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2015年2月

2015年2月 3日 (火)

「原発依存15~25%」にパブリックコメントを

 一旦、事故が起きれば、福島のように人が住めなくなります。福島の原発事故は不幸中の幸いでもありました。使用済み核燃料プールが壊れれば、被害は東日本全土に及んでいた可能性もあります。「規制基準に適合しても安全を保障するものではない」と規制委員会は言っています。長沢啓行(大阪府立大名誉教授)は地震動の評価について「手法が古すぎ、過小評価している。愕然とした。」と述べています(ものぐさ 長沢教授 大甘な大飯・高浜・川内原発の基準地震動)。

 川内原発の避難計画を見ても分かるように、同計画は実効性のあるものではありません(ものぐさ 川内原発 再稼動合意)。万が一、避難できたとしても、故郷に帰れなくなることは、福島県民の現状を見れば明らかです(ものぐさ 原発震災 緊急避難後どうするつもりだ)。

 「廃炉作業は40年要する」と関係者は言っているが、汚染水を減少させるための凍土遮水壁は完成の見通しもなく、放射線量が強すぎて1~3号機の使用済み核燃料の搬出も困難を極めています。汚染水タンクに溜まり続けている汚染水の浄化は、アルプスの不調により、遅々として進んでいません。浄化できたとしても、放射性物質であるトリチウムは残ったままです(ものぐさ トリチウム 飲んでみろよ)。トリチウムは浄化せず、海に放出するに決まっています。100年経過しても廃炉作業は完了しないかも知れません。

 甲状腺障害の子供は4年足らずで108人にも達しました(ものぐさ 福島原発 甲状腺障害)。

 南相馬市長は「ダメなものはダメだ」と言っています(ものぐさ 桜井南相馬市長を招いての原子力防災学習会in牧之原)。ドイツは福島原発の事故を見て、即座に原発ゼロ政策に転換しました。

 「経済性は人の生存権より劣位におかれる」と福井地裁は判決しています(ものぐさ 司法が変わる 大飯原発原告勝訴)。

 政府有識者は、原発依存を15~25%と世論誘導しようとしています。落しどころを探っているような場合ではありません。原発の稼動年数は原則40年ですが、関西電力は、大飯原発、高浜原発の運転期間の延長を規制委員会に申請しようとしています。こんな初期に作られた原発が「世界一安全だ」などと言えるのでしょうか。住民の安全よりも関西電力の赤字解消を優先しています。政府は新たな原発の増設をも目論んでいます。

   私は原発「即時ゼロ」を主張します。

 <パブリックコネントを送る方法>

 「経産省、資源エネルギー庁」で検索し、経産省のホームページを開きます。

 「エネルギーミックスに関する意見を募集します」、「意見の提出方法」、「送信フォームの場合」を順次クリックして、意見を書き込みます。

2015年2月16日 (月)

福島県民健康調査「甲状腺がん検査] その後

 福島県が行なっている子供(震災時18歳未満)の甲状腺検査の経過はどうなっているのでしょうか。

 下記に見るように、先行検査(1巡目)の最終結果として、がん患者は86人、がんの疑いは23人でした。

 その経緯をグラフに示します。1人以上、5人以下をブロック□、■で示します。2ブロックなら該当人数は6~10人の範囲となります。尚、■はがん患者、□はがんの疑い患者となります。調査結果の発表間隔はほぼ3ヶ月毎となっています。

 先行検査は2011年10月から2014年12月まで行なわれ、本格検査(2巡目)の検査は2014年4月から実施されています。下記、年・月・日は発表日です。スラッシュで区切った数字は、スラッシュ前ががん患者、スラッシュ後はがんの疑い患者数です。

2013.2.4(対象38,114人) 

■       3人

2013.6.5(対象174,000人)

■■■□□□     12人/16人

2013.8.21(対象216,809人) 

■■■■□□□□□  18人/25人

2013.11.12. 

■■■■■■□□□□□□□ 26人/32人            

2014.2.8   

■■■■■■■□□□□□□□□□  33人/42人               

2014.5.19      

■■■■■■■■■■□□□□□□□□ 50人/39人          

2014.8.24(対象300,000人)

■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□ 57人/46人

2014.12.25 

■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□□□ 84人/24人  

2015・2.12(先行検査の最終結果)  

■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□□□ 86人/23人

 先行検査の対象者30万人中、がん患者は86人となりました。100万人中、がん患者は287人と言う結果です。通常、小児甲状腺がんの発症割合は100万人中1人と言われています(ものぐさ 福島原発 甲状腺障害)。

 2/12、本格検査で初めて一人のがん患者が見つかったと、報道されました。

 本格検査の途中結果(2014.12.31現在)について、HP掲載の県民健康調査「甲状腺検査(本格検査)」の実施状況から詳細を見てみます。

<対象者>

 平成23年4月2日から平成24年4月1日までに産まれた小児を加えた38万5,000人。

<検査期間>

 平成26年4月2日から平成28年4月1日までの2年間。

<平成26年12月31日現在の結果>

・ 受診者数106,068人中、75,311人の結果が確定。

・ A1、A2判定は74,700人、B判定は611人、C判定は0人(注1)。

<先行検査との比較>

 本格検査でA1、A2判定であった74,700人中、先行検査でA1、A2判定であったものは69,948人。詳しくは、

 先行検査でA2判定であった2,500人とB判定であった24人は本格検査でA1と判定。

 先行検査でA1判定であった15,349人とB判定であった90人は本格検査でA2と判定。

 先行検査でA1判定であった160人とA2判定であった281人は本格検査でBと判定。

 数年経過後、総じて甲状腺が大きくなっていることが分かる。

<細胞診断結果>

 8人が「悪性ないし悪性の疑い」との結果である。うち、5人は先行検査でA1判定、3人はA2判定であった。数年で悪化したということでしょうか。それとも、先行検査で見落としていたということでしょうか。先行検査がA判定でも安心できないことが分かる。継続して検査をしていくことが重要である。8人のうち6人が問診表を提出し、1ミリシーベルト未満の人は2人、1.5ミリシーベルト未満は3人、2.5ミリシーベルト未満は1人でした。

 75,311人中8人ががん患者であるとすれば、100万人中のがん発症割合は106人です。

 最後に、事故から26年経過したチェルノブイリ原発事故による甲状腺がん患者(事故当時の年齢が18歳未満)のデータ(ウクライナ内分泌代謝研究センター)を見てみます。ウクライナの子供の人口1200万人に対し、事故前の甲状腺がんは年間4、5例でした。ところが、年間の発症数は事故後26年たった今でも増え続けています。事故発生時で19人だったものが、1年目で26人、2年目で23人、3年目で39人、4年目で62人、5年目で70人、10年目で189人、20年目で474人、そして昨年は700人です。そして、甲状腺がん患者(事故当時の年齢が14歳未満)の10万人当りの年間発症数は、5年目で1人、10年目で3人、15年目で7人、そして、23年目の2009年における発症数は10万人当たり9人です。2009年は、実に1万人当たり1人の発症割合です。その割合は、現在の福島県と同じではありませんか。目を疑って、何度もデータを見直しました(ものぐさ 福島原発 甲状腺障害)。

(注1) A1判定は異常なし、A2判定は5mm以下の結節や20mm以下ののう胞あり、B判定は5.1mm以上の結節や20.1mm以上ののう胞をあり、C判定は直ちに二次検査を要する。

2015年2月27日 (金)

最終処分場選定 基本方針案

 2/17、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定手順案が基本方針と言う形で明らかになりました。

 政府の思惑に沿った基本方針で、日本学術会議の提言は無視されています(ものぐさ 日本学術会議 核のゴミは「暫定保管」と「総量管理」で)。結論から言うとガッカリです。良識派と勝手に思い込んでいた元岩手県知事である増田寛也委員長にも裏切られた気分です。作業部会は良識ある公正なメンバーで構成されているのでしょうか。

 さて、基本方針骨子案について反論していきます。

1 高レベル放射性廃棄物の処分は、現世代が将来世代に先送りせず、地層処分を進める。

(反論1) 地層処分(ものぐさ 地層処分 楠戸伊緒里氏の資料より)が前提になっていますが、これについて、各方面の有識者が警鐘を鳴らしています。日本のあらゆる場所に活断層が分布していること(注1)。地震多発国であること。降水量が多く、処分施設と地下水の接触が否定できないこと。放射性廃棄物が無毒化するまでに10万年もかかること。日本の地層はあまりにも若く、軟弱であること。これらを考慮すれば、地層処分は危険極まりないことになります。

(反論2) 最終処分場が決定しているフィンランドのオンカロ施設は片麻岩と呼ばれる硬く安定した地盤が広がっており、岩盤の割れ目などを調べたところ、10億年以上大地震や火山活動が起きていないと言われています。一般的に欧米の地質は、各地質の1ユニットが広く分布し、断層が少なく地質構造が単調で、安定した大陸地塊を形成しています。一方、日本列島の地質は、赤色系統の花崗岩をはじめ、火山岩類および堆積岩類がモザイク模様をなして複雑に分布し、多くの断層や活火山が存在します。西ヨーロッパ・北アメリカ東部の地形・地質は安定しているが、日本はとても不安定であるという大きな相違点が存在しています。

 その他、ドイツは以前に選んだ候補地が一昨年、白紙に戻り、米国でも地元の反対で最終処分場計画が中止に追い込まれ、フランスでも候補地で論争が続いています。地震のない地域にも関わらず、計画は進んでいません。地震国である日本では、地層処分など全くしてはいけない禁じ手です。余りにも不真面目です。あまりにも無謀です。

(反論3) 「将来世代に先送りしない方法が地層処分だ」と言っているが、本当でしょうか。「臭いものには蓋」との諺もあるが、まさに、「原発再稼働に目障りなものに蓋」をし、危険なものを地下に埋め、なかったことにしようとしているだけです。まさに、リスクを先送りしているのです。

2 処分地は国が科学的に適正の高い有望地を示し、国民や住民の理解、協力を得る。

(反論1) 日本のいたるところに活断層が走っています。また発見されていない活断層もあると言われています。こんな状況で有識者は「有望値は国土の7割もある」と言っています。科学的に有望地となる条件を示してください。

(反論2) 国民の理解、協力を得ると言っているが、本当でしょうか。再稼動に対する地元住民への説明会や「子ども・被災者支援法」作成過程における住民への説明状況をを見ればよく分かります。一方的かつ形だけの説明会で「住民の理解が得られた」と強弁するに決まっています。

(反論3) 地元住民の理解、協力を得るために政府ができることは、唯一、金で住民の頬を引っ叩くことくらいでしょう。金をくれるから、最終処分場を受け入れろと。まさに、原発建設のときと同じ光景です。

3 将来的に最終処分の政策や事業を変更できるようにする。最終処分施設閉鎖までの間は、廃棄物を搬出できるようにする。

(反論1) 高レベル放射性廃棄物を搬出できる構造とするとしているが、ポンペイの遺跡のように地震や噴火で施設が埋没し、搬出できなくなることも想定されます。地震で施設に亀裂が入り、地下水と高レベル放射性廃棄物が接触することも想定できます。マグマの噴火で施設そのものが吹き飛ぶことはないでしょうか。仮に、搬出できたとしても、その廃棄物を受け入れてくれる地域はありません。野ざらしになるのです。

4 使用済み核燃料を再処理せず直接処分する方法の調査研究を進める。

(反論1) プルサーマル発電となる大間原発や「もんじゅ」が稼動しなければ、「高レベル放射性廃棄物」は産まれません。核燃料サイクルを進めるからこそ「高レベル放射性廃棄物」の地層処分が必要になるのです。使用済み核燃料を再処理しない場合と、再処理して核燃料サイクルを推し進める場合を想定しています。世論をかわすために2つの方法を列挙しているのでしょうか。

5 使用済み核燃料の貯蔵能力拡大を進める。

(反論1) 原発敷地内の使用済み核燃料プールは、平均6~7年で満杯となり、原発は停止します。原発再稼動を押し進めるためにも「貯蔵能力拡大」を進めると宣言しているのです。貯蔵能力を拡大し、永久に運転し続けるのでしょうか。

(反論2) 日本学術会議は、「原子力発電をめぐる大局的方針政策についての国民的合意を得る努力を十分に行わないままに、最終処分地選定という個別的な問題が先行している。広範な国民が納得するような大局的方針を示すことが不可欠であり、それには暫定保管と総量管理の2つを柱に原発政策を再構築することが不可欠である。」と指摘しています。「暫定保管」とは、回収可能性を備えた形で、安全性に厳重な配慮をしつつ保管することです。また、日本学術会議は、50年間地上で保管することについても提言しています(ものぐさ 日本学術会議 核のゴミは「暫定保管」と「総量管理」で)。

 「地層処分」でありきで、問題があった場合に搬出を可能とするとした今回の基本方針とは、全く異なります。

 次に、「総量管理」の概念にも及んでいます。その意味するところは「総量の上限の確定」と「総量の増分の抑制」です。

 「原発を永久に運転し、高レベル廃棄物を出し続け、発生した核のゴミは際限なく地層に埋めていきます」と言う政府の方針では、国民は地層処分の受け入れに協力するはずもありません。

6 電力会社が配電地区ごとに暫定保管施設を少なくとも一箇所設置する。

(反論1) 是非、東京のど真ん中に最終処分場を作って頂きたい。なぜなら、東京の人たちが原発で発電した電気を最も多く使っているのですから。10万年も安全だと政府は言っているのです。勇気がありますか。

(注1) 現在、日本全国で約2,000以上の活断層が確認されています。今後、地下に隠れていて地表に現れていない「活断層」も見つかり、その数は増加していくと言われています。

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