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2014年8月16日 (土)

浜岡原発(ABRW型)は水蒸気爆発の可能性あり

 <浜岡原発訴訟の第十四回口頭弁論の準備書面21より>

 炉心溶融により溶融した燃料(2500℃以上)に冷却水が接触すると、冷却水は急激に蒸発し、体積は瞬時に1600倍も増加します。この爆発現象を水蒸気爆発と呼びます。それによる爆発力・破壊力は福島原発で起きた水素爆発の比ではありません。

 改良型沸騰水型軽水炉(ABWR型)と呼ばれる浜岡原発5号機は、福島原発に採用されている沸騰水型軽水炉(BWR-4 Mark-1型)と比べて、遥かに水蒸気爆発の危険性が高いと言われています。

 その理由を構造上の違いから説明します。

・ Mark-1型の下部に位置する圧力抑制室はドーナツ状の構造となっているため、溶融燃料が落下したとしても、原子炉下部に圧力抑制室はなく、水蒸気爆発は起こりにくい構造となっている。

・ ABRW型は原子炉の直下に圧力抑制室のある構造となっており、落下した溶融燃料が圧力抑制室隔壁を破壊し、冷却水と接触する可能性の高い構造となっている。

 水蒸気爆発の事例をいくつか見てみましょう。

・ 火山噴火

 マグマの熱で付近の地下水が気化して大量の水蒸気が発生すると、急速に上昇した水蒸気圧力により火口や山体が破壊される。これを水蒸気噴火と言う。一方、マグマが直接地下水や海水に接触して起こる爆発をマグマ水蒸気爆発と言う。地球中心温度は6000℃、地殻とマントルの境界面(マグマ溜り・・・地下30km程度の場所にある)のマグマ温度は1000~1200℃です。この程度の温度で、マグマと地下水が接触すれば、水蒸気爆発が起こり、山体を破壊してしまう。

・ スリーマイル島原発事故

 溶融燃料20tが圧力容器底部に落下し、水蒸気爆発が起きた。

 以下、日本原子力研究所(2002年3月)の資料より抜粋した。研究の背景として、次のような記述がある。

 蒸気爆発は、高温液体と低温液体の接触混合時に、急速な熱伝達のために低温液体が急激に蒸発し、衝撃圧縮を生じる熱的相互作用である。このような蒸気爆発による事故、災害を未然に防ぐために蒸気爆発の発生条件ならびに蒸気爆発が発生した場合などの規模をあらかじめ知ることが極めて重要である。しかしながら、蒸気爆発現象は極めて短時間に起こる現象であり、その観察、測定が難しく未知の部分が多大に残されており、今後、蒸気爆発現象の発生メカニズムなどに関する研究を行なって行くことが求められている。

 研究目的は、原子炉のシビアアクシデント時において発生する可能性のある蒸気爆発のトリガー機構を解明することです。この点がが興味深いところです。

・ 鹿島コンビナート事故(1958年)

 約1300℃の溶融マンガンが15t流出し、水と接触して水蒸気爆発。

・ 兵庫県での製鉄所(1988年)

 1500℃の銑鉄が数百kg漏れ、水と接触し水蒸気爆発。

・ 大阪府の製鉄所(1989年)

 製鉄所のタンクが倒壊し、水が流出。停車中の高熱溶融物の運搬車両が水をかぶり水蒸気爆発。

・ 山形県の廃品回収工場(1990年)

 火災で溶けたアルミと消火のために放水した水が接触して水素爆発。

・ 富山県アルミ鋳造工場(1984年)

 800℃の溶融アルミと雨を含んだアルミスクラップが接触して水蒸気爆発。

・ 米軍用沸騰水型原子炉SL-1(1961年)

 制御棒の引き抜きにより水蒸気爆発。

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