトルは間違ったものになります。

<解放基板上の応答スペクトルのデタラメ>

・ 上記に見るように、解放基盤上の応答スペクトルは、地震基盤と解放基盤間の地盤増幅率に大きく影響される。

・ 新潟中越沖地震で柏崎刈羽原発が受けた地震動の解放基板上の応答スペクトルは、(2式)で推定した耐震スペクトルの6倍もあった。

・ これについて、東電は、「①原発地下の堆積層は固い地震基盤の上に5kmもあり、地震波が解放基盤に達するまで増幅したり干渉してしまった。②堆積層が水平でなく、震源から原発敷地に向かって持ち上がっていたため地震波が曲がって伝わった。③地下2kmより浅いところで堆積層が湾曲構造になっていて、地震波が原発敷地に集中した。」と言っている。

・ 解放基盤から地震基盤までの地下構造を調べる必要があったが、全く気にもとめていなかったと聞く。増幅率を決定する際に必要な地下構造を何故調べなかったのか。調査もせず、原発を建ててしまう神経が理解できません。

<耐専スペクトルを求める公式のデタラメ>

 増幅率がデタラメであるばかりか、公式もデタラメのようです。

・ 公式の基になったデータが12観測点107の地震記録と少ない。

・ プレート境界地震は32個、内陸地殻内地震は12個。しかも、プレート境界地震は福島県沖、内陸地殻内地震は伊豆半島付近と発生場所に偏りがある。性質の違う指針をごちゃまぜにして公式を作っている。

・ スラブ内地震(注2)は考慮されていない。

・ 都合の良いデータだけを使っている可能性がある。

<解放基板上の応答スペクトルが耐震スペクトルを上回った実例>

・ 宮城県沖地震(2005)で女川原発が受けた解放基盤上の加速度応答スペクトルは、耐震スペクトルの5倍。

・ 能登半島地震で志賀原発が受けた解放基盤上の加速度応答スペクトルは耐震スペクトルの1.5~2倍。

・ 岩手宮城内陸地震(M7.2)で一関西地下観測点の加速度応答スペクトルは耐震スペクトル(以下、「はぎとり効果」のない加速度応答スペクトルで比較し、耐震スペクトルは「内陸補正なし(注3)」を適用)の1.4倍。

・ 岩手宮城内陸地震(M5.7)で一関西地下観測点の加速度応答スペクトルは耐震スペクトルの5.8倍。

・ 能登半島地震(M6.9)で柳田地下観測点の加速度応答スペクトルは耐震スペクトルの2.5倍。

・ 三重地震(M5.4)で芸濃地下観測点の加速度応答スペクトルは耐震スペクトルの3.7倍。

<耐専スペクトルと基準地震動の関係>

・ (2式)で求められた耐専スペクトルを上回るように基準地震動(Ss)は決定される。

(注1) 応答スペクトルは、横軸に周期、縦軸に速度、図のX-Y面で正の傾きを持った直線群は加速度、X-Y面で負の傾きを持った直線群は変位となります。この図では、各周期に対する加速度、速度、変位を一目で見ることができる(ものぐさ 地震用語 加速度時刻歴波形と加速度応答スペクトル)。

(注2) 海溝などから沈み込んだ海洋性プレートのことをスラブと言う。スラブ内地震はプレート内地震と言い換えることができる。

(注3) 耐震スペクトル「内陸補正あり」は、耐震スペクトル「内陸補正なし」の0.6倍であるから、前者を使えば更に過小評価となる。

2014年6月30日 (月)

石原環境相 「最後は金目」発言は「本音でしょ」

 6/16、石原環境相が菅官房長官と会い官邸から出る時、中間貯蔵施設の問題は「最後は金目でしょ」と記者に対して発言しました。

 同氏は6/25、福島県を訪れ「不快な思いをさせ、心からおわびする」「お金で解決するという意味ではない」「これからも一層被災者の心に寄り添って丁寧に仕事を進めたい」と頭を下げたそうです。「被災者の心に寄り添う」とは具体的に何をしてくれるのでしょう。口先三寸のような気がします。計16回開いた中間貯蔵施設の住民説明会に、同環境相が一度も出席していないことがそれを如実に語っています。どこか他人事なのでしょう。

 「被災者の心に寄り添う」具体的な対処とは、何を指すのでしょう。被災者は古里を失い、家族離散し、放射能に怯えて生活しています。被災者は「古里を元通りにしてくれるなら、お金は一円も要らない」とも言っています。1ミリシーベルトにまで除染できないなら、事故以前の生活に戻れないなら、金で解決するしかないでしょう。

 ジュネーブ大学のヴァルター・ヴィルディ教授は「もし、スイスで同じような福島原発事故起きたならば」という想定で、損害賠償額を366兆円と見積もっています(ものぐさ 福島原発損害額 366兆円)。

 今までに試算されている損害賠償額はいったい如何ほどですか。10~20兆円程度でしょうか。366兆円との違いは、国民を守る国の意識の違いなのでしょう。10兆円程度の損害額で、原発を動かせるなら、国にとって原発は安いものです。366兆円支払うことになったら、果たして原発の再稼動など言い出すでしょうか。賠償が安上がりだから再稼働に躍起なのです。

 被災者の心に寄り添う気があるなら、精神的な賠償であろうと、山奥の森林を含めた徹底した除染であろうと、中間貯蔵施設の建設であろうと、不動産の買取であろうと、移住支援であろうと、健康管理であろうと、住民が納得する金を国は出すべきでしょう。

 十分な金額も提示せず、「被災者の心に寄り添う」と言っています。微々たる金額しか出さないのに、「金目でしょ」と言う。

 石原環境相は、気のゆるみか、ついつい本音を語ってしまいました。正直で大変立派な議員です。一方、官房長官は、東京都議員のセクハラ発言や麻生副総理の「いじめ」発言に対して、「内閣は常に謙虚であって、誤解される発言は控えるべきだ」と述べています。「誤解される発言」ではなく、「本音発言」は控えるべきだと言っているのでしょう。官房長官のほうが、たちが悪い。

 今の国は、本音で国民に語り掛けず、国民を煙に巻いて物事を進めている。「武器輸出三原則」を「防衛装備移転三原則」と言い換えて本質を誤魔化しています。本音で語ってもらえませんか。「誤解される発言」大賛成です。自民党の見極めましょう。

 最後に集団的自衛権について一言警告します。年配の友人から聞いた「とある兵士」の戦争体験は想像を絶するものでした。前方から銃弾に撃たれた兵士の背中は回転して進む弾丸により内臓がえぐられ、前方の銃創痕は1cm程度にも関わらず背中の銃創痕は10cmにも広がっていた。内臓を横から撃たれた兵士の腹部からは、小腸などの内臓が飛び出し、兵士は必死に腹部に戻そうとしていた。一般人に対する残忍な行為についても「最初は躊躇したが、2回目からは何の抵抗もなかった」と、友人の先輩に当たる教師は自慢げに語っていたと言う。集団的自衛権が法制化されれば、若者はそういう戦場に向かうことになります。戦争とはそういうものです。戦場で歌われたり、又は国民を鼓舞する目的で歌われた軍歌の販売広告がやたらと目に飛び込んできます。その歌詞は勇ましく、又は哀愁を帯びているのです。そこからは、戦争の残虐性は伝わってきません。ベールに包まれています。軍歌の販売広告は戦争推進論者の仕掛けたものでしょうか。太平洋戦争前夜のような雰囲気が、今の国の姿勢から感じられます。9条を守り、集団的自衛権に断固反対しましょう。

 

 

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