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2014年12月26日 (金)

浜岡原発訴訟 傍聴記(浜岡原発の防波壁の脆弱性) その11

 11/27、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第十六回口頭弁論を傍聴しました。第14回(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記(不合理な新規制基準 立地審査指針違反 新規制基準の基準地震動は旧態依然 司法が変わる・大飯原発原告勝訴 クリフエッジ) その10)に続き11回目です。

 午前10時5分までに裁判所に集合し、行列に並びました。定員オーバーした場合には抽選です。一般傍聴席40人程度に対し、希望者は17人。全員が入廷できました。

 向かって左に原告、右が被告(中電)です。原告側28人程度、被告側14人程度でした。

 裁判官3人、報道関係者は6人でした。10時30分開廷です。

 被告は準備書面12、13で、以下反論しました。

・ 基準地震動を超える地震は10年で5回と原告は言うが、耐震安全性は確認されている。地下構造の最新知見を含めてSsを作成した。3倍の静的地震力に耐えうる。

・ 4022ガルが起きても建屋に被害はない。

 原告は液状化について問題点を指摘しました。詳しくは、記者会見で配付した準備書面24に記載されています。

 10時49分閉廷です。

 準備書面24(浜岡原発防波壁の脆弱性について)の詳細を、中電が地域住民に配付した小冊子「安全性のさらなる追求」の内容と比較します。

1 海側に面している総延長1.6kmの防波壁

(中電) 海抜22mの防波壁は、①岩盤の中から立ち上げた鉄筋コンクリート造りの基礎、②鋼構造と鉄筋・鉄筋コンクリート複合構造からなるL型の壁、③地上に露出している幅2m、高さ14~16mのコンクリート壁からなる。②の部分は7mほど地中に埋設されている。

(原告) 砂丘堤防に埋設されている②の部分は間隔6mの下駄状の基礎で、下駄部のコンクリート幅は1.5mである。下駄状の歯は海に向かった構造となっている。

 砂丘が液状化し側方流動(注1)が生じたところに津波が襲来すると、砂丘は消失し、海水が下駄部分から敷地内に流入する。そもそも側方流動が生じた場合、津波到来前に砂丘堤防が消失してしまう可能性がある。防波壁の設計にあたって、中電は液状化による側方流動及び地すべりと砂丘消失の可能性を考慮していない。

2 新野川河口部に面する170mの盛土

(中電) 防波壁の高さは6mで、砂丘の上に盛土(改良盛土)された部分からなり、海抜は22~24mである。

(原告) 地中部分には鋼管矢板(注2)が採用されている。基礎部に用いられている鋼管矢板は一般の防波堤に使用されている鋼材であり、地震動や津波、液状化への対処としては脆弱である。

 液状化が生じて側方流動と地すべりにより砂丘や改良盛土が消失すれば、防波壁は容易に損壊し、海水が流入する。

3 5号機周辺の脆弱基盤

(中電) 2009年8月11日に発生した駿河湾の地震において、大きな揺れが5号機を襲った。地下構造を調査した結果、大きな揺れの原因は深さ数百mの地下浅部に分布する低速度層であり、この低速度層は5号機以外の周辺には分布していない。大きな揺れは震源地方向からの地震に限られる。

(原告) 駿河湾地震での揺れにびっくりして、あわてて調査した。他の方向に低速度層はない、と言っているが果たして本当か。360度全方向から地震は到来する。この点について全く考慮されていない。

 中電が地域住民に配付した小冊子「安全性のさらなる追求」の内容は本当なのでしょうか。中電の対策で原発は安全なのでしょうか。駿河湾地震の揺れに原発が見舞われるまで、中電は低速度層の存在に何十年も気づいていませんでした。あわてて調査した結果、低速度層なる概念を持ち出して、住民を煙に巻いているように感じます。このような隠された問題は数え切れないほどあるのでしょう。

 被告の反論「4022ガルが起きても建屋に被害はない」は本当なのでしょうか。

 想定外の地震に対して、小冊子「安全性のさらなる追求」に書いてある対策は、安全性を担保するものではありません。想定外の地震に対しては何ら効果はないのです。想定外の地震が到来すれば、放射能がもれ、住民が被曝する可能性は十分にあるのです。想定外の地震を考慮すれば、原発を再稼動するなど凶器の沙汰です。

(注1) 地盤流動現象の1つで、傾斜や段差のある地形で液状化現象が起きた際に、いわゆる泥水状になった地盤が水平方向に移動する現象をいう。基礎岩盤である相良層が海側に傾斜していることにより、地盤は水平方向に大きく変位する。

(注2) 鋼管に継手を溶接し、横並びにつないだもの。

  次回は1/21、3/9、5/21の予定です。

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