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2015年2月27日 (金)

最終処分場選定 基本方針案

 2/17、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定手順案が基本方針と言う形で明らかになりました。

 政府の思惑に沿った基本方針で、日本学術会議の提言は無視されています(ものぐさ 日本学術会議 核のゴミは「暫定保管」と「総量管理」で)。結論から言うとガッカリです。良識派と勝手に思い込んでいた元岩手県知事である増田寛也委員長にも裏切られた気分です。作業部会は良識ある公正なメンバーで構成されているのでしょうか。

 さて、基本方針骨子案について反論していきます。

1 高レベル放射性廃棄物の処分は、現世代が将来世代に先送りせず、地層処分を進める。

(反論1) 地層処分(ものぐさ 地層処分 楠戸伊緒里氏の資料より)が前提になっていますが、これについて、各方面の有識者が警鐘を鳴らしています。日本のあらゆる場所に活断層が分布していること(注1)。地震多発国であること。降水量が多く、処分施設と地下水の接触が否定できないこと。放射性廃棄物が無毒化するまでに10万年もかかること。日本の地層はあまりにも若く、軟弱であること。これらを考慮すれば、地層処分は危険極まりないことになります。

(反論2) 最終処分場が決定しているフィンランドのオンカロ施設は片麻岩と呼ばれる硬く安定した地盤が広がっており、岩盤の割れ目などを調べたところ、10億年以上大地震や火山活動が起きていないと言われています。一般的に欧米の地質は、各地質の1ユニットが広く分布し、断層が少なく地質構造が単調で、安定した大陸地塊を形成しています。一方、日本列島の地質は、赤色系統の花崗岩をはじめ、火山岩類および堆積岩類がモザイク模様をなして複雑に分布し、多くの断層や活火山が存在します。西ヨーロッパ・北アメリカ東部の地形・地質は安定しているが、日本はとても不安定であるという大きな相違点が存在しています。

 その他、ドイツは以前に選んだ候補地が一昨年、白紙に戻り、米国でも地元の反対で最終処分場計画が中止に追い込まれ、フランスでも候補地で論争が続いています。地震のない地域にも関わらず、計画は進んでいません。地震国である日本では、地層処分など全くしてはいけない禁じ手です。余りにも不真面目です。あまりにも無謀です。

(反論3) 「将来世代に先送りしない方法が地層処分だ」と言っているが、本当でしょうか。「臭いものには蓋」との諺もあるが、まさに、「原発再稼働に目障りなものに蓋」をし、危険なものを地下に埋め、なかったことにしようとしているだけです。まさに、リスクを先送りしているのです。

2 処分地は国が科学的に適正の高い有望地を示し、国民や住民の理解、協力を得る。

(反論1) 日本のいたるところに活断層が走っています。また発見されていない活断層もあると言われています。こんな状況で有識者は「有望値は国土の7割もある」と言っています。科学的に有望地となる条件を示してください。

(反論2) 国民の理解、協力を得ると言っているが、本当でしょうか。再稼動に対する地元住民への説明会や「子ども・被災者支援法」作成過程における住民への説明状況をを見ればよく分かります。一方的かつ形だけの説明会で「住民の理解が得られた」と強弁するに決まっています。

(反論3) 地元住民の理解、協力を得るために政府ができることは、唯一、金で住民の頬を引っ叩くことくらいでしょう。金をくれるから、最終処分場を受け入れろと。まさに、原発建設のときと同じ光景です。

3 将来的に最終処分の政策や事業を変更できるようにする。最終処分施設閉鎖までの間は、廃棄物を搬出できるようにする。

(反論1) 高レベル放射性廃棄物を搬出できる構造とするとしているが、ポンペイの遺跡のように地震や噴火で施設が埋没し、搬出できなくなることも想定されます。地震で施設に亀裂が入り、地下水と高レベル放射性廃棄物が接触することも想定できます。マグマの噴火で施設そのものが吹き飛ぶことはないでしょうか。仮に、搬出できたとしても、その廃棄物を受け入れてくれる地域はありません。野ざらしになるのです。

4 使用済み核燃料を再処理せず直接処分する方法の調査研究を進める。

(反論1) プルサーマル発電となる大間原発や「もんじゅ」が稼動しなければ、「高レベル放射性廃棄物」は産まれません。核燃料サイクルを進めるからこそ「高レベル放射性廃棄物」の地層処分が必要になるのです。使用済み核燃料を再処理しない場合と、再処理して核燃料サイクルを推し進める場合を想定しています。世論をかわすために2つの方法を列挙しているのでしょうか。

5 使用済み核燃料の貯蔵能力拡大を進める。

(反論1) 原発敷地内の使用済み核燃料プールは、平均6~7年で満杯となり、原発は停止します。原発再稼動を押し進めるためにも「貯蔵能力拡大」を進めると宣言しているのです。貯蔵能力を拡大し、永久に運転し続けるのでしょうか。

(反論2) 日本学術会議は、「原子力発電をめぐる大局的方針政策についての国民的合意を得る努力を十分に行わないままに、最終処分地選定という個別的な問題が先行している。広範な国民が納得するような大局的方針を示すことが不可欠であり、それには暫定保管と総量管理の2つを柱に原発政策を再構築することが不可欠である。」と指摘しています。「暫定保管」とは、回収可能性を備えた形で、安全性に厳重な配慮をしつつ保管することです。また、日本学術会議は、50年間地上で保管することについても提言しています(ものぐさ 日本学術会議 核のゴミは「暫定保管」と「総量管理」で)。

 「地層処分」でありきで、問題があった場合に搬出を可能とするとした今回の基本方針とは、全く異なります。

 次に、「総量管理」の概念にも及んでいます。その意味するところは「総量の上限の確定」と「総量の増分の抑制」です。

 「原発を永久に運転し、高レベル廃棄物を出し続け、発生した核のゴミは際限なく地層に埋めていきます」と言う政府の方針では、国民は地層処分の受け入れに協力するはずもありません。

6 電力会社が配電地区ごとに暫定保管施設を少なくとも一箇所設置する。

(反論1) 是非、東京のど真ん中に最終処分場を作って頂きたい。なぜなら、東京の人たちが原発で発電した電気を最も多く使っているのですから。10万年も安全だと政府は言っているのです。勇気がありますか。

(注1) 現在、日本全国で約2,000以上の活断層が確認されています。今後、地下に隠れていて地表に現れていない「活断層」も見つかり、その数は増加していくと言われています。

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