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2014年8月20日 (水)

司法が変わる 大飯原発原告勝訴

 <浜岡原発訴訟の第十四回口頭弁論の準備書面22より>

 福井地裁は「大飯原発を運転してはならない」とする判決を言い渡した。以下、要点を列挙する。

・ ひとたび深刻な事故が起きれば多くの人の生命、身体や生活基盤に重大な被害を及ぼす。「人格権(注1)」は差し止め請求の具体的根拠となりえる。人格権は憲法上の権利でもある。

・ 生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権そのものについて侵害行為の差し止めを請求できる。

・ 原発の稼動は経済的活動の自由に属するに過ぎず、人格権よりも劣位におかれるべきもの。

・ 原発技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは福島原発事故を通じて明らかになった。

・ 人格権を奪われる具体的事態が万が一にでもあるのか否かいう点に(判決は)集約され、規制基準への適合性の判断とは別個・独立に司法は判断できる。

・ ひとたび事故が発生した場合の権利侵害の度合・範囲が甚大であることに照らしても、司法判断を避ける理由は微塵も存在しない。

・ 原子炉規制法等のあり方、内容によって司法が左右されるべきではなく、司法は(人格権を根拠とした差し止め請求に関する)判断能力・適格を有する。

・ 判決は、①地震学の知見の限界、②構造物の材質のばらつきや溶接等の良否などの不確定要素の存在、③緊急時における回避措置の不確実性や事態把握の困難性等を指摘し、冷却機能喪失による重大事故が生ずる危険は「万が一の危険という領域を遥かに超える現実的で切迫した危険である。」と述べている。

・ 地震大国日本において、基準地震動超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的な見通しに過ぎない。

・ 大飯原発から半径250km圏内に居住する者は、大飯原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的危険がある。

 原発推進派は、原発がなければ経済は成り立たないとか、電気料金が上昇するとか、石油の輸入がストップすれば日本は壊滅する(ものぐさ 原発停止なら、イラン危機で日本は一流国から転落?)とか、世界一厳しい規制基準で世界一安全な原発だ(ものぐさ 日本の原発技術は世界一安全 ?)とか、放射能は怖くない(ものぐさ 「原発の安全神話」から「放射線の安全神話」へ)とか、汚染水は完全にブロックされている(ものぐさ 汚染水漏れ これでも「完全ブロック」か)とか屁理屈を主張しています。政府と原発推進派が束になって、国民を洗脳しようとしています。原発再稼動ばかりではなく、集団的自衛権の閣議決定、特定秘密保護法制定、沖縄辺野古基地移転など国民の声に耳を傾けることなく、政府は強引に政策を推し進めています。安倍首相は反対派の意見に耳を傾ける度量もなく、アメリカと経済界の言うことしか聞かない、と言われています。

 このような状況下において、胸のすくような判決でした。福島原発の悲惨な現状をみて、理不尽な思いを抱きつつ「まあしょうがないか」とあきらめているのではないでしょうか。司法は国民の味方です。専門知識に疎い国民にとって人格権は大きな武器となります。人格権を根拠に、原発再稼動反対を堂々と主張していこうではありませんか。

(注1) 

第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

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