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2015年7月20日 (月)

浜岡原発訴訟 傍聴記(水蒸気爆発等) その14

 7/16、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第20回口頭弁論を傍聴しました。前回に続き15回目の傍聴となります。

 午前10時5分までに裁判所に集合し、行列に並びました。定員オーバーした場合には抽選です。一般傍聴席40人程度に対し、希望者は15人。全員が入廷できました。

 向かって左に原告、右が被告(中電)です。原告側29人程度、被告側17人程度、記者は9人でした。10時30分開廷です。

 原告は準備書面28を提出し、その要旨を説明しました。10時42分閉廷です。

 記者会見で原告が配布した準備書面28の概略を記します。

 被告は1/19に提出した準備書面15において、原告の提出した準備書面に対して次のように反論しています。

 ① 水蒸気爆発は、種々の条件が揃った場合に、複雑な過程を経て初めて発生する現象であり起りにくい。

 ② 全交流電源喪失及び炉心損傷を防止する対策は講じられている。

 準備書面28はこれに対する反論です。

 ①の主張に対して、原告は以下のように反論しています。

 ・ 1935年から1965年までに国内で262件の水蒸気爆発があり、死者80名、800名以上の重軽傷者が出ている(ものぐさ 浜岡原発(ABRW型)は水蒸気爆発の可能性あり)。

 ・ 原子炉の分野でも水蒸気爆発が起きている。

 ・ 溶融した炉心材料と、大量の冷却水が接触する可能性があり、水蒸気爆発の可能性は除外できない。

 ・ 水蒸気爆発を引き起こすトリガーは①のように何らかのモデルで判断できるものではない。外部トリガーだけに限られるものではない。

 ・ 軽水炉の条件では、自発的蒸気爆発が起りにくい条件でも、圧力波などの外部トリガーが加えられると、蒸気爆発が起きることがある。

 ・ 鹿島コンビナートでは1300℃の溶融マンガンが冷却水と接触し、水蒸気爆発が起きた。溶融燃料は1900~2500℃にも達し、自然界で存在するのはマグマしかない。どのような発生機序で水蒸気爆発が起きるのか分からない。

 ・ フェイルセーフ(注1)の観点からは水蒸気爆発を想定・考慮すべきである。

 ・ 原発は、制御棒を挿入しても止まらないので、冷却を続けなければならなず、フェールセーフは確保されてない。

 ②の主張に対して、原告は以下のように反論しています。

 ・ 「フェイルセーフの観点からは水蒸気爆発を想定・考慮すべき」と原告が主張しているのに対し、被告は「多重の安全対策(フォールトトレランス 注2)で事足りる」と主張している。議論のすり替えである。

 <今後の裁判進行>

 ・ 争点整理に入るのには4~6ヶ月必要と被告は言うが、引き伸ばし作戦だ。

 ・ テーマ毎(地震、津波等)にディスカッションすることも可能だ。

 ・ 再稼動申請しており、争点整理に入れないということは理解できない。

 「炉心冷却注水機能や除熱機能の多重性・多様性により、炉心損傷に陥る危険については想定する必要はない」、「水蒸気爆発は起こりにくい」と被告は主張しているが、上記に見るように、水蒸気爆発の可能性は否定しがたい。被告に都合の良いように考える、新たな安全神話に他ならない。フェイルセーフの必要性を多重の安全対策にすり替えている。

 次回、9月15日(火)午前10時30分。

 次々回、11月26日(木)午前10時30分。

 その次、2月4日(木) 午前10時30分

(注1) 機械等に事故が起きた際、機械を安全側に導くという設計思想。

(注2) 確率論が低ければ良しとする立場。万が一にも起きてはいけないものに適用してはいけない。

 

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