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2014年12月

2014年12月 1日 (月)

衆院選 原発・エネルギー政策

 赤穂浪士の討ち入り日である12/14は衆院選の投開票日です。国民を無視してきた安倍強権政治に国民の意思を示す時が来たのです。前回選挙の仇討ち日となりますように。

 安倍政権の2年間を振り返ってみましょう。①特定秘密保護法制定、②憲法9条の解釈の変更、③集団的自衛権の閣議決定、④強引な原発再稼動推進、⑤沖縄県民の意思を無視した辺野古への移転など目に余ることが多すぎます。

 第一の矢(異次元の金融政策)、第二の矢(公共事業に偏った財政政策)、第三の矢(民間投資を喚起する成長戦略)は破綻し、庶民の実質賃金は減少し続けています。株価上昇で潤った人は一部の富裕層どまりで、庶民は消費税8%と円安による物価上昇に喘いでいます。特に年金受給者の年金はマクロ経済スライドにより下がり続けます。

 さて、脱原発を希望する私にとって、原発・エネルギー政策は最も重要視すべき事項です。ここで、各党の公約の要旨を抜粋します。赤字で反論します。

<自民党>

・ 再生可能エネルギーの導入状況、原発再稼動等を見極めつつ、エネルギーミックスを速やかに示す。

 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が制定された当時から、導入量の増加が予想され、送電線のパンクが分かっていたにも関わらず、政府は何ら対処していません。極めて消極的であると言わざるを得ません。原発再稼動ありきのエネルギーミックスです。(ものぐさ 九電 再生エネルギー買取り停止と固定価格買取制度 九州の風力発電等の潜在量

・ 原子力は安全性の確保を大前提に活用する。新規制基準に適合した原発の再稼動を進める。再稼働にあたっては、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む。

 新規制基準に適合していても、原発事故は起きる(ものぐさ 新規制基準の基準地震動は旧態依然 長沢教授 大甘な大飯・高浜・川内原発の基準地震動住民の意見は聞かず、立地自治体の承認だけで再稼動を進めています。UPZ圏内の住民の意見も無視したままです。しかも、緊急避難計画は自治体に丸投げです。

・ 省エネと再エネを最大限に導入するとともに、火力発電の高効率化により、原発依存度は可能な限り低減する。

 省エネと再エネの導入には極めて消極的であることが、ここ数年間の政府対応で明らかになりました。

 核燃料サイクルについては言及していません。たぶん推進でしょう。

<公明党>

・ 原発の新設を認めず、原発の40年運転制限を厳格に適用。

 関電が高浜原発1、2号機の40年を超える延長を検討しています。他の原発も追随しそうです。この言葉は本当ですか。

・ 原発に依存しない社会・原発ゼロを目指す。

 いつまでなのか数値が記載されていません。100年後になるのでしょうか。

・ 新規制基準を満たすことを大前提に、国民、住民の理解を得て再稼動を判断する。

 国民の60%は再稼動に反対であり、国民の理解は得られていません。どこまでの住民の理解を得るのでしょう。UPZ圏内の住民を指すのですか。立地自治体の承認だけで川内原発は再稼動します。周辺住民には形式的に簡単な説明をしただけです。これで理解が得られたと思っているのですか。川内原発の再稼動には黙り込んだままです。これも噓でしょう。

<民主党>

・ 福島原発事故の原因解明を進め、避難計画について国の責任を明確にする制度を整備する。責任ある避難計画がなければ原発を再稼動すべきではない。2030年代の「原発ゼロ」を目指す。

・ 再生可能エネルギーを最大限導入する。「分散型エネルギー推進法」を制定し、環境に優しいエネルギーの地産地消を進める。電力会社に原則、即時接続保留解除を求める。

・ 省エネルギー法を改正し、省エネ技術を飛躍的に普及させる。

・ 電力小売市場の全面自由化、送電網の増強、発送電分離など電力システム改革を進め、電力の安定供給を図りつつ、安価な料金、消費者の選択肢を拡大。

<共産党>

・ 原発の輸出は直ちに中止する。

・ 「もんじゅ」や再処理工場は廃止し、核燃料サイクルから直ちに撤退する。

・ 即時原発ゼロを決断し、全ての原発の廃炉をただちに進める。省エネ、節電の徹底と再生可能エネルギーの大幅導入を実行する。

<維新の党>

・ 電力自由化の推進。電力自由化の改革プロセスを監視・提案する第三者機関「電力改革委員会」を創設する。

・ 原発依存から脱却する。市場メカニズムによる電力受給調整を行い、原発廃炉と東京電力の破綻処理を進める。

・ 発送電分離と送電系統への接続の平等化、再生可能エネルギーやコージェネレーション等の導入促進で、既設原発は市場競争に敗れ、フェードアウトする。

・ 「核のゴミ」の最終処分の解決なくして原発再稼動なし。「原発再稼動責任法」を制定する。

・ 核燃料サイクルは廃止する。廃炉技術と次世代原子炉の研究は継続する。

<社民党>

・ 原発再稼働は一切認めない。原発の新増設はすべて白紙撤回する。活断層の上に立地することが明らかとなった原発は直ちに廃炉とする。

・ 「脱原発基本法」を制定する。原発立地地域支援のための立法で、国が地域振興と雇用対策に責任を持つ。

・ 半径5キロ以内の即時避難区域(PAZ)、30キロ圏の避難準備区域(UPZ)だけでなく、風下となるおそれのある地域等も含めた実効性のある原子力防災計画を策定する。UPZ圏内の自治体との安全協定締結を義務づける。

・ 「もんじゅ」や再処理等の核燃料サイクル計画からは撤退する。

・ 電力会社の発・送・配電の所有を分離し、完全な自由化を図る。

・ 再生可能エネルギーを促進する。過渡的にLNGコンバインドサイクル発電など高効率の火力発電を活用する。

<生活の党>

・ 原発の再稼動・新増設は一切容認しない。

・ 地産地消を基本としたエネルギー政策に転換する。

<次世代の党>

・ 電源構成の多様化による脱原発依存体制を構築する。

・ 世界最先端の原子力技術を維持する。

・ 高速炉を含む使用済み核燃料サイクル、最終処分場の選定問題に具体的な結論をだす。

・ 発送電分離を含む市場改革を通じた自然エネルギーの活用を拡大する。

 前回選挙で自民党を圧倒的多数で勝たせたことが自民党の暴走に拍車をかけています。慎重な国会運営をさせるためにも、過半数割れ程度にまで自民党を追い込むことが必要ではないでしょうか。民主党は全選挙区に立候補者を立てず、他の野党との選挙協力を進めています。望ましいいことです。

 戦争のできる国を目指すのですか。福島の二の舞となる可能性がある原発を再稼動させるのですか。

  

2014年12月26日 (金)

浜岡原発訴訟 傍聴記(浜岡原発の防波壁の脆弱性) その11

 11/27、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第十六回口頭弁論を傍聴しました。第14回(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記(不合理な新規制基準 立地審査指針違反 新規制基準の基準地震動は旧態依然 司法が変わる・大飯原発原告勝訴 クリフエッジ) その10)に続き11回目です。

 午前10時5分までに裁判所に集合し、行列に並びました。定員オーバーした場合には抽選です。一般傍聴席40人程度に対し、希望者は17人。全員が入廷できました。

 向かって左に原告、右が被告(中電)です。原告側28人程度、被告側14人程度でした。

 裁判官3人、報道関係者は6人でした。10時30分開廷です。

 被告は準備書面12、13で、以下反論しました。

・ 基準地震動を超える地震は10年で5回と原告は言うが、耐震安全性は確認されている。地下構造の最新知見を含めてSsを作成した。3倍の静的地震力に耐えうる。

・ 4022ガルが起きても建屋に被害はない。

 原告は液状化について問題点を指摘しました。詳しくは、記者会見で配付した準備書面24に記載されています。

 10時49分閉廷です。

 準備書面24(浜岡原発防波壁の脆弱性について)の詳細を、中電が地域住民に配付した小冊子「安全性のさらなる追求」の内容と比較します。

1 海側に面している総延長1.6kmの防波壁

(中電) 海抜22mの防波壁は、①岩盤の中から立ち上げた鉄筋コンクリート造りの基礎、②鋼構造と鉄筋・鉄筋コンクリート複合構造からなるL型の壁、③地上に露出している幅2m、高さ14~16mのコンクリート壁からなる。②の部分は7mほど地中に埋設されている。

(原告) 砂丘堤防に埋設されている②の部分は間隔6mの下駄状の基礎で、下駄部のコンクリート幅は1.5mである。下駄状の歯は海に向かった構造となっている。

 砂丘が液状化し側方流動(注1)が生じたところに津波が襲来すると、砂丘は消失し、海水が下駄部分から敷地内に流入する。そもそも側方流動が生じた場合、津波到来前に砂丘堤防が消失してしまう可能性がある。防波壁の設計にあたって、中電は液状化による側方流動及び地すべりと砂丘消失の可能性を考慮していない。

2 新野川河口部に面する170mの盛土

(中電) 防波壁の高さは6mで、砂丘の上に盛土(改良盛土)された部分からなり、海抜は22~24mである。

(原告) 地中部分には鋼管矢板(注2)が採用されている。基礎部に用いられている鋼管矢板は一般の防波堤に使用されている鋼材であり、地震動や津波、液状化への対処としては脆弱である。

 液状化が生じて側方流動と地すべりにより砂丘や改良盛土が消失すれば、防波壁は容易に損壊し、海水が流入する。

3 5号機周辺の脆弱基盤

(中電) 2009年8月11日に発生した駿河湾の地震において、大きな揺れが5号機を襲った。地下構造を調査した結果、大きな揺れの原因は深さ数百mの地下浅部に分布する低速度層であり、この低速度層は5号機以外の周辺には分布していない。大きな揺れは震源地方向からの地震に限られる。

(原告) 駿河湾地震での揺れにびっくりして、あわてて調査した。他の方向に低速度層はない、と言っているが果たして本当か。360度全方向から地震は到来する。この点について全く考慮されていない。

 中電が地域住民に配付した小冊子「安全性のさらなる追求」の内容は本当なのでしょうか。中電の対策で原発は安全なのでしょうか。駿河湾地震の揺れに原発が見舞われるまで、中電は低速度層の存在に何十年も気づいていませんでした。あわてて調査した結果、低速度層なる概念を持ち出して、住民を煙に巻いているように感じます。このような隠された問題は数え切れないほどあるのでしょう。

 被告の反論「4022ガルが起きても建屋に被害はない」は本当なのでしょうか。

 想定外の地震に対して、小冊子「安全性のさらなる追求」に書いてある対策は、安全性を担保するものではありません。想定外の地震に対しては何ら効果はないのです。想定外の地震が到来すれば、放射能がもれ、住民が被曝する可能性は十分にあるのです。想定外の地震を考慮すれば、原発を再稼動するなど凶器の沙汰です。

(注1) 地盤流動現象の1つで、傾斜や段差のある地形で液状化現象が起きた際に、いわゆる泥水状になった地盤が水平方向に移動する現象をいう。基礎岩盤である相良層が海側に傾斜していることにより、地盤は水平方向に大きく変位する。

(注2) 鋼管に継手を溶接し、横並びにつないだもの。

  次回は1/21、3/9、5/21の予定です。

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